文部科学省が「スーパー食育スクール」を指定することになりました。
食育に熱心な小・中・高校を全国から50校程度指定し、大学や企業と連携して
食育プログラムを開発します。食育のモデル校が誕生することになります。
「平成25年度版食育白書」が発表されました。
白書によりますと、「食育に関心を持っている人」は74.2%。
「食生活で関心のある事」では、1位「食の安全性について」94.5%。
2位「生活習慣病予防のための食生活」91.8%。
「普段の食生活で心がけていること」は、
「野菜を食べること」92.4%。次いで、「食事の前に手を洗う」
「朝ごはんを食べるなど規則正しい食生活」さらに「食事を楽しむこと」と続いています。
白書では、食生活へ関心がある人や食事に気を使っている人が多いという結果でした。
8年目にしてようやく、食育の成果が表れてきたのではないかと思います。
一方、進まないところは、年齢で言うと20~30代の男性。
「主食・主菜・副菜の3つをそろえて食べることが1週間で何回ありますか」という質問に
「ほとんど毎日」と答えたのが25.7%。4人に1人しかきちんとした食事をしていません。
また、朝ごはんの欠食率も改善が見られず32.4%。これでは良い仕事はできません。
この他、改善が見られない点は、
「メタボの予防・改善のための適切な食事・運動を継続的に実践すること」など。
今回の食育白書では、特集として「食育の環」が取り上げられています。
今、ようやく市町村単位での「食育推進計画」が進み、
食育を地域経済や食文化、環境整備などと うまく結びつけて進めるところが増えてきました。
「生産から加工・販売・食文化、さらに、食卓からリサイクルへ」。
また、「子どもから高齢者、そして次の世代へ」と、循環してつながるのが「食育の環」。
このような地域のつながりを強める食育の在り方が、今、注目されています。
<食のカッティング・ボード>
「保護者の食育」
今、子どもへの食育は、学校・地域社会・民間などで進めていて、やり方もいろいろあります。
ただ、食育の基本は「家庭の食卓」にあります。
食のしつけは、親から子へ、家庭の食卓で教えるべきものです。
ところが、今、家族の時間の使い方がバラバラで、そろって食事をすることが減っています。
親子での食事が減り、「団らんの場」がなくなると同時に、大切な「しつけの場」も減っています。
そんな中、しつけをする方のおとうさん・おかあさんが、
「テレビを見ながら…」「携帯でメールをしながら…」…こういうご家庭が多いんですね。
96%の家庭が食事中にテレビをつけて、親子でいっしょに見ています。
テレビがついていると、しつけはできません。
その上、大切な食事に何を食べたか さっぱりわからない。
欧米では、食事中テレビを見ている家庭は32%。これは下層階級の家庭です。
携帯電話は、食卓に持ち込まないようにしましょう。
このところ、「家庭の教育力が落ちている」と言われますが、まさに食育もその通り。
しつけ以外の「バランスの良い食べ方」にしても
親のほうの知識がなくて、偏った食事をしているお子さんが多い。
これまで食育の指針では「家庭に対しては一律に進められない」という理由で
保護者への食育は後回しになってきました。
つまり、ライフスタイルや家族の形態、家族関係が様々となり、
一辺倒に指導できないというわけです。
保護者の方へ食育をうまく伝えるにはどうしたらいいか、
食育にたずさわる方は、検討していただきたいと思います。