・特許判例百選(第5版)掲載判例(事件:003)
・クレーム解釈
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【事件概要】
本訴訟は、日本の包装餅業界において市場シェアの大部分を占める主要企業、越後製菓株式会社(以下、「越後製菓」)とサトウ食品工業株式会社(現サトウ食品、以下「サトウ食品」)の間で争われた、切り餅の切り込みに関する特許権侵害事件です。この紛争は、越後製菓が保有する特許第4111382号(通称「餅」特許)について、サトウ食品が製造販売する切り餅がその特許権を侵害していると主張し、製造販売の差し止めと損害賠償を求めて提訴されたことに端を発します 。
約5年間にわたる長期に及んだこの訴訟は、最終的にサトウ食品に対して合計15億円余りの損害賠償が命じられるなど、越後製菓の主張がほぼ全面的に認められる形で決着しました 。この事件は、日常的に消費される「切り餅」という身近な製品を巡る特許紛争であったことから社会的な注目を集めました。特に、特許請求の範囲の「文言解釈」を巡る裁判所間での判断の相違が顕著に表れた点で、知的財産法の実務において重要な判例として位置づけられています 。
【基礎情報】
・知財高裁平成23年9月7日中間判決
・平成23年(ネ)10002号
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=81588
・特許第4111382号
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2002-318601/10/ja