今回は「誤嚥性肺炎を往診でみる」というテーマでお話しします。
まず、在宅で誤嚥性肺炎を診療する機会がどのくらいあるかについてです。時期によって変動はありますが、年間を通して見ると、私の診療所では「誤嚥性肺炎」の病名がついている人はおよそ30人ほどの患者さんを診ています。
肺炎は自宅で治療することができるのか?
開業当初、私は酸素化次第であると考えていました。血中酸素飽和度(SpO2)が一定の数値を保てなければ、在宅での診療は難しいだろうと判断することが多かったのです。しかし、経験を重ねるうちに考えは変わりました。在宅酸素療法を導入することで状態が安定するケースも多く、また、酸素濃度は変動しやすいため、一時的に数値が悪いからといって、それが直ちに入院を決定づける要因とはならないことが分かってきました。現在、私が最も重視しているのは、喀痰の量と、それに対応できる介護力です。具体的には、患者様の喀痰量に対して、ご家族や介護スタッフが適切に喀痰吸引を行えるだけの十分な時間と体力・気力、そして体制が整っているかどうかです。この介護力が確保されているかどうかが、在宅療養を継続できるか、あるいは入院が必要かを判断する上で、ほぼ決定的な要因になると考えています。