社会保険労務士の田村が様々な業種で活躍する人の働き方や信条・哲学をインタビューし、新しい働き方を学ぶラジオ番組『教えて、あなたの働き方!』本日のゲストも前回の続きで、行政書士・社会福祉士の尾久陽子さんをお呼びし対談します。
行政書士という働き方は“地図のない旅”かもしれない
資格を活かした独立開業――と聞くと、なんだか特別な人のための選択肢に思えるかもしれません。しかし、行政書士として活躍する尾久陽子さんはその感覚を「パイオニア」と例えつつも、「もともとそんなに構えて始めたわけじゃなかった」と笑います。
行政書士を目指した当初、尾久さんは「行政書士に就職する」という選択肢がほぼないことに気づき、迷いなく独立へ。周囲にも行政書士はおらず、手探りのスタートでした。けれど今では、その自由さと幅広さを魅力に感じ、「この資格だからこそ、自分の人生に合わせて働くことができる」と実感していると語ります。
“例え力”で伝える行政書士の仕事:ニッチな経験が強みになる
「行政書士の仕事って何ですか?」と問われたとき、尾久さんは「地味だけど、確かな仕事」と答えます。実際、許認可や書類作成といった業務は一見ニッチでも、そこにしかない専門性が問われる場面も多いのです。
「会社で“報われない仕事”だと思っていた経験が、行政書士としては“唯一無二の強み”になることもある」。たとえば防火計画専門や医療機器だけの申請に特化した行政書士など、実際に「その道のプロ」として全国規模で活躍する人もいます。
これまでの仕事人生のなかで、何か小さな専門性を積んできた人にとって、行政書士という資格は「その経験を転用できる選択肢」なのです。
“4回やれ”という教え――続けることに意味がある
尾久さんが今も胸に残している言葉があります。それは独立直後、先輩からかけられた「みんな3回で諦めるけど、4回やれ」という言葉。
努力がすぐに結果にならなくても、焦らず、諦めず、もう1回踏ん張ってみる。その姿勢が、行政書士としても、人生のあらゆる局面でも重要なのだと、今では実感していると話します。
「すぐに白黒つけたくなる気持ちは分かる。でも、ぐっと力を抜いて、少し遠回りしながらでも続ける方が、実は最後に強い」。舞台俳優時代に見てきた“すぐ結果を求めて去っていった人たち”のことを思い返しながら、尾久さんは「向いてないと思いながらも続けることに価値がある」と語ります。
働き方の柔軟性と、人生の“ぼちぼち”哲学
行政書士という仕事は、ライフステージや状況に合わせて柔軟に働けるという特徴があります。子育て、介護、体調の波。どれも人生に訪れる可能性のある変化ですが、それに仕事を合わせていくことができるのは、この資格の大きな強みです。
尾久さん自身も今、親の介護と仕事を両立するなかで「働き方は“ぼちぼち”でいいんだ」と考えるようになったそう。ある人から「仕事なんて一回やめてもまた戻れる」と言われたことが印象に残っていて、「そんなふうにゆるやかに向き合える仕事だからこそ、長く続けられるのかもしれない」とも話していました。
“今、手を差し伸べられなくても”――長期目線の野望
最後に尾久さんが語ってくれたのは、自身が立ち上げた「みんなのプライド」という一般社団法人について。これは、高齢者などの緊急連絡先を担う団体であり、「本当に必要とされるのは20年後、30年後かもしれない」と言います。
「そのときに、自分がいなくなっていましたでは意味がない。だから、いまから組織としての体力を育てていきたい」。そんな“時間をかける”視点に、尾久さんの誠実さと長期的な社会貢献への意思が滲み出ていました。
資格は“自由に働く”ための道具になる
尾久陽子さんの働き方には、「やりたいことを実現するための資格の使い方」と「焦らず続けるという人生の姿勢」が融合しています。
行政書士として独立する道に、不安や未知はあるかもしれません。けれど、尾久さんの言葉には「特別な誰かだけの道じゃない。ニッチな経験も、迷いも、全部強みになる」という希望が込められていました。
~お知らせ~
サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
人生に前向きでポジティブな方をゲストとしてお呼びし、経営者や従業員として働くリスナーの皆様が明日から明るく過ごせて、心や気持ちがパッと晴れるそんな『働き方を考える』ラジオをお送りします。
話すテーマは社労士業、働き方改革、キャリア、海外駐在、外国人雇用、海外放浪等です。
パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。
カバーアート制作:小野寺玲奈
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