♪オーボエと弦が奏でる感動的な旋律
「交響曲第2番」はラフマニノフが私生活の上でも1902年にナターリヤと結婚、
翌年には長女を、1907年には次女を授かった、公私ともに充実していた時期の作品です。
1906年10月から1907年4月にかけて、ドレスデンと夏の間だけ帰国して過ごした
妻の実家の別荘地、イワノフカで作曲されました。
初稿にはひどく不満足だったものの、数か月の改作を経てこの作品を仕上げると
1908年1月26日にサンクトペテルブルクにて自身の指揮で初演を行いました。
演奏は大成功を収め、初演から10か月後に2度目のグリンカ賞を授けられました。
320ページにのぼる自筆譜は、長らく紛失していましたが2004年になって発見され、
テイバー財団によって所有されて大英図書館に永久貸与となっていました。
2014年5月20日にロンドンでサザビーズにより競売に掛けられ、120万ポンドで落札されました。
第3楽章は全4楽章の中で最も広く知られる、ラフマニノフならではの美しい緩徐楽章。
まずヴィオラによるスラヴ風の流れるような旋律が、儚い憧れを込めるかのように歌われると、
続いてクラリネットのソロによるノクターン風の長閑な旋律がこれに代わります。
特に3:00から始まるオーボエと弦が奏でる旋律は感動的で、胸に染み入るものがあります。
*冒頭から約5分間の抜粋です。前回よりテンポを若干落としました。
ベルリンフィルハーモニー大ホールの舞台から20m付近の音響を使用しています。
ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 Op.27 第3楽章 [2023]
Sergei Vasil'evich Rachmaninov:Symphony No.2 in E minor, Op27
III. Adagio [4:53]
Rachmaninov-Symphony-No2-3rd-2023.mp3
Rachmaninov-Symphony-No2-3rd-2023.mp3