前回は、「分析とは何か、何のために分析するのか」についてお話しました。分析とは「分けて比較」することで、因果関係を知るために行うもの。では、因果関係が分かると何がいいのかと言うと、効率良く物事を進めたり、より良い意思決定ができるということでした。
今回は、実際に分析を行う際にどんなポイントに気を付けると良いのかについてご紹介します。具体的には四つのポイントがあります。
一つ目は「インパクト」
二つ目は「ギャップ」
三つ目は「トレンド/パターン」
四つ目は「ばらつき」
以上の四つになります。
①「インパクト」
分析作業に入る前に考えたいポイントの1つです。その分析が最終的な結果に及ぼす影響度がどのくらいあるかということを冷静に考えた上で、実際に分析にどれだけの手間と時間をかけるかを考えましょう。
この検討をせずに分析の作業そのものに没頭してしまうと、数字をこねくり回したり、グラフを幾つも書いてみたりと、作業にやたらと時間が掛かってしまう割に費用対効果が得られないという事態に陥ってしまいます。特に数字が得意な方ほどこの罠に陥ってしまう傾向があります。
例えば100億円の投資判断をする為の分析と、改善しても数万円程度くらいしかうま味が無いという問題解決を行う為の分析では、分析に求められる精度や投じるべきリソースも大きく変わってきます。
まず分析に入る前に、その分析が本当に必要な分析なのか、その分析が無いとその意思決定が出来ないのについて冷静に判断してみてください。あるいは、分析をした場合としなかった場合を比較した上で、その分析にリソースを投下するかを判断するなど、分析のインパクトを意識していただけるといいと思います。
②「ギャップ」
分析は分けて比較するものですから、分けて比較した際の数字のギャップを見てあげる必要があります。
適切に比較対象を選ぶには、本当に色々な方法論があります。その中でも今日は二つの方法論をご紹介します。まず一つ目は「絶対数」で比較をするのか、それとも「パーセンテージ(比率)」で比較をするのかという話です。極端な例を出すと、例えば母数が10人・20人程の場合、パーセントの議論を持ってくるとよく分からなくなってしまう場合が多いです。10人お客さんがいて、1人いなくなったという時に比率で議論すると、「10%の顧客が離反しました」と言い換えることができますが、「10人が9人になる」というのと、「10%減る」というのとでは印象が大きく異なってしまいます。
従って、皆さんが議論する時の数字は絶対数が適切なのか、パーセントが適切なのかというのは常に意識しておいてください。絶対数かパーセンテージか選べないという場合は、両方出しておくという位でもいいかと思います。
二つ目の方法論は、「フロー情報」を見るのか、「ストック情報」を見るのかという観点です。例えば、企業会計でいうと、損益計算書はフロー情報ですし、貸借対照表はストック情報にあたります。経済的な豊かさを比較したいと思った際には、収入の様なフロー情報で比較をするのが適切なのか、或いは資産のようなストック情報で比較をしてあげるのが適切なのか、その両方を使ってあげた方がいいのか。これらは分析の目的に応じて判断する必要があります。
③「トレンド/パターン」
実際にデータをグラフにして見た際に、ずっと右肩上がりなのか、右肩下がりなのかなど、時系列でデータを見て議論をすることも多いと思います。時系列のグラフを見る時には、右肩上がりか右肩下がりか、まずはこのトレンドを見極めてあげましょう。一貫して右肩上がりなのかどうか、更にはどのくらいの傾きなのか、これが皆さんに与える影響が何かというところはしっかり見ていただけるといいかと思います。
加えて、右肩上がりの傾向ではあるけれども、妙に外れている点がないか、或いはどこかのタイミングから少し傾向が変わっているところ(「外れ値」)、傾向が変わるところを(「変曲点」)が無いかなどをチェックしてみてください。トレンドに加えて外れ値や変曲点を見極めることが、何らかの示唆につながることも多いです。
④「ばらつき」
世の中の多くの問題は、全体でまんべんなく同じ問題が発生していることは稀で、大体のものが偏っています。これは「パレートの法則」という経験則でも知られています。従って問題解決をしたいと思った時には、問題が一部分に偏っていないだろうかというのは是非チェックしてみてください。その後の問題解決や意思決定、アクションに繋げていき易いと思います。
では、今日のまとめです。
今日は分析を行う上で、具体的にどのような比較の軸を意識するといいのかについてお話ししました。具体的には四つのポイントがあります。インパクト、ギャップ、トレンド、ばらつきです。ぜひこの四つを意識しながら分析を行ってみてください。