最終面接/社長同士の謎ネットワーク/Alexaの土俵が過ぎる
かつてエコノミックアニマルと呼ばれ世界を席巻したジャパニーズビジネスマン。時代が変わり、世界が変わった今。私たちはどんなアニマルになっているのだろうか。現代を生きるニューエコノミックアニマルたちの”日常に潜むおかしみ”を切り取る一話完結ビジネスコント。
広告代理店勤務のニューエコノミックアニマル。育児休業中。
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女) 今日は、最終面接ということで、お時間いただいております。
女) コーポレート部門を取り仕切っている、安藤と申します。
女) 今回、ご縁がありましたら、山田さんは、私のチームで働いてもらうことになります。
女) 先に面接したうちのメンバーから、めちゃくちゃ評判良いですよ。
男) 本当ですか。みなさんとすごくフィーリングが合うというか、私も、話してて楽しかったので、嬉しいです。
女) 私たち、もう仲間みたいなものなので、ざっくばらんに行きましょ。
女) それじゃ、さっそく始めるね。(ため口?!)「何度も言ったよ~」って感じだと思うんだけど、もう1回。今までやってきた仕事と、今回エントリーした志望動機、聞かせてもらえる?
男) あ、はい。私は、2009年にですね。あ、もう13年も前なんですね。はい。コピー機のメンテナンスの会社に新卒で入りまして。
最初は営業をやっていました。慣れないながら、いろんなお得意さんにかわいがってもらったり、あと、ビルのテナント全部に飛込営業とかもやってました。
それで、営業を~都合7年ほどやりまして。自分のスキルを広げたい、っていうと、意識高い感じなんですけど。
そういう感じで、異動させてもらいまして。そこからは、経理をやってます。こう見えて、意外と、縁の下の力持ちというのが、性にあっていて、そこからは5年ですかね、経理をやってます。
(女、うん、うん、うん、うん、と過剰に相槌を打つ)
男) はい、そうですね、えっと、今の会社のことはすごく好きで、育ててもらったと思ってるんですけど。まぁ人生100年時代とかいうじゃないですか。
自分35なんですけど、スキルアップとかも考えていて。ありがちなんですけど。スタートアップで働いてみたいなぁところがあって。
で、タクシー乗ってるとき、御社のCMをたまたま見て、思わず笑っちゃったんですね。くだらねぇ!って。そういうフィーリングも運命かなって思って。
(女、うん、うん、うん、うん、と過剰に相槌を打つ)
女) ありがとう。メンバーもみんな言ってたんだけど、山田さん、うちの会社あってると思う!
女) 山田さんと安藤の仲だから、もう、ぶっちゃけて言っちゃうんだけど。安藤、今、迷ってて。
女) 山田さんか、もう一方の、どっちを採用するか、決めないといけないのね。
男) はい!ここまで来たら絶対に内定欲しいんで、頑張ります!
女) うちの社長がね。社長同士の謎ネットワークってあるじゃない?社長ばっかりで集まって、ゴルフしたり、釣りしたりするやつ。そこでAlexaすごく良いよって聞いてきちゃったのね。
女) それでさ、うちのチームの採用の話をしたら「安藤、それってさ、Alexaが良いんじゃない?」とか言い出しちゃったの!
女) でも!やっぱり、社長だからね。安藤もサラリーマンだし、無視するわけにはいかないじゃない。
男) ええ、そうですよね。・・・でも、Alexaに経理の仕事、出来ますかね?
女) そんなこと分かってる!でも、形だけ、Alexaと山田を、比べないといけないの。ごめんだけど、付き合って。
男) ・・(グリーンスリーブスを鼻歌。そこそこ長めに。)
男) ちょっと、Alexaの土俵が過ぎるんじゃないですかね…。
男) 私は、血の通った経理というのを心がけてきました。例えば、交際費で、人数が書いてなかったら処理ができません。それ、何度言っても分からない人は多い。そこで怒るのは簡単です。でも、仕事を持ってくる営業へのリスペクトは忘れちゃいけない。だから、丁寧に。でもきっぱりと差し戻すようにしていたのです。
女) それでは、ご縁があったかどうかは、来週くらいかな、Alexaから連絡します。
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