「衛星コンステレーションに新たな課題? “意図的ではない電磁放射”を電波望遠鏡が捉えた」 SKA天文台のFederico Di Vrunoさんを筆頭とする研究チームは、大規模な衛星コンステレーションの“意図的ではない電磁放射”、簡単に表現すれば“漏洩した電波”に関する研究成果を発表しました。衛星コンステレーションは大量の人工衛星からの反射光がもたらす光学観測への影響が以前から懸念されていますが、研究チームは人工衛星からの非意図的な電磁放射が規制の対象外となっていることを憂慮し、光学観測だけでなく電波観測についても影響を軽減するための対策が必要だと訴えています。【▲ LOFARの上空を通過する大規模な衛星コンステレーションのイメージ図(Credit: Daniëlle Futselaar)】研究チームは2022年4月に電波望遠鏡「LOFAR(Low Frequency Array)」を使用して、衛星ブロードバンド「Starlink(スターリンク)」のサービスを提供するためにスペースXが運用しているスターリンク衛星のうち68機を対象とした1時間の観測を実施しました。オランダ電波天文学研究所(ASTRON)が運用するLOFARは複数の電波望遠鏡を連動させて単一の電波望遠鏡として機能させる電波干渉計で、オランダを中心とした欧州各地に観測局が設置されており、低周波の電波観測に用いられています。