今回は乾くるみの小説『リピート』を語ります。いいミステリとは何だろうという前半戦,そして後半戦ではこれまでの自由意志論や決定論を踏まえながら運命と人間の意志というテーマについて語ります。谷の出発点でもあり到達点でもある『リピート』論を今宵,解放です。
▼今回扱った書籍
乾くるみ『リピート』
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▼あらすじ
毛利圭介は東京の大学に通う四年生。九月一日の日曜午後、ひとり暮らしのアパートに電話がかかってくる。聞き覚えのない男の声がいう。「今から約一時間後の午後五時四十五分に、地震が起きます。」一時間後、たしかに地震は起きた。どういうことなのかと首をひねっていると、ふたたび電話が鳴る。風間と名乗った男は、毛利に”リピート体験”を提供したいと申し出る。それは、過去の自分に戻ることだった。毛利は半信半疑のまま、申し出に乗って”ゲスト”となることを決める。リピートされる期間は、一月十三日から十月三十日までの約九か月半。つまり、十月三十日にリピートの”門”をくぐると、次の瞬間、同じ年の一月十三日の自分自身に戻ることになる。
▼今回の目次
0:00 乾くるみ『リピート』
2:35 谷:~であってほしい→違った→じゃあ~であってほしい→違った→じゃあ~→...,という小市民(↔探偵)目線で謎への関心は進行してほしい。
10:11 大原:ミステリはキャラが役を演じてるように見えてあんまり...。
13:18 谷:ミステリは読者フレンドリーな推論の追い方を追求すべき。探偵の勘とかはわからんやん。
18:06 推論を立てた後に世界から反証が提示されて推論を修正していくプロセス,すなわち推論の移動性があるミステリなのが『リピート』のいいところ。
22:00 *****以降後半戦(注意:リピートネタバレ有)*****
22:20 『リピート』の運命論とのかかわり。
30:15 谷:どんなことがあろうと結末を決める力があるとすればそれは○○である。
▼この回を聴いてくれた人に聴いてほしい関連回
・第85回【閑話27─「犯人はこの中にいる!」】
・第70回【学術書『心の謎から心の科学へ_自由意志』を語ろう─チザム「人間の自由と自己」その2】
・第57回【《小説回》『儚い羊たちの祝宴』を語ろう─「玉野五十鈴の誉れ」】
▼「宿舎4階にて」とは?
文系大学生「谷」と理系大学生「大原」のユニットによるPodcast番組。同じ大学に通い、同じ宿舎の4階で出会った二人が、日々の「読書と葛藤」を語ります。
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