【第116回】外国人社員が働きやすい柔軟な勤務制度とは?(後編)
今回は「外国人社員が働きやすい柔軟な勤務制度」の後編をお話します。
外国人社員が日本企業で求める点として「敬語ミスへの寛容さ」や「異なるコミュニケーションスタイルの理解」が挙げられます。
日本企業のハイコンテクスト文化と異なり、海外ではストレートな表現を重視するローコンテクスト文化が主流です。
外国人社員が働きやすい環境をつくるため、文化の違いを尊重した対応が大切です。
「日本語の壁」に寄り添う:敬語のミスに寛容な社風を
外国人社員が日本企業で働くうえで直面する大きな課題の一つが「敬語の壁」です。日本語の中でも特に難しいとされる敬語や婉曲表現は、母語が異なる人にとって習得が難しく、特にメールや文書作成などの書き言葉で困難を感じるケースが目立ちます。
しかし、日本人社員の多くはその難しさを十分に認識できておらず、時に敬語の使い方に厳しすぎる態度を取ってしまうことも少なくありません。日本語を使って懸命に働く外国人社員に対しては、まずその努力に敬意を払い、大らかな気持ちで接することが求められます。
「日本語を使えて当然」という発想ではなく、「歩み寄ってくれている存在」と捉え直すことが、社内の信頼関係の基盤となります。将来的には社内共通語が英語などに移行する可能性もある今、外国人社員の言語的背景を理解することは日本企業の持続的な発展に不可欠です。
文化的背景を知る:直接的表現は「無礼」ではない
言葉の使い方に加え、日本人と外国人のコミュニケーション文化の違いも職場内のすれ違いを生む要因です。日本人は「ハイコンテクスト文化」と呼ばれる、空気を読み、遠回しな言い方で相手に配慮するスタイルを好む傾向にあります。一方、欧米などでは「ローコンテクスト文化」が一般的で、主張は明確にし、その後に理由や背景を説明するという流れが自然です。
そのため、外国人社員がダイレクトに意見を述べた際に、「協調性がない」「自分本位だ」と誤解されることも。ですがそれは礼を欠いているのではなく、異なる文化的背景を持つ者が明確に意思疎通を図ろうとしている表れなのです。
このような異文化理解を社内に浸透させることで、外国人社員も日本人社員も安心して意見交換できる職場づくりが可能になります。語学力だけでなく、その国のコミュニケーションスタイルまで学ぼうとする外国人社員に対し、敬意と配慮の気持ちを持つことが必要です。
「義務化」よりも「共感」から:柔軟な職場文化の第一歩
外国人社員が働きやすい環境を整えるために、企業として方針を周知したり、日本人社員に対応を義務化するのも一つの手です。しかしそれ以上に、直属の上司や同僚といった日常的に接する社員一人ひとりの意識が大切です。
マニュアルや制度の整備だけではなく、現場レベルでの共感や思いやりが職場の空気を柔らかくし、外国人社員の定着・活躍に繋がります。
制度やルールは重要ですが、それ以上に「この人のために働きやすくしたい」という気持ちが、組織全体を変える原動力になります。
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パーソナリティー:田村陽太
東京外国語大学外国語学部卒業。産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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