少し聞き取りづらいですが、この音楽、何の歌か、お分かりになりますか。そうです、「激安の殿堂」のキャッチフレーズでおなじみの総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」のあのテーマソングです。ただ、今、聞いていただいたのは、標準中国語版、日本のものとは歌詞が違うんです。
このドン・キホーテ、先月の19日、北部・台北市の繁華街、台湾の原宿とも呼ばれる西門町(せいもんちょう)に、「DON DON DONKI」という店名で、台湾一号店がオープンしました。
様々なジャンルの商品を所狭しと並べ格安価格で販売するドン・キホーテ、24時間営業、低価格、そして品揃えの良さもあり、訪日台湾観光客、特に若者の人気を集め、「爆買い」の定番スポットでした。そのドン・キホーテが台湾へ上陸するというニュースは、昨年から大きな話題となっており、先月19日の開店直後には、なんと5時間待ちの行列ができたんです。
本日の「ようこそT-ROOMへ」では、1月19日に開店したドン・キホーテの台湾1号店「DON DON DONKI」について、私、駒田が実際に買い物をした感想も交えて、ご紹介いたしましょう。
1989年、東京都郊外の府中市に1号店を出店したドン・キホーテは2017年、シンガポールに海外初となる店舗を出店、その後、タイ、香港などにも進出、現在、国内外の総店舗数は600店舗以上に達しています。
この度開店した台湾1号店は、商業ビルの1階から3階部分に入居、店舗の総面積は500坪となっています。
扱い商品は、台湾の人々に人気の日本のスナック菓子、調味料、即席麺などの加工食品、化粧品、生活雑貨のほか、日本から直送の食肉、鮮魚、果物などの生鮮食品、その扱い品目数はなんと4万点に達します。スナック菓子だけでも2000以上ということです。全体の9割以上の商品が日本からの輸入品ということで、関税が掛かることによる本来の「激安」という強みが失われるのではないか、という声もありますが、全体の3割の商品は、マーケットの最安値価格だということです。また、台湾では初めて販売されるという同社のプライベートブランド、「情熱商品」も全体の3割を占めます。
なお、同社では、消費者が買い物をする際、毎回、目新しさを感じてもらえるよう、2週間に一度、新たな商品を入荷していく、ということです。
さて、わたくし駒田は先日、このドン・キホーテ台湾1号店、「DON DON DONKI」に行ってまいりました。
台湾では1月中旬、新型コロナウイルスの院内感染が発生、その後、病院関係者やその家族などで市中感染が確認されたことから、各種大型イベントが中止や延期となり、緊張感も高まっています。
ちょうど開店が、市中感染が確認されたタイミングと重なった事もあり、開店直後に長蛇の列ができた際は、台湾における新型コロナウイルス対策本部、中央感染症指揮センターからの指導も入りましたが、同社では、店内でのマスク着用を義務付けたほか、店内1階から3階までの人数を250人以下、店外の行列についても200人までに制限、仮に行列が200人以上になった際には、予定の入場時間がかかれた使い捨てリストバンドを配るなど、感染防止リスクの軽減の為の対策をとりました。
私が訪問したのは平日の午前11時過ぎでしたが、50人ほどの行列が出来ていました。行列用のレーンは道を塞がないよう、店舗を取り巻くような形で出来ていたほか、密にならぬよう、地面には、約1メートルの間隔で、足跡マークのシールが貼られていました。
そして、店外では、おなじみのドン・キホーテのテーマソングが流れていました。台湾で流れているものは冒頭でご紹介した標準中国語版と、英語版のようです。
およそ10分ほど待って入店、入店時には検温と、アルコール消毒がありました。入店するとまずエスカレーターで一気に3階まで上がり、2階、レジのある1階へと買い物をしながら下がっていきます。
商品ポップの字体、レンガ模様の壁紙、そして、ペンギンのキャラクターなど、内装、雰囲気は日本のドン・キホーテほぼそのまま、日本に戻ってきたような錯覚を覚えました。
3階の入り口左にあるモニターでは、日本のテレビ局の特集番組に、中国語の字幕をつけた会社紹介の映像が流れていました。
3階で販売されているのは、化粧品、美容グッズ、加工食品、スナック菓子、おもちゃ、日用品、生活雑貨など。とにかく、よくここまで集めたなと驚かされるほど日本からの輸入商品ばかりでした。スナック菓子や即席麺の品揃えもさる事ながら、ダシや調味料、レトルト食品、さらにはお酒ですと焼酎や梅酒の種類の豊富さが目を引きました。私は手頃な値段だった調理用の手鍋を購入しました。
2階に降りると、創業者の方の声でしょうか、日本語の「いらっしゃませ」という声で迎えられます。2階では、日本から直送という食肉、鮮魚、野菜、果物などの生鮮食品のほか、チルド及び冷凍食品、酒、珍味、そして、握り寿司、惣菜コーナーでは、唐揚げや餃子、丼ものなどのお弁当も売られています。まるで、日本のスーパーマーケットの売り場をそのまま台湾に持ち込んだという雰囲気でした。
熊本産の牛肉、鹿児島産のブリ、そして、いちごやマスカットなど日本の各地の果物などを味わってみたいと思いましたが、私はひきわり納豆10食入りの冷凍パックを購入しました。
そして、1階はセール品とレジのコーナーとなっています。レジを済ませて店外に出ると、左右には、串焼き、おでん、お好み焼き、焼き芋、焼きりんごなど、日本の味をテイクアウトできるお店が並んでいました。
見学を兼ね、一時間近くゆっくり時間をかけ買い物をしましたが、私の正直な感想は「大満足」でした。台湾の人の中には、決して「激安」ではなかったと、値段の高さを指摘する人、台湾の薬事法の関係から日本製の薬が販売されていなかった事など、品揃えに落胆した人もいたようですが、24時間営業で、かつ一つの場所にここまで多くの日本の商品、食品を集めた店はこれまで台湾にはありませんでした。新型コロナウイルスにより、日本へ自由に行き来ができない今、確実に需要はあると思います。
一方、私もそうですが、見るだけで満足し、商品はそれほど購入しなかったという人も多そうではありました。台湾での経営を安定させて行くためには、他のお店との差別化を図りながら、より生活に密着した品揃えにしていく、という難題をクリアしなければならないかもしれません。
ともあれ、台湾の流通市場に非常にユニークなディスカウントストアが誕生したことは確かです。ドンキ旋風による、どのような化学変化が起きるのか、今後が楽しみです。