2022年2月2日(水)放送分
担当は上地和夫さんです。
琉球新報の記事から紹介します。
沖縄戦から77年がたち、
首里城地下の日本軍第32軍司令部壕の
保存・公開の検討が進められるなど、
戦争遺跡の保存・活用への機運が高まっています。
自治体は安全上の理由から
閉鎖や埋め戻しを急いでいますが、
地権者や開発、予算などの兼ね合いで
保存や活用が難しい部分もあります。
那覇市は壕のある地域の同意を得た上で
埋め戻しましたが、
全ての壕で歴史的な調査を実施し、
意義を説明した上で同意を得たかは
明らかではなく、
グスク研究所主宰の當眞嗣一氏は
県全体の議論も進まず
自治体任せになっていると指摘します。
県内の市町村によっては、国の一括交付金で
戦争遺跡を文化財に指定したり、
整備して活用したりする動きもありますが、
戦争遺跡に対する自治体の考え方によって
方向性や取り組みに温度差が
生じているようにも見えます。
壕やガマに入り、沖縄戦を追体験することは
「ガマの教育力」として注目されてきましたが、
戦争がさらに遠い世代となり、
太平洋戦争末期に沖縄で地上戦があったことさえ
知らない子どもが増えているということで、
関係者は
「『風化』という言葉さえ風化している」
と話します。
地元にある戦争遺跡をどのように保存・活用するのか、
取り組む必要があります。