【第206回】『労務管理Q&A~年次有給休暇の時間単位使用、半休単位使用を導入するべき?~②』
サンキャリア代表の田村です。
「年次有給休暇の時間単位・半休単位使用を導入すべきか?」というテーマについて、企業と従業員それぞれの視点からメリット・デメリットを深掘りしています。
有給休暇制度を円滑に運用するための具体的なポイントや注意事項も解説。
働きやすい職場環境を目指す企業経営者や人事担当者の方、ぜひチェックください!
柔軟な働き方を支える有休制度、その“効用”とは?
前回のブログでは、年次有給休暇の時間単位・半日単位の制度概要について解説しました。今回は、制度導入の際に企業が把握しておきたい“メリットとデメリット”を整理します。
メリットとして、企業側は「年5日の取得義務」に対応しやすくなるだけでなく、従業員のモチベーションや生産性向上にもつながります。一方、労働者側は「気軽に申請できる」「実際に休んだ分だけ使える」といった利点があり、利便性は高まります。
煩雑な運用や社内混乱の可能性も? 制度導入の落とし穴
一方で、デメリットも少なくありません。企業にとっては、有休の管理が個別化・複雑化することで人事・労務管理の負担が増し、組織的な一体感が薄れる懸念があります。また、時間単位有給は年5日の取得義務にカウントできない点にも注意が必要です。
従業員側も、使いやすくなる一方で、自分の有休残数を正確に把握できなかったり、他の社員との業務の引き継ぎが煩雑になったりと、気づかぬストレスを抱える可能性もあります。
“目的利用”が主になると、逆に“休んだ感覚”が薄れる?
時間単位・半日単位での有給取得は、休養よりも「通院」「子の送り迎え」「役所手続き」など“何かの目的”で使われるケースが多くなります。その結果、「休んだはずなのに疲れが取れない」といった状態に陥ることも。これは業務パフォーマンスにも影響を与える恐れがあり、制度導入時には使用目的の傾向も見据えた検討が求められます。
制度を活かすカギは「正しい理解と明確な説明」にあり
制度を有効に機能させるために企業がすべきは、以下の3点です。
①有給休暇制度とその使用条件を明確に説明すること、②有休取得が「権利」であると同時に、適切な申請や業務調整といった「責任」も伴うことを伝えること、③定期的に運用の見直しを行うことです。
採用時点で「所定労働日」や「取得可能条件」などの基本情報を伝えておくことも重要で、従業員自身の誤解やトラブルを未然に防ぐ手立てになります。
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パーソナリティー:田村陽太
東京外国語大学外国語学部卒業。産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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