方言ニュース 2020年11月25日(水)
琉球新報の記事から紹介します。
首里城再建への課題や論点を議論する「首里城再興に関する公開討論会」がこのほど、
那覇市の県立博物館・美術館で開かれました。
国の「首里城復元に向けた技術検討委員会」委員長の高良倉吉琉球大学名誉教授は、
首里城正殿の大龍柱の向きについて「新しい事実など、さまざまな資料を突き合わせ、技術検討委員会などの場で
検討していくことになるだろう」と述べ、大龍柱の向きを再検討する考えを示しました。
委員会ではこれまで、相対、横向きの予定で作業を進めてきましたが、
1877年にフランス人が撮影した首里城の写真では、正殿の大龍柱が正面向きで、
フランスの巡洋艦で那覇港に寄港した海軍中尉ジュール・ルヴェルトガが
撮影したとされます。この写真に関連し、高良氏は、
尚家文書「御書院日記」の記述を紹介しました。日記には、1877年の写真撮影時と同じ時期に、フランス人の一行が
日本の明治政府の役人と一緒に2日連続で首里城を訪問し、琉球側が北殿で茶や菓子でもてなしたことが
記されています。
写真を撮影した記述はありませんが、高良氏は「写真と一緒に紹介されている
紀行文と一致、符合する琉球側の記録だ」と、フランス人の一行が同時期に首里城を
訪れたことを裏付けているとしました。