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「既存IPゼロで、年商272億円。」
ディズニーランドはミッキー、USJはハリー・ポッター、Netflix Houseはストレンジャー・シングス。体験型施設は「すでにファンがいるIP」で集客するのが王道のはずです。ところが、そのセオリーを完全に無視して年商272億円(2025年度・1億8,130万ドル)を稼ぐ会社がアメリカにあります。Meow Wolf(ミャウ・ウルフ)。全米5都市、累計来場者1,300万人、TIME誌「最も影響力のある旅行・観光企業10社(2026)」選出の異常値です。
今回はエンタメプロデューサーの視点から、Meow Wolfがなぜ既存IP抜きで成立するのかを構造から分解します。広告代理店CD時代、UGCキャンペーンを設計しても「キャンペーン勢」しか集まらず拡散しない壁に何度もぶつかってきました。Meow Wolfの設計は、その壁をきれいに越えています。
答えを先に言うと、彼らは「体験そのものをIPに変える設計」を発明したんですよね。来場者が冷蔵庫のドアを開け、洗濯機に潜り込み、自分で物語を組み立てる。その「主人公化体験」が商品になっている。だから既存IPは要らない。むしろ入れた瞬間に来場者は「観る側」に降格してしまうから、使わない方がいい——というより、使ったら成立しない設計なんです。
今回のエピソードでは、Meow Wolfの起源・体験設計・3層の収益構造・Nianticとの AR 提携、さらに2年で閉館したイマーシブ・フォート東京(累積赤字55億円)の3つの誤算まで踏み込んで整理しました。「日本でMeow Wolf的な施設は成立するのか?」を最後に考えます。
▼話したこと
・Meow Wolfが既存IPを使わないたった一つの理由——「来場者を主人公化する設計」と既存IPの致命的相性
・美術館でもテーマパークでもない第三のカテゴリ:冷蔵庫を開けると別空間に繋がる「触れるアート」の正体
・年商272億円を支える3層の収益構造——チケット・UGC(SNS投稿が28%のチケット販売を駆動)・アーティスト還元12-15%
・ジョージ・R・R・マーティンの270万ドル投資と、廃ボウリング場から始まったアーティスト集団の8年間
・Niantic Spatialとの AR 提携が示す次のフェーズ:リアル施設⇄ARアプリの双方向ループ設計
・イマーシブ・フォート東京がわずか2年・累積赤字55億円で閉館した「3つの誤算」を森岡毅氏のコメントから解剖
・チームラボ420万人とMeow Wolfは何が違うのか——「アート×デジタル」と「物語×物理空間」の軸の違い
▼note記事
なぜMeow Wolfは「既存IPゼロ」で年商272億円を稼げるのか
https://note.com/keke_ent/n/nae16e1a98b2a
▼朝日けけ。SNS
note:https://note.com/keke_ent
X:https://x.com/keke_ent
substack:https://substack.com/@asahikeke
「あれ、なんで自分は毎年これをみに来ているんだろう」
劇場版『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』を観終わって席を立つとき、ふと気づきました。別に大ファンってわけじゃない。それなのに、4月になったら劇場のチケットを買い、150分のあいだ笑ったりハラハラしたりしている。映画を観たんじゃない、装置に連れて行かれていた——そう気づいた途端、コナン映画の構造が一気に見えた気がしました。
公開3日間で35億円、シリーズ歴代No.1スタート。4年連続100億超えは邦画史上前例のない数字です。AKB総選挙が「順番の不確定さ」でファンの怒りを生んだのに対し、コナンは「順番の確約」でファンの期待に変えた。推しがメインじゃない年に劇場へ行かない選択が、翌年の来場に変換される——その心理設計こそが100億の正体です。
今回は、寅さん的「ローテ型」とMCU的「強連結型」、そしてAKB的「不確定型」を比較しながら、コナン映画が30年かけて完成させた装置の構造を、ファン心理とIPビジネスの交差点から解剖しました。
▼話したこと
・公開3日で35億、4年連続100億超え——邦画史上前例のない『継続』の異常さ
・『鬼滅』の407億は一回の爆発、コナンは138→158→147と毎年積む構造の違い
・寅さん的ローテ型・MCU的強連結型・AKB的不確定型——3つのセンター制の比較
・AKB総選挙が怒りを生み、コナンが期待を生んだ決定的な差は『順番の確約』
・2018年『ゼロの執行人』安室透で91.8億に跳ねた瞬間、IPの呼吸が変わった
・ファンが『観に行かない年』に翌年の売上が予約される——描かれない主役の存在
・花見・入学式・コナン映画——『4月の習慣』が30年かけて確約の担保になった
▼note記事
コナン映画の4年連続100億超えの設計を読み解く
<https://note.com/keke_ent/n/n1c145523ae29>
▼朝日けけ。SNS
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X:
substack:
「世界観をもう少し詰めたいですね」
打ち合わせで、何度も飛び交う言葉です。でも「世界観とはこういうことで、具体的にはこうやって設計するんですよ」と教えてくれる人は、ほとんどいない。
プロデューサーとしてゲーム・漫画・アニメの仕事を中心に15年、たくさんの案件に関わってきましたが、ずっと違和感を抱いていたのが、この「世界観」という言葉でして。
人によって定義はバラバラ。なのに会議では平気で飛び交う。「世界観に合わせて」「世界観として弱い」「世界観が大事」。これを聞いたクリエイターやスタッフは、それぞれ違うイメージを頭の中で描く。プロジェクトはそこから静かにズレていく。
今回は「世界観って結局なんなのか」を、わたしなりに言語化してみました。
▼話したこと
・「世界観」という言葉が抱える3つの誤用——雰囲気・設定資料・ブランド
・ゲームの現場で見た「世界観のズレ」が起きる構造
・漫画の現場では、なぜ世界観の崩れ方が違うのか
・わたしの定義:「全員の頭の中で、同じ絵が見えるための共通の決まりごと」
・世界観を構成する5つの層——物理・経済・倫理・言語・美学
・世界観を作るための3つの問い——「何が不可能か」「誰が偉いか」「主人公の何が普通じゃないか」
・できる現場とできない現場の違い——ガンダムとけものフレンズの分かれ目
▼note記事
『世界観』が10年わからなかった私が、たどり着いた結論
[noteのURL]
▼朝日けけ。SNS
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生成AIをいちばん使っていない産業が、いちばん伸びている。
韓国コンテンツ振興院(KOCCA)が4月末に発表した2025年通年の報告書を読んでいて、奇妙な事実に気づきました。音楽産業の輸出成長率が32.4%。コンテンツ産業全体の5.9%を6倍近く引き離して、ぶっちぎりで伸びている。
ところが、この音楽産業の生成AI導入率は15.2%。全ジャンルで最下位です。ゲームの70%、ウェブトゥーンの51.6%と比べると、桁が違う低さ。なぜAIをいちばん使わない産業が、いちばん伸びているのか。今回はこの逆説を、数字・産業比較・産業の脆さの3層で解いていきます。
▼今回話したこと
・KOCCA報告書が示す「音楽輸出32.4%増」の異常値
・K-POP海外売上の内訳——ライブ47.5%、CD31.4%、 ストリーミングたった21%
・なぜフィジカルがデジタルを上回るのか・「AIに任せたら意味がなくなること」とは何か
・日本のアニメ業界がK-POPから学ぶべき 「稼ぐ仕組み」の設計思想
・「人間がそこにいる」というビジネスモデルの脆さ
▼関連note記事
AIを使わない産業が、いちばん伸びているという逆説——KOCCA報告書を読むhttps://note.com/keke_ent/n/nf06bc535e4f8
▼ポッドキャスト説明
エンタメ業界で15年、漫画・アニメ・ゲーム・の新規事業の立ち上げやプロデュースを担当してきた朝日けけ。が、いまそこで起きているエンタメビジネスの動きを毎回1つピックアップ。分析でも解説でもない、「実況中継」です。
note:https://note.com/keke_ent
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substack:https://substack.com/@asahikeke
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