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毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ経営塾』。起業家の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。
今回は、子育てをしながら経営者としても活躍されている、株式会社ミライLABO代表の白井智子さんをお迎えしています。子育てと経営の共通点から、なぜ女性が経営に向いているのか、そしてこどもと会社の育て方についてお伝えしています。
こちらの音声は、Podcastよりお聴きいただけます。
動画は、下記YouTubeよりご覧いただけます。
中田:今日は素敵なゲストにお越しいただいています。株式会社ミライLABO代表の白井智子さんです。女性経営者で、今子育てもされています。“世界をもっとカラフルに”というミッション、“こどもたち一人一人の可能性を信じ応援する”という志のもと、渋谷区内で保育所の経営や多くのプロジェクトを運営されています。
白井さん、ようこそおいでくださいました。よろしくお願いします。
坂本:白井さんよろしくお願いします。まず、白井さんがどのようなお仕事をされているのか、自己紹介も兼ねてお話しいただきたいと思います。
白井:株式会社ミライLABO代表をしております白井智子と申します。本日はよろしくお願いします。
私は渋谷区で認可外の保育所と小学生向けの生きる力を育むオンラインスクールを経営しております。今5期目を迎え、これまでリアルで約3000組、オンラインで約3500組の親子の方と一緒に過ごしています。
坂本:今日のテーマが“女性経営者が語る「子育てと経営の3つの共通点」”ということで、白井さんはご自身も子育てをしながら、仕事でも託児所やこどもの教育というところで子育てに関わっていますし、経営者としても経験を積まれて活動されていらっしゃいます。
女性でこれから起業したいとか、起業したけれどここからどうしていこうかという方も結構いらっしゃいます。女性目線で、子育てと経営のどんなところに共通点があるかをお話しいただけたらと思います。
白井:子育てをしながら経営をしているってすごいですね、とよく言われますが、私は女性だからこそ実は経営に向いている、子育てを経験したことがある方は経営もできる、といつも言っています。
まず1つ目の共通点について、子育てというと旦那さんや、どちらかのご両親が手伝ってくれる方もいらっしゃると思いますが、日本の場合はほとんどの家庭でお母さんが一人で子育てをしている、いわゆるワンオペ育児が多いと言われています。そこで、あれもこれもやらなきゃいけない、そっちをやっている間にこっちのことも進んでいて、ということがよくあると思います。実は子育てをしているということはものすごいことで、20年間で約2000万円のコストがかかるプロジェクトを、新卒1年目の子に1人で任せているようなものです。経理もやります、いろんな方針も決めます、自分も新卒1年目なのに人材育成もやります、24時間営業です、交代スタッフはいません、食事を作ってください、食事の買い出しも行ってください、というそんなブラック企業ありますかということです。でも、お母さんたちはそれをやっています。文字通り自分の命を削ってやっていると思いますが、なぜかそれができちゃうんですよね。
これは経営でも全く同じだと思っています。次から次へとやらないといけないことが膨大にあって、気が付くとやれてしまっているというか、やらないといけないのでやれるということですが。
だから共通点というと、とんでもないことを一人でやっているというところです。
白井:2つ目の共通点について、まず子供を育てるうえで大事なことが、信じて任せるしかないということです。
まだ小さいお子さんは、全てお母さんがやらなければいけないと思いますが、大きくなってきたら自然と手が離れてしまいます。
中田さんのお子さんはおいくつでしたっけ。
中田:大学生で21歳になります。
白井:もうそれくらいになると、お母さんの出る幕がないというか。その子がどんな風に頑張っているのか、どんな風に闘っているのか、お母さんが上司に言ってあげる、というわけにはいかないですよね。具合が悪いのね、じゃあお母さんが連絡するわ、というわけにはいかないですよね。信じて任せたうえで、どんどんチャレンジをさせてあげることです。
失敗が嫌だからチャレンジをしないという方が多いと思いますが、それではいつまでも成長はできません。子供たちにはとにかく挑戦をさせてあげる。いつまでもお母さんが抱っこして起こしてあげるわけにはいかないので、転んでも立ち上がれる子に育ててあげる。
仕事も一緒で、経営をしていく、会社を作る、事業を作るとなったら、失敗も想定の中に入れてとにかくまずはチャレンジをして、失敗からいかにリカバリーをしていくかということでしかないと思います。
チャレンジをして、いろいろな失敗をしないことには成長がないというところが会社経営と子育ては一緒だと思っています。
白井:最初に子育ても経営もどちらもすごく大変ですよねというお話はしましたが、もう一つの共通点は、一人でできると思わないことです。
まだ起業していないとか、ちょっと起業するのにためらっている方が私のところにも相談に来ます。その時に「いつまでたっても機は熟さないし、ここから60年経っても自分が完璧な人間になることはないと思いますよ」とお話をします。そしたら70歳になってから挑戦するのか、それとも30代40代のうちにチャレンジをしておくのか、と言ったらなるべく早い方がいいですよね。
チャレンジをする時に、全てを一人でやろうとしたらそれは失敗すると思います。一人で頑張らないといけないところはありますが、どんどん人に頼っていいと思います。得意な人に手伝ってもらって、その分相手の苦手なことを自分が手伝えれば、お互いに得意で支えあうことでいろいろなことがうまくいくと思います。私自身もそうやって何とかやってきた5年間です。
最初に紹介していただいた“世界をもっとカラフルに”というミッションにそのメッセージが込められています。自分の好きや得意で支えあうことができれば世界はもっとカラフルになっていくよね、多様性のある社会をこどもたちと一緒につくっていきましょう、という想いを込めてミッションを掲げています。
坂本:子育てと経営の両方をされてきているからこそのお話だと思いました。
禰覇さん今のお話を聞いていかがですか。
禰覇:勇気が湧いてくるなと思ったのと、女性こそ経営者に向いているという言葉が結構しっくりきました。子育てをする本能的な部分で、女性はマルチタスクができるといろいろな本にも書いてあって、実際にやってきたという経験談を聞けたので、本当にできるということを改めて実感しました。
坂本:女性だからこそできる部分があると思いますが、一人で全部をやると子育てもすごく大変だと思うので、その時に弱音を吐いて周りの人に助けを求められることは大事だと思います。
それは経営も一緒で、僕も昔は一人で全部をやらないといけない、自分は絶対的な存在でいないといけないと思っていました。今はできないことはできないとみんなに言うと、誰かが応援してくれて手伝ってくれるので、そこはすごく共通点を感じますね。
中田:私は子育ても終盤、育ってしまっていますが、共感しながらお話を聞いていました。
経営や会社を育てることとこどもを育てるという、“育てる”が共通のキーワードという部分で、チャレンジをして失敗することはこどもももちろん社員も恐怖心を伴うと思います。経営者様として、スタッフがチャレンジをして失敗した時に、どのようなフォローをされていらっしゃいますか。
白井:今、従業員は16人いますが、会社の中でクレドという5つの行動指針を大事にしています。
『愛情の土台をギフトします』『違いと対話を楽しみます』『ないものではなく今あるものに目を向けて感謝をします』『喜びを分かち合うことで笑顔の循環を生み出します』『今からまずは自分から始めます』
何かを決める時にも、どんな話し合いをする時にも、何をするにも必ずこのクレドに沿っているかどうかで判断をします。
挑戦をして失敗をした時に、こどもたちのためや親御さんたちのためであれば、その挑戦には必ず意味があります。うちの会社は失敗という考え方はなくて、挑戦の先には成長と成功しかないと言っています。若い子もいるので、いろいろ挑戦をしてやらかすときはやらかしますが、そういう時にはただ責める文化は作らないようにしているので、隠蔽が起こりません。やばいやってしまったという時にすぐに言ってくれるので、誰かしら何かしらのリカバリーができます。その時にこのクレドの読み合わせを大事にしているので誰も責める人はいません。
『今からまずは自分から始めます』というのは、他責ではなく自責の人間でいますということを優しい言い方で表しています。誰か一人がミスした時には、「ごめんなさい私がチェックしなかったから」とか「私も全然気づかなかった」とみんなでごめんなさいを言う文化です。これも子育てと一緒です。ごめんなさいと思った時にそれが出るのであって、ただ「ごめんなさいを言いなさい」と言うのも意味がないじゃないですか。
挑戦をしてもらわないことには会社が成長できないので、挑戦をして失敗した時に空気をどうやってつくっていくかは気を付けています。
例えばパートのママさんが、「こどもが熱を出しました、明日出勤できないかもしれないです」という時には、全員が見ているチャットに連絡をします。そこでまず上司の人は「大丈夫ですよ、お子さん大丈夫ですか、ママも看病大変だけど頑張ってね」という言葉を必ずかけることにしています。そうするとママさんの申し訳ないという気持ちが少しやわらぎます。メンバーの人たちにはとにかく自由にどんどん挑戦できるように、という空気感をつくっています。
坂本:隠蔽がおこらないように文化を作っていることがすごく大事だと思いました。組織や会社はお客様からのクレームやトラブルがあった時に、どうしても言いたくないし隠したくなるので、それをみんなでシェアして解決をしていることはすばらしいと思いました。
白井:これはお母さんの経営者だからあることだと思います。
坂本:お母さんはすぐに怒るイメージがありましたが、そうではないんですね。
白井:お母さんは怒るけれど、最終的にはハグをしてくれると思います。最後は守ってくれるというか、そこは大事にしていますね。結局、私自身が完璧な人間ではないということを痛感しているので、人のことは言えないというだけなんですけどね。
坂本:経営者が人を育てるうえで、信じて任せることも難しいと思いますが、白井さんは社員がうまくいかない時にどこまで我慢をするのか、ポイントを教えていただけますか。
白井:5年前に起業家として会社をおこして3,4人のチームでやっていましたが、それが今10人を超えて16人になった時に、会社のクレドやミッションが人格になり、みんなの目が自然とそう向いています。“智さんはそんなことは言わない”“智さんがそんな愚痴を言うはずがない”そういう目でスタッフが見てくれるので、私自身も経営者を演じている部分はあります。私たちのミッションはなんだっけということは誰よりも信じて疑わないように徹底しています。
80%の信頼はないと思っています。信頼は100%しかあり得ないと思うので、絶対に何があっても達成させるとか、絶対何があってもできるから大丈夫ということを誰かが一番大きな声で言ってあげる必要があります。
人間はそんなに強くないので、無理かもしれない、難しいかもと、心が折れる時はどうしてもあると思います。だからこそ私だけは何があっても曲げないところは貫いて、スタッフたちの行動一つ一つが本当にお客様のためだったのか、それとも自分のためにやったのか、というところをすごく厳しく見ます。どうしてその仕事を先にやらなかったのか、ということが起きた時にはその人を責めるよりは、あり方として本当にお客様を最優先に考えていたのかの問いかけはします。
坂本:つい人を責めてしまいがちですがそうではなくて、なぜそれが起こったのかという原因を見て、挑戦してちゃんとやったものは称賛していくことは本当に子育てにも通じるところだと思います。ありがとうございます。
中田:愛情あふれる企業理念、行動指針のもとに経営をされていることが伝わってきました。
最後に白井さんから皆さんにお知らせしたいことがあるということでお願いします。
白井:私たちこどもたちに一生モノの自己肯定感をプレゼントしようという“未来デザイン手帳”を発売しています。未来デザイン手帳と検索すると出てくると思います。大人の方が見てもいろいろな気づきがある手帳になっているのでぜひ検索してみてください。
中田:ありがとうございます。来週も引き続き、今ご案内があった未来デザイン手帳についても触れて、いろいろお話を伺いたいと思います。
本日は白井さん、坂本先生、禰覇さんありがとうございました。
白井・坂本・禰覇:ありがとうございました。
次回:【第97回】坂本憲彦のラジオ起業塾「女性経営者が語る「こどもたちの自己肯定感を育てるミライデザイン手帳」(株)ミライLABO白井智子社長」
毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ経営塾』。起業家の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。
今回は前回に引き続き、夫婦で共同経営をされている、マナビスタ株式会社代表取締役の金子佳久さん、弥生さんをお迎えしています。夫婦で会社経営をするに至った経緯や、継続していくためのポイント、夫婦で仕事をすることのメリット・デメリットをお伝えしています。
こちらの音声は、Podcastよりお聴きいただけます。
動画は、下記YouTubeよりご覧いただけます。
中田:今日も前回に引き続き、マナビスタ株式会社代表取締役の金子佳久様、弥生様をお迎えしております。よろしくお願いします。
金子(佳)(弥):よろしくお願いします。
坂本:今日も経営とパートナーシップについてお話いただきます。
個人事業の方でも経営者の方でも、一人事業からスタートすると、人手が足りなくなった時にご家族に手伝ってもらうことを悩まれると思います。ご家族を巻き込んだ方がいいのか、巻き込まない方がいいのか、いろいろあると思います。
そこで、お二人の経験から家族で経営をするメリット、デメリットをお話いただきたいと思います。よろしくお願いします。
金子(佳):私は結論から言うと、家族と一体となって経営を考えた方が得る物が大きいと思います。迷われている方がいたら一緒にやった方がいいと強くお伝えしたいと思います。
坂本:お二人は実際にご夫婦でやっていらっしゃいますが、やってみたメリットはどんなことですか。
金子(佳):まず、当たり前のことかもしれませんが、夫婦で一緒に過ごす時間が長くなることです。
愛する家族と一緒にいる時間が長くなりますので非常にいいと思います。裏を返すと、夫婦関係がよくないと地獄の時間になりますので、夫婦関係がいいことが大前提にはなると思います。
金子(弥):私は、言い訳がきかない、逃げ道がないことに良さがあると思います。
起業やビジネスは、自分でいくらでも甘くできるし楽もできます。でも、一番身近にいるパートナーにやろうと言っていることができていないと、言い訳がきかないので前に進める力になっています。
そして人間的に成長する実感があります。ぶつかり合うけれど、夫が怒っている事柄は私の責任でもあります。人間的にも磨いていかないとずっと喧嘩していることになってしまうので、ここで磨いているというメリットもあると思います。
金子(佳):夫婦なのでいい面だけを見せているわけではなく、自分の嫌な面や、だめな面も全部知っている相手ですから、距離感ゼロで正直なフィードバックがもらえることは、価値があると思います。
金子(弥):素晴らしいコーチがいるようなものですね。最も的確で、びしっと言ってくれるコーチが一番身近にいるということだと思います。
坂本:自分で起業をしたり経営をしていると、なかなか本音で言ってくれる人はいなくなりますから、ご夫婦でやっていると良くも悪くも本音でアドバイスをしてもらえるのは心強いと思います。
坂本:そもそもお二人は、初めからご夫婦で会社を立ち上げていくことを決めていらっしゃったんですか。
金子(佳):私はそういうものだと物心がついた時から思っていました。和菓子屋を夫婦で営む祖父母の家に生まれたので、仕事は夫婦でやるものだと自然に擦り込まれていました。
もちろん、世の中では必ずしもそれが当たり前ではないので、事業を始めた時に家族を巻き込むかどうかを悩む方はいらっしゃると思います。
私はそこを悩んだり考えたりするプロセスはありませんでした。妻の弥生もそうだったかというと私とは全く違いますので、仕事は夫婦でやるものという思い込みはなかったと思います。
金子(弥):私は全然なくて、喧嘩が激しい時期は一緒にやる必要はないじゃないかと思ったこともありました。でも、とにかく佳久の、“一緒にやるしか道はない”というコミットがすごくて、そんなに言うならやろうか、という感じでした。
自分の人生を振り返ると、私は会社が3社目で、今の会社は20年以上お世話になっています。偶然ですが、最初の会社は夫婦で経営をされていて、今の会社も創業者一族で家族経営です。すごく競争が激しい業界ですが世界的な成長を遂げています。他の会社は買収されてしまったり、起業戦略が途中で変わっていますが、一貫して経営方針にブレがないのでそのままの経営でずっと成長し続けています。家族経営はそういった経営体質の強さにもつながるのかもしれません。
坂本:家族経営の方が営業利益率が高いというデータもあります。
喧嘩をしても譲らない、ご夫婦でやるという佳久さんのコミットすごいですね。
金子(佳):家族で仕事をしていくことが幸せに繋がっているという、そこには不思議な確信がありました。祖父母の姿を見ていて、お互いの自己実現のための一番の道だと、いいかたちで思い込みになったと思います。
坂本:最初は一緒にやることに抵抗もあったと思いますが、弥生さんがやってもいいと思ったきっかけはなんですか。
金子(弥):これだけコミットしている佳久に対して、私は自分でやると言うことは、一緒にやらないよという宣言に近しいですよね。
私と佳久は結婚当初から“パートナーシップを通して初めて成功するし幸せになる”という価値観が完全に一致していました。これは私たちの一生ブレない価値観です。ここには合意があったので、結果的に仕事も一緒にやることになりました。
佳久と結婚するということはビジネスを一緒にやることらしい、佳久がそう言うんだったらやってみようということで私が降伏して、一緒にやろうという感じだと思います。
坂本:縦が親子、横が夫婦という縦横十字の法則があります。佳久さんが和菓子屋さんでおじいさん、おばあさんを見てきて、ご自身の今の仕事でも同じようにご夫婦を基本として事業をされていることは、そこにのっとっていると思います。今お二人がすごくいきいきされていることを感じました。
禰覇さんはお話を聞いていかがですか。
禰覇:ストレートに本音で言い合えたりフィードバックができることは、前に進むしかないという前提があるからこそ、余計なことを言っている暇もないということもあると感じました。本音を相手が受け入れてくれるのは信頼関係が成り立っているからこそだと感じました。
中田:佳久さんと弥生さんご夫婦のお話を聞いて、密かにうらやましいと思っているリスナーさんがいらっしゃると思いました。
その差はなんだろうと考えた時に、お互いにちゃんと話を聞いていることと、共通のビジョンを明確に握り合えていることが大きいと思いました。
そこは最初から見える化されていた部分ではないと思いますが、どのようにビジョンを明確にされましたか。
金子(弥):話し合いもたくさんしましたが、もともと私たちは一緒の学びをしていたこともあり、パートナーシップが大事だという価値観は一緒だと分かって結婚をしていると思います。
いくら喧嘩をしても結果的に別れなかったのは、深いところでパートナーシップの価値に対してブレてはいけないという合意が出来上がっていたからです。そして喧嘩をしても、“僕は君と一緒にビジネスをするんだ”と、10年間彼がブレなかったということもあると思います。
金子(佳):前回もお話をしましたが、離婚をした後に、私は一人では生きないということを決めました。
弥生も言っていましたが、二人で生きていくことに関しては共通の価値観だと信じていました。それさえあれば、いい時ばかりでなく、喧嘩をしてお互いに顔も見たくないと一瞬思ったとしても、また二人の関係を大切に生きていこうというところに戻れると思います。
自分でできないから相手に依存しているということではなく、その気になれば自分一人でできるけれど、一人で生きる道ではなく、二人で歩んでいくということに対しては自分の中の価値観としてブレないものがあります。
もちろん世の中にはいろいろな決断をされる方がいて、中には一人で生きることを決断されてその人生を生きている方もいらっしゃると思います。それはいろいろな価値観があっていいと思います。
坂本:意地悪な質問になってしまうかもしれませんが、ご夫婦でやることのデメリットをあげるとしたら、なにかありますでしょうか。
これから奥様を巻き込もうとしている方は、メリットも当然分かるけれど、デメリットも気になっていらっしゃると思います。
金子(弥):家での会話も仕事の話が多いことではないでしょうか。
会社に行って、帰って来て、またビジネスの話で、ずっとビジネスだな、みたいな感じです。それこそこの前も夫に、ちょっと息が詰まってきたから旅行に行こうと話をしました。
デメリットはずっと仕事漬けになりかねないことなので、それをクリアするために、二人で共通して遊べることを作るとか、そのバランスは大事だと思います。
あとは破綻するときのリスクですね。
金子(佳):仕事もパートナーシップも全部失うことになります。
坂本:確かに、息抜きは大事だと思います。うちも妻が手伝ってくれていますが、よく旅行に行こうと言われます。男性はずっと仕事でも大丈夫かと思いますが、女性は遊びがないと。
金子(弥):遊びがあって、初めてインスピレーションや違う視点が出てくるので、ずっと仕事をしていると逆に詰まってしまうと思います。
またメリットの話に戻りますが、仕事をバリバリやる時と、ただ緩んで受け取る時と、男性性と女性性の両方があることで、落ちる時があまりなくバランス良く成長し続けられるような気がします。
金子(佳):バランスをとっていこうとする意図が大切で、デメリットとしてはそれがないと偏った仕事のスタイルになりかねないということです。このバランスがとれてくると仕事と遊びのバランスもとることができますし、どちらの時間も共有できるのでお互いの関係も深まります。デメリットが転じてメリットになり、才能の交換が起きてきます。
例えば、弥生はどちらかというとPRやソーシャルコミュニケーションが得意で、私は人材育成が得意ですが、それぞれの得意が統合されて、自分もPR的な視点で仕事をできるようになりたいと思っています。
金子(弥):私はPRの講座を作るビジョンが具体化しました。
金子(佳):お互いの才能が交じり合ってくることが面白くて、事業の発展につながると感じています。
坂本:それぞれの強みや個性が交じり合って新しい仕事が生み出されることは、ご夫婦ならではの力ですね。
金子(弥):違う人同士が集まると共同創造が始まるじゃないですか。夫婦もそうだけど、いろいろな人とアイディアをディスカッションすると化学反応が生まれますよね。これがすごく大好きで、ワクワクしちゃうんですよね。
坂本:禰覇さんいかがですか。
禰覇:得意なところを伸ばして、より伸びていったところでまた新しいものが生まれる、言葉で言うと簡単に聞こえるけれど、そこを築きあげるのは大変なことだと思います。それこそ、お互いに言い合える関係を築いてきた信頼関係が、聞いているだけで見えてきます。
坂本:男女のエネルギーがいいかたちで交じり合ってくると、新しいもの、新しい価値が生まれてくると思いました。
中田:研修や講演はご夫妻で登壇されることも多いとお伺いしました。佳久さん、弥生さんにパートナーシップのご相談をされたいというリスナーさんもいらっしゃると思うので、ご紹介いただけますか。
金子(佳):私たちは経営相談をやっておりますが、夫婦で経営をしていますので、そのようなかたちで仕事をしている方、仕事をしたい方、あるいは夫婦関係で悩まれているなどの人生相談もやっております。
PRに関しては、実際にどのようにPRをすれば御社の名前が広く知られるようになるか、といったコンサルテーションもさせていただいています。
夫婦関係の人生相談、経営相談、そしてPRのコンサルティングの話を聞いてみたいという方がいらっしゃいましたら、相談は無料でさせていただいております。
連絡方法は金子佳久、金子弥生でFacebookを検索をしていただくと繋がりやすいですし、ホームページからのご連絡でも大丈夫です。お気軽にご連絡を頂けたらと思います。
中田:オンラインで貴重なコンサルを聞ける機会ですのでぜひご応募ください。
改めて、金子佳久さん、弥生さんありがとうございました。坂本先生、禰覇さん、ありがとうございました。
金子・坂本・禰覇:ありがとうございました。
次回:【第96回】坂本憲彦のラジオ起業塾「女性経営者が語る「子育てと経営の3つの共通点」(株)ミライLABO白井智子社長」
毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ経営塾』。起業家の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。
今回は、夫婦で共同経営をされている、マナビスタ株式会社代表取締役の金子佳久さん、弥生さんお迎えしています。夫婦関係が与える仕事への影響や、夫婦の良い関係を築くポイントについてお伝えしています。
こちらの音声は、Podcastよりお聴きいただけます。
動画は、下記YouTubeよりご覧いただけます。
中田:今日は素敵なゲストをお迎えしております。マナビスタ株式会社代表取締役の金子佳久様、弥生様です。ご夫妻で共同経営をされ、人材育成と企業のPRコンサルティングで活躍されています。
今日はよろしくお願い致します。
金子(佳)(弥):よろしくお願いします。
坂本:今日お二人にお話いただきたいことは、経営とパートナーシップです。
僕もちょこちょこ聞きますが、経営者の方で夫婦関係に悩んでいる方は多いと思います。経営者の方が家族内で揉めていたり、奥様との関係が良くないと、仕事にも影響が出てくると思います。
会社の業績が良くても家庭内の環境が悪いと、経営者自身の幸福感が感じられないということもあります。
佳久さんは人材育成でいろいろな経営者の方をみていらっしゃいますし、弥生さんもご主人を支えて一緒に会社をされていらっしゃいます。お二人に経営とパートナーシップの大事な3つのポイントをお話いただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
まず簡単に自己紹介をお願いします。
金子(佳):マナビスタ株式会社の金子佳久です。主に人材育成分野のコンサルテーションをしております。企業内の人材育成、または経営者の方のコーチングをメインの事業としてやっております。
こちらは妻であり、共同代表でもある弥生です。
非常に珍しがられますが、研修の登壇を2人でやることもあります。掛け合いのように進めていくということで、ユニークな研修だったと言われることが多いです。ぜひ機会があれば来ていただけたら嬉しいです。
金子(弥):金子弥生と申します。坂本さん、今日はこのような機会をいただきありがとうございます。中田さん、禰覇さんも今日はお世話になります。よろしくお願いします。
中田・禰覇:よろしくお願いします。
坂本:経営者の方で夫婦関係やパートナーとの関係に悩んでいたり、または経営者が外で女の人と遊びすぎたり、愛人を作ったり、社内不倫があったり、パートナーシップについてのいろんな問題があると思います。
金子(佳):先ほど坂本さんからもお話がありましたが、愛情の問題は大きく経営に影響してくると思います。経営者の方のコーチングをしていく中で、そういった話が出てくることがあります。社内の雰囲気や社員のモチベーションなど、様々な影響が出てくるのは傍から見ると分かりますが、ご本人は隠しているので、影響はないと思っている方もいらっしゃいます。
ラジオを聴いている方は先ほどの愛人とか、びっくりするようなお話かもしれませんが、実際にたくさんあります。でも、急に愛人と別れなさいとか、愛人にお金を使ってはいけませんと押さえようとしてもうまくいきません。
私は、パートナーシップが経営に影響することをお話して、本当の意味でのパートナーシップを育んでいくことを強調しています。パートナーと真の関係を育むと、おのずと間違った方向に意識が向かなくなり、奥様との関係が非常に良くなってきます。結果として社内の雰囲気が良くなり、経営者のインスピレーション、直観力や決断力も明らかに強くなってきます。
奥様が以外にも女性がいると気持ちの面でもブレブレになっていることが多いんですね。それを隠そうとして使っているエネルギーが、まっすぐに仕事や本来愛情を向けるべき人に向かうので、エネルギーや決断力のブレがなくなるのが手に取るように分かります。
金子(弥):なぜ夫婦なの、というところですが、一番身近な相手なのでごまかしが効きません。そうすると本当の自分の状況が出やすいので、そこにある自分の状態がどの人間関係にもあてはまってくる。一番身近なパートナーとの関係がどこまでうまくできているかが、経営者の方の仕事仲間や、部下、同僚、お客様との関係にも全部影響がある。実は恐ろしい事実が見えてしまう場所かなという気がします。
分かりやすい例だとお笑いのコンビです。昔は仲が悪くてやり合っているコンビもあったと思いますが、最近は仲が良さそうなコンビが人気だと思いませんか。
坂本:そういう人が増えていますよね。
金子(弥):仲がいい状態は人の信頼を得ることができると思います。
経営者はいろいろな人の信頼を得ることが大事な職業だとすると、一番身近な人を大事にしているかどうかは、その人の性格や人間性、生き方を伝えてしまう大事なポイントではないかと思っています。
坂本:ありがとうございます。僕も耳が痛いなと思いながらお話を聞いていました。やっぱり奥さんへの態度は大事だなと改めて思いました。
僕も妻に仕事を手伝ってもらっていて、仲良くやっています。ただ、身内に甘いとだめかなと思って、人前だと厳しく当たってしまうので、それが空気を悪くしている時があると思います。妻に厳しめに言うとミーティングが静かになってしまうことがあるので、気をつけないといけないなと。
夫婦関係はすごく大事ですよね。特に経営者はどれだけまっすぐ事業にエネルギーを注げるかです。それが家庭内の問題などで別の方向にエネルギーを使っているとなかなか成長しないので、大事だと思いました。
パートナーシップをうまく保っていくための3つのポイントを教えていただけますか。
金子(佳):ポイント一つ目は“話を聞く”ことです。
言葉にすると簡単ですが、経営者の方は主張の強い方が多いので、聞く前にいろいろと言ってしまうことが多いようです。これは奥様やパートナーに対してもそういう傾向が強いと思います。
私も偉そうに言っていますが、聞くことの大切さが本当に分かるまでにはかなり時間がかかりました。私は人材育成をやっておりますので、例えば管理職向けの研修でも部下の話を聞くとか、上司の話を聞くとか、とにかく話を聞くことの大切さを教えています。
当然それは自分も実践者でなければならないと思いながら、気が付くと自分がずっとしゃべっていることも多かったです。
坂本:話を聞くことはなかなか難しいと思いますが、女性からの意見として中田さんどうでしょうか。
中田:他人の話は聞く技術をもってちゃんと聞けるけれど、夫婦は近すぎる分、しかも経営という土台が一緒だとなかなか話を聞くことが難しいと思います。何かコツはありますか。
金子(佳):聞くことの重要性をどれだけ本当に身をもって分かっているか、が前提にあると思います。
実は私は2回目の結婚です。自分が相手よりも多くを知っていて、正しいことを言っていると思っていたので、1回目の時には相手の話が全く聞けていなかったと思います。
忘れもしないクリスマスのある日、人生で最も大きな商談をまとめ上げて、喜んで家に帰ったら妻がいなかった。ドラマのような離婚劇がありました。それまで自分が人の話を聞いていないという自覚はありませんでした。離婚という流れに至った時に話し合う中で、初めて相手の気持ちを受け止めたり話を聞いていなかったと気づきました。結果として、その時一番大切な人を失ってしまい、聞くことが大事だと実感しました。
ところが再婚しても、聞くことの大事さを分かっていても、やっぱり聞けないことが多かったです。ただその時に、“何があっても乗り越えて2人のビジョンを実現していく”“自分と同じように相手も大切にする”と決めていました。これがあるかないかで分かれ道になると思います。
金子(弥):パートナーシップの最初がちゃんと話を聞くことだとすると、2つ目が2人の共通のビジョンがあることだと思います。
私たちは喧嘩が激しい夫婦でしたが、それを乗り越えられたのは、その先に2人で到達したい場所があったからです。“パートナーシップに至っていこう”という、そこだけは2人ともぶれていませんでした。今はあくまでも途中段階だと思っていたので、そこであきらめなかったということがあると思います。
金子(佳):共通のビジョンがあったからこそ、聞けない時があってもそこに一喜一憂せず、自分を責めずに次またチャレンジをする。次こそは相手の話をしっかり聞くぞという気持ちに何度も立ち返れました。あきらめずに何度も何度もチャレンジをしていくうちに、人は成長して聞けるようになっていく。
自分が分かってもらえていないと聞けなくなってしまうので、特に聞けていないという時は、自分自身はちゃんと分かってもらえるという安心感や、自分の言いたいことをちゃんと伝えることができるという安心感があると聞くことができます。
坂本:喧嘩をしている時は、相手がどういうことをやりたいとか、どういう未来を描いているとか、そういうことが全然分かっていなかった状況ですか。
金子(佳):そうですね、難しい質問ですが、普段から共通のビジョンが大事だということで、紙に書いてお互いに壁に貼っていました。これは本当にお恥ずかしい話ですが、その頃喧嘩になってしまうと私の方がイライラして、せっかく作った共通のビジョンの紙をベリッと剥がしてグルグル丸めてポイっとしたりしていました。
坂本:それはかなりやばいんじゃないですか。大丈夫だったんですか。
金子(佳):かなりやばいと思います。その後反省して、くしゃくしゃになった紙を一生懸命のばして、なるべく綺麗にして、もう一回貼っておくとか、もう一度作り直したりとか、そういうことをしていました。危機を何度も乗り越えながら、お互いにビジョンを作り続けたという感じです。
ビジョンは一度作って終わりではなく、プロセスが大切だと思っています。一緒に考えてそれを掲げていく、そのプロセスが何度も何度も繰り返される中で深まって、本当にお互いのビジョンだと思えるものが出来上がったと思います。そのビジョンに支えられて、日々相手の話が聞けるようになってくるという感じでした。
坂本:今の話を聞いて、弥生さんが素晴らしいのかなと思いました。
金子(弥):結局、喧嘩をしていた時に何が起こっていたかというと、私と佳久はどっちが正しいか競争をしていたんです。ビジョンがあっても自分の方が正しいことを何よりも取りに行くわけです。それは多分、佳久がやっているのもそうだし、佳久がやっているということは私もやっているということです。そこがぱっと見、佳久が悪い人、私がいい人みたいに見えるけれど実は同じレベル、夫婦はどこまで行っても同レベル。
どんなに私は正しい、あいつは間違っているといっても、いやいや同じだよというところにまず気づきを持つこと、自分が正しいという場所から卒業するということが大事です。
一人ぼっちでは生きていけないし、経営者は一人で成功する人はいない。夫婦でなくても必ず誰かと一緒に経営をすると思います。その時に、俺は正しいと言った瞬間に、周りが間違っているになりがちです。俺もお前も正しいという、つまり今までのやり方を捨てて、相手と新しいやり方を作ることにコミットしない限り喧嘩が続くということを体感しました。
坂本:大事ですよね。大事だけれどなかなか難しいと思います。どうしても最初は自分のやり方が正しいと思いますしね。特に夫婦となると、仕事だけじゃなくて家庭の部分でも、例えばごみの捨て方で私の方が正しいとかいろいろなりますよね。
金子(佳):だいたいそれがきっかけに喧嘩が起こって、後で冷静に考えるとなんで喧嘩を始めたのかすらも忘れてしまっている。最後はもともとのきっかけは何でもよくて、とにかく相手に勝つことだけが目的になってしまうという。その愚かなことを何度も何度も繰り返していました。
あるときに、相手も話を聞いてほしいんだなとしみじみと感じたことがありました。話し合いを重ねた結果ですが、その時をきっかけにお互いに話を聞けるようになりました。
その効果たるや絶大なもので、これまで結婚してから何年かかってもまとまらなかった話が、お互いに話を聞き合うことができるようになって、15分くらいでまとまるようになりました。話を聞くことは人生の貴重な時間を大切にすることだと感じました。
喧嘩という無益なことに費やしてしまうのか、お互いに生産的な会話をするのか。経営ですから生産性という話に置き変えると、全く違うレベルの生産性を実現できると感じました。
坂本:それだけ長くいざこざがあったものが、たった15分で解決するというのはすごく大きいですね。
禰覇さん今までのお話を聞いていかがですか。
禰覇:めちゃめちゃ勉強になりました。いろいろお話を聞いていると、自分の中にもそういう概念や思い込みがすごくあるので、それをまず外すことが何より大事なのかなと感じました。
坂本:夫婦関係はどうしても自分の我を通すということが出てきますが、そこを1歩引いて、相手がどのように思っているのか、どういう未来を作りたいのかというところをしっかり聞いてあげて、そのうえで正しいものを作っていくことが大事だなと思いました。
ありがとうございます。
中田:最高の夫婦のミーティングが最高の経営者会議になっているということで、今日はいろいろ教えていただきました。お時間があっという間で、次回もまた引き続きお迎えしたいと思います。
改めて坂本先生、禰覇さん、そして金子佳久さん、弥生さんありがとうございました。
金子・坂本・禰覇:ありがとうございました。
次回:【第95回】坂本憲彦のラジオ起業塾「「夫婦で会社経営をするメリットと強み」マナビスタ(株)金子佳久社長、弥生社長」
毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ経営塾』。起業の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。
今回は前回に引き続き、株式会社沖縄電子代表取締役の宮城啓一さんをお迎えしています。会社を立て直すために行った人材育成の方法や、社員との関わり方、危機を乗り越えるための会社のあり方についてお伝えしています。
こちらの音声は、Podcastよりお聴きいただけます。
動画は、下記YouTubeよりご覧いただけます。
中田:前回に引き続き今日も株式会社沖縄電子の宮城啓一社長をお呼びしています。
宮城社長よろしくお願いします。
宮城:よろしくお願いします。
中田:前回は事業承継時の想いなどをお話しいただきました。
今日はその中でも、組織作り、人材育成、人づくりについてもう少し深堀してお聞きしたいと思います。
坂本:人づくりが素晴らしいと思いましたので、宮城社長が人づくりで大切にしているポイントをぜひお聞かせいただきたいです。
宮城:前回もお話しましたが、私は経営者としてまだまだ勉強中ですので、実体験をお話させていただけたらと思います。
人づくりというところでは、まず経営者自身がどんな会社にしたいかが大事だと思っています。
私が会社を継いで上手くいかなかった時は、人をコントロールしようとしていました。あなたはこの部署でこういう仕事をしてください。例えば大豪邸の庭の草木を私が剪定して、きれいな庭園を造ろうとしていたんですよ。
ではなくて、みんな自分の人生を豊かにするために我が社に入ってきたと思います。この会社で実現したいことは何か、実現したいことに対して今抱えているギャップは何か、ということをしっかり聞き出して、その人のやりたいことをサポートしていく。例えるなら、大草原の中で草木が自由に伸びていく、そういう会社にしていきたいと思っています。
成長が早い人もいれば、ゆっくりじっくり伸びていく人もいると思います。ただ目指していくところは一つ、それがビジョンだと思います。
中田:沖縄電子のビジョンをお聞きしてもよろしいですか。
宮城:私たちのビジョンは“create new tech.create new value感動の源になる”です。新しい技術を作り出し、新しい価値を創り出す。そしてお客様が喜んでくれて、私たち社員も喜べる、それを感動と定義しています。
中田:もちろん早く伸びる木もあればゆっくりの木もある、でもビジョンが共通していることで、みんなそれぞれのカラーを発揮できるというイメージですかね。
宮城:そうですね。
中田:社長が会社を引き継がれた時と今ちょうど同じ年齢の禰覇さん、社員の立場としてこういう社長の会社はどうですか。
禰覇:こういう社長の想いを聞けると、ここで私も働きたいと共感しますよね。
先ほどの大草原のイメージが入ってきやすくて、伸びる成長の具合が違うということも、一般の会社だと私はこんなに遅いのにあの人は早いと比べちゃうところのはずです。それを一人一人の個性として、あなたはこのスピードでいいんだよと社長が言ってくれることはすごく安心すると思いました。
中田:さらに力が発揮できそうですよね。
これは後日談ですが、宮城社長の会社の、お父様の代から努められている社員さんにお会いしたことがあって、この10数年社長が一番変わったと。そして印象的だったのが、すごくいい会社で仕事をさせてもらってありがたいし、やりがいがあるとおっしゃっていました。そんな社員さんのコメントがいただける会社は素晴らしいと思いました。
中田:社員さん一人一人の夢や理念を共有する時に、聞きだすことはなかなか難しいと思いますが、普段気を付けていることや配慮されていることはありますか。
宮城:信頼ですね。リーダーとメンバー、リーダー同士、信頼を高めていく関わり方だと思います。前回もお話しましたように、信頼を高めるために具体的にどうしたらいいかを僕は考えて、数字、決算書をすべてオープンにしています。
中田:坂本先生いかがですか。数字や決算書はなかなか社員さんでは理解できないところとか、開示されないところが多いと思います。
坂本:社長が自分の私利私欲のためにやっていると社員さんの気持ちが離れていきますよね。会社によっては社長さんが高級車に乗って、高級ワインばかり飲んで、それを社員に自慢する会社もあるみたいですが、それだと長く続きません。数字をオープンにすることは社員さんの信頼を得るところだと思います。
面談や興味・関心ごとを聞くことを大事にされているということでしたが、社員さんと話をするポイントや、どういうお話を中心にされているかが気になったところです。
宮城:まず、入社した動機を毎回聞きます。何年前どうだったか、それは何%くらい達成できているのか、そこからどう変わったか。長い方は求めていることがどんどん変わっていきますよね。その求めていることが出てくるとラッキーだなと思います。そこをしっかり一緒に実現していきたい、そのために僕が何をお手伝いできるかを聞いていきます。
坂本:ちなみに社員さんからどんなことが出てきますか。
宮城:若い社員だと結婚したいとか、一戸建てを建てたいとか、会社の幹部になりたいとか、社長になりたいという人も出てきます。
坂本:年配の社員さんはどうですか。
宮城:後輩を育てたいとか、そういうものが多いですね。
坂本:やりたいことをご自身で考えて、ご自身の口でしゃべってもらうことを大事にされているんですね。
社長からこれをやりなさいと決めつけられるとやらされ感が出ますが、自分でこういうことをしたいと出てくることは素晴らしいと思います。
宮城:社員が言えないということは何かブレーキがかかっていると思います。ブレーキは信頼だと思います。社長に話しても大丈夫だという信頼関係をつくることで、安心して話してくれると思うんですね。
坂本:その環境づくりは大事ですよね。
中田さんは人材育成をされていますが、どうですか。
中田:理想とするものが沖縄電子さんの中にはあると思います。
中田:ラジオ放送前のミーティングで印象的だったのがLINEの話です。新人さんが初めてアポを取った時にみんなでお祝いLINEを送る。逆に宮城社長がうまくいかなかった時にそれも報告するということなんですよね。
そのへんの関わりは面白いと思ったので、どのような目的でされているのかお聞きしたいです。
宮城:成果を求めているわけではありません。評価制度の中で行動のプロセスを評価しています。やりたいことをやってもらうために、一人一人のブレーキがかからない関わりが大事だと思います。
当たり障りがあることをちゃんと言える組織ですね。失敗も何か原因があったはずです。そこを出すと、当たり障りがある話をみんなでできると思います。
中田:トップが上手くいかなかったことを開示するというのはなかなかないですよね。そこがまた宮城社長の器なのかなと思いました。
ご契約をいただいたり、アポが取れた時に、みんなでよかったねと言い合うグループLINEはすごくうれしいと思います。そこには自己愛、自己肯定感の考えがあるということですがここも教えていただけますか。
宮城:仕事を通して、自分は成功していいとか、自分はもっと素晴らしさがある、ということに気づいてほしい、そこが仕事をする究極の目的のような気がするんですよね。
僕もいろいろな経験をしてきて、会議の中で自分にブレーキがかかって意見が言えない時があります。そこを取り外して、言いたいことを言って、チャレンジをすることで成長があります。
成功だろうと失敗だろうと関係なしに、チャレンジをするために自己愛を高めていきたいです。それを大人がしていくと、こどもにももっといい影響を与えるし、奥さんにもお父さん頑張ってるねと言われると思います。
中田:そうすると全方面良しですね。
宮城:仕事って楽しいんですよね。
中田:今のお話を伺って坂本先生いかがですか。
坂本:大人も自分に自信がないとか、自分がやっている仕事に価値がないという人が多いと思いますがそこを高める。具体的に社員さんにはどのように指導されていますか。
宮城:教えるというよりは、やはり一番は信頼関係です。自分が思ったことを言っていい、チャレンジしていい、自分で経験をしたその先に自己愛は高まっていくと思います。
坂本:例えば失敗しても基本的には怒らないんですか。
宮城:失敗してもナイスチャレンジというのが僕らの方針です。
坂本:失敗してもチャレンジをしたことを褒めるということですね。
宮城:ただ、しっかり振り返りはします。原因をちゃんと確認して、同じことを繰り返さないようにということをマネージャーにしてもらいます。マネージャーに対しては私が関わっていきます。
坂本:ちゃんと振り返りはするけれど、そこでなんで注文取れなかったんだと責めたりすることはないんですね。
結果に対して責めていると、社員さんもどんどん自信がなくなるし、上司への報告やみなさんにシェアができなくなって、会社の雰囲気も悪くなってしまいますよね。
お話をお聞きしていて、人を大切にする宮城社長の考え方が伝わってきました。あとは会社を単純に私物化した会社ではなく、みんなで一丸となって公正に経営していくところがすごいと思います。
坂本:宮城社長の5年後、10年後、今後のビジョンをお聞かせいただけますか。
宮城:コロナで会社が変わりました。コロナの前に戻ってほしいと心から思います。でも会社を経営していくうえでは、もうあの時には戻らないと思った方が楽だと思うんですよね。だから思いっきりwithコロナに関わるビジネスを始めました。
例えば光触媒を使った消毒作業や、抗菌コーティングの仕事を始めました。6月から始めて3か月で30件受注させていただいています。それからサーマルカメラ、顔で検温するカメラの販売ですね。
安心安全に関わる仕事をしていく。“真の安心安全の追求”がわが社のミッションです。会社でもやっているように、社員一人一人も、真の安心安全があるから自分らしさを発揮して、言いたいことが言えて、やりたいことがチャレンジできると思うんです。その安心安全は、精神的、物理的の両方が必要だと思います。
私は選択理論心理学を勉強していますが、土台に安心安全があって、人の役に立ちたい、誰かと一緒にいたいといったその人の自己実現に近づいていきます。
接客や接遇といった手法も大事ですが、安心安全が土台にあるその人がもっている本来のおもてなしが重要だと思うんですよ。だから私としては、真の安心安全を追求していくというところで、今は光触媒や、防犯カメラに力を入れているところです。
坂本:真の安心安全を追求するという会社としての理念がしっかりできているから、他のところにシフトすることができていると思います。このコロナで全く違う畑に手を出して、逆に大変になってしまうというパターンもありますが、宮城社長のお話を聞いて、しっかりとした軸で舵切りがされていると思いました。
中田:軸がしっかりあるからこそ次の安心安全を支えるサービスを提供していける、その軸がすごく大切だと素人感覚でも思いました。
今後コロナの前に戻ることは難しいところなので、宮城社長の計画もいろいろまた出てきそうですね。
そういった時代に即したサービス提供が始まる時は、社員さんはどのような感じですか。
宮城:新しい商材・サービスは社員のアイディアから出てきます。現場でお客様の課題を一番間近で感じているのは社員です。ブレーキをかけずに、それをちゃんと会議で出せることが大切だと思います。
中田:社員さんの中からアイディアが出てくることは理想ですね。
坂本:否定しないという安心安全な場があるから、現場の声を一番知っている社員さんから意見があがってきて、それが次の新しいビジネスになっている。だからこそ状況の変化にも対応できていると感じます。
これが社員の意見を聞かないままやっていると出ないと思います。宮城社長が作ってこられた文化が浸透しているから、変化の時代も乗り越えられているのかなと。こういう危機の時代にこそ経営者のスタンスがすごく出ると思います。
中田:PDCAをしっかり回している宮城社長ですが、これから5年10年、もっと先かもしれませんが、ビジョンはどうですか。
宮城:観念的なものにはなりますが、まずは社員一人一人が輝くことです。そして会社が輝いて、沖縄を明るく元気にし、日本を明るく元気にしていく。
社員一人一人が輝くために、仕事にやりがいを持ち、それが生きがいになって、経済的な豊かさもしっかり実現していく、そういう会社にしていきたいです。
中田:二代目のご苦労もいろいろとあったと思いますが、今まさに会社を引き継いでいる若い社長にもメッセージがあればお願いします。
宮城:私はマイナスからスタートの二代目だったので、すごくいい経験をさせてもらいました。これがもし逆だったら、私はちゃらんぽらんで会社をつぶしていたかもしれません。それくらい甘い人間でした。ピンチが来てくれたおかげで成長をさせてもらって、コロナの中で不安はありますが、必ずうまくいくという自信がどこかにあるんですよね。自信が生まれてきたというのはピンチ、逆境があったからだと思います。
まず、両親に感謝して、一緒にいる家族、そして社員に感謝して、一緒にワンチームになって成功したいということがはじめかなと思います。
中田:宮城社長、先週に引き続きいろいろとお話しいただきましてありがとうございました。
坂本先生、禰覇さんありがとうございました。
宮城・坂本・禰覇:ありがとうございました。
次回:【第94回】坂本憲彦のラジオ起業塾「「経営者が大切にすべきパートナーシップの3つのポイント」マナビスタ(株)金子佳久社長、弥生社長」
毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ経営塾』。起業家の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。
今回は、株式会社沖縄電子代表取締役の宮城啓一さんをお迎えしています。創業48年の会社の二代目として、事業承継をした当初の苦労や転機、立て直すために行った改革、そして会社や社員に対する想いについてお伝えしています。
こちらの音声は、Podcastよりお聴きいただけます。
動画は、下記YouTubeよりご覧いただけます。
中田:今日はスペシャルゲストをお迎えしております。FM那覇からお届けしていますが、沖縄の社長さんをお呼びしています。株式会社沖縄電子の宮城啓一代表取締役です。
沖縄電子さんは1972年の創立、創業48年の会社さんです。電子技術の提供を軸に、現在防犯カメラの設置数は沖縄で一番と伺っています。
宮城社長は1975年生まれ、30代の時に会社を継がれて二代目として活躍されていらっしゃいます。
宮城社長よろしくお願いします。
宮城:ありがとうございます。よろしくお願いします。
中田:実は以前、宮城社長のプレゼンテーションを聞いた時に、これはぜひ出ていただきたいと思いお願いをしました。
坂本先生がいつもおっしゃる志の経営を行っている宮城社長ですが、今日は会社を引き継がれた時の経験や想いを軸に、いろいろお聞きしたいと思います。
坂本:大変な状況の中で事業を継がれたということで、今後事業を継がれる方の参考になればと思います。
中田:禰覇さん今おいくつでしたっけ。
禰覇:32歳です。
中田:宮城社長が会社を引き継いだ時がちょうどその年齢だったということで、傍からみたら順風満帆な環境でスタートされたんだろうと思われますが、実際の所はどうでしたか。
宮城:外から見ているのと実際に自分が経営者になるのは全然違って、自分の後ろに誰もいない、支えてくれる人もいない、経営者は孤独だということをよく聞きますが、突然それが来たという感じでした。
中田:準備万端の状態でスタートしたわけではなかったんですね。
宮城:そうですね。
中田:引き継いだのはお父様がおいくつの時でしたか。
宮城:72歳です。
中田:実は私、以前その時のお話をお聞きしたことがあるのですが、すごく大変だったということで、差し支えない範囲でその時の歴史を少しお聞きしたいです。
宮城:私はまだまだ未完成で、未成熟で、完璧な経営者ではなくて、学びながら経営をしているところです。私の実体験を踏まえながらお話をさせていただきたいと思います。
私は32歳の時に会社を継ぎました。うちの会社は6年前に8億円近い売り上げがありましたが、バブルの崩壊とも重なって売り上げがどんどん減って、3億5千万円まで下がっている状態でした。
8億円まで会社が成長していくと、資金が足りなくて銀行から借り入れをします。その担保が何かというと、経営者の土地、家です。私は二代目で父が創業者です。つまり、両親の家が担保になって、会社の運営資金に回っているというのが当時の状況でした。
毎年のように売り上げが落ちていき、借金と今後の見通しを立てていく中で、父も70歳を超えていたので精神的にきつい状態が続いて、会社に出て来られなくなりました。
そこで誰かに継いでもらいたいとなった時に、父の右腕だった社員もいましたが、これだけの借金を背負うということは借金の連帯保証人にならないといけないんですね。それだけの覚悟をもってできる方はいませんでした。
それで急遽私に白羽の矢が立って、もうやるしかないという状況でした。家も土地も担保に入っているんですよ。私がやらなかったらそれを全部取られるんですね。
坂本:宮城社長はその時会社で働かれていたんですか。
宮城:会社でずっと営業をしていました。
坂本:そこから急に会社を継ぐという話になったんですね。
宮城:そうですね。本格的に会社に戻ったのが26歳です。20代前半は教材の営業をしていました。24歳の時にワーキングホリデーでシドニーに行って、帰って来た時に仕事がなかったのでアルバイト感覚で沖縄電子に入って、そこから正社員になったという感じです。
坂本:もともと継ぐ気はあったのでしょうか。
宮城:なかったです。
坂本:それが、そういう状況になって仕方なくみたいな。
宮城:そうですね、ただ正式に26歳で営業として正社員になって、いろいろなお客様とやり取りをして自分の成績も上がっていく中で、会社をこうした方がいいとか生意気に言うタイプの社員でした。自分の親父がやっている会社なので、何とかもっと良くしたいという想いは強い社員だったと思います。
坂本:徐々に受け継いでもいいかなという想いはあったんですか。
宮城:そうですね。
坂本:お父様は会社に出て来られなくなってしまったんですね。
そういう大変な時期に振られて大変だったかと思いますが、その後はどのように立て直していかれましたか。
宮城:立て直すどころか上がったり下がったりの繰り返しですね。
何とかしないといけない、売り上げを上げる、借金を返す、ということが経営の目的になっていました。そのために社員がいて、そのために商品があって、そのためにお客様とも関わっていたという感じです。
坂本:全部主が借金だったわけですね。
宮城:売り上げを上げる。みんなそこに一致団結していると思っていました。
中田:私たち地元の人からすると、沖縄電子さんは安定的な老舗の会社さんというイメージで、防犯カメラではパイオニア的なところだったので、外から見たら全然想像がつかないところですよね。
打ち合わせの時に、宮城社長はその時は震えあがりましたとおっしゃっていましたけれど、聞いている私たちも震える話だなと思いました。
確かに後に引けない部分はあったと思いますが、その時に志を支えたものはなんでしたか。
宮城:今振り返って客観的に思うのは、両親がつくった借金を自分の借金だと思ったことだと思います。そこに反発みたいなものはなかったですね。なんで俺だけこんな借金を背負わなければいけないんだというのはあまりなかったです。
中田:最初は反発や落ち込むところから入る中で、そこをプラスに転換されたことは素晴らしと思います。
坂本:普通はなかなか思えないですよね。親がつくった借金をなんで俺が背負わないといけないんだと反発する人が多いですが、それをご自身の責任と捉えられて、返していこうと思われたことはすごいと思います。
その後会社としてはどのような経緯をたどっていかれたのでしょうか。
宮城:私は最初、決算書の見方が全く分かりませんでした。なので、セミナーに何回も通って、2年ほどかかって決算書の読み方を勉強しました。
中田:並大抵のことではないですよね。そうすると、きっと1日24時間365日ずっと仕事をしているような感じですね。
宮城:今もずっと頭の中はそんな感じです。親父の会社、沖縄電子をずっと見てきたので、この会社の仕事が好きなんだと思います。
中田:宮城社長のプロフィールやあいさつの中に、“お客様と感動を分かち合いたい”という言葉があります。これは引き継いだ当時はなかなか出ない言葉ではないかと思います。
今、感動をお客様とも社員さんとも分かち合える宮城社長だと思いますが、印象に残った転機や学びはありましたか。
宮城:自己啓発セミナーに出たり、本を読んだり、コンサルの先生に学びをもらいに行ったり、いろいろなことをしてきました。
その中で、これまでは“利益が出て、成果が出て、社員やお客様が幸せになる”という流れの考え方だったが、“幸せを感じるから利益が出る”という考え方にパラダイムが変わった瞬間がありました。この学びと出会って、全てが変わっていきました。
中田:幸せを感じるから利益がある、これは意外と逆の発想が多いと思いませんか、坂本先生。
坂本:どうしてもみんな目先の利益で、お金を稼いだら幸せになると思ってやっているけれど、お金を稼いでも全然幸せじゃないみたいな。お金はいくら稼いだら幸せで、いくら以下だったら不幸せなのか分かりにくいんですよね。
なので、今おっしゃっていたように、まず自分が幸せを感じて、幸せな状態で仕事をしているとそれが結果的に利益につながってくるのかなと思います。
坂本:ちなみにその幸せを感じるためにされたことはありますか。
宮城:まずはやりがいですね。なぜ沖縄電子に入ったのか、どんな仕事がしたいのか、どこに興味・関心があるのか、そこを面談の中で聞きだしてその分野に携わってもらえるように場を提供していく。そのポジションで自分はどのように成長していきたいのか、目標を設定してもらう、そこと給料が連動していく。やりがいと経済的な豊かさが一致していく仕組みを作るところです。
坂本:人事制度から全部作り直していくかたち。社員さんのやりたいことを引き出してそれを給料に反映できるかたちでルールを作られたことはすごいと思います。
社員さんから反発はなかったのでしょうか。
宮城:ミーティングの時間が増えるので、それよりも営業に回った方がいいんじゃないか、現場に回った方がいいんじゃないかという意見はありました。でも、目標や計画がない中で動いても仕事をする時間は限られているんですよね。その人の人生の時間も限られている中で、目標に一直線に行った方がいいと思うんです。そこに対して一緒に計画を考えてく、その前準備の時間が大切だということを一緒に話し合いながら時間をどんどん作っていきました。
うちの場合は会議が多いです。
坂本:ちなみにどのような会議ですか。
宮城:各チームが週に1回プランニング、リーダーだけの会議も週に1回あります。全体での会議が月に1回、土曜日に朝9時から夕方18時までみっちり会議をします。
坂本:全社員が集まる会議を1日まるまるやるんですか。
宮城:やります。
坂本:それこそ社員さんから不満は出なかったんですか。
宮城:今はないです。
坂本:月1回の全体ミーティングではどのようなことをお話されますか。
宮城:沖縄電子の土台にどういった文化があるのかを僕からメッセージをして、もっと沖縄電子の文化をシェアしていくためにはどうしたらいいかをみんなで考えてもらいます。
プロジェクトチームが立ち上がったり、文化を作っていくチームからリファラル採用のチームが立ち上がったり、またそのチームで個別でミーティングをやっていきます。
坂本:文化や歴史を毎月やるわけですね。みんなで共有してどんな変化がありましたか。
宮城:まず信頼関係を作るためにはどうしたらよいかというところから考えて、決算書の数字をオープンにして情報を開示しました。特に社員が不信をもつのが経営者の交際費です。私はきちんと説明できるものしか使いません。これも全部オープンにしています。
今利益はこれだけ出ている、自己資本比率がこうやってあがっていく、自己資本比率は40%以上を目標にしている、なぜならみんなが何かあっても安心してずっと継続できる会社にしていくため、まずはここをしっかり作っていこう、同時にみんなの経済的豊かさも実現していくためにこれだけボーナスであげていく、という目標を全部見せて、そうすると信頼関係は生まれてくると思うんです。
坂本:目標や接待交際費は、中小企業の社長さんは見せるのが嫌だったり、会社と個人が一緒になっていたりしますが、その辺もオープンに。
最初は数字を全部オープンにすることは勇気がいったのではないでしょうか。
宮城:僕がラッキーだったのは赤字続きだったので、削らないといけないところはしっかり削る、最初にそういう習慣が身に付いたことだと思います。
坂本:そこもみんなに納得してもらって、削るところを削るみたいな。
宮城:30歳で、若くて正義感が強かったので、なあなあになっているところを削っていかないといけなかったという。運がいいと言えば運がいいですよね。
坂本:その後利益が出だしてからも、継続して全部オープンにしているということですね。
これはなかなか他の中小企業の経営者さんはできないところだと思います。
宮城:経営者も自分の資産を担保に出しているので、利益を出して、ちゃんと報酬は受け取らないといけないと思います。そこを公正にやっていけるようにしたいと思ったんです。僕の次の経営者は社員から出ていただくので、そういう堂々と経営できる状態にして継ぎたいですね。
坂本:大事なところですよね。経営者が社員に後ろめたくなっていると社員に言いづらい部分もありますよね。これだけオープンにしておけば、社員さんとしても一緒に頑張ろうとか、数字が分かると経営者目線が持てますよね。
宮城:読めない社員もまだまだいますが、読める人は質問もしてきます。
中田:引き継いだ当初は決算書も分からないところから勉強を始めて、人事制度や会社の仕組み作りもしっかりされ、今やっと15年目に届くところですもんね。
そんな宮城社長には次回もゲストとしてお呼びさせていただく予定です。次回も楽しみにお待ちいただけたらと思います。
宮城社長、坂本先生、禰覇さんありがとうございました。
宮城・坂本・禰覇:ありがとうございました。
次回:【第93回】坂本憲彦のラジオ起業塾「「組織作りと人材育成に一番大切なのは信頼関係の強さ」株式会社沖縄電子 宮城啓一社長」
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