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台湾ソフトパワーは、女性の話題を中心に、台湾の魅力をお伝えする番組です。キャリアウーマンあり、市井の女性あり、女性のがんばる姿を通して、台湾のことを、より身近に感じていただけたらうれしいです。... more
FAQs about 台湾ソフトパワー:How many episodes does 台湾ソフトパワー have?The podcast currently has 355 episodes available.
August 31, 2020台湾ソフトパワー - 2020-09-01_台湾のオモシロ悠遊卡皆さん、最近では電車やバスなど公共交通機関を利用する際に多くの人が交通系ICカードを利用していると思います。そのカード、登場した当初は鉄道会社やバス会社ごと、または地域によって使える場所が分かれていましたが、今ではその枠を超えて相互利用できるようになったほか、交通機関のみならず自動販売機やコンビニ、飲食店などでの清算でも利用できたりする事から1枚は必ず持ち歩いてるという人が多いと思います。台湾にもそんなICカードがあります。なかでも有名なのは台北新交通システムMRT(台北メトロ)の交通系ICカード「悠遊卡(イージーカード)」。台北メトロはもちろん、在来線台湾鉄道、レンタサイクルUbike(ユーバイク)、バスといった公共交通機関や、自動販売機、スーパーやコンビニ、飲食店など、様々な場所で利用ができます。これだけ色々便利に使えるのであれば、1枚持っていれば事足りそうですよね。ところが、台湾の人たちは何種類も持っていたりします。それはなぜかと言うと…カードのデザインがとっても豊富だから!ベーシックな「悠遊卡(イージーカード)」のほかに、台湾の美食や、台湾の観光名所、台湾で人気のキャラクターたちが描かれたカードや、もはやカードタイプではなくキャラクターの形をしたカードなど本当に種類も豊富!しかもここ数年はさらに平面だけでなく、立体的なものまで登場!限定版の“台湾ビールのビール瓶”の形をしたキーホルダー型の3D「悠遊卡(イージーカード)」はラベルの細部まで本物を忠実に再現したもので、発売開始後あっという間に完売しました。その後も、台湾でも人気のアニメ「ポケットモンスター」のモンスターボールの形をした3D「悠遊卡(イージーカード)」や、台湾の人気のスナック菓子「乖乖」の袋菓子の形をしたもの、PS2のコントローラーの形をしたもの、森永の「ミルクキャラメル」の箱の形をしたものなどなど…限定の3D「悠遊卡(イージーカード)」も続々と登場。そして登場するたびに注目を集め、毎回あっという間に完売しています。もはや“カード”ではなくなっていますが、台湾の人の遊び心にあふれる様子がこの交通系ICカードにも表れていますよね。そして先日、またまた新たな3D「悠遊卡(イージーカード)」が登場しました。今回はなんと、台湾人にとって子供の頃からなじみのある人気のインスタント麺「王子麵」!黄色地に“Prince”と英語で書かれたキャップをかぶった男の子のイラストが特徴のパッケージの袋麵です。この「王子麵」といえば、最近、人気アイドルグループ“嵐”が無料の動画投稿サイト「YouTube」の公式チャンネルの中の「世界のお菓子を試食する」と言う企画で“台湾のスナック菓子”として「王子麵」のミニサイズ版「小王子麵」を紹介していましたが、その食べ方が違う~!と多くの台湾人が動画のコメント欄に突っ込みを入れていました。…と言うのも、嵐はこの「王子麵」にお湯を入れてラーメンのようにして食べていましたが、違うんだそうです。それには、交通部の林佳龍・部長も反応し、自身のツイッターで「台湾の素晴らしさを推奨してくれてありがとう」という感謝と共に正確な食べ方はこちらですよと動画をアップし、正しい食べ方でもう一度試してみてくださいねと言うメッセージを送っています。その林・交通部長直伝、正しい食べ方とは、袋を開ける前にまずは袋の中の麺を砕き、それから袋を開け付属の粉末を入れてシェイク!あとは直接袋から口に流し込む!という方法だそうです。この投稿は嵐の投稿とあわせて、「そう、これが正しい食べ方!」、「たった二言しかしゃべっていないのに面白い!」と話題となりましたが、なにより林・交通部長がまるで少年のように満面の笑みで「王子麵」を食べる様子が人気となっています。日本にもベビースターラーメンという、ラーメンのようだけどお湯をかけたりせず直接食べるスナック菓子がありますが、台湾の「王子麵」は粉末も付いているので、まさかそのまま食べるとは思いませんよね。嵐がお湯を入れて食べた気持ちはわかります…。でも、林・交通部長や多くの人が反応したことからも「王子麵」が子供だけでなく、大人にとっても“懐かしいお菓子”である事が伝わってきます。そして、その懐かしさをそのまま3D「悠遊卡(イージーカード)」にしてしまうあたりが、台湾の人たちの遊び心。しかも中身を砕く感覚も楽しめるんだそうで、もはやただのICカードの域を超えて、使えて、楽しめる、万能おもちゃのようになっています。この「王子麵」の3D「悠遊卡(イージーカード)」もやはり発売からすぐに売り切れ続出。コンビニエンスストアで販売していたんですが、コンビニをはしごしたけどどこにもなかった…と残念がっている人もいました。今後も限定販売の「悠遊卡(イージーカード)」が出てくると思いますが、さて、次はどんな台湾のアイテムが「悠遊卡(イージーカード)」として登場するのでしょうか。台湾の人の自由な発想が、思いもよらないものをも“カード”にしてしまうかもしれません。 ちなみに、台湾のオモシロICカードは「悠遊卡(イージーカード)」だけでなく、元々台湾南部を中心に利用が広がっていた「一卡通(iPASS)」ではLEDが光るマージャン牌のICカードや、藍白拖(台湾サンダル)のICカードなどがあったり、台湾の統一グループが発行するICカード「icash(アイキャッシュ)」では台湾人の身分証や健康保険証にそっくりなICカードがあったり、台湾で人気のカップ麺のICカードがあったりと、立体的な面白いICカードが色々と登場していますよ。次回、台湾を訪れた際には色々な変り種のICカードをお土産にしてもいいかもしれませんね。...more10minPlay
August 24, 2020台湾ソフトパワー - 2020-08-25_台湾マスク国家チームが口元透明マスクを開発、来年には量産へ台湾では現在のところ、新型コロナの押さえこみに成功しているものの、ここ最近、また海外から台湾へ戻ってきた人たちの感染が確認されていることや、台湾に滞在した外国人が、帰国前や帰国した後に空港で受けた検査で陽性反応が出た例があったことなどから、再びマスクの着用の強化が行われています。ただ、マスク着用がマストではない場所でも多くの人がマスクを着用していたり、すっかりマスクが日常化しています。元々、台湾はバイク文化と言う事もあって、排気ガス対策としてマスクをする人が多かったので、比較的すんなりとマスク生活が受け入れられているような印象です。ところが、このマスク着用が広がる事で困っている人たちがいます。それは聴覚に障害を持っている方。聴覚障害の方のコミュニケーションといえば「手話」が思いつくと思いますが、口の動きも意思疎通に必要な情報。ですが、マスクをすると口元が隠れてしまって、口の動きが見えなくなってしまうため、周りの人が何を話しているのかわからず不安になったりしてしまうそうです。この問題は日本でも話題となり、そんな状況を改善しようと、マスクの口の部分を透明なシートにする「透明マスク」を手作りする動きも起こりましたよね。その動きは台湾でも同様に起こっているんですが、台湾の場合は台湾マスク国家チームが動きました!紡織品の研究開発などを行う「財団法人紡織産業綜合研究所」、台湾のマスク製造メーカーの「台湾康匠」と「權和機械(NCM)」が研究を重ね、台湾マスク国家チームによって口元が透明のマスクを開発。今年の年末には生産ラインを半自動化し、来年には量産に入る予定です。始まりは、台北市にある蒲公英聽語協會の謝莉芳・理事長が衛生福利部食品薬物管理署を通じて、マスクメーカーに透明のマスクの需要について訴えたことでした。謝莉芳・理事長は、イタリアから米ドルで7ドル(日本円およそ740円)もする透明のマスクを買ったりもしたそうですが、現在市場に出ている“透明マスク”は食品サービス業の人たちが使っている透明のマウスカバーマスクで、これは飛沫が飛び散るのを防ぐだけで、ウイルスからの防護効果はありませんでした。そこで、防護効果があり透明なマスクが必要であることを訴えました。謝莉芳・理事長が「透明のマスクは聴覚障害の人たちが口の形を見て話している内容を把握することからその助けとなる」と聴覚に障害がある子供と友達のために熱心に訴える様子を見て、台湾マスクの管理を担当している、経済部工業局の王麗珠・副組長が自ら協力を名乗り出、また紡織産業綜合研究所もこの件をとても重視し、その後、桃園にある「台湾康匠」の陳勇志・総経理に声をかけました。すると陳・総経理は何も言わずに承諾。そして、新北市鶯歌にある「權和機械(NCM)」も共に参加となったそうです。紡織産業綜合研究所の黃博雄・ディレクターによると、透明マスクの開発のポイントは、不織布と透明フィルターの接合部分であり、ここからウイルスを侵入させないことが重要だと説明。ただ、透明のマスクの機器が違うものと言うこともあり、研究開発費用に一千万元かかる見込みだそうです。一部は政府の補助申請ができるものの、かなり大きな額が必要となりますが、まだ政府の予算がなく最終的には補助金が出ないかもしれないかもしれないという状態の中でも、まずは作っていこう!話はそれから!と決めた事に多くの人が心を打たれました。「台湾康匠」の陳勇志・総経理によると、一般の平面マスクは毎分あたりの生産量は100枚ですが、透明マスクは、不織布に透明フィルターを加えるため、機械の設計を新しくしなくてはならないことから、初期はおそらく半分手作業、半分自動製造となりそうだそうです。なお、7月の中旬には「台湾康匠」がまずは手作りの透明マスクのサンプルを作り、蒲公英聽語協會の子供たちに実際に試してもらい、それを元に改良を行っているそうで、透明マスクをつけたときに快適に呼吸ができるよう、マスクの内外圧の差を現在の医療用マスクの三分の一、通気度は3倍に設計。曇り防止フィルムは光を反射しないものとし、コミュニケーションに影響がない様設計しているそうです。現在のところ透明マスクは5タイプのサンプルを作っていて、量産開始後は価格も1枚あたり10台湾元から8元(日本円およそ36~29円)に押さえたいとしています。紡織産業綜合研究所の黃博雄・ディレクターは、台湾の高い技術と、志を同じくした熱い人たちが集まっているので研究開発が成功すると信じていると話しています。製造設備は設計段階ですが、最初にご紹介したように、今年の年末には半自動化に入り、来年には量産体制に入る予定だそうです。医療用マスクもいち早く管理をはじめ、国外へも寄付を行ってきた台湾。今度は“Made in Taiwanの透明マスク”が世界にも広がっていくかもしれません。...more10minPlay
August 17, 2020台湾ソフトパワー - 2020-08-18_新型コロナワクチン、第一相臨床試験(フェーズⅠ)へ条件付でGoサイン新型コロナは今もまだ世界各地で猛威を振るっていて、各国でワクチンの研究・開発が急がれています。台湾でもワクチン開発の研究が進められていますが、先日、あるワクチンが第一相臨床試験の許可を得る見通しとのグッドニュースが伝えられました。台湾で研究開発されているワクチンが第一相臨床試験の段階まで進むのは、初めてです。先日(8/16)、衛生福利部食品薬物管理署が「新型肺炎ワクチン臨床試験審査専門家会議」を行い、台湾中部・台中市に本社を置く國光生物科技股份有限公司(Adimmune)のワクチン候補「AdimrSC-2f vaccine(新型コロナウイルスSタンパク質断片2)」の第一相臨床試験計画の審査を行い、会議で条件付でその実行を承認することを決めました。これは台湾の新型肺炎ワクチン開発においてはじめて臨床に入る例となります。この國光生物科技股份有限公司(Adimmune)は、1965年に設立されたヒトワクチンメーカーで、アジアで唯一、EUの医薬品の製造所における製造管理と品質管理に関する基準であるGMPに関する認証と、アメリカ食品医薬品局(FDA)認証を受けたインフルエンザワクチン製造会社であり、台湾で唯一、グローバル対応の査察当局間の非公式の協力の枠組みであるPIC/S GMPの最新規範に符合したヒトワクチン製造メーカーです。主なワクチンとしては、H1N1新型インフルエンザワクチン、日本脳炎ワクチン、破傷風トキソイド、ツベルクリンなどがあります。國光生物科技股份有限公司(Adimmune)の技術協力メーカーに日本の大手ワクチン開発製造工場・北里第一三共ワクチン(元・日本北里研究所)と、オランダのバイオ医薬品企業Crucellがあります。現在は第一三共株式会社に合併された北里第一三共ワクチンとは50年以上もの長きに渡る技術協力関係で、破傷風ワクチン、日本脳炎ワクチン、インフルエンザワクチン、そして鳥インフルエンザワクチンの生産の技術移転を行っています。また、現在はジョンソンエンドジョンソンに合併されたオランダのバイオ医薬品企業Crucellとは戦略提携をしていて、EUのPIC/S GMP品質のシステムを導入しているほか、ヴィロソームを模したアジュバントワクチン生産技術協定を結ぶと共に、國光生物科技股份有限公司(Adimmune)に投資も行っています。そんな台湾では老舗のワクチン製造会社が作った新型コロナワクチンの第一相臨床試験計画が、条件付ではあるもののその実行を承認されたんです。食品薬物管理署によると、事前に試験計画が第一相臨床試験安全性の法規の基準に符合しているかの審査を行いましたが、初めての人体のワクチン臨床試験では被験者に対する安全について、おそらく潜在的なリスクがあるとして、更なる審査の拡充を求めています。食品薬物管理署は国内の薬理学および毒性学、薬物製造開発、ワクチンおよび臨床医学の専門家や学者を招き、討論をした後、国内の公衆衛生上のニーズ、患者や医療の利益、そしてリスクバランスなどを総合的に評価したうえで、専門家は第一相臨床試験計画の条件付承認を提案しました。つまり、國光生物科技股份有限公司(Adimmune)は、技術資料の部分を補い、衛生福利部の審査を通過した後に、はじめて実際の注射試験を実施することができるということです。会議に出席した専門家は、國光生物科技股份有限公司(Adimmune)が提出した資料からまだ人でのワクチンの有効性を知ることができず、今後の第一相臨床試験の結果が出てから、はじめてワクチンの有効性の評価・確認ができるだろうと説明していました。まだ今すぐ人での試験が実施されるわけではありませんが、希望の光が差し込んできたといったところでしょうか。食品薬物管理署は先月、「来年第一四半期には台湾製ワクチンが市販できるよう支援していきたい」としており、今、官民連携で開発を進めているところです。 ≪トーク②:健康保険カード不要、マスクの自動販売機登場≫さて、新型コロナのワクチン開発が待たれるところですが、今すぐできる対策として、台湾では引き続きマスクの着用が呼びかけられています。現在、台湾では新型コロナの押さえ込みに成功していて、各所で体温測定があったりするものの、仕事や学校、コンサート、イベント、国内旅行はほぼ通常通り行われていますが、ここ最近、また海外から台湾へ戻ってきた人たちの感染が確認されていることや、台湾に滞在した外国人が、帰国した後に空港で受けた検査で陽性反応が出た例があったことなどから、再び、マスクの着用の強化が行われています。それを受け、台北新交通システムMRT(台北メトロ)では8月6日から再び、利用の際には改札を通る前から全行程においてマスクの着用を義務付けており、従わない場合には乗車拒否のほか、最高で1万5,000台湾元(日本円およそ5万4,000円)の罰金が科せられます。そして15日より、利用者が比較的多い、台北駅、市政府駅、中山駅、忠孝新生駅、南京復興駅、古亭駅の6つの駅にマスクの自動販売機を設置しました。台湾ではこれまで健康保険カードを使ったマスクの実名制販売を行っていましたが、この自動販売機では健康保険カードは不要で、お金を入れればそのまま購入できます。価格は1枚10台湾元(日本円およそ36円)で、1回につき1枚のみ購入可能となっています。うっかりマスクを忘れてしまったときなどに駅に自動販売機があると助かりそうです。なお、今後の利用状況を見て、設置場所の拡大なども検討するようです。...more10minPlay
August 10, 2020台湾ソフトパワー - 2020-08-11_台湾女性の投資事情皆さんは投資はされていますか?日本では投資というと、「興味はあるけど難しそうでよくわからない」、「やってみたいけどリスクが怖い」、「投資はお金持ちがするものでしょ」…と、なかなか手を出せない人が多いのですが、台湾では多くの人が何かしらの個人投資を行っています。しかも女性の投資家も多いんですよ。先ごろ、世界的な資産運用会社、フィデリティ・インターナショナルが、イギリス、ドイツ、オーストラリア、日本に続いて、初めて台湾での女性の投資についての大規模な調査を行い、「投資は女性の新たなエンパワーメントを高める」との調査報告を発表しました。なんでも、その調査によると、回答者のうち投資をしているという台湾の女性の比率は84%!これは日本の23.5%、オーストラリアの48%と比較してぐっと高かったのです。この調査は、フィデリティ・インターナショナルと、グローバル・マーケティング・リサーチ会社Ipsosが共同でオンラインデータベース上の労働者たちにアンケートを発送。2019年12月20日から2020年1月2日にかけて、2,000名にアンケートをとったもので、内訳は1,400名が女性、600名が男性。1,400名の女性のうち、25歳~34歳が393名、35歳~49歳が640名、50歳~64歳が367名でした。台湾の女性回答者のうち、84%が投資をしているという高い数値にびっくりしましたが、では一体、投資の目的は何なのでしょうか。台湾の女性は定年退職後を非常に重視していて、なんと半数近い48%の女性回答者が定年後のための貯蓄を目標としているそうです。しかもこれは同様に定年後の貯蓄を目標としているイギリス人女性回答者の28%と比べても多いそうです。次に多いのが、家を買うため。5分の一以上の22%の女性回答者が家を買うことを目標に投資をしています。しかも、若い人の比率が高く、35歳以下の女性回答者では37%が家を買うために投資をしているそうです。そして、10%の回答者が家族や自身を養うため。このほか、債務の返済のためと言う結果でした。ちなみに、ほかの国では、中国の女性回答者は家庭や財産を置いておく重要性にこだわっていて、オーストラリアの女性回答者はまずローンの完済を目標としている人が多いそうです。台湾では政治の世界でも職場でも女性の活躍が目を引きますが、実はまだやはり男女間の給与差があり、貯蓄額に大きな差が出てきます。そのことから台湾の女性は資本が少ないとされています。ただ、8割の台湾女性回答者がその資本をいかに運用して個人収入を得るかは自分で決めてよいとしています。これは、台湾男性回答者の63%よりも、そしてイギリス女性回答者の56%よりも高くなっています。特に年齢が高くなるほど、家計全般を管理しているという女性が多くなっています。ただ、台湾の女性回答者は家計の管理上は自身に主権があるものの、自身の投資策に対する自信はあまりなく、台湾の男性回答者が自身の投資策に自信があるという人が52%いるのに対し、自信があるという台湾女性回答者は36%強しかいませんでした。また、調査によると、25歳から34歳の若い女性回答者は投資に保守的であり、4割の若い女性は「知識不足」が投資の障壁となっていると感じているようです。ただ、若い人に限らず、女性の方が投資には慎重な人が多いようで、これは先ほど話した、男女間の給与差から生まれる貯蓄の差から、女性の方が慎重な傾向にあり、リスクを最小限に抑え、損失を出さないようにする保守型投資を選んでいる人が多いということがこの調査から見えてきました。具体的にどのような金融商品を有しているかについては、働いている女性の多くはすでに様々な投資を行っているようですが、自分の資金を守ることができる投資商品、たとえば債券や貯蓄保険、年金型商品などを好むようです。投資をしている台湾女性回答者の多くが、定年後の貯蓄のためとしていますが、アンケートによると、定年後、快適な生活を送るためには毎月4万8,000台湾元(日本円およそ173,000円)が必要だと考えているそうです。また、定年後の生活に必要な貯蓄額の平均見積もりは1,810万元(およそ6,530万円)としています。ちなみに男性回答者の定年後の貯蓄平均見積額は2,040万元(およそ7,360万円)でした。ただ、台湾の女性は定年退職後の準備を非常に重視しているものの、退職後も現在の生活水準を維持できるための財務計画を練っているという回答者はわずか15%しかいませんでした。そして個人の定年退職後の目標実現に自信があるという回答者はわずか47%でした。なかなか目標に向かって進めてはいないという人が多いようですが、それでも「定年後の生活費をパートナーに援助してもらおう」と期待している女性は20%にとどまっています。やはり台湾の女性は自立しているなと思ったのは私だけではないのではないでしょうか。...more7minPlay
August 03, 2020台湾ソフトパワー - 2020-08-04_台湾初の小型自動運転バス「WinBus」運行開始≪トーク①:台湾初の小型自動運転バス「WinBus」運行開始 ≫近年、車関連のニュースをにぎわせている“自動運転”と言う技術。すでに自動運転支援システム搭載の車などが出てきていて、世界中の自動車メーカーがその技術を競い合っていますが、先月、台湾初、Made in TAIWANの小型自動運転バス「WinBus(ウィン・バス)」が登場しました!このバスは、勤崴國際公司(King WAY Technology)、経済部財団法人車両研究試験センター(ARTC)、中華電信などの団体が連携し研究開発した小型自動運転バスです。このバスの部品は全て台湾製。勤崴國際公司(King WAY Technology)が今年2月に台湾で初となる「自動運転車両による営業許可」を得た後、3/20-6/30にかけて無乗客試験運行を累計152便実施、累積1,140キロの自動運転走行を行い、車両が故障した場合や、事故が発生した場合などの緊急事故演習といったいくつもの安全テストをクリア。7月15日より台湾中部・彰化の鹿港で正式に市民を乗せての運行を開始しました。この小型自動運転バス「WinBus(ウィン・バス)」にはハンドルがなく、走行時は光学系システムによるレーダーとセンサーによって自律走行します。スタッフが運行前に路線図をバスに搭載されたコンピュータに入力しますが、あとはバスが自動で道路状況を把握して、減速したり、車線変更したり、信号で停止したりを行います。車両研究試験センターの翁國樑・部長によると、小型自動運転バスの無人運転技術は、アメリカのテスラ社が開発した電気自動車と同じレベルに達していて、今後、IoT(モノのインターネット)化されたスマートバス停や5G(第5世代移動通信システム)サービスが普及すれば、交通量などのデータを送信することができ、自動運転技術を更に向上させることができると期待を寄せています。小型自動運転バス「WinBus(ウィン・バス)」の運行ルートは全長12.6kmを計画しており、現在のところ世界最長の自動運転バス路線です。まずは第一段階として、「台灣玻璃館(台湾ガラス館)」や「白蘭氏(Brand’s)健康博物館」、「緞帶王觀光工廠(リボンミュージアム)」など7.5kmの環状線を走っています。順調に行けば第二段階に入り、第二段階では台数を増やし乗客数を増やすほか、航海の女神・媽祖を主神とする媽祖廟、鹿港天后宮から発車することで、自動運転という革新的な技術を通して、このエリアの観光と結び付けて行きたい考えです。≪トーク②:台北でも自動運転バスが運行テスト中! ≫実は、自動運転のバスは台北でも運行テストが行われています。最終のバスも終わった後、中正紀念堂から、人気の小籠包のお店「鼎泰豐」本店の前、大安森林公園を通って台北101まで続く大きな道路“信義路”のバス専用レーンで毎晩、1台のバスが運行テストを行っています。私も最初は偶然見かけて、紫に光りを放っている見慣れない車体に、なんだろう?と思ってちょっと立ち止まって近くに来るのを待っていたら、フロント部分に「自動運転実験車」と書かれたバスでした。フロントの部分とそこに反射するライトのせいか、紫に見えたバスは実はブルーの車体で、台湾で唯一の自動運転車両の研究開発を行っている会社「台灣智慧駕駛公司(英語名:turing)」が手がけ、ハード部分は7割が国産、そしてシステムといったソフトの部分は100%国産の、こちらもMade in TAIWANの自動運転バスです。中でも、モーターとモーター制御器は、日本では鴻海(ホンハイ)と言う名前でお馴染みの富士康集團(フォックスコン・グループ)傘下の賜福科技所(Foxnum)製。電池は桃園にある会社、明創能源(MINTRON ENERGY)が、バス全体と制御器の製造は電動バスなどを手がける桃園の会社、創奕能源(TRON ENERGY)が、表示モニターと非接触モニターは液晶パネル大手・友達光電(AUO)、ワイヤーコントロールシステムと車体組み立ては電気自動車などを手がける台中の奕兆綠能(TRILLION)、GPSは測量機器や技術サービスを専門とする集研科技(System Access)が手がけています。また、車列管理システムと信号情報アクセスは情報セキュリティと経営コンサルティングサービス会社・資拓宏宇建置(IISI)が、内政部の基準を元にした高精度な地図(HD Map)は台湾と日本の合同出資で様々な分野でスマートビジネスを展開している台北の会社・興創知能(TTL)が製作・管理しているほか、大都會客運(メトロポリタン・バス)が自動運転バスの整備場施設と専門の随行安全スタッフを提供しています。“オール台湾”と言ってもいいような強力なチームで取り組んでいます。先ほどご紹介した彰化で運行をスタートした小型バスをはじめ、台湾でもすでに多くの自動運転バスが登場していますが、みな、決まったパーク内や、封鎖された道でのサービス提供である中、この「台灣智慧駕駛公司(英語名:turing)」の自動運転バスは、スタッフや旅行客の足として、夜間に走る自動運転バスとして運行する計画です。そう、このバスは台北市が公共輸送サービス網の補充と考えていて、夜間、一般のバスの最終が終わってから走らせるので、バスの運転手さんたちも失業してしまうのでは?という心配もありません。この自動運転バスは、現在すでに第三段階の試乗体験に入っていて、産学の専門家や研究者を招いて乗車テストを行っています。このテストは8月末まで行われ、9月には正式に一般に開放する予定ですよ。これからは台湾のあちらこちらで自動運転のバスを見かけるようになるかもしれませんね。“電子大国”・台湾では今、自動運転バスが熱いです!...more10minPlay
July 27, 2020台湾ソフトパワー - 2020-07-28_台湾初の女性駐米代表、蕭美琴さん先週(7/22)、台湾で初の女性駐米代表となる、蕭美琴さんが桃園国際空港からアメリカへと飛び立ちました。“駐米代表”とは駐米大使に相当するポストで、台湾とアメリカの関係をつなぐ重要な役割を果たしています。中華民国台湾は、アメリカと正式な外交関係はないため、アメリカに大使館を設けていません。その代わりに駐アメリカ台北経済文化代表処という出先機関が設けられています。蕭美琴さんは、この出先機関のトップとなります。その重要なポストに今回任命された蕭美琴さんとは一体どのような人でしょうか。蕭美琴さんは、台湾人の父、アメリカ人の母の元、1971年に日本の兵庫県で生まれ、台南で育ちました。中学卒業後にアメリカに留学し、オーバリン大学で東アジアについて学び、コロンビア大学で政治学の修士課程を修了しました。アメリカで学んでいた高校生のときには政治についてとても熱心で、彼女の父親によると、中国で天安門事件が起こったときには、学校で中国の学生を支持するチラシを配ったりしていたそうです。大学時代は図書館で働いていて、その頃から台湾禁書に触れるようになり、海外の反対運動にも積極的に参加するようになります。そして政治にかかわっていこうと思い始めた彼女。最初の仕事は民進党の駐米代表処で執行長に就任。外交および語学の才能を十分に発揮しました。26歳のときに台湾に戻り、民進党国際事務部の主任に。当時、民進党最年少の抜擢でした。党内では、蕭美琴さんのことを「美人な赤ちゃん」と呼ぶ人がいたほど、美しく、そして仕事もとてもまじめだったそうです。2000年に台湾で初めて政権交代が行われ、蕭美琴さんは当時の陳水扁・総統の通訳と総統府顧問を勤めます。2002年2月から民進党の比例代表の立法委員として正式に政界に足を踏み入れ、2005年1月まで比例代表の立法委員を務めていました。2004年には台北市から日本で言う国会議員にあたる立法委員選挙に立候補し当選。政治の舞台で活躍していくための基礎を広げ固めていきました。国会議員である立法委員を全部で4期(第5期と第6期、第8期と第9期)務め、今年4月からは国家安全会議諮問委員を務めていました。そんな経歴を持つ蕭美琴さん、プライベートでは、猫が大好きなんだとか。今回、アメリカへ飛び立つ際も、斜めに掛けたバッグと、コンパクトなキャリーバッグのほかに、4匹の猫が入った4つのケージが一緒でした。搭乗手続きをしている際も、ケージを覗き込んで猫たちに「大丈夫よ。緊張しないで」と声を掛けていました。そして台湾で猫好きの代表といえば…そう、蔡英文・総統ですよね。蕭美琴さんと蔡英文・総統は、共に猫が好きという点から、公私共に仲がよく、蔡英文・総統が2010年当時、新北市長選に立候補した際には、戸籍を新北市の永和にある、蕭美琴さんの住所の近所に移したという程、親密です。また、2012年8月に、蕭美琴さんが花蓮県へ台風9号の被災地視察に訪れた際に、台湾鉄道・和平駅付近のぬかるんだ路上で一匹のトラネコを拾い自宅で保護するのですが、その後、当時、党主席であった蔡英文・総統が引き取ることになったというエピソードがあります。ちなみにその猫が英語名「クッキー」という、今も蔡英文・総統のSNSなどにも時々登場する愛猫のうちの一匹です。そんな猫好きとしてもつながりの深い二人ですが、もちろん、それだけでなく、しっかりとした信頼関係があるからこそ、今回、台湾初となる女性駐米代表への抜擢。蔡英文・総統は、「アメリカは台湾にとってとても重要な国際パートナーであることから、すでにある強固な基盤の上に、引き続き台湾とアメリカ両国の関係を強化することで、両国の安定した繁栄がさらに多くの可能性を生み出していく」としており、蕭美琴さんに大きな期待をよせています。新たに駐米代表の命を受けた蕭美琴さんは、「すでに“科学技術の安全”が米中の戦略競争の焦点となっており、台湾はアメリカのような理念を同じくする国家の信頼できるパートナーであることを確認すると共に、台湾の強みを生かし、世界の産業や技術環境の戦略において重要な役割を果たすチャンスを積極的につかむべきだ」と語っています。また、「これはハイテク産業においてだけでなく、医療面においても同じことが言え、台湾の強みでもある医療は世界の産業やサプライチェーンの戦略において重要な役割が期待されている」としました。また自身のことについては、「生え抜きの外交官ではないが、だからこそ斬新な取り組みができる」としており、「既存の枠を飛び出して、台湾の文化や美食なども含め、様々なソフトパワーともコラボレーションをし、台湾とアメリカの関係を新たな戦略レベルに引き上げ、最終的には台湾人が国際舞台に胸を張ってあがれるようにしたい」としています。持ち前の国際感覚で、与党・民進党から高く評価され、蔡英文・総統をはじめ、多くの期待を背負ってアメリカへと旅立った蕭美琴さん。今後の台湾とアメリカ、ひいては台湾と世界をつなぐキーパーソンとなっていくかもしれません。(編集:中野理絵/王淑卿)...more10minPlay
July 20, 2020台湾ソフトパワー - 2020-07-21_日本発おしゃべりロボット「TAPIA」の台湾での研究開発皆さん、「TAPIA(タピア)」ってご存知ですか?日本のMJIという企業が生み出した“おしゃべりロボット”で、卵のような丸いフォルムに、ドラえもんなどのアニメに出てきそうなつぶらな瞳。時々瞬きもし、しゃべる声もより人間のしゃべりに近いトーンの“コミュニケーションロボット”です。日本では2016年に販売が開始となり、会話やビデオ通話を楽しむだけでなく、家族の生活の見守りに役立てたり、受付に置いてお客様の応対をしたり、相手の表情や動き、言語に合わせて発話内容をアレンジしプレゼンテーションを行ったりと、様々な活用方法が生み出されています。先進技術を導入した世界初のロボットホテル「変なホテル」の部屋に設置されたり、「変なレストラン」で、全テーブルに設置され、人間のスタッフに変わって応対をするロボットとして話題となりましたよね。その「TAPIA」、登場と同時に台湾でも注目されていて、台湾では翌2017年に早速、中国語版の販売が行われました。 そして2018年には、AI・ロボティクス・アクセラレータプログラム「Taiwan AI ×Robotics Accelerator 2018(通称:TAIRA 2018)」の最終ピッチセッションで受賞し、その後、高雄の義大病院との共同開発を経て、“健康管理”をする「TAPIA」が登場。現在実験段階ではありますが、昨年末より義大病院の“家庭医学科”と“薬剤部”に導入されています。“健康管理”とは「TAPIA」がどのようなことをしてくれるのかと言うと、“正しく体重を減らすサポート”をしてくれます。なんでも、統計によると、台湾の人々の30%近くが健康に関する知識が不十分で、一部の人々は糖尿病患者の中は果物をたくさん食べても問題ないと考えていて、糖分の過剰摂取による脂肪刊の過度のリスクにさらされているそうです。肥満は多くの慢性疾患の原因であると言う事実を考慮して、ダイエットや運動を通じて体重を適切に制御することを人々に教えるAIロボットを開発。個人情報や、嗜好性、並存症などを入力することで、どのように飲食をコントロールしたらいいか、どんな運動をするといいかなど、その人に適した対策を導き出し、しっかりと体重を減らすことで、慢性病になることを防ぐというシステムです。 これから「TAPIA」も“可愛い”だけでなく、このように医療分野においても様々な面からサポートをしてくれるようになりそうですが、今、台湾で「TAPIA」に注目しているのは医療分野だけではありません。実は、言語分野においても注目を集めています。と言うのも、「TAPIA」によって学生の言語学習のサポートができるのではないか?と研究開発が進められています。 この言語分野での活用に関する研究開発を行っているのは、台湾の空の玄関口、桃園の中壢にある元智大学。応用外国語学科と、情報技術学部が協力し、日本のおしゃべりロボット「TAPIA」を使って、外国語学習のサポートをします。元智大学応用外国語学科の吳翠華・学科主任によると、「ロボットは学習者のレベルを把握することができるし、対話の内容の調整や、時間や場所の制約を受けないため、学習効率が上がる」とのこと。また、日本で生み出された「TAPIA」は、数多くあるAIロボットの中で「最も機械音ではなく自然な日本語に近いおしゃべりロボット」であり、日本語を学習する台湾の学生にとって最適のようです。スタンフォード大学の研究では、おしゃべりロボットによるサポート学習の効果は教育アプリより勝っているという結果があることから、この「TAPIA」を活用した学習はとても有効であると考えています。 ちなみに、応用外国語学科は1年生の日本語会話と読みの練習に導入したことがあるそうですが、「塾やオンライン家庭教師と違い、対話ロボットは相対的コストが低いうえに、「年中無休」で利用できるので、たとえば学習者が夜中に練習したくなったとしても問題ない。塾や授業のような制限を受けない。」と、多くの利点があるとしています。また、吳翠華・学科主任は、「TAPIA」は見た目も、日本語の発音も可愛い。しかもロボットは練習している学習者の言語能力が高くなくても怒ることがなく、何度も練習に付き合ってくれる。しゃべるのが恥ずかしいという心配を取り除いてくれるので、試した学生からも好評だ」と説明。自分の語学力に自信がなかった場合、どうしても練習の相手が人間だとなかなかしゃべり出せなかったり、相手をイライラさせてしまったりということが気になりますが、ロボットが相手だとそんな心配は不要だとしています。 なお、元智大学の応用外国語学科は2018年から、情報技術科の鄧進宏・副教授、そして情報工学科の葉奕成・教授と、学部の枠を超えて協力し、“拡張現実=AR”と“バーチャルリアリティ=VR”を使った初級日本語会話教材の共同研究開発を行っています。また、情報技術科の黃怡錚・教授とは、VRを使った、バーチャル日本文化体験システムの共同研究開発を行っています。吳翠華・科主任は、「このARやVRを使った教材はバーチャルで実際の会話風景を提供するだけでなく、言語識別システムを通じてすぐに使用者の言語の正確率を表すことができる。同時に読み取りや提示システムを設計することで、学生たちにバーチャルの会話風景の中で互いに練習をしながら実際の日本文化を体験することができるようになる」と語りました。 「TAPIA」という日本発のおしゃべりロボットから広がるデジタル世界に、台湾でも想像があふれ続けています。(編集:中野理絵/王淑卿)...more10minPlay
July 13, 2020台湾ソフトパワー - 2020-07-14_歯科医の黃菁菁さん 先日、台湾の内政を所管する最高行政機関である内政部が、帰化申請の審査を通過した “高度外国人材”を発表しました。この“高度外国人材”とは、高い専門性を持った外国籍の人材のことを指し、“高度外国人材”の帰化が認められると、台湾人と同様に参政権や各種の社会福利を受けることができるだけでなく、元の国籍を喪失することなく中華民国国籍を取得することができます。その“高度外国人材”の中から今年、帰化申請の審査を通過したのは8名でした。そのうちの一人、マレーシア出身の女性歯科医師・黃菁菁さんはマレーシア出身の客家人。台湾での生活はもう20年近くなります。最初の2年間は台湾大学で修士課程をとっていました。彼女の主な専門分野は予防歯科、虫歯からの歯の回復治療および、歯の神経などの“歯髄”保存研究です。現在、台湾に103名しかいない歯科回復専門医のうちの一人です。歯髄保存治療とは、深刻な虫歯や、怪我などによって神経が露出した歯を先進医療材料を通して、歯の神経組織を健康な状態に回復させると共に、歯の再生を促します。神経を抜いたり、抜歯したりするのを避けることで、歯を保ったまま活性化させます。黃菁菁さんは大学院時代から、歯髄治療が生み出す新たな医療材料と技術についての研究に力を注いできており、2014年に「第92回 国際歯科研究学会(IADR)」で「歯髄生物学と再生部門」の最優秀賞を獲得したほか、2016年には国際的に有名な学術誌「Dental Materials」に関係論文を発表しています。先日、台北市立動物園で誕生した赤ちゃんパンダのお父さん「團團(トゥアントゥアン)」が、2018年に歯が折れてしまい治療で人工歯冠(クラウン)をかぶせたと言うニュースを覚えていますでしょうか。人間の歯に銀歯をかぶせることは珍しくありませんが、世界で初めてジャイアントパンダに銀歯を入れたとして注目を浴びました。その際、獣医師と歯科医師のチームによって歯髄保存治療と、チタン金属によるクラウンを入れるという「先進的な歯科治療」が行われました。この治療技術はこの黃菁菁さんの専門分野でした。黃菁菁さんによると、「当時治療チームが運用した技術と材料は私の研究範囲であった。そして自身の研究成果が国際的に認められたこともあり、台湾口腔医学の国際イメージの引き上げに貢献できたと思う」と語りました。今回の“高度外国人材”として帰化が認められたことについて、黃菁菁さんは、「台湾の教育や生活環境は私によって多くのプラスの影響を与えてくれた。台湾がなければ今の私はなかった。台湾はすでに私の家であり、今、こうして帰化できたことにとても感動している。長年にわたる努力が認められたんだと思う」と語りました。また、中華民国台湾の国籍を取った後の予定や、最もうれしかったことは何かと言う質問に対しては、「投票権を行使してみたい、投票を通して台湾とさらに直接つながることができると期待している」とし、また、帰化したことで、銀行などの機関で台湾人と同様の行政上の便宜を受けることができることや、高度外国人材の場合は元の国籍を放棄しなくても良いことからマレーシア国籍を保有したままでいいこともあり、高齢の両親に会いにマレーシアに帰るときにも身分が変わったことによるわずらわしいことが生じないのがうれしいと語りました。なお、内政部によると、2016年(民国105年)12月21日に国籍法が改正されてからこれまでに累計で141名の長期にわたって台湾で働き、台湾を愛している“高度外国人材”が元の国籍を失うことなく帰化しています。今回、帰化申請が認められた“高度外国人材”8名は、5名が教育分野、そのほか、科学技術分野が1名、経済分野が1名、そして医療分野が1名でした。ちなみに、台湾に来た最初のころ、なかなか慣れなかったことはありますか?と記者からの質問に、彼女は笑いながら「台湾語」だと語りました。しかし、この数年、鍛えたことで理解できるようになったそうです。ただ、難しい語彙が出てくると、まだ勉強が必要だなと感じるんだそうです。(編集:中野理絵/王淑卿)...more10minPlay
July 06, 2020台湾ソフトパワー - 2020-07-07_身近な環境問題から生まれた台湾の発明品たち日本では今月7月1日から全国の小売店で、プラスチック製のレジ袋を有料にすることが義務付けられましたね。そんな中、今、日本で台湾のコンビニで使用されている持ち帰り袋に注目が集まっているという話題を耳にしました。いったいどのような袋なのかというと、繊維を織らずにシート状にした「不織布」でできていて、1枚の四角い不織布の中央にお弁当などものを置き外側の端を持ち上げると網状の袋となるんです。今日は「七夕」ですが、まるで七夕飾りにの「網かざり」のような見た目もかわいらしい袋になります。この網状の袋のすごいところは、同じサイズのもので、丸い形の弁当も、楕円形の形の弁当も長方形の形の弁当もどれでもフィットして傾きません。数年前、この袋を初めて見た日本人旅行者が「画期的!」だとツイートしたものが、今、レジ袋有料化の波を受け脚光を浴びているようです。そんな画期的な袋を考えたのは、台湾中部、彰化の頼社長。台湾では2002年以降、無料レジ袋の減量に取り組んでいて、政府機関や私立学校、百貨店、量販店、スーパー、コンビニ、ファストフードなどでレジ袋の無料提供を禁止としました。それを受け頼社長は、ある程度の重量にも耐えられる不織布が今後、ビニール袋に取って代わる!と思いつき、台湾で最初に不織布手提げ袋の特許をとりました。その目の付け所がさすがです。ただ、不織布のテイクアウト袋はビニール袋と比べ、コストが3倍近くかかることから値段も同様に高くなるため、最初は店側も出し渋ったりしていましたが、今では台湾のコンビニエンスストアですっかりおなじみの袋となっています。これからレジ袋有料化政策への対策として、この台湾発の「網状不織布手提げ袋」が日本でもおなじみになっていくかもしれません。 そしてもうひとつ、台湾で生み出された日本でも販売されているエコ商品があります。それは「サトウキビのストロー」。早くから環境問題に取り組んでいる台湾では昨年2019年にはさらに、店内飲食の際のプラスチックストローの提供が禁じられました。台湾はタピオカミルクティーなどのように、トッピングを加えた飲み物も多く、それをストローで飲むことで口当たりや食感を楽しむ部分もあるため、やはりストローは使いたい。でも環境保護も大事…と、ステンレスのストローを使ったり、ガラスのストローを使ったり、紙のストローを使ったりと各店舗試行錯誤しています。そんな中、2018年に台中市にある朝陽科技大学の卒業生である黄千鐘さんが、自身の知識を生かし、サトウキビの搾りかすと、PLA(ポリ乳酸)でストローを作り出しました。“リサイクル”ではなく、生分解かつ100%天然成分の “アップサイクル”の製品です。少しカフェ色がかったわずかに透け感のあるストローは、口に触れたときの感覚も従来のストローと大差なく、耐久性にも優れ、そしてほんのりと甘さがあります。ユーザーにとっても使いやすい上、廃棄したあとは水と二酸化炭素へと分解されます。その画期的なアイテムは、フランスのモンペリエ国際発明展で金賞を獲得しました。今では日本でも販売されているので見たことある、使ったことあるという人もいるかもしれませんね。 このほかにも、台湾のサイトでは、使い捨てではない“マイストロー”開発プロジェクトへのクラウドファンディングも行われていました。“マイストロー”というと、ステンレス製やガラス製のものが多く、箸箱サイズであることや、何より洗いにくいので衛生状態が気になるといった悩ましい問題があります。そこで、A Plastic Projectというプラスチック業者が、使い捨てではない、開いて洗え、くるくる巻いてコンパクトに収納できるストローを開発。また、素材は医療用にも使われるクラスのポリプロピレンを主成分とし、ストローを開け閉めできるか、巻くことができるかといった機能に合うよう研究を重ねて完成させています。このクラウドファンディングは目標額の20万台湾元(日本円およそ73万円)を大きく上回る1,288万9,538元(およそ4,727万円)を集めました。このように、台湾では身近なところから環境問題も考えつつ、新たな発明を生み出す力にあふれています。エコ商品を見かけたら、もしかしたらそれは台湾発のものかもしれませんよ。(編集:中野理絵/王淑卿)...more10minPlay
June 29, 2020台湾ソフトパワー - 2020-06-30_外貌醜状に伴う給付金の男女格差を是正へ台湾といえば、世界的にもジェンダー平等の考えや政策が進んでいて、アジアではもっともジェンダー平等指数が高いとされています。そんな台湾で先日、男女間格差についてある議論が行われました。それは労働保険の「障害給付金」─。台湾にも労働保険において、被保険者が病気やけがで働けなくなった場合の「障害給付金」がありますが、現行の規定では男性か女性か、性別によって違いがありました。しかし、このたびその違いが取り払われることとなりました。「頭部、顔面部、頚部に著しい外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)が残った場合」について、現在の規定では女性の被保険者の場合は障害等級8級とし障害給付金は360日分受け取ることができるのに対し、男性の被保険者の場合は障害等級は10級とし障害給付は220日分とされています。給付金の給付日数に140日の差が出ていました。金額にして最多21万台湾元(日本円でおよそ76万円)の差です。このことについて、「これは男女差別なのではないか」という投書が行政院に届き、それに対して労働部が「社会生活において、外貌醜状によって受ける妨害は男女で異なる」と回答したことで、ネット上では「男性の顔に負うけがは値打ちがないのか」と物議を醸していました。この物議を受け労働部は、このの男女の分別については「1979年より記されたものであり、当時の時代背景が反映されている」と説明。そして専門家や学者と共に会議を行った結果、社会環境の変化、性別の平等などにより、男女の障害給付は同等に障害レベルを8級とすることを決定しました。また同時に「外貌醜状」を表現する際に使う中国語の「醜形」という言葉に対しても、差別的であるとして改称することを決めました。労働部によると、予定では7月には草案を提出し、2か月の検討期間の後、早ければ今年中には規定の修正が行われる見通しです。 ...more10minPlay
FAQs about 台湾ソフトパワー:How many episodes does 台湾ソフトパワー have?The podcast currently has 355 episodes available.