いくつかあり、例えば「3」と「5」を合わせて「珊瑚の日」ですとか、1931年3月5日に、日本で初めてスチュワーデスの採用試験結果が発表されたことから「スチュワーデスの日」などが挙げられますが、他に、1年を24に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)の三つ目「啓蟄(けいちつ)」の日があります。
台湾にも日本にも存在する「春の訪れを知らせてくれる日」とされ、「啓蟄」といいます。「啓」には「開く、開放する」という意味が、「蝮(まむし)」を表す象形文字であった「蟄」は「虫などが土の中に隠れて閉じこもる」という意味があります。
一方で台湾をはじめとした中華圏では少し違った書き方「驚蟄(jīngzhé)」と呼ばれています。
ではなぜ日本語と中国語では一文字目が違う漢字なのでしょうか?
実は「二十四節気」が作られた中国と大きく関係があります。台湾、日本などで使用されている「二十四節気」は、紀元前4世紀、戦国時代の中国で発明された、四季・気候などの視点で地球上の一年を仕分ける暦です。中国の農耕文化から生まれた先人たちの知恵の結晶とも言え、2016年には国際連合の専門機関のひとつであるユネスコにより世界無形文化遺産に認定されています。
そんな「二十四節気」の三つ目の「啓蟄(けいちつ)」、古代中国の周王朝時代に生まれた古い言葉です。その時は今の日本と同じ字「啓」を使っていました。しかしその後の漢王朝時代に、当時の皇帝の実名が「啓」と書くものであったため、漢王朝ではこの字を使うことが憚(はばか)られ、代わりに意味が近く、春の雷に驚かされ目を覚ますという意味合いも込めて「驚」の字に替えられました。現在の中華圏ではその名残りから「驚」の字を使っているのです。
ただ現在の日本でいまだに、変更される前の字が使われている理由は、この字が中国で使われている間に二十四節気が日本に伝わったためだとされています。二十四節気のうちで日本と中華圏で名称が異なるのはこの「啓蟄」だけです。
しかしどちらの漢字を使っても、「暖かくなり、春の雷が鳴り始め、冬眠中の虫が驚き這い出てくる」ことを意味するのには変わりないため、春の訪れを知らせる日とされています。
また、台湾では、田植えの最盛期がこの啓蟄の頃であるため、「啓蟄」の日に雷が鳴れば、今後、雨に恵まれ、穀物やお米が豊作になるとも言われています。ただ、「啓蟄」の日よりも前に雷が鳴れば、降水量が多く、洪水になる可能性が、後に雷が鳴れば、干ばつになる日が訪れる可能性があるとも言われています。
実は台湾と日本で日にちが少し異なり、台湾では毎年、3月5日、或いは明日6日、日本では、毎年多少のずれがあり、3月5日ごろから次の節気「春分の日」までの間のおよそ15日間を指します。春分を迎えると昼と夜の長さが等しくなり、その後は昼間の時間が夜より長くなり夏を迎えるのです。
今年は台湾では今日(3月5日)に当たりますが、日本では3月5日(水)日から~3月19日(水)までの期間となります。
日本の農林水産省に当たる農業部は、「啓蟄」を迎えるこの時期に害虫を防ぐための風習を2つ紹介しています。
一つは、春を迎え初めて雷が鳴った際に衣服を揺らすこと。
こうすることで一年を通し、シラミやノミが家に侵入するのを防げるとされてきたそう。
二つ目は、「啓蟄」の日に家の外に石灰を撒くこと。一年を通して虫が家に侵入するのを抑えられるとされてきたそうです。
では今週は、台湾に関する豆知識をもう一つご紹介しますよ!
先ほど春の訪れを知らせる「啓蟄」の日についてご紹介しましたが、私が季節に限らず一年中好きな飲み物の一つに「牛乳」があります。
という事で台湾の牛乳について私が先日感じたことに基づいてご紹介していきます。
先週の放送の中で、台湾東部・花蓮県の瑞穂郷に行ってきたことについて話しましたが、その際、台湾全土で売られている牛乳「瑞穂牛乳」を生産する「瑞穂牧場」に行ってきました。台湾へ行ったことのある方は台湾のコンビニやスーパーで見かけたこと、もしくは実際に飲んだことのあるであろう「瑞穂牛乳」のパックには、「瑞穂牛乳」を意味する「瑞穂新乳」と大きく書かれた商品で、全土のお店で必ずと言ってもいいほど売られていますが、私は瑞穂牧場でこの牛乳の搾りたてを飲んでとても感動しました。
私の地元北海道で飲む牛乳に引けを取らないほど濃厚でした。
というのも、日本もそうですが市販の牛乳は「ホモジナイズ加工」と呼ばれる、生乳に強い圧力をかけ、含まれる成分を細かく砕き均一化することで舌触りをなめらかにし、品質を安定させる過程を経ています。
しかし今回私が飲んだのはその日の早朝に絞ったものであるため、この過程を経ておらず、まだ脂肪球が浮いており、味が濃く感じたのです。この均質化していない牛乳のことを「ノンホモ牛乳」といいます。
一度味わえばこのためにもう一度訪れてもいいと思ったほどで、安全に味わえる搾りたて牛乳を提供できる技術とそこで働く人々に感謝しました。
ただ、「ノンホモ牛乳」に含まれる脂肪球は大きく、多くの人は消化が困難なため、お腹を壊す場合もあります。実際私は一杯飲んだだけでお腹がグルグルするのを感じました。
台湾で市販のものを飲んでもならないので、それほど新鮮な牛乳だということを実感しました。
もし牛乳好きでお腹の弱くない方は、瑞穂牧場で味わってみること、お勧めします!可愛い牛ちゃんも見られますよ!