この研究は、ヒトの海馬におけるシータ波が進行波として伝搬することを初めて実証しました。シータ波は記憶や空間ナビゲーションといった行動と強く関連しており、ラットでは進行波であることが知られていましたが、ヒトでの特性は異なっていたため、直接的な検証が行われました。研究者たちは、てんかん患者からの電極記録を用いてシータ波を分析し、ヒトのシータ波がラットよりも広範囲の周波数で出現するものの、周波数に関わらず海馬全体にわたって一貫した位相広がりを示す進行波であることを発見しました。これは、進行波がヒトの海馬において、機能的に重要な位相符号化を協調させる役割を果たしている可能性を示唆しています。また、周波数と伝播速度の間の相関は、海馬の局所的な発振器が弱く結合しているモデルを支持する結果となりました。
J Neurosci, 2015 Sep 9;35(36):12477-87. doi: 10.1523/JNEUROSCI.5102-14.2015.
Traveling Theta Waves in the Human Hippocampus
Honghui Zhang, Joshua Jacobs
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26354915/