「労働の思想史」シリーズの10話目です。
今回シャルル・フーリエ、マックス・シェーラー、バートランド・ラッセルなど様々な思想家たちが登場しますが、中でも注目すべきは、ポール・ラファルグです。
ここまでのエピソードで見てきたように、近代以降の思想家たちは、基本的には労働に対してポジティブな価値観を付与してきました。
それに対して反旗を翻し、舌鋒鋭く批判をしたのがラファルグです。
彼は、労働を賛美するのは労働の成果を享受する人々(=ブルジョワジー商人たち)であって、自分の身体を使って苦しく辛い労働を強いられる労働者(=プロレタリアート)は、ブルジョワジーの労働賛歌にごまかされてはならない、信じこんではならないと訴えます。
「イキイキと働くこと」「働くことで成長すること」が良しとされる現代において、ラファルグのこの指摘は、誰しもハッとさせられる一言なのではないでしょうか?
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【主な参考文献】
『労働の思想史: 哲学者は働くことをどう考えてきたのか』 (平凡社) 中山元
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【プロフィール】
■タッシー
高知県高知市出身。2006年~2018年までAqua Timezのドラマーとして活動。
バンド解散のタイミングで、1度きりの人生なんだから全く違った形で社会に関わってみたいとの思いから、友人の紹介で(株)LiBに入社し、40歳で初めて会社員となり、しながわと出会う。年齢関係なく、アンラーニング・リスキリングは十分可能であることを証明するため日々奮闘中で、リベラルアーツにも少しずつ興味が出始めてきた哲学初心者。
■しながわ
東京都昭島市出身。「哲学を勉強したいな〜」と思い、京都大学総合人間学部に進学。
しかし大学で学ぶ哲学にはなかなか興味が持てず、法学部に転部。司法試験に合格し、大手法律事務所で弁護士として働く。『日本一やさしい法律の教科書』など、法律の入門書を3冊出版。現在は(株)LiBでキャリアに関わる仕事をしつつ、(株)COTENの歴史調査チームで歴史や思想の調査にも従事。ビジネスパーソンや経営者向けのコーチとしても活動中。
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