ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125 「合唱」 第1楽章 [2021] / L.V.Beethoven:Symphony No.9 in D minor, Op.125 I. Allegro ma non troppo, un poco maestoso
昨日、食料を買うために家を出て歩いていると、すぐ近くで街頭放送の音が聴こえました。 私が暮らす街の市長が現在のコロナの危機的な状況を訴え、 ワクチンを打っても不要不急の外出は控えてくださいとアナウンスしていました。 市長自身が街頭放送で直接呼びかけるのは初めてのことです。 一日の感染者がかつてない数に達していると語る声は沈痛でした。 私はこの時、「これはただ事ではない」と思いました。 戦時下の空襲警報は、このようなものだったのかもしれないと想像しました。 今も数多くの人々が、感染しながらも入院先がなく、 不安の中に自宅で時を過ごしていると聞きます。 救急車が来ても、そのまま置いて行かれることも少なくないといいます。 こうした方々の恐怖と不安はいかばかりでしょうか? 想像することさえできません。 ある医師は医療状況は逼迫しているのではなく、 すでに崩壊しているとテレビで言っていました。 私の街も、昨年の同時期に比べ、一日の感染者数が十数倍に達しています。 病床の稼働率は100%で、感染しても入院はほぼ不可能でしょう。 多くの人々がいつ終息するとも知れぬコロナの恐怖と闘い疲弊しています。 しかし私たちは生きていかなければなりません。 市長のただならぬアナウンスを聴いた後、 頭の中には自然と第九の第1楽章が流れていました。 この難局を乗り切るには、通常を超えた強い意志力が必要だと思います。 その思いに突き動かされながら、1年ぶりにこの曲を新たに録音し直しました。 ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125 「合唱」 第1楽章 [2021] L.V.Beethoven:Symphony No.9 in D minor, Op.125 I. Allegro ma non troppo, un ...