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  • 『『パサージュ論(1)』ヴァルター・ベンヤミン|音読ブラックスワン#46

    『パサージュ論(1)』


    ヴァルター・ベンヤミン|訳:今村仁司、三島憲一、大貫敦子、高橋順一、塚原史、細見和之、村岡晋一、山本尤、横張誠、與謝野文子、吉村和明|2020年12月15日|岩波文庫


    朗読箇所:「パリー19世紀の首都(ドイツ語草稿)」より(P.25〜39)



    パリにナチスが迫る間際まで書き綴られた膨大なメモ群はバタイユらに託され、かろうじて生き残った。一九世紀パリに現れたパサージュをはじめとする物質文化に目を凝らし、人間の欲望や夢、ユートピアへの可能性を考察したベンヤミンの畢生の労作。断片の集積に潜む「あり得たかもしれない」世界の模索。(全五冊)


    https://www.iwanami.co.jp/book/b548852.html



    企画・朗読:若林恵 

    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds) 

    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii 

    黒鳥福祉センターにて収録

    30 min
  • 『K-POPはなぜ世界を熱くするのか』田中絵里菜|音読ブラックスワン#45

    『K-POPはなぜ世界を熱くするのか』


    田中絵里菜|2021年4月1日|朝日出版社



    朗読箇所|第3章「ファンが自ら『広報』に変わる仕掛け」より(P.137〜155)



    BTSからBLACKPINK、NiziUまで、 

    Z世代を中心に世界を熱狂させるK-POP。 

    そのわけは、音楽でも、パフォーマンスでもなく、 

    5つの “バリアフリー"にあった。 


    お金:ライブに行くまではすべて無料 

    時間:いつからでも後追い可能 

    距離:どんなに遠くからでもリアルタイムで参加 

    言語:どんな言語にも翻訳されるコンテンツ 

    制約:ファンがどんどんシェアして広めていく 


    K-POPはどうしてこんなにも世界中の人々を惹きつけているんだろう? どんなふうに作られていて、どんな仕掛けによって広まっているんだろう? 世界中のファンが参加できる生配信アプリ「V LIVE」、予告のスケジュールを教えてくれる「ティザー表」、 推しだけを1曲分堪能できる「ファンカム」、ファンが自腹で駅に出す「サポート広告」……ファンを虜にする多彩すぎる仕組みの数々。 K-POPのクリエイターたちが語るリアルな声とともに、プロモーションの視点から世界的なムーブメントを体系的にまとめた初の書籍。 

    K-POPのすべてがこの一冊でわかる。 


    目次: 

    はじめに


    1| 「世界を熱くする音楽」が生まれる国


    常に「パリパリ」変わり続ける

    国が整えたK-POPのインフラ 

    ファンが自らジャックできる音楽チャート

    兵役がもたらす刹那的なアイドル 

    K-POPに流れるじっとりとした情緒


    2| 誰にでも開かれているK-POPの入口


    「お知らせ」しない公式アカウント: SNS 

    K-POP特有のお祭り期間:カムバック 

    じらして興味を引きつける予告:ティザー 

    名刺代わりの3分映え映像: MV 

    公演化する記者発表会:ショーケース 

    「模倣」から生まれるオリジナリティ:カバーダンス

    見終わらないふろく映像:派生コンテンツ 

    遊びに行ける「世界観」:ポップアップストア


    3| ファンが自ら「広報」に変わる仕掛け


    推しのためだけに存在する共同体:ファンダム

    世界をひとつにした動画コミュニティ: V LIVE 

    公式を超えるDIY字幕:ファンサブ 

    代わりに営業してくれる社外広報:ホームマスター

    ファンが出資する応援広告:サポート 

    「ポリティカル」に連帯するファンダム


    4| 「K-POPグループ」の作り方


    デビュー前から完成型:練習生

    グループコンセプトの差別化:ストーリーテリング

    サブスク最適な「パッチワーク」音楽:ソングキャンプ 

    フックソングとポイントダンスからの進化:振付 

    舞台から出勤までコーディネート:スタイリング 

    二度おいしいリリース形態:リパッケージ 

    グッズ化するCD:所有と体験


    5| K-POPの未来


    アイドルに求められるもの

    高まる「公正さ」への意識 

    K-POPのグローカライゼーション


    おわりに


    https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255012124/




    企画・朗読:若林恵 

    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds) 

    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii 

    黒鳥福祉センターにて収録

    34 min
  • 『なぜデジタル政府は失敗し続けるのか 消えた年金からコロナ対策まで』日経コンピュータ|音読ブラックスワン#44

    『なぜデジタル政府は失敗し続けるのか 消えた年金からコロナ対策まで』


    日経コンピュータ|2021年2月15日|日経BP


    朗読箇所:第2章「電子政府を巡る20年の大混乱」より(P.60〜83)



    20年かけて政府が積み上げたIT戦略やITインフラが、新型コロナ対策で役に立たなかった。まさにデジタル敗戦だーー。菅義偉首相肝煎りで「デジタル庁」創設に挑む平井卓也デジタル改革相は、こう反省の弁を述べた。 


    事実、マイナンバーカードは緊急の現金給付事業で力を発揮できなかった。陽性者の情報を登録するシステムは病院や保健所から「使いにくい」と不満が噴出した。国の構造から制度、人材までデジタルシフトを怠ってきたツケが回った格好だ。 


    行政のDX(デジタル変革)に挑む日本は、この敗戦から何を学ぶべきか。年金システムから特許庁システム、マイナンバー関連システムまで、20年にわたる電子政府/システム調達改革の歴史から、失敗の教訓を読み解く。 


    【目次】

    第1章 2020年、日本は「敗戦」を喫した

    第2章 電子政府を巡る20年の大混乱

    第3章 政府CIO設置、立て直し始まる

    第4章 セキュリティーに翻弄された年金システム

    第5章 マイナンバーカードの一進一退

    第6章 自治体システム、標準化への困難

    第7章 デジタル庁発足へ、変わる省庁と自治体

    第8章 デジタル庁設立への提言


    https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/21/281970/




    企画・朗読:若林恵 

    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds) 

    制作協力:宮野川真(Song X Jazz) 

    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii 

    黒鳥福祉センターにて収録

    42 min
  • 『未来を実装する テクノロジーで社会を変革する4つの原則』馬田隆明|音読ブラックスワン#43

    『未来を実装する テクノロジーで社会を変革する4つの原則』


    馬田隆明|2021年1月29日|英治出版


    朗読箇所:第4章「インパクト 理想と道筋を示す」より(P.143〜161)



    今の日本に必要なのは、「テクノロジー」のイノベーションよりも、「社会の変え方」のイノベーションだ。


    電気の社会実装の歴史から、国のコンタクトトレーシングアプリ、電子署名、遠隔医療、加古川市の見守りカメラ、マネーフォワード、Uber、Airbnbまで。世に広がるテクノロジーとそうでないものは、何が違うのか。数々の事例と、ソーシャルセクターの実践から見出した「社会実装」を成功させる方法。


    ロジックモデル、因果ループ図、アウトカムの測定、パブリックアフェアーズ、ソフトローなど、実践のためのツールも多数収録。


    デジタル時代の新規事業担当者、スタートアップ必読の1冊。


    【社会実装とは】

    新しい技術を社会に普及させること。


    【目次】

    はじめに

    第1章 総論ー―テクノロジーで未来を実装する

    第2章 社会実装とは何か

    第3章 成功する社会実装の4つの共通項

    第4章 インパクト――理想と道筋を示す

    第5章 リスク――不確実性を飼いならす

    第6章 ガバナンス――秩序を作る

    第7章 センスメイキング――納得感を作る

    社会実装のツールセット1~10 おわりに


    http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2304




    企画・朗読:若林恵 

    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds) 

    制作協力:宮野川真(Song X Jazz) 

    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii 

    黒鳥福祉センターに

    41 min
  • 『アニミズム時代』岩田慶治|音読ブラックスワン#42

    『アニミズム時代』


    岩田慶治|2020年9月11日|法蔵館文庫



    朗読箇所:「カミの出現 アニミズムの見取り図」(P.19〜29)




    森羅万象のなかにカミを体験する! 

    アニミズムの根幹を自然と人間との直接的対応におきかえ、その発端の姿を描きだす。

    岩田アニミズム論の到達点を示す名著。待望の文庫化! 

    巻末には、本書刊行当時に行なわれた著者と秋道智彌氏との対談「いま、なぜアニミズムなのか」を収載。


    --------------------


    さて、これから述べようとすることは今日のアニミズムである。それは私のアニミズムであるとともに、皆さま一人ひとりのアニムズムでなければならない。ホントのことをいうと、木のアニミズム、鳥のアニミズムというふうに、森羅万象がそれぞれの世界の主人公になって自分を語りだし、また、たがいにそれを聞くことのできる時が来るのを待っているのである。

    そういう時がこの本のなかで自然に開かれていくことを願ってやまない。

    いま、人類は未曾有の大変革期に直面している。そこでは民族と民族がぶつかりあい、宗教と宗教が対立し、人類と自然との共存が危ぶまれている。迫りくる危機を声高く警告する人もいるし、黙って、こころの奥深くに終末を予感している人もいる。

    こういう危機的な時代のなかで、各方面からアニミズムにたいして期待がよせられているのだ。「この人類的な危機を救うためにはアニミズムを再検討しなければいけない」。そういった提言なのである。

    (「はじめに」より)


    http://www.hozokanshop.com/Default.aspx?ISBN=978-4-8318-2613-8



    企画・朗読:若林恵 

    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds) 

    制作協力:宮野川真(Song X Jazz) 

    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii 

    黒鳥福祉センターにて収録

    19 min
  • 『旅ごころはリュートに乗って 歌が導く中世巡礼』星野博美|音読ブラックスワン#41

    『旅ごころはリュートに乗って 歌が導く中世巡礼』


    星野博美|2020年9月25日|平凡社


    朗読箇所:第4話「死に向かって急ごう(『モンセラートの朱い本』)」(P.52〜59)



    我ら、死に向かって急ごう、罪を断ち切ろう…“死の舞踏”が脳裏に踊った時代、人は何に心のよりどころを求めたのか?リュートに魅せられ、時空を超えた旅に出た。舞台はルネサンスから中世へ、やがてキリスト教の深淵へ―。


    https://www.heibonsha.co.jp/book/b517421.html



    企画・朗読:若林恵 

    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds) 

    制作協力:宮野川真(Song X Jazz) 

    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii 

    黒鳥福祉センターにて収録

    18 min
  • 『音楽が未来を連れてくる 時代を創った音楽ビジネス百年の革新者たち』榎本幹朗|音読ブラックスワン#40

    『音楽が未来を連れてくる 時代を創った音楽ビジネス百年の革新者たち』


    榎本幹朗|2021年2月21日|DU BOOKS


    朗読箇所:第2部「破壊:明星の章 音楽と携帯電話──東の空に輝いた希望の光」(P.338〜347)



    エンタメの“新常識"はすべて音楽から始まった。


    エジソンの蓄音機から、ラジオ放送、ウォークマン、CD、ナップスター、iPod、着うた、スポティファイ、“ポスト・サブスク"の未来まで。史上三度の大不況を技術と創造力で打破した音楽産業の歴史に明日へのヒントを学ぶ、大興奮の音楽大河ロマン。


    「音楽は、炭鉱のカナリアのようなところがある。新しい技術革新の荒波に、ほかの産業に先立ってさらされる歴史を繰り返してきた。放送の登場も、ネットの登場も、まず音楽産業に破壊をもたらした。『頭の古い連中だ』とたびたび、ほかの業界から嘲笑された。だが、最初に荒波に揉まれるからこそ、いつも新しい常識を音楽が連れてきた」(本文より)



    【収録内容(一部抜粋)】

    ・エジソンの憂鬱。ハード事業はレッド・オーシャンへ

    ・「ラジオはレコードをかけてはいけない」タブーを破った太平洋戦争

    ・ジョブズと盛田――Sonyスピリットを受け継いだApple 

    ・ロックンロールのブームを創出したSonyのポケットラジオ

    ・別格のイノヴェーション、ウォークマン

    ・百年間に三度あった音楽不況の共通点

    ・MTVのグローバル経営から学ぶ、クールジャパンの進め方

    ・オペラ歌手からSonyの社長になった男の物語

    ・音楽業界を搔き乱す、ナップスターの困ったオーナー

    ・二〇〇一年、誕生したばかりの定額制配信が犯した失敗

    ・セレンディピティ――iPodのもたらした音楽生活の変化

    ・なぜiTunesは救世主とならなかったのか

    ・今、iモードの革新から学び直せるたくさんのこと

    ・グーグル誕生、あるいは人工知能ブームの震源

    ・ラストFM――ビッグデータが起こした「ラジオの再発明」

    ・初代iPhoneのキラー・アプリとなったユーチューブの誕生

    ・アマゾンのおすすめが持っていた致命的な欠点、協調フィルタリング

    ・音楽離れへの解、パンドラ

    ・スポティファイのブレイクに必要だった「何か」

    ・ポスト・プレイリストの兆し――ポッドキャストの復活が示す次の時代

    ・コロナ・ショックで叩き落された音楽産業

    ・サブスクを超えた中国テンセントのソーシャル・エンタメ売上

    ・ミュージシャンを宣伝するセッションズの“プロモーション・エンジン"

    ・二〇三〇年以降の中長期的展望 ほか


    「テックイノヴェーションの最前線は「音楽」にある。この100年ずっとそうだったし、これからもそうだ。音楽ビジネスが見えないあなたは、デジタルビジネスすべてから取り残される」

    ――若林恵さん(編集者・黒鳥社)推薦




    企画・朗読:若林恵 

    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds) 

    制作協力:宮野川真(Song X Jazz) 

    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii 

    黒鳥福祉センターにて収録

    28 min
  • 『実践から学ぶ 地方創生と地域金融』山口省蔵・江口晋太郎|音読ブラックスワン#39

    『実践から学ぶ 地方創生と地域金融』


    山口省蔵・江口晋太郎|2020年9月15日|学芸出版社


    朗読箇所:「Case 9 リレーションシップキャピタル」(P.142〜152)



    事業者・行政・地域金融の創造的な連携で生まれた持続可能な経済循環。実現に導いた関係者の役割や事業スキームを好事例11件から解説。


    【主要目次】


    〈プロジェクト紹介編〉


    【Scene1】地域資源を発掘・活用する


    Case_1|田舎ベンチャービジネスクラブ

    行き詰まる事業者の連携と6次産業化を主導。信用組合のリーダーシップ(秋田県信用組合)


    Case_2|秋田風作戦

    厄介な気候条件を資源に転換。地銀が主導した冒険的な発電事業(北都銀行)


    Case_3|谷根千まちづくりファンド

    地元金融機関による古民家再生への投融資。MINTO機構と連携して支える民間のまちづくり(朝日信用金庫)


    【Scene2】地場産業の新展開に伴走する


    Case_4|豊岡カバンストリート

    融資からプロデュースへ。ネットワークを活かした地場産業ブランディング(但馬信用金庫)


    Case_5|庄内インキュベーションパーク

    まちぐるみの出資を促進。知的産業を軸にした民間主導の地域振興(山形銀行)


    【Scene3】次世代の担い手に投資する


    Case_6|ぶり奨学プログラム

    帰郷して就職・起業すれば返済不要。地域の思いを原資とした教育融資制度(鹿児島相互信用金庫)


    Case_7|家庭円満51

    若年層の支えとなる金融商品を。地元事業者を巻き込んだ住宅ローンの提供(塩沢信用組合)


    【Scene4】域内の経済循環を促進する


    Case_8|さるぼぼコイン

    つながりが地域経済のインフラに。まちと事業者を育てる電子通貨開発(飛騨信用組合)


    Case_9|リレーションシップキャピタル

    コミュニティにアプローチする原点回帰の事業支援(第一勧業信用組合)


    【Scene5】持続的な観光基盤をつくる


    Case_10|WAKUWAKUやまのうち

    創業リスクを負担し地域の面的活性化を担う観光まちづくり会社の設立(八十二銀行)


    Case_11|せとうちDMO

    競合関係を超えた産官金協働による広域連携DMOの設立と展開(瀬戸内海7県の地域金融機関)


    【金融トピックス解説編】

    1:金融機関とプロジェクトファイナンス

    2:金融機関の経営

    3:金融機関による融資

    4:金融機関とフィンテック

    5:金融機関による事業者支援




    企画・朗読:若林恵 

    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds) 

    制作協力:宮野川真(Song X Jazz) 

    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii 

    黒鳥福祉センターにて収録

    34 min
  • 『縁食論 孤食と共食のあいだ』藤原辰史|音読ブラックスワン#38

    『縁食論 孤食と共食のあいだ』


    藤原辰史|2020年11月22日|ミシマ社


    朗読箇所:「弁当と給食の弁証法」(第3章「縁食の眺め」より)(P.76〜86)



    子ども食堂、炊き出し、町の食堂、居酒屋、縁側…

    オフィシャルでも、プライベートでもなく。


    世界人口の9人に1人が飢餓で苦しむ地球、義務教育なのに給食無料化が進まない島国。ひとりぼっちで食べる「孤食」とも、強いつながりを強制されて食べる「共食」とも異なる、「あたらしい食のかたち」を、歴史学の立場から探り、描く。


    現代社会が抱える政治的、経済的問題を「家族や個人のがんばり」に押し付けないために。



    【担当編集者より「縁は剣より強い」】


    誰と食べる? どう食べる? 新型コロナウィルスの感染拡大が収まらない今ほど、この問いが切実なときはないのではないでしょうか。

    本書は、「縁食」という新たな概念を提示することで、孤食か共食か、と二者択一で論じられ、袋小路に陥っていた食の問題に突破口を見い出します。それは必然、家族絶対主義、経済至上主義へメスを入れることにもなります。

    ただし、普通のメスの入れ方ではありません。鋭い刃で悪をえぐり取るわけでも、突き刺すわけでもない。そのメスの入れ方あるいは、メスの種類にこそ、本書の傑出した面白さが宿っています。

    藤原さんは、本書のなかでこう言います。「縁は剣より強い」。

    つまり、どちらかの立場にたって、どっちかをやっつける、といった「剣」による争いより、「縁」は強いのだ。現代の諸問題を解決していくうえで、その力は欠かせないのだ、と。

    こうした思いを胸に、藤原さんは、縁食という概念を提唱し、その可能性をさまざまな角度から論じていきます。

    無料食堂の歴史から、音、戦争、死者、文学にまで、その考察は広がっていくのですが、これ以上はここで述べるのは控えます(読む楽しみを奪ってはいけませんので! )。

    最後に、ひとことだけ付け加えると、「縁」という切り口で藤原さんが目指そうとしている境地は、全編にわたりたぎるような血が流れつつも、平熱でありつづける文体にも滲みでています。そのあたりもぜひ、たっぷりご堪能いただけましたら嬉しいです。

    担当編集者・三島邦弘 


    https://mishimasha.com/books/ensyoku.html



    企画・朗読:若林恵 

    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds) 

    制作協力:宮野川真(Song X Jazz) 

    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii 

    黒鳥福祉センターにて収録

    22 min
  • 『コロナ後の教育へ オックスフォードからの提唱』苅谷剛彦|音読ブラックスワン#37

    『コロナ後の教育へ オックスフォードからの提唱』


    苅谷剛彦|2020年12月9日|中公新書ラクレ


    朗読箇所:第1部「日本型教育改革の習性」第2章「変化の激しい、不透明な時代」という前提を問い直す(P.31〜47)



    教育改革を前提から問い直してきた論客が、コロナ後の教育像を緊急提言。オックスフォード大学で十年余り教鞭を執った今だからこそ、伝えられること―そもそも2020年度は新指導要領、GIGAスクール構想、新大学共通テストなど一大転機だった。そこにコロナ禍が直撃し、オンライン化が加速。だが、文科省や経産省の構想は、格差や「知」の面から諸問題をはらむという。以前にも増して地に足を着けた論議が必要な時代に向けた、処方箋を示す。


    https://www.chuko.co.jp/laclef/2020/12/150708.html



    企画・朗読:若林恵 

    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds) 

    制作協力:宮野川真(Song X Jazz) 

    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii 

    黒鳥福祉センターにて収録

    32 min

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