この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
今回も、弁理士の新井信彦さんをお訪ねし、新井さんが昨年10月にご出版された、「パクリ商標」から、パクリ商標とはどういうものかということについてお伺いしました。
新井先生は、パクリ商標はことばから悪いイメージを持ってしまいがちですが、必ずしも悪ではないと考えているそうです。
これを理解するために、新井先生から、あるTwitterの投稿をもとに、パクリに似た言葉についてご説明いただきました。
(1)バレて困るのがパクリ→盗むという意味合いが強く盗作という感じのもの。
(2)バレると嬉しいのがオマージュ→尊敬の念を持ったパクリ。
米国映画の「荒野の七人」は、黒澤明監督の映画「七人の侍」のオマージュと言われている。
(3)バレないと困るのがパロディ→五木ひろしのものまねをする芸人の芸が面白いのは、五木ひろしのものまねをしているということがわかるから。
だれのものまねかわからなければ面白くない。
(4)バレたときの言い訳に使うのがインスパイア→感化すること。
ジョージ・ルーカスは、ジョーゼフ・キャンベルの「千の顔を持つ英雄」に感化されてスター・ウォーズを制作したしたと言われている。
そして、新井先生は、パクリ商標とは、偶然なのか、故意にそうしたのかはともかく、商標法やその他の法律に反しないで何らかの形で模倣した商標を指すと考えているそうです。
一方、法律に反した模倣商標は悪意のあるパクリ商標だということです。
そして、フェアなパクリ商標の例として、新井先生は、まず、マヨネーズを日本で最初に製造した業界トップのキユーピーをあげておられます。
食品工業株式会社(現在のキユーピー株式会社)の実質的な創業者の中島董一郎氏の、愛と幸せの象徴であるキューピーが、マヨネーズの販売にピッタリという思いから、同社製品の商標として使われたそうです。
次の例として、スポーツ用品のナNIKEがあげられるということです。
これは、ギリシャ神話の勝利の女神のNIKEの翼の形を商標にしたそうです。
3つめの例として、ミツカンをあげておられます。
当初は、多くの酢業者が使っていた「丸」で囲んだ「勘」のマークを商標として登録しようとしていたところ、3日前に同業他社にその商標を出願されていたので、創業者の中埜家の家紋である、「丸」で「三」を囲むマークを分解した現在のマークを商標として登録したそうです。
ところで、特許権は出願から20年(薬は25年)で存続期間が満了し消滅しますが、商標権の存続期間は10年であるものの、更新ができるので、10年ごとに10回更新すれば100年間存続することになり、のれんのように、半永久的な権利となるそうです。
そして、日本には、いずれも米国の会社である、フォードが1910年に、ジョンソンアンドジョンソンが1909年に、B.V.Dが1910年に商標登録をして、日本での100年商標となっています。
そして、これらの会社の製品は、日本において広く浸透しており、商標を早い段階から活用したよい事例であると新井先生は考えているそうです。
これらの会社のように、先見性を持って海外に進出するという方針が大切ということだそうです。
ちなみに、日本の会社では652件の100年商標があり、その代表的なものとして養命酒の商標があるそうです。
また、三菱鉛筆の商標は、三菱商事などの三菱グループの商標は同じものですが、別の会社による別の商標として登録されている100年商標だそうです。
なお、商標の更新は半永久的に可能であるものの、10年に1度の手続きなので、商標を管理する担当者が入れ替わることなどが原因で、更新を忘れてしまわないように十分な注意が必要だということです。