社会保険労務士の田村が様々な業種で活躍する人の働き方や信条・哲学をインタビューし、新しい働き方を学ぶコーナー『教えて、あなたの働き方!』
今回のゲストは、フランスまとめサイト管理人の伊藤圭さんと対談します。
伊藤さんは現在関西のインバウンド専門の旅行会社に勤務される傍ら、フランス語を使う仕事に就く事をメインテーマに、フランスに関する色々な情報を発信しているサイト「フランスまとめサイト」の管理・運営をされています。また伊藤さんは東京外国語大学大学院のご出身という事で、私と同じ大学のキャンパスでお勉強をされていました。
今回は大学時代のフランスでの留学のご経験や東京外国語大学大学院での学生生活、そして卒業後の社会人生活でのご経験から今現在のお仕事や生活する上で生かされている事や培った考え方・価値観、またどのような経緯で今のお仕事に行き着いたかのキャリアの変遷や働き方で大事にしている事をお聞きしたいと思います。
また日々フランス語を使って仕事に就きたい方のキャリア相談をされている伊藤さんに、是非とも若者のよくあるお悩み相談について是非ともお話をお伺い出来ればと思い、ゲストにお呼びさせて頂きました。
【ハイライト】
・伊藤さんが英語、フランス語のトリリンガルになられたきっかけ
・大学卒業から現在のお仕事に就かれるまでの経緯を振り返って
・伊藤さんが大学でフランス語が好きになったきっかけとなった予備校の先生の一言とは?
・伊藤さんが東京外国語大学大学院に入学を決めたきっかけと勉強されたこと
・大学時代のフランス留学で感じたこと
・東京外国語大学大学院で勉強されて今のキャリアに生かされていること
・今の伊藤さんのインバウンド事業のお仕事の事業概要について
・フランス人が日本への旅行・観光で求める事
・フランス語人材として仕事を就く事で良かったことについて
・コロナ後の日本のインバウンド事業を盛り上げるために重要な事とは?
・日本企業や各種団体がインバウンド事業で対応すべき事とは?
本エピソードの後編のリンクはこちらです。
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/id1507714225?i=1000581046822
伊藤さんが管理・運営されているフランスに関する色々な情報を発信しているサイト「フランスまとめサイト」のリンクはこちらです。
https://francematome.com/
伊藤さんのTwitterリンクはこちらです。
https://twitter.com/kei_japonais
番組で紹介しました田村がプロデュースしているポッドキャスト番組「WHAT's YOUR IPPO ~あなたの原点おしえてください!~」のリンクはこちらです。
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/id1601800730
「WHAT's YOUR IPPO ~あなたの原点おしえてください!~」伊藤さんの出演回のリンクはこちらです。
前編
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/id1601800730?i=1000556359367
後編
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/id1601800730?i=1000557412934
ゲストプロフィール:
伊藤圭さん
東京都江東区のご出身です。法政大学法学部政治学科を卒業後、東京外国語大学大学院総合国際学研究科をご卒業されました。大学生の頃に1年間パリへの交換留学を経験される等、フランスをこよなく愛され、英語フランス語を巧みに話すトリリンガルでもいらっしゃいます。また、オンラインフランス語スクールの先駆者である「アンサンブルアンフランセ」の公認インフルエンサーとしても活動されています。
インバウンド業界で8年以上、日々フランス語と英語を使って仕事をされる傍ら、現在は「フランス語の仕事に就きたい」という人々を応援するフランス語キャリアアドバイザーとしても活動されています。
フランス語との出会いは「通じた喜び」から
法政大学で政治学を学んでいた伊藤さんがフランス語にのめり込んだきっかけは、大学の研修旅行中に「簡単な一言が現地で通じたこと」でした。英語が苦手だった学生時代、言葉が通じたという小さな成功体験が自信となり、その後の学習への原動力に。予備校時代の先生の「毎日少しずつ続ければ人生が変わる」という言葉も影響し、大学生活では授業に加えて自費で語学学校にも通い、実践的な力を磨いていきました。
留学で直面した“世界基準”と、国際競争の現実
大学3年時のパリ留学では、ヨーロッパ各国から来た学生との能力差に衝撃を受けた伊藤さん。彼らは自国語に加え英語・フランス語を自在に使いこなす「当たり前のトリリンガル」でした。この経験が「世界で戦うには今のままでは足りない」と気づく転機に。帰国後は東京外国語大学大学院に進学し、仏独の戦後融和政策を研究。フランスとドイツの和解から学ぶことで、日本と韓国の関係改善のヒントを探りました。
フランス語の道に戻るまで:一度は「軸を捨てた」キャリアの葛藤
大学院卒業後、最初に入社したのはフランス語とは無縁のベンチャー企業。就職活動でフランス語を軸にしたが仕事が見つからず、「とにかく働くこと」を優先した選択でした。しかし、1年で給与遅配が発生し退職。そこから自分に正直に「フランス語を活かす仕事だけを探す」と決意し、日本全国・雇用形態問わず応募を続けた結果、現在のインバウンド専門旅行会社に出会い、念願のフランス語キャリアをスタートさせました。
現在の仕事:日本を世界に伝える“架け橋”に
現在は京都に本社を構える旅行会社で、主にフランス・オランダの旅行会社向けに日本旅行の提案・見積・手配を行っています。訪日客のニーズに応じて柔軟にコースを設計し、日本各地の文化・自然・食を紹介するのが役割です。伊藤さんは「仕事を通じて改めて日本の良さに気づく」と語り、観光業の現場から日仏間の相互理解と文化交流を日々支えています。
インバウンド再興への課題と提言:「ガイドライン」と「現実」の乖離
コロナ禍後の訪日観光再開に際して、日本政府が示す複雑なガイドライン(例:添乗員の同行義務や行程事前申請)は、海外旅行会社にとって非常にハードルが高く、訪日旅行の実施を難しくしています。伊藤さんは「感染対策も重要だが、政治的配慮ばかりで現実が無視されている」と指摘。旅行者のニーズに合わせ、柔軟で実用的な政策転換が必要だと訴えます。
「ありのままの日本」を大切に:観光の本質とは何か
観光客は“過剰なおもてなし”よりも“本物の日本”を見たいと思っています。とはいえ、最低限のインフラ(清潔なトイレなど)の整備は必要です。「整えすぎず、手抜きせず」、その絶妙なバランスこそが、訪日客の心を打つと伊藤さんは語ります。地域や企業がその視点を持つことが、観光立国としての日本の信頼性向上につながるのです。
論文指導で学んだ“疑う力”と、仕事に活きる仮説思考
大学院での論文執筆経験から、「仮説を立て、反証し、最善の解を導く」思考法が今の仕事に活きていると話す伊藤さん。批判的思考(クリティカル・シンキング)を身につけたことで、上司の指示でも「それが本当に正しいのか?」と多角的に捉えるようになったと言います。論理と実務の両輪で進めるスタイルは、観光業界における説得力と信頼感の源にもなっています。
伊藤圭さんのキャリアは、「一度フランス語をあきらめかけた」からこそ、今の活躍に繋がっています。通じた喜びから始まり、世界と競った留学、就職の挫折、そして再挑戦。何度も道を選び直しながら、自分の“好き”と“強み”を信じ続けてきました。そして今、彼は言葉を武器に“日本の魅力”を世界に伝えています。――それは、単なる翻訳ではない、「文化の橋渡し」という大きな仕事。その静かな熱意は、これからの観光・教育・国際協力において、確かな灯となるはずです。
~お知らせ~
サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
人生に前向きでポジティブな方をゲストとしてお呼びし、経営者や従業員として働くリスナーの皆様が明日から明るく過ごせて、心や気持ちがパッと晴れるそんな『働き方を考える』ラジオをお送りします。
話すテーマは社労士業、働き方改革、キャリア、海外駐在、外国人雇用、海外放浪等です。
パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、MC等、音声メディアや放送業界でも活動。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
カバーアート制作:小野寺玲奈
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