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台湾ソフトパワーは、女性の話題を中心に、台湾の魅力をお伝えする番組です。キャリアウーマンあり、市井の女性あり、女性のがんばる姿を通して、台湾のことを、より身近に感じていただけたらうれしいです。... more
FAQs about 台湾ソフトパワー:How many episodes does 台湾ソフトパワー have?The podcast currently has 355 episodes available.
November 09, 2020台湾ソフトパワー - 2020-11-10_令和2年秋の外国人叙勲受章者≪トーク①:令和2年秋の外国人叙勲、台湾から3名が受章≫先日、日本の「文化の日」である11月3日付で、今年(2020年/令和2年)秋の外国人叙勲受章者が発表されました。この秋の外国人叙勲とは、日本との友好親善などに顕著な功績のあった外国人に対する叙勲で、今回は、旭日章および瑞宝章合わせて141人の外国人が受章。そのうち、日台間の友好関係の増進に顕著な貢献があったとして台湾から3名の方が受章されしました。その3名の受章者とは、原子力が専門で日本の事情にも詳しい、輔仁大学跨文化(異文化)研究所兼任教授であり、台湾大学と中国文化大学の日本研究センターの諮問委員を務めている、謝牧謙・教授が「旭日中綬章」を受章。「原子力分野における日本・台湾間の学会・産業界の交流進化および相互理解の促進に寄与」した功労が評価されました。そして、「台湾における対日理解の促進および友好親善に寄与」したとして、現在、池上一郎博士文庫研究学会理事長を務める、劉耀祖氏が「旭日双光章」を。現在、社団法人台湾歴史資源経理学会秘書長を務める、丘如華氏が「旭日単光章」をそれぞれ受章しました。これを受け、日本の台湾窓口機関である日本台湾交流協会は、受章者の貢献に敬意と謝意を示しました。1972年に中華民国と日本の国交断絶以降、、台湾からの叙勲受章者入りは無くなっていましたが、2005年に台湾の方々を対象に叙勲が再開されて以降、今回の秋の叙勲で受章者は65人となりました。≪トーク②:「旭日単光章」受章の丘如華さん≫令和2年秋の外国人叙勲では台湾から3名が受章されましたが、そのうちの一人、「旭日単光章」を受章した、社団法人台湾歴史資源経理学会の秘書長を務める丘如華さんについてもう少し詳しくご紹介しましょう。丘如華さんは、現在74歳。台湾の戒厳令が解かれる前からの文化運動の先駆者と言われています。ウィーンの音楽学院で音楽を学んだあと台湾に戻ってからは大好きな歴史を選択、古跡や集落の保存に力を注いできました。今から32年前の1988年に「我愛迪化街(愛する迪化街)」運動を起こし、台北市の旧市街、大稻埕、迪化街の260棟の古い町の建物を保存することを始めました。丘如華さんは、まずは最も重要なカギとなるそこに住む住民たちに先に利益を与え、街を整えることに賛成をもらっていきました。そうでなければ家を崩してビルを建ててしまうかもしれなかったからです。具体的には、法律を動かすサポートをし、迪化街の屋根の上の「空」、つまり建物の上の空間をデベロッパーに売却できるようにすることで、大きな利益を得ることができるようにし、その一部を使って古い建物を修復することができたのです。こうして153か所の古い建物の保存と、110棟の歴史的建築物の外観の維持を促進しました。これに、もし都市再生の参与したものや改建審査に携わったものも含めれば、全部で377棟を手掛けたことになります。迪化街の建物は、入り口が狭く、奥行きのある建物が連なっていますが、これは店舗と住居を兼ね備えた造りとなっており、清の時代の台湾の商業の街の典型的なスタイル。百年の歴史を持つそんな迪化街の建物は京都の千年町屋を歩いた時を彷彿とさせるような優雅で静かな雰囲気を感じ、この百年の輝きを保存しようとしたそうです。また、当時は古い町は道を広げることで発展するという考えがあり、発展のために迪化街の道を広げなくてはならないという考えでしたが、丘如華さんはその考えも変えました。“本当に古い町は道を広げれば発展するのか?”─。その答えはおよそ30年経った今わかりました。すでに道幅を広げた塔城街よりも、古い街並みを保存した迪化街が発展しているのは明らかですね。丘如華さんは、まさに大稻埕の歴史的な街並みを形成する先駆けとなった運動家です。今の迪化街があるのは丘如華さんの活動による貢献がとても大きいのですね。そして、丘如華さんの活動は迪化街、大稻埕にとどまりません。2000年には日本から招待を受け、東京大学で2か月間短期研究に参加。広島の鞆の浦で、歴史的港湾施設が残る港を埋め立て橋を建設するという事業に対する街づくりの活動と研究にも参加しました。日本の歴史の街保護に対してとても興味を持ち、「日本全国街並み保存連盟」とも交流があるそうで、彼女が立ち上げたNGO組織では、日本の経験から学ぶだけでなく各地のコミュニティ組織とともに成長していて、台湾での歴史集落の保護にも努力を惜しみません。2016年に、古跡である「北門」のすぐ横を走っていた高架橋が解体され、今では歴史的建築物が多い「北門」周辺は整備されていますが、この高架橋の解体を柯文哲・台北市長に提案したのも丘如華さん、そして今も、台北市中山区にある「建國啤酒廠」の保護のために奮闘中です。さらには、彼女は人と会うことが大好きで、たとえどんなに歴史的な集落が遠くにあっても、東南アジアでも北東アジアでも向かいます。必要とする場所で人類文化集落を守りたいという情熱と、資源統合問題を解決する面で貢献しています。「歴史的文化資産はその土地の人にとって“替えることができないもの(替わりのないもの)”であると信じている」という丘如華さん。これからも歴史を守るために走り続けます。...more9minPlay
November 02, 2020台湾ソフトパワー - 2020-11-03_衛生福利部立台北醫院呼吸治療師の張莞爾さん今年、新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るう中、様々な場所で、様々な人たちの活躍があります。今週はそんな新型コロナの中、自身の経験や知識とともに母親の気持ちで特別な任務を行った衛生福利部立台北醫院の呼吸治療師、張莞爾さんについてご紹介しましょう。新型コロナがちょうど広がり始めた今年(2020年)の2月、事実上封鎖された中国・湖北省を訪れたまま台湾に戻ることができなくなってしまった血友病の少年の命を救うために、台湾から千キロを超える道のりを経て薬を届けたというニュースを覚えていますでしょうか。血友病患者の少年が、母親とともに中国湖北省の親族に会いに行っていたところ、新型コロナウイルスの感染が拡大したことによって武漢の封鎖に合い、さらには湖北省に残っている台湾の人たちを退避させるために運航されたチャーター便にも乗れず、手元にある薬もあと少しで使い終わってしまいそうな状況に陥ってしまいました。少年は去年の12月から毎週特別な注射薬を打つ治療法を始めていて、これをもし中断してしまうと関節や全身から出血する危険性がありました。しかし、この注射薬は台湾の新薬で、中国では手に入らないものだったのです。そのことを知った台湾の対中国大陸窓口機関、海峡交流基金会や高雄医学大学病院が少年の命を救うための薬を届けることに。次々と飛行機も往来が停止となる中、最後の1便に薬を乗せることができ、中国へ。しかしその時、中国では各省で車両の行き交いができなくなっていたため、湖北省と河南省にいる台湾の企業関係者が協力し、台湾からおよそ1,780キロ離れた少年のもとへ無事に薬が届けられました。このことは台湾で大きなニュースとなりました。そして、少年はその後、チャーター機で台湾に戻ることができたのですが、その時にも活躍した女性がいました。その女性とは、衛生福利部立台北醫院呼吸治療師の張莞爾さん。新型コロナが広がり始めのころ、当初チームリーダーが中国に残留している人たちを退避させるためのチャーター便で中国へ向かう希望者を聞いてきたとき、張さんは、これまで30年間、看護師を務めたこともあり、呼吸治療師でもあるから手伝えることがあるのではと、いろいろと考えることなく自ら志願して行きました。張さんによると、その日は午後1時出発で、深夜0時に台湾に戻ってくるというスケジュール。実は翌日は自身のお子さんの始業式だったのですが、SARSの時、医療関係者の子供たちが差別を受けたことを繰り返してしまうのではないかと心配し、この時は「残業で遅くなる」とだけ告げ、任務後、子供の面倒を見てくれた母親に伝えたんだそうです。また、当時はまだみんな新型コロナのことをよくわかっていなかったので、自身の仕事によって子供が近所や学校から排除されることがないよう、チャーター機で迎えに行った際には全身防護服で呼吸ができないほどにきつく縛っていて、飛行機の中は冷房が強めにかかっていたにもかかわらず、汗だくだったそうですが、自身のため、そして家族を守るために耐えたんだそうです。機内では常に血友病患者の少年と母親に付き添い、サポートをしました。ちなみに、その時、台湾と中国、両岸の政治的な緊張感やプレッシャーは感じたかとの質問に張さんは、あまり深く考えず、ただ単純に一人の母親として早く子供を迎えに行きたいと思っていたと答えていました。そんなベテランの張さんでも、実はこの時、怖くなかったわけではなかったそうです。張さんは20年前にSARSにも直面し、とても怖かった経験があります。ただそこから経験と知識を積み重ねたことで今回、しっかりとした態度で新型コロナウイルスに向き合うことができたんだそうです。張さんは、この血友病患者の少年と母親の帰国に伴った任務が評価され、先日(11/1)、新北市で行われた「新北市第9回医療公益奨および第8回看護優秀賞合同表彰式」で、25名の医師や医療従事者、および45名の看護師のうちの一人として、新北市の侯友宜・市長から表彰を受けました。新型コロナウイルスは様々な場所で大きな影響をもたらし、これまでの普通にできていたことができなくなるなど生活が変わったりもしましたが、それでも今、ほぼ普通と変わらない生活ができているのは、張さんをはじめ、こういった多くの人たちの努力や活躍のおかげなんですね。新北市の侯友宜・市長は、メディアのインタビューで、今年は新型コロナが非常に猛威を振るっているが、台湾が安全でいられるのも医療スタッフが貢献し、最善を尽くしてくれているからだ。なので、新北市は医療公益奨そして看護優秀賞を通して新北市民の健康の確保に全力で当たるこれらの関係者に感謝したいと語りました。...more10minPlay
October 26, 2020台湾ソフトパワー - 2020-10-27_淡海輕軌が展開する“五感の体験”~香り~皆さんは台湾の“香り”といえば、どのような香りをイメージしますか?「臭豆腐の香り?」…まぁ、それもあるかもしれませんが、台湾には海の香り、山の香り、木々の香り、花の香り、お茶の香り、フルーツの香り…と様々な自然の香りがあります。最近ではそんな台湾の自然の香りを連想するような“香り”が台湾の若い女性を中心に人気を集めています。中でも有名なのが、台湾茶香水のブランド「P.Seven茶香水」─。フランス留学経験者の調香師を中心としたチームが、愛する台湾の文化・土地を香りで表現したいという強い思いから開発。「台湾をまるごと瓶に閉じ込める」をブランドメッセージに掲げ、台湾人のまっすぐな優しさと微笑みを瓶に詰め香りで閉じ込めています。台湾には“お茶文化”がありますが、台湾でお茶の試飲をするときに、まず茶葉の香りや、“聞香杯”という茶器を使って「お茶の香りを楽しんで」と言われると思います。香りで嗅覚を目覚めさせると他の感覚も研ぎ澄まされるとされ、お茶を様々な感覚を使って楽しむという文化なんですね。このように台湾の生活の中に“香りの美学”を楽しむ習慣があります。そんなお茶文化を背景に、香りで台湾の文化を表現している香水なんです。例えば、「P.Seven茶香水」を代表する香水が「茗香水」。まるで山の木々たちに包まれているような森林系のウッディな香りから始まり、次第に「金萱茶」のほのかに甘くさわやかな香りに。幾重にも軽やかな香りが重なり、最後には貴重な高山植物のような香りで締めくくられ、神秘的で落ち着いた力をもたらしてくれます。この「茗香水」は、調香師らが1年半をかけて“新しさ”と“伝統”の間をとることを意識し、墨の原料を混ぜることで、さわやかなお茶の香りに、“伝統”を感じさせるような神秘的な雰囲気を加えたそうです。香りには感情を揺り動かす作用があるともいわれていますよね。日本だと道端で金木犀の香りがして「あぁ、秋だなぁ~」と感じたことはありませんか?また、前にお付き合いしていた人のつけていた香水の香りがすると当時を思い出してしまうなどなど…。香りとともに記憶をも引き出してくれます。この「P.Seven茶香水」の香りをかぐと台湾の記憶があふれ出てくる人も多いかもしれませんね。そして今、そんな香りと記憶をつなごうと、台北の北側、新北市淡水エリアのニュータウンを走る次世代交通機関「淡海輕軌(淡海ライトレール)」では、この「P.Seven茶香水」とコラボレーションして香りの投票イベントを行っています。「淡海輕軌(淡海ライトレール)」と言えば、台湾の有名絵本作家「幾米(ジミー)」がこの「淡海輕軌(淡海ライトレール)」緑山線のために書き下ろした絵本「閉上眼睛一下下(ちょっと目を閉じて)」のパブリックアートが各駅に設置されていて、絵本の世界を作り出しています。そんな芸術鉄道を打ち出しているほか、周辺・淡水の美食店など協力し、「五感」体験を打ち出していますが、視覚・味覚・触覚体験に続き、今回は“嗅覚”にスポットをあて、「香りのアート」をテーマに「淡海輕軌(淡海ライトレール)」の“香りの旅”を打ち出します。香りとともにライトレールから見る淡水の景色やライトレールでの旅がより印象深いものになりそうですよね。でもそこで一番重要となってくるのが“どんな香りなのか”─。新北メトロによると、淡水のマングローブや、海藻、ワイルドリリーなど、地域の様々な要素と合わせ、淡水の一日のうち、違った時間の水辺の雰囲気の香り3つを創作、そして今、その3つの香りの中からあなたの記憶の中の淡水と、「淡海輕軌(淡海ライトレール)」の香りを選んでくださいというイベントを行っています。その3つの香りとは…「晨露」、「夕顔」、「藍夜」です。●「晨露」は、淡海の朝顔の青をイメージ。ライムの香りとワイルドリリーの香りが交わった、さわやかな優しい香りです。●「夕顔」は、淡海の夕方に雲の色彩が変化するイメージ。オーシャンやウッディな香りが特徴です。●「藍夜」は、淡海の深い夜のイメージ。ベルベットムスクの香りでしっとりとした雰囲気となっています。どの香りもそれぞれに特徴があります。ラジオで香りはお届けすることはできませんが、淡海エリアに行かれたことがあるという方は、どの香りが自分の中の淡海のイメージと近いですか?ちなみに「淡海輕軌(淡海ライトレール)」では、今後、香りの車両や、香り付きの乗車券など、様々な香り関連商品を開発していく計画だそうです。“香り”と言えば、私の感覚では、日本にいたころは私も周りも香水をつけたり、ヘアケア商品の香りや洗濯洗剤や柔軟剤の香りを気にしたり、お部屋でアロマを焚いたり…と香りが生活とすごく密着してあふれている感じがしていましたが、逆に台湾では周りに香水をつけたり、アロマを焚いている人もそれほど多く出会わず、日本ほど生活の中であまり“香り”を意識することはありませんでした。でも、お茶の香りを楽しむという文化があるように、台湾の人たちも香りを楽しむのが好きという人が多いようです。そして台湾の人たちは、特に、木々の香りや、お茶の香り、花の香りといった、自然の優しい香りが好きなように感じます。台湾茶を飲んだらその香りで台湾を思い出す─。そんな感覚で、香りと結び付けた「淡海輕軌(淡海ライトレール)」の“香りの旅”はこれから人気になりそうです。ちなみに、台湾茶香水のブランド「P.Seven茶香水」は、東京・日本橋のコレド室町テラスにも店舗がありますので、台湾の優しい香りに触れたくなったら足を運んでみてくださいね。...more7minPlay
October 19, 2020台湾ソフトパワー - 2020-10-20_花蓮でスクーターシェアサービス拡大中!今、台湾東部・花蓮県でスクーターのシェアサービスが広がりを見せています。台湾は日本と比べるとスクーター利用者が非常に多く、自身のスクーターを持っている人も多いのですが、なぜシェアリングサービスが、しかも花蓮で広がっているのでしょうか。今週は、そんな今、花蓮で広がりを見せているスクーターシェアサービスについてご紹介しましょう。花蓮でスクーターシェアサービスを仕掛けたのは台湾山葉機車。ヤマハ発動機が台湾に設立した現地子会社で、台湾の大手オートバイ製造メーカーです。その台湾山葉が今年2020年の8月、花蓮にシェアスクーター「YATOGO」を投入すると発表しました。まず第1期として8月15日から90台のスクーターで試験営業をスタート、予定では2020年の年末までに500台、来年2021年には1,500台に増やす計画です。台湾ではシェアサイクルUbike(ユーバイク)が都市部を中心にすっかり生活に浸透しています。ですが、スクーターといえば大体みんな自身のものを1台持っていますし、シェアが必要な人がそんなにいるのかしら?しかも都市部ではなく郊外で?と思いましたが、花蓮だからこそ必要だと考えたようです。花蓮といえば、雄大な自然を有する太魯閣をはじめとした手付かずの大自然が多く残る場所。そんな花蓮はとても広く、秘境スポットを訪れるには足がないと向かうことができません。でも電車や飛行機で花蓮までやってきた観光客はそこからの足がない…。そこでこのシェアスクーターがあると助かるというわけです。私も花蓮に行ったときには足がなく、車を1日チャーターして移動しましたが、スクーターだと小回りも利きますし、自然の風を直に感じることができていいですよね。では、どのようにして借りるのかというと、利用者はスマートフォンでQRコードをスキャンし、基本的なデータと運転免許証の情報を登録したらレンタル可能です。料金は最初の10分間は無料、その後は毎分1.5台湾元(日本円およそ5.5円)が加算。連続で8時間使用すると、さらに16時間無料で利用できます。台湾元680元(日本円およそ2500円)で24時間利用できます。なお、スクーターの動きは衛星測位システムで把握されているだけでなく、もしトラブルが発生した場合には24時間体制でカスタマーサービスが対応してくれます。また、故障だけでなく、破損があった場合も、保険会社が認定すれば、すべて保険会社が負担することになり、700万元(およそ2,570万円)の自動車保険を利用することができます。しかも利用できるスクーターは、発売後3年以内のモデルで、いずれも第7期排ガス規制の条件を満たすものです。また、観光ホテルと協力して、貸し出した場所とは別の場所に返却も可能です。でも今、電動スクーターが注目を集める中、なぜガソリンスクーターなのか?という点に関しては、電動スクーターの場合、都市部を走るだけなら適しているものの、耐性・走行持続力に限界があるからなんだそうです。ちなみに、「YATOGO」はガソリン1リットルで50キロ走ることができ、一日花蓮を巡っても余裕で足ります。しかも、第7期排ガス規制の条件を満たすスクーターは、二酸化炭素の排出も減らすことができるだけでなく、花蓮県全域にすでに70数軒のガソリンスタンドがあり、十分に持続走行ができるとしています。先日、「YATOGO」の袁易・CEOらが、花蓮市の魏嘉賢・市長のもとを訪れ、このシェアスクーターについて説明をし、花蓮市と協力して観光産業を盛り上げたいと伝えました。それを受け、魏嘉賢・市長は、台湾東部でシェアスクーターを推進することは、消費者の利用習慣を理解しなくてはならないし、産業政策の変化も掴み取らなければならず、大きなリスクともいえる。しかし、国内主要バイク製造メーカーのひとつである台湾山葉が事前に市場を評価した上で推進するので間違いないと信じていると語りました。花蓮は大自然が広がるがゆえに、道幅が狭く車だと途中までしか入れない場所もあります。でもスクーターならそんな秘境にも行きやすくなりますよね。今後、「YATOGO」は毎年訪れる数百万人の観光客をターゲットにビジネスチャンスを掴み取りたいとしています。...more10minPlay
October 12, 2020台湾ソフトパワー - 2020-10-13_台湾の“有機農業”台湾といえば“美食”!美味しい食べ物がいっぱい!というイメージの方も多いと思います。しかし、実は台湾の食品といえば、数年前までは食品事件が相次ぎ、社会問題となっていました。台湾のニュースではしばしば「黒心食品」と呼ばれる、人体に有害な成分を含む食品に関するニュースが流れているのを目にします。たとえば、2011年、食品への添加が禁じられている有害可塑剤を含む飲食品の流通が発覚。混入はサプライチェーンの川上で十数年という長期間に渡って発生していたために、被害はかなりの広範囲にわたり社会問題となりました。また、2013年には、大手企業が製造する純度100%をうたっていたエキストラバージンオリーブオイルが、オリーブの含有量が50%にも満たないだけでなく、人体に有害な「銅クロロフィル」が添加されていたことが判明。さらには検査の結果、その会社が製造していたおよそ9割の食品油の表示に偽りがあったことがわかりました。さらには、これは日本でも報じられたので覚えている人もいるかもしれません。同じく2013年に起きた「毒でんぷん」事件。台湾旅行の楽しみの一つでもあるB級グルメの、タピオカや麺類、おでんの具、揚げ物の衣など、多くの食品に、食用ではなく、接着剤などの工業用の原料の「無水マレイン酸」が混入したでんぷんが使われていたという事件。ぷりぷりした食感やつやが出てコストも抑えられるため、一部の製粉業者が10年以上前から販売していたと見られ、このことが台湾の主力であるグルメ観光に打撃を与えるのではないかと社会問題となりました。そして2014年には、廃油を原料として作られた違法な食用油が広く流通していたことが発覚。さらに、その事件の衝撃が冷めやらぬ中、今度は大手グループ企業傘下の会社が飼料用油を混入させた食用ラードを食品業者や飲食店などに販売していたことが発覚。…と、大きな食品事件だけでもこのように続き、消費者の不信感は増すばかり。そんな不信感から、食品の安全性への関心が大きく高まり、“承認を受け、確実に信頼できる食品を求める消費者”の意向が強くなってきています。実際に、スーパーに行っても、生鮮食品の売り場では、有機食品かそうでないかに関わらず、生産地や生産者の名前などが表示されているものが多くあります。日本と同じで、生産者の顔が見えることで安心感を得ているんですね。また、伝統市場でも、2016年から、豚肉の産地や食肉加工日を消費者がQRコードを読み取って確かめることができるトレーサビリティー(生産履歴の追跡)システムが運用されています。そして、こうした社会的背景から最近ではさらに“有機農産物”に対するニーズが高まっています。台湾では、有機農業の普及に力を入れていて、2019年5月30日には「有機農業促進法」が施行されました。これによって、有機および“環境にやさしい農業”の耕作には、1ヘクタールあたり3万から8万台湾元(日本円およそ11万から29万円)の補助を出すほか、検査費用、温室、農機具設備、有機肥料、有機検査費用の9割を補助するなど、多様なサポートや奨励措置が受けられるようになり、有機農業の持続可能は発展が促されることとなりました。そして、有機農産品の品質を高め、国民の健康を守り、生産者と消費者の両方の権益に配慮し、さらには環境の有機生態系、農家の有機生産、消費者の有機生活という目標を達成できるよう取り組んでいます。この「有機農業促進法」が施行された5月の時点で、有機認証された農地面積と“環境にやさしい農業”の登録を行っている農地面積の合計が1万2,194ヘクタールで、目標は来年までに1万5,000ヘクタールに増やしたいとしていましたが、行政院農業委員会農糧署の9月末のデータを見ると、有機認証された農地面積は1万459ヘクタール、また“環境にやさしい農業”の登録を行っている農地面積は4,646ヘクタールで、年末を待たずして目標の1万5,000ヘクタールを達成!有機認証された農地が農地全体に占める比重もアジア太平洋諸国でもトップレベルとなっています。そんな有機農業の普及に力を入れている台湾では、その有機食品の輸出においても積極的に進めています。しかし、これまでは台湾で有機の承認を受けていても、輸出先の国で再び有機承認の申請を受けないと“有機”と名乗って販売することができませんでした。これは日本も同じですね。日本の有機JASの承認を受けていても、輸出先の国で再度申請が必要です。今回、その手間やコストを省き、市場の競争力を高めるため、台湾は、日本、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカと相次いで有機食品の同等性を認める協定を締結しました。この協定の締結は、相手国が台湾の有機農業に関する法律と、その実践状況を見た上で、台湾の有機認証システムがその国と相当レベルの管理の下で行われていると判断した事を意味します。つまり、台湾で有機認証を得た商品が“有機”と銘打ってその国に輸出される事を認めるということです。日本とは今年(2020年)の2月から“有機”と表示した農産物の輸出入がお互いに可能となっていますので、スーパーで“台湾産の有機食品”を見かけることがあるかもしれません。今、台湾のみならず、有機市場は急速に成長を続けている中、今後は有機認証を得た台湾の農産品のブランディングと知名度向上を図り、海外市場の開拓を強化していこうとしています。...more10minPlay
October 05, 2020台湾ソフトパワー - 2020-10-06_東南アジアのメディアとタイアップ「攜手台灣(EmbracingTaiwan)」先日、外交部がフィリピン、ベトナム、タイ、マレーシアの4カ国のメディアとタイアップして制作を行った台湾紹介番組「攜手台灣(EmbracingTaiwan)」の記者発表会が行われました。今週はその話題についてご紹介しましょう。台湾では2016年から「新南向政策」を展開しています。この「新南向政策」とは、蔡英文政権が対外政策の目玉として位置づけている政策で、ASEAN(東南アジア諸国連合)や南アジア、オーストラリアおよびニュージーランドといった、台湾より南側に位置する国々18ヶ国との各分野の関係を更に発展させて強化し、経済関係の中国大陸への集中を改善しようとするものです。具体的には、ASEANや南アジアなどの国々に工場を設立して受託生産の基地とする従来の一方通行の政策方法ではなく、人材や資金、技術、文化、教育など、双方向の交流を拡大して、戦略的パートナーシップを構築し、「経済共同体意識」を確立していく計画です。その促進の主軸となっているのが4つ。1つ目はパートナー国との産業サプライチェーンの統合や現地の内需市場の開発、インフラ建設の協力などを拡大し、新しい経済貿易のパートナーシップを確立する「経済貿易協力」。2つ目は“人”を中心とし、双方の若手専門家、学生、産業の人材の交流と育成を進め、人材資源の相互補完と共有を促進する「人材交流」。3つ目は文化、観光、医療、科学技術、農業、中小企業などのソフトパワーを活用して、パートナー国の生活の質の向上および台湾の経済貿易発展の土台を広げていく「資源の共有」。そして4つ目はパートナー国との多国的および二国間の制度化した協力を拡大し、話し合いと対話を強化すると同時に、民間団体、華僑ネットワーク、第3国の力を効果的に活用し、地域の安定と繁栄を共同で促進する「地域の連携」。この4つから成り立っています。外交部は昨年、その台湾の「新南向政策」の成果の宣伝を強化するため、フィリピン、ベトナム、タイ、インドの国営メディアと協力し、各国の言語で、それぞれのカラーを持った台湾紹介番組「攜手台灣(EmbracingTaiwan)」を制作。番組は好評を得て、放送後は4カ国合計で8,800万人を越える人々から視聴されました。そして今年、第2弾として、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシアの4カ国とタイアップして番組を制作。台湾の新南向政策を広く知らしめると共に、台湾の新型コロナ対策における経験などを示し、「台灣可以幫忙(台湾がお手伝いできます、台湾がお手伝いしています)」という精神を表しています。各国の番組は全2話で構成されていて、1話の番組の長さはおよそ22分。全てハイビジョン画質で撮影されています。今年、新型コロナウイルスは世界中でパンデミックを引き起こし、今もなお収束が見えてきませんが、台湾は抑え込みに成功しており、世界からも注目を集めています。台湾紹介番組では、そんな新型コロナウイルスに対する台湾の防疫対策の実績を軸に、政府が打ち出している重要政策、“スマート機器”、“アジアのシリコンバレー”、“グリーンエネルギー”、“バイオ医療”、“国防産業”、それに“新農業”と“循環型経済”を加えた「5+2産業イノベーション計画」や、「将来を見据えたインフラ整備計画」、「1つの国に1つの医療センター」、「六大核心戦略産業」などの政策方針に沿ってリモート制作方式で番組が作られていて、全編において台湾の地方の風景や人情味、新たな生活スタイル、誇れる科学技術の革新と産業応用効果などを映し出しています。先月、行われた記者発表会では外交部の田中光・政務次長がスピーチを行い、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシアの4カ国の有名な司会者(ナビゲーター)たちもオンラインで参加しました。外交部によると、今年は新型肺炎の影響で各国のロケ隊が台湾に撮影に来ることができなかったため、リモート制作方式に変更して番組を制作したと説明。新型コロナに対する防疫措置や、他の国との防疫対策への協力、また新南向政策の対象国にマスクを送るなどを盛り込み、、目に見えてわかりやすい台湾の新型コロナ対策、そして国際的な人道支援および国際医療において「能夠幫忙,且正在幫忙」(台湾がお手伝いできます、台湾がお手伝いしています/Taiwan can help,and is helping)」という精神を示しました。フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシアの4カ国とタイアップして作られた「攜手台灣(EmbracingTaiwan)」は8月から各国の大手テレビ局でゴールデンタイムに放送されています。今回のタイアップによって、新南向政策対象国の視聴者へ台湾の多彩な姿を伝えると共に、台湾に対する理解や知識を深め、双方の更なる交流や提携の機会を促進できるよう期待がもたれています。...more7minPlay
September 28, 2020台湾ソフトパワー - 2020-09-29_“台鐵弁当”を人気商品に押し上げた李玉霞さん“鉄道の旅”に欠かせないものといえば「駅弁」。日本でも各地の特色ある駅弁が観光客に人気ですが、台湾にも“駅弁”があります。“台湾の鉄道旅”に欠かせない駅弁といえば在来線台湾鉄道(台鐵)で販売されている「台鐵弁当」─。元々、台湾の駅弁は日本統治時代から販売が始まり、長く親しまれてきたのですが、今から10年ほど前に「台鐵弁当」が再びスポットを浴びるようになりました。その立役者が李玉霞さん。今からおよそ10年前、台湾で台湾鉄道の「排骨便當(ポークリブ弁当)」が空前の人気となりました。この台鐵弁当を作るSOPを手がけたのがこの李玉霞さんです。台湾鉄道で働いていた李玉霞さんは若い頃から料理が好きで、中華料理の乙級調理師ライセンスを取っていました。でも最初から台湾鉄道で調理師として働いていたわけではなく、最初はチケット販売窓口や総務を担当していたそうです。後に新北市の西側・樹林の操車場に転勤しました。ある年、部署で旧暦7月の無縁仏を祭る儀式「普渡」を行いたいものの経費が足りないということから、李玉霞さんが自分で料理を作ることにしたのです。すると上司が、台湾鉄道にこんな料理のうまい人がいたなんて!しかも限られた予算でこれほどに豊富な料理を作るなんて!とびっくり。その後、台湾鉄道の配膳所からスカウトされ、駅弁の担当マネージャーを8年務めました。その間、米の品種をはじめ、肉を何回たたくのかや、野菜の種類の選択などにこだわり、「台鐵弁当」のSOP(=標準作業手順書)を確立。精度や正確性の重要さを自らお手本を示していった李玉霞さん。台鐵で44年間勤めた後、7年前に定年退職しました。しかし、彼女の調理師人生はまだまだこれで終わりではありません。現在は、息子さんに油飯(台湾風おこわ)作りの技術指導をしているほか、毎年食品を一種類こなすよう自分で目標を立てました。そして自分の創意工夫でその食品をよりよくなるよう改良しているということです。その目標を達成するため、李玉霞さんは、退職金のほとんどを授業や調理の食材や設備購入に使っていて、自宅のキッチンは実験室のようです。なんでも、最適な焼き時間を調べるために色々と試しているうちに大きなオーブンを壊してしまい買いなおしたそうですが、そんなこともまったく気になりません。彼女の喜びは、親戚や友人が彼女が作った料理を食べ終わった後、また食べたい!という表情をしたら「やった!」と嬉しくなるんだそうです。本当に根っから料理が好きなんですね。そんな李玉霞さん、最初に試した焼き菓子はマカロンで、小麦粉を使わず、すべてアーモンド粉を使い、とてもヘルシーなマカロンを作りました。この2年は牛軋糖(ヌガー)を試作中。品質を上げるため、白砂糖に替えてトレハロースを使い、ピーナッツの替わりにマカダミアナッツをいれ、輸入したドライイチゴでトッピング。温度計を使って最もいい硬さを測っています。このこだわりようには李玉霞さんの友人たちもみな、こんな高級ヌガーそこらへんでは買えないよねと話しているそうです。台湾はもうすぐ中秋の名月を愛でる「中秋節」─。「中秋節」には月餅を贈りあい食べるのが慣わしですが、李玉霞さんは今年、その“月餅”の中でも有名で、だけど多くの人がちょっと敬遠してしまうという、中身がお肉の香港式の月餅、「五仁月餅」の改良に全力を注いでいるそうです。中華料理の作り方を利用して、肉の量を減らし、肉を氷砂糖に漬け込む方法ではなく、肉を蒸して、ハムは高粱酒で臭みを消し、手で細く裂いてから月餅に入れるというこだわりよう。また、中に入れるゴマやオリーブはカシューナッツとキャンドルナッツに変えました。完成した“月餅”は普段「五仁月餅」を食べないという友達に味見してもらったところ大絶賛だったそうです。70歳近い李玉霞さんは、「学びは一生、自分が楽しく学べることがリタイヤ後の最も有意義なことだ」とし、台湾のことわざ、「人生は70歳から始まる」を取り上げ、自分はまだ若い。まだまだ学んだ多くの美味しいものを友達とシェアしたいとしています。一般に売り出していないのが私たちにとっては残念なのですが、李玉霞さんの美味しいものへの情熱はまだまだ冷めるところを知りません。...more10minPlay
September 21, 2020台湾ソフトパワー - 2020-09-22_国連参与へアピール映像「台湾からの祝福」まだまだ世界中で蔓延している新型コロナウイルスですが、その封じ込めに成功していると世界から注目されている台湾。2003年のSARSの教訓を生かし、いち早く情報をキャッチし、それを精査し、封じ込め戦略に着手していました。現在もなお、海外からの帰国者や訪台者から感染が確認される事案があるものの、国内は4月13日以降、感染者ゼロが続いています。そのおかげで台湾に住む私たちはこれまでとほとんど変わらない生活が送られているのですが、その裏には、新型コロナウイルスの感染拡大防止の現場で奮闘する人たちの姿があります。そんな感染拡大防止の現場で奮闘する人たちのインタビューや台湾の医療用マスクや関連物資が世界80カ国以上に順次届いている事などを紹介した映像「台湾からの祝福」を外交部が先日(9/11)、今年の国連総会の開幕に先がけて公開しました。第75回国連総会は、15日に開幕。今日22日から26日にかけてと29日に一般討論演説が行われます。新型コロナの感染拡大を受け各国首脳らはニューヨークの国連本部には集結しないものの、ビデオ演説が可能となったため、今年は「かつてないほど多くの首脳」が演説を行う見通しとのことです。国連が1971年の総会で、中華人民共和国を「中国」の代表とする決議を採択したことから、国連の設立当初からの原加盟国だった中華民国は、国連脱退を余儀なくされました。1990年代以降、中華民国(台湾)が「中国」の名義ではなく、人口2300万人の「中華民国台湾」として国連への復帰に向けて頑張っています。今年は世界中が新型コロナウイルスに苦しめられていて、全世界の人々と国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成が一層困難になっていることから、今年の国連総会では、新型コロナウイルスへの対応や終息後の復興計画が主要テーマとなっており、映像はこれに呼応する形で発表されました。今回の国連総会において、台湾は国連における防疫対策や復興に関連する取り組みに積極的に参加する意欲があり、能力もある。台湾における持続可能な開発目標への活動や新型コロナウイルス感染拡大防止での実績や経験を共有し、台湾は世界各国がアフターコロナ時代を迎え、経済振興を図る際に、必要不可欠なパートナーであるという事を国際社会に示す狙いがあります。そこで、この「台湾からの祝福」のPR映像でもその台湾の国際貢献をアピール。およそ2分半の映像は、中国語版のほかに、英語や日本語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語の字幕がつけられたバージョンがあり、映像の締めくくりには、台北のランドマーク、世界有数の超高層ビル「台北101」がそびえ立つ台北の景色を背景に、「グローバルな課題に取り組むには、全員の参加が必要です。新型コロナも例外ではありません」とのメッセージが映し出され、「グローバルの議題は台湾がお手伝いできます。台湾が今お手伝いしています」ということを強調しています。外交部が8月末に示した、今年台湾が国連参与のため定めた3つの主張は、国連は直ちに2,350万の台湾人が不当に国連体系から排除されている問題を解決する行動を起こすべきであること。国連は台湾の民衆およびマスコミが国連を訪れたり、会議やイベントへの出席や取材などの権利を不当に剥奪されている状況を速やかに正すこと。そして、国連は台湾に「持続可能な開発目標(SDGs)」実現に向けた関係会議やメカニズム、活動に参与できるよう平等の権利や尊厳を確保すべきであること。外交部は、「国連への参与を勝ち取るのは非常に困難な任務である。しかし、政府と民間が長年、共に努力してきた結果、世界が我々の国連参与を支持するエネルギーが引き続き蓄積されている」とし、「より素晴らしく、寛容性があり、持続的発展が可能なポストコロナ時代を作り出すため、国連は直ちに台湾の2,350万人の参与を受け入れるべきである」と訴えています。この国連総会へ向けたPR映像「台湾からの祝福」は、外交部のYouTbubeチャンネル「潮台湾(Trending Taiwan)(https://www.youtube.com/watch?v=alalgH-YjAw)」や公式フェイスブック(https://www.facebook.com/trendingtaiwan/)で観ることができます。また、この映像だけでなく、アメリカ・ニューヨークの中心部、タイムズスクエアには国連システムへの参加を目指す台湾のひときわ目立つ大型広告が登場。国連が掲げる「誰も置き去りにしない」理念の実現を求める姿勢を伝えています。今日から始まる一般討論演説では、中華民国(台湾)と外交関係を結ぶ国の元首らが台湾のために声を上げる予定で、台湾はこれらの国々の駐国連常任代表を通じ、台湾の受け入れを求める書簡をアントニオ・グテーレス国連事務総長に送付すると共に、理念の近い国に適切な場面での支援を要請しています。...more10minPlay
September 14, 2020台湾ソフトパワー - 2020-09-15_苗栗からドイツの手作りケーキを広めているサリーさん 今、新型コロナの影響で外国人観光客は来られないのですが、台湾の街では多くの外国人を目にします。そう、私も含め、台湾にも多くの外国人が“住んで”います。仕事で、留学で、結婚で、親の仕事の都合で、何かを求めて…などなど、その理由も様々。そしてその多くの外国人が台北や、都市部に住んでいます。ところが、そんな都市部ではなく、都市から離れた、台湾北西部・苗栗に、たくさんの人から愛され、活躍をしている外国人女性がいます。今週は、その女性、ドイツ人のサリー(Sally)さんについてご紹介します。サリーさんはドイツ第5の都市、フランクフルトから苗栗に嫁いで来ました。実は苗栗に来る数年前に、中国語を勉強するために台湾に住んでいたことがあります。なんでも、ドイツにやってくる中華系の人がどんどん増えていることから、「中国語を勉強すれば将来の仕事に役に立つ」と思ったんだそうです。そしてその台湾に留学中に、サリーさんがネットでメイクアップモデルを募集したところ、応募してきたのが当時、新竹の科学園区で働いていた現在の旦那さんである、謝鈺和さん。それが二人の最初の出会いでした。ただ、そのときはまだお付き合いにまでは発展せず、2017年にサリーさんはドイツに帰ってしまうのですが、ちょうどそのとき謝鈺和さんが仕事を辞め、ドイツのミュンヘンにドイツ語の勉強に向かったのです。この海を越えての再会で二人の恋に火がつきました!住んでいる都市は違ったものの、ネットを通して交流を深め、交際をスタート。数ヶ月後には結婚を決意。そしてサリーさんは、謝鈺和さんが故郷・苗栗に帰るときに一緒に苗栗に行くことにしたというわけです。ここまでだと、普通の国際結婚をして台湾にやってきた外国人のお嫁さんのエピソードですが、なぜサリーさんが注目を集めているかというと、苗栗で創業し、故郷・ドイツの手作りケーキを広めているから。サリーさんは、小さい頃から、お母さんやおばあちゃんと一緒によくケーキを作っていたそうで、台湾に戻って来てから、謝鈺和さんがサリーさんを連れて台北や台中など、あちこちのスイーツを食べまわっていたそうです。でも本格的なドイツのケーキは食べられませんでした。そこで、“台湾で低糖質で健康的な自然の材料を使うドイツケーキの考えを広めていきたい”と思い、義理の両親の支持のもと、サリーさんは旦那さんと一緒に手作りケーキ作りに取り掛かり、フェイスブックを通して販売を始めました。すると、新鮮で、味もしっかりしていて、でも甘ったるくないドイツのケーキはたちまち人気となりました。フェイスブックのSally’s German cakes(薩莉 德國手工蛋糕)のページを覗いてみると、サリーさんのお母さんから受けついだレシピの「German liquid gold lemon cake」や「German cinnamon cake」、ドイツの伝統的なケーキ「Carrot cake」などなど、低糖質で100%天然素材にこだわった、おいしそうなケーキがたくさん並んでいます。今ではサリーさんの義理の両親も、伝統的な台湾の朝ごはんスタイルから、毎朝、りんご、バナナ、ゆで卵とともに、サリーさんが作ったドイツケーキとコーヒーというメニューが習慣になっているそうです。サリーさんの義理の母にあたる黃椿梅さんは、息子が外国人のお嫁さんを連れて帰ってきたとき、少し戸惑い、不安だった。でも実際に付き合ってみると、サリーさんはとても明るく、健康的で、仕事面でも生活面でもとても真面目に努力をしていると語り、「ケーキの原料へのこだわりからもそれがわかるでしょ」とコメント。サリーさんの義理の父にあたる謝鈞拔さんも、サリーさんの器用さに大絶賛で、ドイツの厳格で完璧な姿勢が十分に発揮されているとし、「客家人の、“苦労にも耐え、真面目に努力する精神”ととてもあう」と語りました。苗栗といえば、台湾で2番目に大きいエスニックグループ・客家の人たちが多く暮らす場所。サリーさんは中国語は勉強したことがあるものの、客家語は話せません。しかも苗栗の客家村では金髪にブルーの瞳の新住民は珍しいのですが、サリーさんは「環境も人もとてもフレンドリー。私も、ドイツのケーキも受け入れてくれた。苗栗の人たちが大好きになった」と語り、「創業の過程は大変だったけれど、故郷の手作りケーキで、台湾の人たちの温かさに答えたい」と話しています。ドイツの手作りケーキを通して台湾の生活に溶け込んでいるサリーさん。ケーキの美味しさはもちろんのこと、サリーさんのその明るく、真面目な人柄もきっと人気の理由なのでしょうね。なお台湾に住む外国人の各種手続きなどを管轄する内政部移民署は、結婚で外国から台湾へとやってきた“新住民”と呼ばれる人たちやその子供の夢の計画のサポートや、第二世代養成プランなどを行っているのですが、先日、その内政部移民署の「具体的な行動で新住民に関心を寄せる巡回活動(關懷新住民行動列車)」のメンバーたちもサリーさんの工房を訪れ、伝統的なドイツ式ジンジャークッキー作りの体験を行いました。訪れた担当者は、「サリーさんの生活や創業は新住民のモデルになる。彼女の生活経験をシェアすることで、他の新住民が台湾の生活に溶け込む助けになるのでは」としています。サリーさんの活躍を知って、夢に向かって頑張ろう!と思う“新住民”もこれからもっと出てくるかもしれません。...more10minPlay
September 07, 2020台湾ソフトパワー - 2020-09-08_世界が注目!“台湾ウイスキー”台湾のお酒というと、台湾ビールや高粱酒が有名ですよね。でもこの十数年ほど、台湾の“ウイスキー”も注目を集めています。ウイスキーといえば、アイルランドで芽生え、スコットランドから広がり、「世界の5大ウイスキー」と呼ばれる有名な生産国は、アイルランド、スコットランド、アメリカ、カナダ、日本とされていて、“美味しいウイスキーは寒い地方でしか作れない”といわれていました。日本でも北海道や山梨など北部で生産されているイメージが強いですよね。しかし、“美味しいウイスキーは寒い地方でしか作れない”というのも今や昔のこと。今では、世界中で様々なウイスキーが生まれ、それぞれの土地で進化を続けています。その代表ともいえるのが“台湾”です。台湾のウイスキーを世に知らしめたのは「KAVALAN(カバラン)ウイスキー」でしょう。100年以上続く海外の蒸留所への憧れから始まり、新しいウイスキーの故郷となる事を夢見て2006年に蒸留所を設立。2008年に最初のウイスキー「カバラン クラシック・シングルモルト・ウイスキー」を発売。2010年に、イギリスで開催された「ウイスキー ブラインド・テイスティング大会」で「カバラン クラシック・シングルモルト・ウイスキー」が優勝し、ウイスキーファンから注目を集めることになりました。しかもその同じ年に「モルト・ウイスキー・イヤー・ブック」のウイスキー生産地に“台湾”が初登場し、台湾がウイスキーの産地だという認識が広がりました。そしてその後も、世界で最も権威あるイギリスのウイスキー・コンペティションである「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」やイギリスの酒類品評会「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(IWSC)」など、様々な有名コンペで毎年賞を獲得しています。当初は、「亜熱帯地方である台湾でウイスキーなんて…」と思われていたそうですが、現在では技術の進歩によって、厳密な温度管理や湿度管理が可能になったたために、気候はさほど問題にならないそうで、むしろ、上質な水をどれだけ確保できるかが重要なんだそうです。この「カバランウイスキー」の工場がある台湾北東部・宜蘭は、昔から名水の地として有名で、 “台湾5大山脈”である「雪山」と、「中央山脈」から流れ出る雪解け水を使っているそうです。そこに台湾の野生酵母を使って独自に培養した酵素を使っていることから、「カバランウイスキー」は南国フルーツのようなトロピカルなフルーティさが特徴です。その「カバランウイスキー」では、今年の10月に、2番目となる、“シェーブ(削る)”、“トースト(焼く)”、“リチャー(強火で焦がす)”というS.T.Rの3行程を加えたカスク(樽)で熟成した、カバラン初の“ピートウイスキー”をクリスマス用の特別セットとして出荷するそうですよ。ピートウイスキーの魅惑的なスモーキーさによって、大胆でフルーティな香りになっているそうです。気になりますね。でも実は、台湾のウイスキーは「カバラン」だけではありません!台湾最大の酒類公営企業である台湾菸酒公司(Taiwan Tabacco & Liquor Corporation/TTL)のウイスキー「OMAR(オマー)」。台湾中部・南投に工場があるんですが、この工場では元々、台湾産フルーツを使ったワイン、ライチ酒、梅酒やブランデーなどを造っていたそうですが、ウイスキーの製造工程を習得するために酒造の専門家らをスコットランドに派遣し、正統のスコットランドのウイスキー醸造過程を学んだそうです。そして2008年にウイスキーの蒸留工場を設立、2013年にはじめての「カスクストレングスのモルトウイスキー」のバーボン樽とシェリー樽の製品が発表されました。そして2014年には国際的なスピリッツ類の品評会「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)」で「カスクストレングスのモルトウイスキー」のバーボン樽が金メダル賞を、シェリー樽が銀メダル賞を。そしてイギリスの酒類品評会「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(IWSC)」やアメリカ最大規模の酒類コンペティションである「サンフランシスコ世界スピリッツ・コンペティション(SFWSC)」など、数々のコンペで賞を獲得しました。そしてその後も毎年、様々な賞を獲得しています。今年も4月に行われた世界で最も権威あるウイスキーコンペティション「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」や、6月に行われたアメリカ最大規模の酒類コンペティションである「サンフランシスコ世界スピリッツ・コンペティション(SFWSC)」で受賞したのに続き、先月、イギリスの酒類品評会「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(IWSC)」で「オマーウイスキー」が銀メダル2個、銅メダル4個を獲得しました。受賞した2個の銀メダルのうちのひとつは、南投蒸留所の代表作「カスクストレングス・モルトウイスキー」のバーボン樽。そしてもうひとつは「カスクストレングス・ピートモルトウイスキー」で、台湾初のピートでスモークした麦芽で生産されたウイスキーでした。そう、実は「カバラン」よりも先に「オマー」の方がピートウイスキーを作っていたんですよ。共に世界各国の専門家かから高い評価を受けている「カバラン」と「オマー」。台湾産ウイスキーとして世に登場し、注目を集めたのは「カバラン」が少し早かったのですが、「オマー」もほぼ同時期に、いや、構想から入れるともしかしたら「オマー」の方が早くから台湾産ウイスキー作りに向けて取り組んでいたといえるかも知れません。でも、ウイスキー作りへの憧れだけでなく、こういったライバルがいるからこそ台湾内でも互いに切磋琢磨して成長している“台湾のウイスキー”。どちらも台湾が有する大きな山々からの恵みの水を使い、南国台湾ならではの特徴を加えた香りと味わいは、これまでのウイスキーとはまた一味違ったウイスキーの世界を楽しませてくれます。今や、5大ウイスキーに加え、この台湾とインドを加え、“世界7大ウイスキー”と呼ばれることもある、注目の台湾ウイスキー。20歳を超えている皆さん、ぜひ味わってみてくださいね。なお、今日ご紹介した宜蘭にある「カバラン」のウイスキー工場も、南投にある「オマー」のウイスキー工場も、どちらも見学することができます。新型コロナが落ち着いて、また台湾を訪れることができるようになりましたら、ぜひ台湾ウイスキーを作っている様子も見学に行ってみてください。...more10minPlay
FAQs about 台湾ソフトパワー:How many episodes does 台湾ソフトパワー have?The podcast currently has 355 episodes available.