今回からハン・ガンの小説『菜食主義者』（きむ ふな訳、CUON、2011年）の全力レビューを二回に分けてお届け！【注：ネタバレあり。また、この小説は性暴力やハラスメントなどいろいろな形で暴力が描かれており、私たちの話もそこに及ぶことがあります。今すこししんどいなという方や過去に嫌な出来事があり立ち直れないという方は、読んだり聞いたりする際に気をつけていただいたほうがいいかもしれません。もしやめておこうかなと思われたら、この回は飛ばしていただくか、また元気な時に聴きにきていただければと思います🙏】

静かだけど生々しい文体。主人公ヨンヘの内面に徐々にいざり寄る構成。暴力への嫌悪感の積み重ね、その根にある父親の存在。ヨンヘの夫むかつく。人と人は共食いしてるのか。ヨンヘの義兄＝芸術や違う何かを介在させないと衝動に従えない卑劣な男。ギリギリの境界上にいる姉・インへ。インへはバトンを受け取ったのでは。フェミニズム小説たるゆえん。退場していった男たち。韓国での強制入院（保護入院）についての補足。後半につづく。

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