牛肉を生で食べる「ユッケ」というメニューで食中毒が発生しました。
今回は、細菌性食中毒で、腸管出血性大腸菌O-111によるものです。80度1分で死滅します。
反芻動物の胃から生まれる菌です。
ユッケに似た「タルタルステーキ」は、実は馬肉を使います。馬は反芻動物でないからです。
これまでレバー以外で、生食用の牛肉というのは存在していません。
今回の食中毒を受け、厚生労働省は食品衛生法で新たに「生食用の肉に対する基準」を
設けることになりました。新しい基準では、食中毒のある、なしに関わらず、
罰則が科せられることになります。
一昨年行われた東京都の食品安全情報評価委員会の調査では、
3カ月以内に肉を生で食べた人は、4割にも のぼっていました。
生食のメニューは「牛肉のユッケ」「牛肉のタルタルステーキ」「牛のたたき」「馬刺し」「とりわさ」など。
飲食店の半分以上が、卸業者や店の判断で、生肉をお客に出したことがあると答えています。
食中毒の発生は、その60%が毎年7~9月の3か月に集中しています。
特に、抵抗力の弱い子どもたちは注意が必要です。
細菌性食中毒の原因となる菌は、
サルモネラ菌 ⇒台所のネズミやゴキブリなどから発生する菌。
10万個になっていないと胃の中で死んでしまいます。
カンピロバクター ⇒鶏肉などにあります。75度2分で死滅します。
腸炎ビブリオ ⇒「塩」を好む菌です。海の魚などは、真水でよく洗いましょう。
黄色ブドウ球菌 ⇒耐熱性の菌で、菌を包んでいる芽胞が毒素を発生。絆創膏を貼っての調理は厳禁。
セレウス菌・ウェルシュ菌 ⇒自然界に存在します。よく加熱しましょう。
まずは、調理や食事の際、手をよく洗う事が第一。調理器具も清潔に!
充分加熱する、買ってきたらすぐ食べる、調理したものもできるだけ早く食べる。
冷蔵庫を過信しないことも大切です。