一家団らん、家族そろっての食事、昔は当たり前でした。
ライフスタイルが変わった今、家族がそろって食事をする機会が減っています。
その影響を一番受けるのは「子ども」です。
食事は、家族のコミュニケーションの場。その中で子どもはしつけをされ、マナーを学び、
規範意識が育てられました。
1年の食事の回数は、365×3=1095回。
現在、朝ごはんまたは晩ごはんを家族といっしょに食べる共食の回数は、週9回です。
1週間の食事の半分も家族そろって食べていません。
つまり、本来は年1095回あるしつけの場が、半分以下に減っているのです。
箸が正しく持てない、音を立てて食べる、食べ方がきたないなど、
孤食では注意をしてくれる人もなく、人に迷惑がかかることもわかりません。
さらに、家族がそろっていても、テレビを見ながら、携帯電話のメールやゲームをしながら。
これじゃ何を食べたかわかりません。
最近の親御さんの関心の高いことは、「親子関係の築きかた」だそうですが、
子どもとの関係やコミュニケーションの取り方に不安を感じている親が多く、
しつけに自信が持てないことの現れだと思います。
さらに、家族そろって食べないと、子どもの健康にも影響がでます。
食の正しい知識が身につかず、肥満・やせ、味覚異常や偏食からくる情緒不安定にもつながります。
「しつけは共食から」。これをお願いしたいと思います。
<食のカッティング・ボード>
「遺伝子組換え作物について」
遺伝子組換え作物というのは、GM作物と呼ばれ、遺伝子が操作された作物のこと。
バイオテクノロジーの一種で20年ほどの歴史があります。
食糧増産技術というわけですが…、
今、日本では、除草剤に強い大豆やナタネ、害虫に強いジャガイモやトウモロコシなど、
86品種が食品として許可されています。ただし国内では栽培されていません。
輸入で認められているということです。
この遺伝子組換え作物、食べても大丈夫なのでしょうか?
心配な点は、目的の遺伝子がどこに組み込まれたかを確認できませんので、
働いていない「休眠遺伝子」がいつ目を覚ますか、
突然、人にとって有害なものとなる可能性があるのではないか、と言われています。
日本では平成15年にできた「カルタヘナ法」に基づいて、
遺伝子組換えの西洋ナタネや大豆の追跡調査が行われています。
輸入港の陸揚げ地点から半径5キロ以内を、こぼれ落ちた作物が影響を及ぼしていないか
調査します。
今年9月に発表された最新結果では、ナタネの場合、17港のうち8港の周辺で
‘組み換えられた遺伝子を持つ西洋ナタネ’が育成していました。
大豆は、10の輸入港のうち1つの港の周辺で‘組み換えられた遺伝子を持つダイズ’が
育っていました。
たとえば、日本は大豆の95%を輸入にたよっています。
主な輸入元のアメリカでGM大豆栽培面積の割合は93%。ほとんどがGM大豆です。
また、GMトウモロコシの栽培面積は83%。日本は世界最大のトウモロコシ輸入国で
そのうち90%がアメリカ産です。つまり、日本の飼料用穀物のほぼ全量がGM作物といっても
過言ではありません。
対象作物は、大豆(えだまめや大豆モヤシを含みます)、とうもろこし、ばれいしょ、なたね、
綿実、アルファアルファ、てん菜の7つ。食品としては32品目が指定されています。
食育の1つに「食べ物を選ぶ力を養おう!」というのがありますが、
まさに今、これが問われているわけです。