Streptococcus pneumoniae epidemiology, pathogenesis and control
Citation
Nature Reviews Microbiology volume 23, pages 256–271 (2025)
論文の要約
本レビューでは、肺炎球菌による感染症(耳炎、蓄膿症、肺炎、髄膜炎、敗血症など)の流行動向、病原性メカニズム、及びその制御戦略について最新知見を統合して論じている 。
まず、小児への肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)の導入により侵襲性肺炎球菌感染症は減少したものの、非ワクチン血清型による感染が高齢者などで増加し、その効果が限定的になっている点を指摘している Nature。加えて、抗菌薬耐性菌の出現が治療を困難にしており、新たな治療・予防手段の必要性が強調されている 。
また、病原性に関しては、肺炎球菌の付着・侵入、莢膜や毒素(pneumolysin)などの因子が免疫系と相互作用するメカニズムが詳細に整理されている。宿主受容体との相互作用を標的とした抗体治療や受容体遮断といった新技術が議論されている 。
さらに、疫学的にはCOVID‑19パンデミックによる社会的対策が肺炎球菌感染率やキャリア状態に影響を与えたこと、ゲノム解析による血清型置換や新たなクローン出現の動態などがレビューされている 。
最後に、新規ワクチン候補(高バレンシーPCV、全細胞ワクチン、serotype-independentワクチンなど)や、pneumolysin阻害薬などの新治療法、そしてワクチンの世代交代やターゲット層拡大の方策が今後の展望として提案されている 。