・女性(36歳/29歳)・・・IT企業でWebデザイナーをしている。彼とつきあって7年目(CV:桑木栄美里)
・男性(34歳/27歳)・・・大手弁護士事務所で働くジュニアアソシエイト (CV:山崎るい)
女性: 「うちの会社、来月L.A.ブランチをオープンするの」
女性: 「私、あなたと出会う前から、海外勤務の希望を出してたんだ」
男性: 彼女と初めて出会ったのは、いまから7年前。
インテリアショップで、僕がオフィスに飾る絵を探していたときだ。
僕は27歳だったけど、弁護士になりたて、1年目のジュニアアソシエイトだった。
立ち止まって眺めていたのは、モンローをコラージュしたキラキラ系の絵画。
怪しく微笑むブルーグレイの瞳に、僕は長いあいだ、魅入られていたんだ。
男性: 小さく、控えめな笑い声で、僕は我に帰った。
女性: 「あら、ごめんなさい。笑うつもりはなかったんだけど」
男性: 彼女は、大手IT企業に務めるWebデザイナー。
女性: 「そう。私をゆっくり眠らせてくれるインテリアをね」
男性: 聞けば、仕事は多忙を極め、睡眠不足の毎日。
安眠できるベッドを探しにインテリアショップへきたのだという。
男性: 僕も彼女も、もちろん、リアルなモンローはしらないけれど、
1960年の映画「恋をしましょう」のように、僕たちの物語ははじまった。
気がつけば、あっという間に7年という月日が流れていた。
僕たちのデートスポットはなぜかいつもインテリアショップ。
今日も、コイルスプリングという素材のマットレスに出会って
いつしか、彼女との未来を思い描くようになっていった。
七年目のある日、L.A.転勤という判決がいきなりつきつけられてしまったんだ。
(SE〜レストランの雑踏/ワイングラスの乾杯の音)
女性: 「・・・なあに?・・・引き止めるならいまよ」
女性: 「やだ、真剣な顔。冗談に決まってるじゃない」
男性: 「僕たち、これから毎年、この日に会わないかい?」
僕はやっと、彼女のL.A.行きを誇らしいと感じた。
【Story〜「天の川の約束〜ねむりデザインLABO/後編」】
・女性(39歳)・・・IT企業でWebデザイナーをしている。彼とはつきあって2年目
・男性(37歳)・・・大手弁護士事務所で働くジュニア弁護士。シニアを目指している
牽牛・織女(けんぎゅう・しょくじょ)の伝説のように、
”夏の大三角”が東の空へ昇るころ、私は機上の人となる。
当機は今、中部国際空港への着陸態勢に入っております。
お座席、テーブルは元の位置にお戻しになり、シートベルトをご着用ください。
大切な話を彼にするために、片道(ワンウェイ)チケットだ。
検疫検査、入国審査をすませ、手荷物を受け取って到着ゲートへ。
いつもミーティングポイントの一番前で私を出迎えてくれるのに。
ううん、仁川(インチョン)でトランジットの際に、LINE入れてるもん。
男性: 「L.A.の弁護士事務所からのオファーだよ」
男性: 「でも?・・・同じ気持ちだと思ったのに・・・」
女性: 「だって私、もうL.Aに戻らないつもりで帰ってきたんだもん」
女性: 片道(ワンウェイ)チケットの理由は、L.A.の支社を退職してきたから。
”外国人の体型に合わせたマットレスでは、とても熟睡できません。
これがオフィシャルな理由だ。まあ、間違いではないけれど。
女性: 「そうよ。だからL.A.からのオファー、ことわって」
女性: 「まずは、インテリアショップへ行きましょ。
体を包み込むようなコイルスプリングのマットレス、買わなきゃ」
女性: 私たちはコーヒーを何杯もおかわりしながら、これからのことを話し合った。
一番近い未来の予定はもちろん、インテリアショップ。
彼の腕にくっつきながら、私はもうワクワクがとまらない。