「風速20mでも安定回転で低騒音…パンタレイが実証開始、「縦型リニアドライブ風車」の特徴」　パンタレイ（新潟県長岡市、佐藤靖徳社長）は、風力発電の新たな技術「縦型リニアドライブ風車」の実証実験を寺泊水族館（同）の屋上で開始した。風速２０メートルでも安定して回転し、低騒音を実現する。再生可能エネルギーの地産地消や独立分散型の電力開発を目指す。さらに社会的な課題である地球温暖化防止にも寄与する。

「揺れる外資系製薬メーカー…薬価中間年改定、事業化の予見性困難」　２０２５年の薬価中間年改定で、外資系製薬企業が揺れる。２４年度の薬事制度改革で革新性評価へと進んだ一方で、中間年改定では対象の範囲が拡大。日本での事業性の見通しや予見性の低さへの懸念が増す。日本で承認を得るまでに長い時間を要する「ドラッグラグ」や、日本で開発すら着手できない「ドラッグロス」の問題を解消するという方向性に沿った一貫した制度を示すことが求められる。（安川結野）

「中部電力の通期見通し、減収減益も「稼ぐ力がついてきた」」　中部電力は２８日、２０２６年３月期連結業績予想について、減収、経常減益となる見通しを発表した。送配電会社で物価高による設備関係費の増加などを見込む。ただ、期ずれ要因を除いた連結経常利益は２１００億円程度と、２４年に引き上げた中期経営目標の利益水準を上回る見通し。林欣吾社長は「稼ぐ力がついてきた」と手応えを示した。

「年成長7％超…日立、新3カ年計画の全容」　>

「旺盛なIT需要取り込む…NECの通期、非GAAP営業益3200億円」　ＮＥＣが２８日発表した２０２６年３月期連結業績予想（国際会計基準）は、非ＧＡＡＰ営業利益で前期比２・８％増の３２００億円を見込む。旺盛な国内ＩＴ需要を取り込み、中期経営計画で掲げた利益目標を１年前倒しで２５年３月期に達成。２６年３月期は計画を引き上げ、非ＧＡＡＰ営業利益の目標を２００億円積み増した。

「年2000時間削減…サントリーHDが横浜拠点に導入、自動ラックの効果」　サントリーホールディングス（ＨＤ）はサントリーロジスティクス神奈川支店の長津田配送センター（横浜市緑区）に自動搬送ラック２基を導入し、４月から本格稼働を始めた。空間活用による増床効果で出荷作業の効率が向上し、積み込み時間は従来比で３割減少した。

「ペロブスカイト太陽電池由来の電力活用…NTTアノードエナジー・パナソニック、万博会場に水素供給網」　ＮＴＴアノードエナジー（東京都港区、岸本照之社長）とパナソニックは、大阪・関西万博会場（大阪市此花区）内に水素供給網モデルを実装した。水素は二酸化炭素（ＣＯ２）を排出しない次世代クリーンエネルギー源としての活用が期待される。万博期間中の運用実績を生かし、２０２８年にも水素パイプラインの実用化を見込む。将来はＮＴＴグループが全国に持つ電話線・光ファイバーケーブルを通す管路や地下トンネル（とう道）を用いた水素供給網の構築を目指す。（編集委員・水嶋真人）

「三菱電機の通期見通し、3期連続で当期最高益の要因」　三菱電機は２８日、２０２６年３月期連結業績予想（国際会計基準）で当期利益が前期比４・９％増の３４００億円と３期連続で最高益になる見通しだと発表した。好調なインフラ部門とライフ部門に加え、コスト低減や価格改善が進むことが寄与する。一方、米政府の関税政策の影響を一定程度、業績予想に織り込み３００億円のコスト増を見込む。今後の政策次第では、さらに業績に影響を及ぼすとの見方を示した。

「“世界最高水準”90％以上…JX金属、廃車載電池からリチウム回収で新プロセス」　ＪＸ金属子会社のＪＸ金属サーキュラーソリューションズ（ＪＸＣＳ、東京都港区）は廃車載リチウムイオン電池（ＬｉＢ）に含まれるリチウムを同社調べで世界最高水準となる９０％以上回収できる新プロセスを開発した。２０２６年度下期の稼働開始を目標に、ＪＸＣＳ子会社のＪＸ金属サーキュラーソリューションズ敦賀（ＪＸＣＳ敦賀、福井県敦賀市）の既存設備に新プロセス設備の追加工事を進める。

「当期赤字が過去最大に…再生へ難路の日産、成長回帰のシナリオをどう描くか」　日産自動車が２０２５年３月期連結業績で過去最大となる７０００億―７５００億円の当期赤字に転落する見通しとなった。資産価値を厳格に見直し、これまで先送りしてきた減損損失と構造改革費用を計上するためだ。ただ業績を反転し、持続的成長につなげるには協業戦略をはじめ、商品力の強化が欠かせない。トランプ関税など不透明感が増す中、４月に就任したイバン・エスピノーサ新社長は成長軌道に回帰するシナリオをどう描くのか。（編集委員・村上毅）