岡田斗司夫がYouTubeで、来年は地上波のテレビが、ほとんど完全にオワコンになるだろうって予想していました。日本の映画興行収入の過去ベスト10をみると、実写のドラマは2003年に公開された「踊る大捜査線 THE MOVIE ツー レインボーブリッジを封鎖せよ!」が9位にいるだけで、残りはすべてアニメか洋画です。
2003年前後が日本におけるマスメディアの、質的というよりは量的な絶頂期で、フジテレビの内定をゲットできるのは、最も優秀な人間だと羨ましがられていました。あの頃フジテレビに入った人たちは、いまどこで何をしているのか、もし私がジャーナリストなら、追いかけてインタビューしたいです。
踊る大捜査線の頃の絶頂などもはや想像できませんし、このまんま行くと、テレビなどの実写系ドラマコンテンツは、もう誰もお金払ってみようと思わない、ゴミクズ化、オワコン化が加速するだろう、と私も思います。
日本のドラマの才能や資金力はいま急速にAmazonプライムとかNetflixに移りつつあって、出がらしのような地上波で視聴率を稼げるコンテンツは、人間の動物的な感情に訴えるものだけになりつつあります。
HALTというキーワードがありますが、テレビのコンテンツは、これから地上波独特のものとして、動物向けの感覚的なものへと、煎じ詰められていくと思います。まあそれが、オワコンということですね。
HALTとは、アルコール依存症の人がスリップする4つのきっかけです。アルコールとテレビは大差なしなのであって、どちらも社会的な麻薬です。Hとはハングリー、お腹がすいていると、スリップしがちです。テレビも、フードポルノは最後のキラーコンテンツです。食べることしか楽しみのない世界へと我々は向かいつつあるのでしょうか。
Aはアングリー、怒りです。腹の立つことがあると、ついお酒飲み過ぎちゃうっていうのは、私にも覚えがあります。テレビも怒りを煽るコンテンツが増えてきている気がします。怒りによって視聴率を稼ぐ傾向は、アメリカとかはかなり先に進んでいますけど、日本もそのうちFOXみたいなものが出て来て、怒りを呼び覚まさせ、分断を加速するようになるかも知れません。
Lはロンリー、孤独です。酒もテレビも、孤独との相性がやたらと良い。ネトウヨとか、私に言わせれば中高年男性の、単なる神経症でしかありませんが、背後にあるのは孤独です。社会から相手にされなくなる寂しさにお酒もテレビも優しいですよね。
Tはタイアードつまり疲れです。心身が疲れ果てたときには、お酒飲んだりテレビ見るぐらいしかやる気なくなります。アルコールもテレビも、考える力の必要ない究極の受動的なメディアですので、疲れていればいるほど、酒もテレビも、するする入ってきます。
昨年2019年10月の徒手空拳日記に、「大きな人間関係、大きな組織、大きな共同体が壊死しているので、小さな人間関係、小さなチーム、小さな仲間で生きていくしかない。古くて大きな人間関係(朱子学カルト)に依存していると、ロクなことがない」と書きましたけど、テレビも酒も、日本では大きな人間関係、大きな組織、大きな共同体を維持強化するためのツールでしたので、小さな世界で生きるときは、かえって邪魔だったりします。
コロナ禍で酒もテレビも、単なるオピオイド、朱子学カルトのアヘンでしかなくなりつつあります。人間の負の感情を刺激して、心を揺さぶるソーシャルドラッグと成り果てつつあり、勝負の3週間だからといって、ステイホームの時間を酒やテレビに奪われてしまえば、コロナとは別の病で身も心もおかしくなります。コロナ禍で、浮いた時間をどう使うかにこそ、その人のインテリジェンスが試されているのでしょう。