元の論文:Duration of Contact Precautions for Acute-Care Settings
Citation:Infect Control Hosp Epidemiol. 2018;39(2):127–144
論文の要約
このSHEAエキスパートガイダンスは、急性期病院で使用される接触予防策(Contact Precautions, CP)を、いつ中止すべきかについて整理しています。対象はMRSA、VRE、多剤耐性腸内細菌科細菌(MDR-E)、およびC. difficileです。
◯ MRSA
1〜3回の陰性培養でCP中止を検討できますが、慢性創傷や長期療養施設の入院歴がある場合は延長が望まれます。多くの施設は3回連続陰性を基準にしています。
◯ VRE
1〜3回の陰性便または直腸スワブ培養で解除を検討。ただし免疫不全や抗菌薬使用中では再陽性化が多く、長期保持の可能性があるため延長が推奨される場合があります。
◯ MDR-E(ESBL産生菌、CREなど)
6か月以上の経過、2回以上の陰性直腸スワブで解除を考慮。ただし、カルバペネマーゼ産生菌など治療選択肢が限られる株では無期限でのCP継続が推奨されます。
◯ C. difficile
下痢消失後48時間はCPを継続。院内感染率が高い施設では入院中ずっとCPを続けることも検討されます。
◯ 分子検査の役割
PCRは感度が高いものの、コロナイゼーションと伝播リスクの関連を十分に説明できるエビデンスが不十分で、現時点では正式な推奨はされていません。
◯ 結論
接触予防策の中止は一律でなく、施設の疫学やリソース、患者背景に応じて柔軟に運用する必要があります。今後は分子検査や大規模研究によるエビデンス強化が課題です。
接触予防策, MRSA, VRE, 多剤耐性菌, Cディフィシル,