【前半】
「老朽原発を動かしながら武器爆買いの日本」小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)電話インタビュー
小出裕章さんは、原子力の研究者でありながら、女川原発の建設反対運動を機に、原発の本質が「人類にとって圧倒的に差別的で危険な装置」であると確信し、以来、一貫して反原発運動に尽力されてきました。
3.11福島第一原発事故の遥か以前から原発の危険性に警鐘を鳴らし続けてきた第一人者です。
京都大学退官後も信州松本の自然の中に暮らしながら、精力的に情報発信を続けておられます。
今回小出さんにはまず、過去に5人の死者を出したにもかかわらず再び同系統の事故を起こした、関西電力美浜原発3号機の蒸気漏れについて伺います。
なぜ教訓は活かされなかったのか。
「原子力マフィア(原子力村)」の利権にまみれた儲け第一主義には、ただただ呆れるばかりだと小出さんは指摘します。
実際、中部電力ではデータ偽装が発覚。
浜岡原発などはデータ偽装なしには動かせない原発なのだといいます。
日本は40年を超える老朽原発の稼働を解禁しましたが、安全保障の要たる電力会社の企業倫理がすでに崩壊している中、この国は危険極まりない状態に陥っています。
一方、高市政権は中国や北朝鮮の脅威を煽り、安全保障を名目に武器の爆買いを続けていますが、最大の脅威は日本海側にも乱立する原発そのものであるはずです。
安全保障を語るなら、真っ先にそれらを止め、廃炉にすべきではないでしょうか。
ならば、平和憲法の下で本当の安全保障を手繰り寄せるために、私たちに何ができるのでしょうか。
小出さんは重い言葉を投げかけます。
「どういう国、どういう社会を作るかは、未来を見通すなら、原発は最悪で、もっと(エネルギーも)『分散型』でないと。
そして社会自体も『分散型』にしないとなりません」・・この言葉は、単なる地産地消の再生可能エネルギーへの期待だけを意味するのではないと思います。
福島に対する東京のように「富の集中が地方の犠牲を生む構造」、そして貧富の差で弱い立場の労働者を切り捨てる「格差社会」への強い警鐘だと思うのです。
権力の集中を排し、地域や人々の主体的な「調和」のなかにこそ本当の平和が導かれる――。
前半では、小出さんとともにこれからの日本の平和についてじっくりと考えます。
【後半】
世界の紛争地レポート「なぜ中東で戦争が終わらないのか」西谷文和(フリージャーナリスト)による報告と解説
番組後半は、西谷文和による世界の紛争地レポートです。
今回は新著『なぜ中東で戦争が終わらないのか』にしたためた戦地からの報告に、最新情報を交えてお伝えします。
泥沼化するイスラエル・ガザ戦争について、西谷は「ネタニヤフの保身のための自作自演の戦争」と断言します。
そして、AIによって高度にIT化した殺人兵器と、国家機密情報から市民のプライバシーまですべてを丸裸にする情報スパイ技術の進化が、戦闘をさらに泥沼化させていると指摘します。
今、世界は戦争と温暖化という大きな危機に直面していますが、戦闘機が莫大な燃料を燃やし、爆撃によって国々が炎上する、その「戦争」こそが地球温暖化の一番の元凶であるとも訴えます。
今回もイスラエルへ3度取材に赴いたフリージャーナリストとしての「虫の目」で、ニュース映像だけでは伝わらない戦争のリアルを本人の言葉で語ります。西谷が最後に掲げたキーワード、「積極的平和外交」。リスナーの皆様それぞれの思いで受け取っていただければ幸いです。
2本の特集で綴る「路上のラジオ」第296回、最後までどうぞごゆっくりお付き合いください。
<番組でご紹介しました西谷文和の新著>
「なぜ中東で戦争が終わらないのか~イラン、イスラエル、パレスチナ、シリアの今~」
西谷文和・著(かもがわ出版)本体価格1,800円+税
https://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/na/1438.html
00:03 前枠 TM~
06:07 前半 Jingle~(小出裕章さん電話インタビュー)
28:27 後半 Jingle~(西谷ひとり語り)
56:39 後枠 ETM~
58:30 アナ尻
60:00 曲尻 ~F.O