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Pieribone + Chen の in vivo 膜電位イメージング論文を題材に、遺伝学的膜電位センサー(GEVI)、広視野+高速2光子顕微鏡、U-Netベースのノイズ除去手法について掘り下げました (4/30収録)
Show Notes (完全版):
GEVIパート
黎明期のプローブ
ただし、黎明期プローブは膜上に移行しづらく使いにくいという問題があり、使いづらかった。
GEVI開発で気を付ける点は以下(St-Pierreによるレビューを参照)
1. Voltage sensitive phosphataseのVSDを使った系列
1-1: VSDの末端に2つの蛍光タンパク質をつけてFRETするタイプ
ただしkinetics遅め
1-2: VSDのC末に蛍光タンパク質を入れるタイプ(特にpHluorine改変体)
VSDのC末に入れるタイプは、FRETもArcLightもキネティクスが遅い。しかしArcLightについては未だにGEVIの中で一番大きい蛍光強度変化を示す。
予備知識:
2. ロドプシン系列
予備知識:
2-1: ロドプシンそのものの蛍光を見る
ただしロドプシン系は二光子では使えない。
2-2: ロドプシンのC末端に蛍光タンパク質/色素を融合し、ロドプシンとFRET
ロドプシンのC末端に蛍光たんぱく質をつけて励起。電位依存的な構造変化が起こって、蛍光たんぱく質がロドプシンに近づいた時にFRETが起こり、暗くなる。つまりロドプシンが電位センサーかつFRETアクセプターとして働く。ロドプシンより励起に必要なレーザー強度が少なくて済み(1/50~1/100程度)、ロドプシン単体のものほどではないがキネティクスが速い(ASAP系よりも速い)。
おまけ:
顕微鏡パート
広域顕微鏡開発で使われたTemporal Multiplexing
単純な仕組みとはいえ、<10nsの時間解像度でシグナルを処理するFPGAの設計は結構トリッキーらしい(Kaspar談)。
2x
4x
Spatial MultiplexingはそれこそPeter Soが先駆け
GFPの蛍光が2~3nsなので8nsのtemporal delayではcross-talkないのでは...と言っていますが、これは光子数が1/eになる時間なので、e^3~=20から、ざっくり全蛍光の5~10%くらいは漏れ込んでもおかしくないことになります。
Denoisingパート
Self-supervisingの説明を簡略化のためにDeepCADを例に用いて行いましたが、DeepVIDではspatialなinterpolationも行われています。ターゲットにするフレームの10%(この値はハイパーパラメタサーチの結果empiricalに決めている)をblindにしておいて、L2の計算をこのblind pixelsのみに対して行うことで、spatialな情報も利用するようになると考えられます。Shot-noiseはtempora/spatialともに独立なノイズになりますが、signalはspatialにもlocal correlationが高いことが多いので、ノイズだけが主に消えることになると考えられます。
元になったアーキテクチャ・フレームワーク
RonnebergerらによるU-Netと3D-U-Net
U-Netを元にしたノイズ処理の元ネタ: Noise2Void
Editorial Notes:
4.7
77 ratings
Pieribone + Chen の in vivo 膜電位イメージング論文を題材に、遺伝学的膜電位センサー(GEVI)、広視野+高速2光子顕微鏡、U-Netベースのノイズ除去手法について掘り下げました (4/30収録)
Show Notes (完全版):
GEVIパート
黎明期のプローブ
ただし、黎明期プローブは膜上に移行しづらく使いにくいという問題があり、使いづらかった。
GEVI開発で気を付ける点は以下(St-Pierreによるレビューを参照)
1. Voltage sensitive phosphataseのVSDを使った系列
1-1: VSDの末端に2つの蛍光タンパク質をつけてFRETするタイプ
ただしkinetics遅め
1-2: VSDのC末に蛍光タンパク質を入れるタイプ(特にpHluorine改変体)
VSDのC末に入れるタイプは、FRETもArcLightもキネティクスが遅い。しかしArcLightについては未だにGEVIの中で一番大きい蛍光強度変化を示す。
予備知識:
2. ロドプシン系列
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2-1: ロドプシンそのものの蛍光を見る
ただしロドプシン系は二光子では使えない。
2-2: ロドプシンのC末端に蛍光タンパク質/色素を融合し、ロドプシンとFRET
ロドプシンのC末端に蛍光たんぱく質をつけて励起。電位依存的な構造変化が起こって、蛍光たんぱく質がロドプシンに近づいた時にFRETが起こり、暗くなる。つまりロドプシンが電位センサーかつFRETアクセプターとして働く。ロドプシンより励起に必要なレーザー強度が少なくて済み(1/50~1/100程度)、ロドプシン単体のものほどではないがキネティクスが速い(ASAP系よりも速い)。
おまけ:
顕微鏡パート
広域顕微鏡開発で使われたTemporal Multiplexing
単純な仕組みとはいえ、<10nsの時間解像度でシグナルを処理するFPGAの設計は結構トリッキーらしい(Kaspar談)。
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Spatial MultiplexingはそれこそPeter Soが先駆け
GFPの蛍光が2~3nsなので8nsのtemporal delayではcross-talkないのでは...と言っていますが、これは光子数が1/eになる時間なので、e^3~=20から、ざっくり全蛍光の5~10%くらいは漏れ込んでもおかしくないことになります。
Denoisingパート
Self-supervisingの説明を簡略化のためにDeepCADを例に用いて行いましたが、DeepVIDではspatialなinterpolationも行われています。ターゲットにするフレームの10%(この値はハイパーパラメタサーチの結果empiricalに決めている)をblindにしておいて、L2の計算をこのblind pixelsのみに対して行うことで、spatialな情報も利用するようになると考えられます。Shot-noiseはtempora/spatialともに独立なノイズになりますが、signalはspatialにもlocal correlationが高いことが多いので、ノイズだけが主に消えることになると考えられます。
元になったアーキテクチャ・フレームワーク
RonnebergerらによるU-Netと3D-U-Net
U-Netを元にしたノイズ処理の元ネタ: Noise2Void
Editorial Notes:
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