・アメリカの雇用状況とインフレの進行: 安定した雇用が経済にインフレ圧力を与える
・金利上昇と国債市場の動向: 金利上昇は国債価格を下げ、政府の負債問題を深刻化させる
・FRBの役割と通貨政策の未来: 買い手がいなければ、FRBが国債を買う必要があり、通貨価値とインフレへの影響が考慮される
この配信内容の要約は次の通りです。まず、7月7日のNonfarm PayrollsとUnemployment Rateの結果は、予想通りに失業率が3.6%まで下がったことで、雇用が強く、需要も高まっていることが示されました。しかし、これはインフレが収まらないことを意味し、結果として米国連邦準備制度理事会(FRB)が金利を上げざるを得なくなると考えられます。金利が上がると、アメリカ政府が借金の利息をより多く払う必要が出てきます。このため、債務が増える一方で、アメリカのデット・シーリング(負債上限)を上げても、経済は「借金デッドスパイラル」に陥り、政府の財政は困難な状況になります。
さらに金利が上がると、国債の価格が下がります。これにより国債を大量に保有する銀行が損失を被る可能性があります。シリコンバレーバンクの破綻はその典型的な例で、国債の価格が下がり含み損が増えるという状況が生じました。金利が上がれば上がるほど、価格が下がるため、銀行は含み損を被ります。
加えて、国債のイールドが上昇すると、政府の債務はさらに増大し、誰も国債を買う人が現れないと、FRBは量的緩和(QE)を再度行うことを余儀なくされます。QEは通貨の価値を下げ、インフレを招きます。結果的に、アメリカの通貨は弱くなり、借金は増え続けるという状況が続くと、経済が非常に困難な状況になると、世界No.1ヘッジファンドのブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオは警告しています。