農林水産省の発表によると、2010年度のお米の過剰作付面積は、
前年度と比べ1万ヘクタール減少するということでした。
「過剰作付面積」と言われるように、米は、生産目標を上回る量ができています。
面積にして4万ヘクタール。北海道の知床国立公園ぐらい。
量にすると、30万トン近くが今年度の「余剰米」です。
今年度から「農家の戸別所得補償制度」がスタートしましたが、
実は、この加入条件に、「米の生産調整に協力する」というのがあります。
国が「余剰米」を買い上げることは、財政を厳しくする要因です。
30万トンもの米が余っていると、米の価格がますます下がり、
生産農家の生活が苦しくなる一方です。そうなると、米を生産する人が減り、
日本に食べるものがなくなるという事態にもなりかねません。
日本の食料自給率は、40%ですが、米だけは作りすぎているという矛盾があります。
余っている最大の理由は、「食の欧米化」。昔と比べて米を食べる量が減っています。
1960年には1人1日茶碗で5杯のご飯を食べていました。今は3杯です。
体にやさしくて、自給率Upにもつながる米をもっと食べましょう。
ご飯の米と米粉の米は、同じ米です。米粉の需要が増えています。
最近は、米を入れると米粉のパンができるという製品も注目を集めています。
学校給食で、米粉パンを導入している学校は、平成20年度で8960校。
率にすると、学校給食のある学校の29%が米粉パンを導入しているという計算です。
そして、農林水産省の試算では、米粉のパンを1人1カ月に3個食べると、
食料自給率が1%Upするそうです。