[ まめしとぎ ]さんから、 おたよりをいただきました。
との質問からはじまるおたよりに書かれていたのは、丁寧にまっすぐに語られる、移住後に経験したちぐはぐさ。
いわく「私の中の何か(おそらく過剰な街への期待)が崩れました。」
「私は、私と私の環境である。」と言ったオルテガ・イ・ガセットを導きに、ある場(トポス)を生きることについて話しています。
[ まめしとぎ ]さん、ありがとうございました。
収録した会話の内容に若干の誤りがあるため、おたよりを全文掲載させていただきました。
問題があればすぐ削除しますので、googleフォームもしくは下記アドレスまで一報いただけますと幸いです。
nakashimaryoji0116●gmail.com (●を@に変換ください)
以下、おたよりです。
①おたより
質問:「東北」について直感で印象を教えていただけませんでしょうか。
背景:20年くらい住んだ東京から一昨年晩秋、東北に引っ越しました(沿岸ではなく内陸地域です)。人口30万ほど、そこそこの街です。3.11のことがあるからか、東京にいた時から、「移住(あまりこの言葉、しっくりこないのですが)するなら西日本!」のような元気さというかグイグイ感を見聞きしていて(僻みかもしれません)、いざ東北に来たら、ますますそのような感じがしています。「ちぐはぐ大学」でもコメントされていたミシマ社さん、私も好きで何冊も発行本を持って読んでいますが、そもそも京都が本拠地で。 どこの土地が一番と比較しても、土地が違えば風土や特色も異なるのでそもそも比較すること自体出発点として意味がないとは思いますが、もやもやしていて、あえてお二人にご質問です。
②なにか、ちぐはぐさを感じた出来事はありましたか?
#016の「まちづくり」という言葉に、まさにちぐはぐさを感じています。「まち」はもうそこにあるのにあらためて「つくる」というのがしっくりこなくて、自分では普段は意識してNGワードとして使わないようにしています。以下、長くなりご容赦ください。
引っ越して、配偶者と一軒家を借り大家さんの承諾を得て改修、内装は極力自分たちで行い(まだ手つかずの場所もありますがのんびり直したり手入れしようと思いながら)、部屋数が多いので民泊事業の許可を取りました。住宅地にある普通の民家です。趣のある古民家でもありません。二人の性格上、あまり我々と宿泊者の方とワイワイ交流を推すのではなく、泊まる方にはぼんやり本を読んで、近くの喫茶店など巡っていただいてふわりと帰路へ、という宿にしたいと思っていました。受け入れ準備も終わったのとほぼ同時にCOVID-19感染拡大。現在、宿泊者受け入れは休み、配偶者は在宅勤務で平日、別の仕事をしています。その間に新しい家族として、里親探しで一匹の犬を受け入れました。 私も東京での仕事を辞めてきました。学生を終えて、初めての無職。時間ができたと思いきや、社会と離れていくようで一時期はひたすらzoom講演会やインスタライブを観る日々。なぜか本を読めなくなりました。何より、笑えなくなっていきました。
そんな中、年末から年明けにかけて、この街で築100年以上の建造物を行政が改修するのでその後の建物の借り手(事業実施者)を一般人(法人含む)で探している、と知り、自分も配偶者も驚くほど「この建物をありきたりの歴史館や観光アイコン、おしゃれなカフェにしてはならない」という「スイッチ」が入りました。今覚えば、極めて勝手な、独りよがりの使命感です。地元で15年以上個人で事業をされている同年代の方に考えを伝えたところ、ちょうど移転先を検討されており、二階建てのその建物の二階で事業展開しても…ということで共同で二人で提案書を提出、審査会でプレゼンをしました。私は一階で、あらゆる世代を対象にいわば「私設寺子屋」をする企画(お休み中の宿も絡めて)です。近所の漬物づくり名人、5Gとは何か?に詳しい通信業界の方から哲学者まで、知る限りの人々に講師になっていただき、テーマは実際役に立たなくても、しばらくは(COVID-19の影響で)配信でも、いずれは一つの場所で何か「へえ〜」と思うことを知ることができる場所、時に笑いに包まれた寺子屋にします、と。提案書を作成しているときは、本当に止まらなくて、「この街に東京にあるような飲食店はいらない」「この街は観光地でもないのに、天守閣を作ろう、という運動や観光キャンペーンをしているが、他の街を真似ても仕方ない」「若い人たちが高校卒業後この街を去っていく理由は何だと思いますか」と問題提起し、前述の方と想いをプレゼンしました。
結果は、見事に不採択。採択された企画は、駄菓子屋と歴史館、観光客の休憩所カフェなどを展開する、というものでした。その時点で、私の中の何か(おそらく過剰な街への期待)が崩れました。 そんな中、#016を聞きました。朝倉さんと中島さんがお話しされていた「何でもやってみる」ということを自分の中に持ったまま生きていくタンザニアの人々のこと、それについてのお二人の考え(ほどんどの考えや思いつきは、すでに誰かが何処かでやっている、考えて捨てる、計画の無計画、など)を聞いたら今の自分の状況とこれから、宿のことすら頭の中でぐちゃぐちゃになっています。オチがなくて失礼します。
きっかけは忘れてしまいましたが、こちらのPodcastは第一回目から拝聴しています。 時に寝落ちしてしまうこともありますが(ごめんなさい)、ただ単に極めて個人的な話を家族以外、この街を離れた誰かに聞いて欲しくて思わず書いてしまいました。 ここまで読んでくださったのであれば、本当にありがとうございます。 これからも答えのない「ちぐはぐ大学」楽しみにしています。 お二人とも、良い1日をお過ごしくださいませ。
○ご紹介した本
・オルテガ『大衆の反逆』https://www.iwanami.co.jp/book/b505582.html
・中島岳志「100分de名著 オルテガ 大衆の反逆」https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/84_ortega/index.html
・朝倉:https://note.com/asakura_yawaiya
・中島「空っぽがあった」:https://note.com/ryoji_nakashima/n/n5e91e2a392b4
googleフォーム:https://forms.gle/2JLxskkGcRDJYX5M8