Microbial interactions and ecology in fermented food ecosystems
Citation
Nature Reviews Microbiology volume 22, pages 493–509 (2024)
https://doi.org/10.1038/s41579-025-01191-w
論文の要約
本レビュー論文では、発酵食品の製造現場に存在する微生物群集(microbial communities)における相互作用や生態学的な構造について、最新の研究成果をもとに概説している。発酵食品は、チーズ、ヨーグルト、味噌、キムチ、ワインなど、多様な食品にわたり、その背後には複雑な微生物ネットワークが存在する。
著者らは、これらの微生物群集が形成されるプロセス、定着と競合、代謝の相互補完、抗菌物質やシグナル分子を介したコミュニケーションなど、微生物間の多様な相互作用の様式を詳述している。また、これらの相互作用が食品の風味、保存性、安全性に与える影響についても解説しており、発酵食品の品質管理や新たな製品開発における微生物生態学の応用可能性を示している。
さらに、メタゲノム解析、トランスクリプトーム解析、計算モデルなどのツールを用いた最新の研究手法が紹介されており、今後の研究の方向性として、制御可能な微生物群集の設計(synthetic ecology)や、持続可能な食品生産への応用などが提案されている。
本論文は、発酵食品に関心のある微生物学者だけでなく、食品産業、発酵技術、食の安全性に関わる研究者にとっても重要な知見を提供する内容となっている。