Google様が、日本の新型コロナウイルス感染者数の予測を出しました。これから向こう28日で、新規感染者は5万3千人、死者は512人という、数字です。全然ありえる数字だなと思います。むしろ抑え気味の数字です。Google様だって、日本市場で怒られたくありません。なかの人が、内閣府に怒られない程度の無難なキャリブレーションをしているんだろうな、と想像します。
1985年の風邪薬のコピーに、風邪は社会の迷惑です、という仲畑貴志のコピーがありましたけど、あの時と基本、いまもまだなーんにも変わってません。風邪は社会の迷惑です、というコピーは要するに、風邪なんて引いて、社会に迷惑かけてるあなたはイケてないから、この風邪薬ではやく治しなさい、という命令です。ガースー政権下の今風に言えば、風邪なんてのは、単にあなたの甘え、自助でさっさと解決しなさい、気が緩んでるのは、あなただけだよッ、という恫喝ですね。
さて、いまでも、風邪をコロナに置き換えれば、全然成立してしまいます。コロナにかかる奴が悪い、それは彼らが気を抜いていたり、だらしがないからに決まっている、という強い決めつけがこの国の背後にあります。女子アナがテレビやラジオの番組でかぜ声になっていたりすると、視聴者からプロ意識が足りないとか、気が緩んでいるからだといった叱責のメールがたくさん来るみたいです。これ要するに、お前の風邪は、自業自得だ! という絶叫ですよね。
この不気味な朱子学カルトのマインドは、公正世界仮説によるものです。ウィキペディアには、「公正世界仮説とは、この世界は公正な世界である、という思い込みのこと」と書かれています。正義は勝つとか、努力は報われる、とか時間だけは皆に平等だとか、この世はとにかくフェアなので、フェアなゲームに勝つのは、常に正しいものに決まっている、という認知バイアスです。
勧善懲悪とか、親の敵討ちとか、人気の歌舞伎の基本ストーリーはほとんど、この公正世界仮説を背骨にしていると思います。半沢直樹シリーズなんて、プロットは歌舞伎の本歌取りだろうと思います。観てないけど。
世界は公正だという世界観は、思い込みとしてとても強いので、これを疑う人はあんまりいません。アメリカの白人をみてればその狂信ぶりは怖いほどです。公正世界仮説のデメリットとは、要するに、不幸や不運に見舞われている人は、自業自得であると逆引きしてしまうからです。失敗するのは、努力が足りないからだとか、その人の過失を根拠もなく疑うだけでなく、血が呪われているからだとか、前世に悪いことをしたからだとか合理的でない決めつけてしまいます。
日本では、コロナ禍でも、この公正世界仮説が強く起動しています。コロナなんかにかかるのは、夜の街だからだという上からの決めつけは、政財官学マスメディアによるフェイクニュースです。人々の公正世界仮説を悪用しています。ご心配、ご迷惑をおかけして、本当に申し訳ございません、なんてコロナに感染した人が謝るのは、日本くらいです。
とことんがんばり屋さんでなければ、そんな奴らは地獄に落ちろ、公助も共助も必要ない、彼らが野垂れ死にしたってしかたないさ、となります。そう考えると、世界でもぶっちぎりの日本人の冷酷さや無慈悲さとは、権力によって下々が、徹底的に公正世界仮説を刷り込まれているからではないか? と私は、思うのです。
この世界は徹底的に不公正なクソゲーでしかないと諦めている私には、日本は単なるカルト国民国家にしか見えません。NHKに喜んで受信料を払って、公正世界信念プロパガンダを刷り込んで欲しがっている民とは、こう言ってはなんですが、オウム信者と何がどう違うのか? 私には完全一致、としか思えません。
そしてこの公正世界仮説への狂信さゆえに、日本では感染が低く抑えられているのです。倒錯したパラドクスとしか思えません。