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FAQs about Jennykaede:How many episodes does Jennykaede have?The podcast currently has 363 episodes available.
November 13, 202020201112 天声人語 ある骨の物語天声人语 11/12 ある骨の物語不思議な写真がある。角(つの)が絡み合ったまま息絶えたヘラジカ2頭の骨だ。激しく闘い、外れなくなったのだろう。撮影したのは24年前に亡くなった写真家星野道夫さん。この1枚から今秋、絵本『あるヘラジカの物語』が生まれた▼这是一张让人难以置信的照片:照片中是两头驼鹿的头骨,它们在死前可能经过了激烈的争斗,以致于它们的鹿角紧紧纠缠在一起,无法分开。这张照片是离世24年的摄影家星野道夫的作品,今年秋天,以该照片为背景的绘本《一只驼鹿的物语》正式出版。作者の鈴木まもるさん(68)を静岡・伊豆に訪ねた。「昨夏(さくか)の深夜、ずっと昔に見たあの写真を夢でみたんです」。星野さんとは家族ぐるみの付き合い。布団から飛び出すと一心に鉛筆を走らせ、徹夜で草案を仕上げた▼我曾到静冈县伊豆采访过作者铃木守(68岁),据他讲,他和星野一家的私交一直很好。他还说:“去年夏天的一个夜里,我梦到了很久之前见过的那张照片。”醒过来以后便立马掀开被子,在画纸上运笔如飞,熬夜完成了绘本的草图。2カ月後、写真の舞台アラスカへ飛ぶ。星野さんの随想(ずいそう)を頼りに大地を歩き、動物をスケッチした。肌を刺す空気、またたくまに原野(げんや)を覆う雪に驚いた▼2个月后,铃木守就飞往了阿拉斯加,也就是拍摄照片的地方。按星野随感文中提及的地方走走停停,画一些动物写生。寒冷刺骨的空气,转瞬间便覆盖整片原野的漫天大雪,一切都令他震惊不已。絵本では、疲れ果てたヘラジカ2頭をヒグマやコヨーテたちが食べていく。「小さい子が怖いと感じる絵本にはしたくない。それでも、生の体が肉になり骨になる。その現実は描きたかった」。残酷すぎるか、雪で隠しすぎたか。何度も描き直した▼在绘本中,精疲力尽的两头驼鹿最后被棕熊和草原狼分而食之。铃木说:“我虽然不想画一些小孩子看了会害怕的图,但我还是想要描画出一个事实,那就是一切生物终会化为腐肉白骨。”画的内容太过残酷血腥,或者画的雪景太多都不合适,他前前后后改了好几遍。思えば、命の循環は星野さんの生涯の主題だ。彼の残した一文にヘラジカ(ムース)を食べる場面がある。「ムースの体は、ゆっくりと僕の中にしみこんでゆく。その時、僕はムースになる。そして、ムースは人になる」。写真家は思いをはせる。「生きる者と死す(しす)者。有機物と無機物。その境(さかい)とは一体どこにあるのだろう」▼细想来,星野终其一生拍摄的主题都是“生命的循环”。在他留下的一篇文章里还写到了吃驼鹿肉(美国驼鹿)的场景,“驼鹿的身体就好像缓缓渗入我的体内,这个时候,我变成了驼鹿,而驼鹿变成人。”由此,这位摄影家又想到:“生者与死者,有机物与无机物,区别究竟在哪里呢?”絵本の終盤、ウサギがヘラジカの骨をかじる。〈マイナス50度、しずかなきびしい冬のアラスカ〉。冬が迫る現地で繰り広げられている命のリレーを想像した。在绘本的结尾《零下50度,寂静严冬里的阿拉斯加》中,作者凭想象绘出了这样一幅画——在严冬即将到来之际,一只野兔正在啃食驼鹿的骨头,宛若在进行一场生命的接力。...more3minPlay
November 11, 202020201111 天声人语 平安朝の秋天声人语 11/11 平安朝の秋平安朝を生きた藤原道長(ふじわらのみちなが)は10月28日、鎌倉(かまくら)時代の藤原定家(さだいえ)は11月7日、江戸後期の頼山陽(らいさんよう)は11月11日。どれも京の都で紅葉をめでた日付を現代の暦に換算したものである。いまの紅葉シーズンに比べるとかなり早い。关于京都赏红叶的日子,平安时代的藤原道长写的是10月28日,镰仓时代的藤原定家为11月7日,而江户时代后期的赖山阳则写的是11月11日。这些都是换算成公历后的日期,相比与现在的红叶季要早得多。公家(くげ)や文人たちの日記から紅葉の時期を推定したのは、農業気象学が専門の青野靖之(あおのやすゆき)・大阪府立大准教授(58)。「古い文献(ぶんけん)が多く残る京都だからこそ調べられました」。紅葉をめぐる記述(きじゅつ)から秋の気温を推定した。集まった「見ごろ情報」は平安以降1100年に及ぶ。大阪府立大学的副教授青野靖之今年58岁,研究领域为农业气象学。他从王公大臣及文人雅士的日记中推算出过去的红叶季,并说道:“因为京都有许多古老的文献,所以才得以调查。”从红叶的描述中可以推断当时秋天的气温。他收集了平安时代之后从1100年至今的“赏叶信息”。紅葉の時期は太陽活動の強***********けて周期的に早まったり遅くなったりした。だが江戸後期から見ごろはどんどん遅くなっていく。戦後の高度成長期以降は、紅葉を報じる新聞記事が11月後半に集中する。「都市温暖化の影響でしょう。人や建物が多く、排熱や照り返しで熱がこもります」。红叶季的时间受太阳活动强弱影响产生周期性变化,有时来得早,有时却稍晚一些。但从江户后期时起,赏叶时间变得越来越晚。自二战结束,日本经济进入高速成长期以来,有关红叶的报道都集中在11月中下旬。青野副教授表示:“这是热岛效应所造成的。城市人口与建筑物较多,废热排放与光线反射造成了热堆积。”青野さん作成の紅葉年表を携え(たずさえ)、先週、京都を本社ヘリから取材した。比叡山(ひえいざん)の頂上(ちょうじゅおう)こそ赤に染まりつつあるが、道長が999年に赴いた(おもむいた)嵯峨は黄色が点在するのみ。定家が1226年に「紅葉之(の)盛」と書いた賀茂あたりは木立(こだち)の緑がなお優勢だった。上周,笔者带着青野先生制作的红叶年表,从总神社附近开始对京都的红叶情况进行调查。比叡山顶的叶子已经开始变红,而999年藤原道长于同一时段到访嵯峨地区时,却只剩下了零星的黄。1226年,藤原定家对贺茂地区冠以“红叶之盛”的美名,而现在这一地区依旧是满眼绿色,郁郁葱葱。それにしてもさすが古都である。平安や鎌倉の昔から紅葉狩りの名所として聞こえた神社仏閣(ぶっかく)がいまも立つ。時を超えて錦秋(きんしゅう)の美を守り継ぐ千年の歴史を思う。尽管如此,京都依旧不负古都之名。一些神社寺院从平安与镰仓时代起即为欣赏红叶的名胜景点,至今仍然林立。它们历时千年,守护锦秋之美。このまま温暖化が進めば、歳末にカエデやイチョウが色づき始め、年明けに山々が赤く燃える時代が来るかもしれぬ。道長や定家は困惑(こんわく)するだろうか。若气候变暖继续加剧,恐怕枫叶与银杏要到年末才会开始变色,人们要等到第二年年初才能见到火红的群山。道长与定家也一定会为此感到不解吧。...more4minPlay
November 10, 202020201110 天声人语 56連敗のスピリッツ天声人语 11/10 56連敗のスピリッツ選手は本意でないだろうが、負けることで注目を集めるチームもある。おととい閉幕した野球の東京六大学リーグで東大の連敗は引き分けをはさんで56に伸びた。過去最多の94ほどではないものの、新チームは勝利を経験した選手が不在で迎えることになる。▼虽然可能并不是选手们的本意,但是有的队伍却因失败而备受关注。就在前天,东京六大学棒球联赛落下帷幕,算上平局东大已连败五十六场。虽然没有达到历史最多的九十四连败,但是随着一些有成功体验的选手的退出,新的队伍还是迎来了连败。手をこまぬいてきたわけではない。今年度は東大から初めてドラフト指名され中日で活躍した井手峻(たかし)監督(76)が指揮をとった。引き受けた当初はそのレベルに驚いたという。▼东大并没有因此作罢,今年首次任命了中日球团的井手峻教练为其选拔队员。据说在井手峻教练接受任命之初,就被选手们的水平震惊了。「私の時代と違う。選手は豊富な知識があり、科学的な練習で基礎体力も上がっている。学生コーチ主体の練習も無駄がない。でも勝てない」。他大学は2番手、3番手(1)投手でも時速150キロ近い速球を繰り出す。東大の進化以上にリーグもレベルを上げている。▼井手峻教练表示“这和我的时代完全不同,选手们都具备丰富的知识,通过科学的练习也提高了身体素质。学生训练的核心练习也并不是做做样子,但是还是赢不了。”因为,其他大学不是最厉害的投手也能数次投出时速近150km的球,不止是东大在不断进步,联盟整体的水平更是提升了不少。その背景をたどれば受験の関門(かんもん)の高さにいきつく。推薦制度を活用するところに比べ、部員約100人の6割は浪人経験者だ。しかし、敗れてもなおプライドは失わず、この「宿命」を選手が言い訳にすることはない。▼究其背景,是选拔门槛的高低不一。在灵活运用推荐制度的队伍中,大约一百人中有六成队员是有经验的“替补”(等待能够拥有出场机会的人)。败则败矣,自尊尚在,选手们从未拿宿命做借口。学生スポーツの純粋さを引き合いに出すのは気がひけるが、グッドルーザー(よき敗者)の精神を失ったかのような超大国のリーダーの振るまいをみれば潔さ(いさぎよさ)は際立つ(きわだつ)▼以学生运动的纯粹性(不计较输赢)举例虽然有些惭愧,但是反观某超级大国领导者毫无败者风度的所作所为,其高下立见。さて東大の突破口(とっぱこう)はどこにあるのか。「妙案はない。細かい努力を一つ一つ積み重ねるしかない」と井手監督。自己を冷徹(れいてつ)にみつめ、足らざるものを補い(おぎない)、あきらめることなく挑み(いどみ)続ける。そのアイデンティティーはリーグに一つの明確な魅力を加えている。那么,东大的出路到底在何方?井手教练回答道:没有捷径可走,只能一点一点积累。冷静透彻地分析自我,弥补不足,永不放弃继续挑战,这一同一性为联盟增添的魅力显而易见。...more3minPlay
November 08, 202020201108 天声人語 さいこの民主主義天声人语 11/8 最古の民主主義アメリカという国は変わった政治をしているらしい。そんな情報は江戸期の日本にも徐々に入っていた。漂流(ひょうりゅう)して米本土で一時暮らしたジョン万次郎から聞き取った書物(しょもつ)がある。「才能や学識(がくしき)を持った多くの人のなかから、これぞと思える人物を選んで大統領とする……」▼美国政治模式与日本的有所不同。这一点在江户时期就已经慢慢传到了日本。约翰万次郎曾漂流到美国,在那里生活了一段时间。根据万次郎的口述整理而成的书中写道:“(在美国)人们会从一众才华横溢、学识渊博的人中选拔一个最合适的人来担任大总统……”任期は4年だが「その人の徳が高く、政治力も抜群(ばつぐん)であるならば、任期を重ねてその職を続けることができる」(『漂巽紀略〈ひょうそんきりゃく〉』、谷村鯛夢〈たいむ〉現代語訳)。だから才能ある者が、「我こそは」と集まってくるという。身分(みぶん)社会に生きる日本人には驚きだったに違いない▼总统任期虽然只有四年,但“若此人品德高尚、执政能力强,便可以继续连任。”(《漂巽纪略》,谷村鲷梦现代语译本)因此,(在竞选总统时)才华出众的人会纷纷涌现积极宣传自己。当时生活在阶级社会的日本人对此一定会感到十分惊讶。世界で最も古い民主主義。周りから敬意を持たれ、自分たちも誇りにしてきた米国で大統領選挙がもみくちゃになっている▼美国拥有世界上历史最为悠久的民主主义,受到周围国家的尊敬,国民也引以为豪。但是如今的总统选举却混乱不堪。開票所の近くでトランプ支持者が集計(しゅうけい)の中止を求めて抗議し、バイデン支持者と罵(ののし)り合う。ペンシルベニア州フィラデルフィアでは銃で武装した男2人が逮捕された。開票所襲撃しょうげき)を計画した疑いというから穏やかではない▼在开票所附近,特朗普支持者不断抗议要求停止计算票数,并和拜登支持者相互对骂。在宾夕法尼亚州的费城,警方逮捕了两名持枪武装人士。这两个男子有欲袭击开票所的嫌疑,整个事态并不安稳。あおっているのはトランプ大統領その人だ。根拠を示すことなく「集計で多くの不正行為が行われている」と主張する。相手の党は競い合う(きそいあう)ライバルではなく倒すべき敵。そんな意識がトランプ政権の4年間でこの国に根付いてしまったか▼而煽动支持者情绪的正是特朗普本人。他没有证据,却声称计票过程中存在作弊现象。对立政党不是竞争对手而是应该打败的敌人——这种意识是在特朗普执政的四年间根植于这个国家的吗?大統領と同じ共和党の上院議員が「全ての票を集計するのは民主主義の核心だ」とツイートしたという。そんな当たり前の発言が注目されるのが今の米国政治である。選挙後にどう立て直せるか。道は険し(けわし)そうだ。和总统同为共和党的参议院议员在推特上写道:“计算全部的票才是民主主义的核心”。而这种理所应当的发言都能引发关注,这就是如今的美国政治。选举之后美国政治要如何回归正途呢?这条路恐怕是荆棘遍布。...more3minPlay
November 07, 202020201107 天声人語 「田沢ルール」と脱藩天声人语 2020/11/7 田沢ルールと脱藩江戸時代、自分の藩を勝手に抜け出す「脱藩」(だっぱん)は犯罪行為だった。司馬遼太郎は『竜馬がゆく』の中で、坂本竜馬脱藩直前の場面に姉を登場させ、こう語らせた。「脱藩すればもう二度とお国に戻って来れませんよ」▼在江户时代,擅自脱离所属藩国——即“脱藩”,属于一种犯罪行为。在司马辽太郎所著的《龙马风云录》中,主人公坂本龙马准备脱藩前,他的姐姐对他说:“一旦脱藩,就再也无法踏入藩国了。”きょうだいや親類と生涯会えなくなり、藩に残る一族にも大変な迷惑をかけるのだと。さてこちらも、まるで幕藩体制(ばくはんたいせい)のようなと言いたくなる。プロ野球についこの間まで存在したルールのことだ▼据说脱藩者在脱藩后,一生都无法与兄弟及亲人相见,其留在藩国的家族也会因此受到巨大牵连。最近刚废止的职业棒球相关条款——“田泽条款”与这一幕藩体制可谓如出一辙。有望なアマチュア選手が日本球界を経ず海外の球団に入ったとする。後で日本でプレーしたいと言っても、2~3年はドラフトの指名を受けられない。選手には痛い空白だ。すぐにでも大リーグに挑戦したい若者への脅し(おどし)であろう▼条款规定,如果业余种子选手不进入日本球界而直接与海外球队签约,即便之后想回到日本比赛,也必须要等两三年才能参加选拔。这段痛苦的空白期对于想早日挑战日本大联盟的年轻选手来说是一大威胁。12年前に米球界に飛び込んだ投手の名を取ったこの「田沢ルール」は9月にようやく廃止された。問題を調査していた公正取引委員会はそれでもひとこと言いたかったのだろう。独占禁止法違反の恐れがあったとの見解(けんかい)を公表した▼“田泽条款”以12年前直接签约美国棒球队的投手田泽纯一命名。日本棒球机构于9月自行废止了这一条款,(调查被迫中止)。即便如此,但此前一直负责调查该问题的日本公正交易委员会似乎仍想作出一些声明,公开发表见解称:“田泽条款有违反《禁止垄断法》的嫌疑。”日本で就職活動をせず、新卒で海外に出た人には罰を科す。もし経団連がそう言いだしたら大変なことだ。スポーツだから、特別な世界だからと許される時代ではない。球界は自覚したのか、それとも公取委(こうとりい)に叱られそうだからやめただけか▼若日本经济团体联合会提出处罚那些不在日本工作而直接前往海外的应届毕业生的话,可就乱套了。这个时代不会因为体育世界与其他领域不同就网开一面。不知这次是棒球界自己意识到了问题,还是说仅仅是因为担心被公正交易委员会斥责才废止了条款?脱藩者の処遇(しょぐう)は藩により差があったようだ。土佐藩のように重罪に問う藩がある一方、事実上黙認する藩もあった(磯田道史〈みちふみ〉著『龍馬史』)。外の空気を吸わせるのも悪くない。そう考えた藩主がいたのかもしれない。矶田道史所著的《龙马传》中提道:“各个藩国对脱藩者的处置似乎有所不同。除了像土佐藩一样从严处置的以外,也有一些藩国实际上对脱藩行为予以默认。”或许有一些藩主认为,让脱藩者感受一下藩国之外的世界也未必是一件坏事吧。...more3minPlay
November 06, 202020201106 天声人語 木枯らし1号天声人语 11/6 木枯らし1号木の葉の色づきにも順番があって、毎日街路樹(がいろじゅ)を眺めていると、紅葉のリレーのようだ。サクラの葉が散ったと思うと、ハナミズキの葉がワインレッドに染まっている。その木も寂しくなった今はイチョウの黄色に目を奪われる▼树叶染色也有其自身的顺序。每天眺望街道两旁的树木,宛如红叶的接力。樱花树叶一散,四照花的叶子便染上了酒红。如今,银杏的金黄夺人瞩目,衬得萧疏的四照花都失了颜色。絵のように美しい。口をついて出てくる紋切り型(もんきりがた)の表現に真理がある。画家たちが切り取りそうな、そんな一瞬を目にした幸福である。東山魁夷(ひがしやまかいい)が画集に添えた文で、晴れた日の紅葉の鮮やかさを述べたあとに、こう続けていた▼“美如画卷”这种千篇一律的赞美的确有它的道理。能亲眼看见连画家都想勾勒的画面,也是一种幸福。东山魁夷在画集里用文字描绘了晴天映衬下的艳艳红叶,并写道:「しかし、ある時の旅で私は少し薄曇りの空の下に、紅葉の山の一つ一つの樹相(じゅそう)が、落着(おちつ)いた赤さで、静かに息づいている情景に心を打たれた」。そうして描いた「秋翳(しゅうえい)」はほの暗さのなかに輝きがある。こんな風景にいつか出会うことができれば▼“但是,我在一次旅行中看到:薄薄阴云下,红叶山上一棵棵树木,寂寂的似火燃烧,静静的吐纳呼吸。那一刻,我被这一幕打动了”。从他由此创作的画作《秋翳》中,可以在昏暗的一片里见得点点光辉。如果我也能有机会遇见这样的美景就好了。気がつくともう晩秋で、おとといは東京でも木枯らし1号が吹いた。舞い落ちていく葉を見ていると、寂しげなのに、どこか楽しげでもある。その上を歩くとサクサクという秋の音がする▼注意到时,已然晚秋。即使在东京,秋风也于前天初来。看见飞落的树叶,有缕缕寂寞,却也有丝丝愉悦。踏上落叶,能听到沙沙作响的秋声。フランスの詩人ルミ・ド・グールモンに、恋人に呼びかける連作がある。「落葉」と題した一編は、〈シモオン、木の葉の散つた森へ行かう〉と始まる。そして〈シモオン、お前は好きか、落葉ふむ足音を?〉の言葉を何度も繰り返す▼法国诗人雷·德·古尔蒙创作了一部呼唤爱人的诗集。在一篇题为《死叶》的作品中,他以“西茉纳,到林中去吧,树叶已飘落了”开篇,不断重复:“西茉纳,你爱死叶上的步履声吗?”。(戴望舒译)〈夕べ、落葉のすがたはさびしい/風に吹き散らされる時落葉はやさしく叫ぶ!〉(堀口大学訳)。ひとりで歩くのも、誰かと歩くのもいい。朝に冬を感じ、昼に暖かさを楽しむ。そんな贅沢(ぜいたく)な季節である。“傍晚,落叶影寂寂;随风飞舞,落叶轻声低语”(堀口大学译)。独行或同行皆是趣味。早晨感受冬天,中午享受温暖,这就是如此一个奢侈的季节啊。...more3minPlay
June 22, 2020日本の昔話21ー笛の名人むかしむかし、京の都に、源博雅(みなもとのひろまさ)という、とても笛の上手な人がいました。 その頃、都では集団の泥棒がいて、人々は大変困っていました。 ある晩の事、博雅(ひろまさ)の屋敷にも集団の泥棒が押し入りました。 泥棒たちは手に手に、弓や、なぎなたを持っています。「みんな、すぐに隠れるんだ! 見つかっても決して抵抗はするな!」 博雅の言葉に、召し使いたちはみんな思い思いのところへ逃げたり隠れたりしました。 博雅も縁の下に隠れて、ジッと息を潜めました。 やがて泥棒たちは、品物やお金を取って出て行きました。 博雅は縁の下からはい出すと、「行ってしまったらしい。みんな、出てきても大丈夫だ」と、召し使いたちに声をかけました。 さいわいみんなは無事で、怪我人もいません。「なにより無事で良かった。・・・しかし、よく取って行ったものだ。壊れたなべのふたまでないではないか」 博雅があきれながら座敷の中を調べてみると、さいわい置き戸棚が一つ残されていました。「どうせ、中の物は持って行ってしまったのだろう」 それでも開けてみると、中には博雅が愛用している笛が一本入っていました。「これはありがたい。良い物を残してくれた」 博雅は笛を取ってそこに座ると、静かに笛を吹き始めました。♪ひゅー、ひゅるるりりるー 美しい笛の音色は、高く、低く、暗い外へ流れていきました。 博雅の家から引き上げた泥棒たちは、夜ふけの都を歩いていましたが、「いい笛の音だなあ」と、先頭にいた泥棒の親分が、ふと足を止めました。「本当に、いい音色だ」「うん、いい音色だ」 みんな耳をすませて、ウットリとして聞き入りました。 そして聞いているうちに、泥棒たちは自分たちのしたことが恥ずかしくなってきたのです。 みんな博雅の素晴らしい笛の音色を聞いて、心が清らかになったのです。「おい、みんな引きかえそう。取って来た物を返そうではないか」 親分の言葉に、子分たちも頷きました。 さて、それからしばらくすると、あの泥棒たちが引き返してきたので、博雅は驚いて笛を吹くのを止めました。 そして泥棒の親分は、驚く博雅の前に両手をついて言いました。「あなたの笛の音を聞いているうちに、泥棒が恥ずかしくなりました。取った物はお返しします。これからは心を入れ替えて、真面目に働きます。ですからどうか、お許し下さい」 手下たちも、そろって頭を下げました。 そして盗んだ荷物を元の場所に置くと、泥棒たちはどこかへ行ってしまいました。おしまい...more5minPlay
June 04, 2020坂本真绫欧洲游记—From Every Where 9-3坂本真绫欧洲游记—From Every Where 9-320歳で初めて海外に行ったときは電子辞書が手放せなかった。ロンドンでレコーディング。現地のスタッフやミュージシャンに直接気持ちを伝えたいと思っても、文法が間違ってないか、発音がおかしくないか、こんなこと言って笑われないかって、そればかり考えて。自分から話しかける勇気もなかなか持てなかった。だけど彼らは私の英語力にお構いなく「どうしたい?」「どう思う?」「この曲はどんな歌詞?」とまっすぐ目を見て聞いてくる。そして良いと思ったときには、ワンダフル、ファンタスティック、ジーニアス、ストロング、フレッシュ、ビューティフル、ラブリー、そんなキラキラした単語をたくさん使って伝えてくれる。人を褒めると言うことに照れがない、それはお国柄の違いって部分もあるのかもしれない。でも私だって本当に「嬉しい!」「ありがとう!」「かっこいい!」って気持ちが先行しているのなら間違った英語だって日本語でだって構わないから、笑顔いっぱいで表現すればよかったんだ。それができなかったのは、ことばのせいだけじゃない。自分がどうしたいかじゃなく、私がいつも相手にどう見られるかを優先して考えてるからなんだと気づいてしまった。 初めての外国で緊張もしたし、英語ができなければ何も通じ合えないと思い込んでた。でもその旅で結局思い知ったのはことばの壁よりも、素直に人と接するのが下手な私のコミュニケーションの壁のほう。それは日本で暮らしている日常でも同じことなんだ。私は、他人がどう思うかをいつも気にしている。誰かのためにことばを選んで、誰かの望む答えをしていくことが、「自分のしたいこと」だとずっと思い込んできたところがある。結局私すごいかっこつけたがりなんだと思う。いつも誰かに認めてほしい、褒めてもらいたいって願望が、人よりも強いんじゃないかって気がする。かっこいいと思われたい、少しでも尊敬されるような人間になりたいっていう気持ち、ほかの人にもあるのかなあ。しかもたちが悪いことに、私はそういうところを隠そうとしてるし、自分でも見ないふりをしている。さも「全然他人のこととか気にしないんで」みたいな余裕な態度を取りながら、内心びくびくしている。こんな思いにとらわれてしまうのは、たぶん、とことん自信がないからなんだってこともわかってるんだ。自分に自信がある人はきっと人からどう思われようと気にならないはずだもの。かっこわるい。悔しい。わかっちゃいるんだけど。あれから、たくさんの国に行った。ひとりでも行った。ホームステイもした。その度に思う。外国でことばが通じないときに感じる疎外感は、同じ日本語で話しているのに自分の気持ちがうまく伝えられない、人と腹を割ってわかり合えないと思う時のそれに比べたら、どうってことない。私は英語が喋れないことよりも、自信のなさを取り繕ってかっこつけていることのほうがよっぽど恥ずかしい。こうやってひとりになりたい願望が強いのは、正論ぶったことばかり言ってる学級委員みたいな自分から少し解放されて楽になりたいからなのかも。いや、もしかしたらその逆で、徹底的にことばというツールを自分から取り上げた環境でどれだけ気持ちを外にぶつけられるか、試して、いじめて、鍛えたいのかも。でも、作詞をしている時や文章を書くときだけは、真実の自由になれるのに。誰のためでもなく自分のために、正直に想いをことばにできるのに。自分の中から生まれることばに堂々と責任を持っていられる。だから本当はできるはずなんだ。ひとりで内側に籠って書くときだけじゃなくて、声や態度でも、外に向かってちゃんと想いを伝える術が私にもあるはずなんだ。私なりに思う「世界共通三大良いことば」。こんにちは、ありがとう、おいしい。入り口はいつもそこ。世界中どこだって、挨拶することと、お礼を言われることと、おいしいものを食べることが嫌いな人はいないもの。20岁的时候第一次出国,电子词典根本不离手。在伦敦录音的时候,虽然想跟当地的工作人员和音乐人直接表达自己的想法,但总是顾忌语法是不是错了,发音是不是奇怪,这么说会不会被笑什么的。几乎丧失了想自己表达的勇气。但是他们却根本不介意我的英语能力,直接当面问我“怎么了?”“你怎么看?”“这曲子配什么歌词?” 觉得对的时候,他们会跟我说wonderful、fantastic、genius、strong、fresh、beautiful、lovely这些闪亮亮的褒义词。不吝啬对别人的赞美,这也许是因为国情不同的缘故。但其实我想回复“开心”、“谢谢”、“好棒”诸如此类的心情的时候,用错误的英语,或者直接用日语回答都没关系,带着满满的笑容去表达就好了。而做不到这点,并不只是语言能力的问题。我发现我考虑的不是自己想要如何做,而是先想对方会怎么看我。因为第一次出国很紧张,坚信自己不会英语的话什么都无法沟通。但是那次旅行结束后我发现比起语言壁垒,不擅长直率地与他人接触,挠头的人际关系才是我真正的壁垒。这跟我在日本日常生活中经历的一样。我总是在意别人怎么想。我一直认为为对方而选择恰当的语言,给予别人期待的回答就是我想要做的事情。 结果我发现是自己一直在逞强。我总是觉得自己想得到认可和赞美的欲望比其他人要更强烈。希望别人觉得我很厉害,希望自己多少能成为受人尊敬的人,这种心情别人是否也会有呢。而且糟糕的是,我把这种心情隐藏起来,装作自己也看不到。表面上表现得从容不迫,仿佛“完全不在意他人的想法”似的,但其实内心却战战兢兢。 被这种想法所束缚住的,说到底大概就是缺少自信吧。对自己有信心的人肯定不会去在意别人的想法。真是惭愧啊。好不甘心啊,明明这些自己都心知肚明。 从那以后,我去过很多国家。也有一个人去的。也有过寄宿于当地人家庭的经验。那时候我在想。在国外语言不通的时候所感受到的疏离感,和即使同样用日语交流也无法顺畅地传达自己的心情,跟别人不能推心置腹地坦诚相待的时候相比,都算不得什么了。比起我不会讲英语,明明没有自信却仍在逞能更加让自己觉得羞愧。渴望独处的意愿强烈的原因大概就是想让自己从仿佛义正言辞的班干部的状态中稍稍解放开来,变得轻松一些。不,也许正好相反,也许我想知道在彻底抛弃语言这种工具的环境中,自己是否会被击垮?我想去尝试,去刁难和锻炼自己。 但是,只有在作词或写文章时得到了真正的自由。不为任何人仅为自己诚实的写出自己的想法。为发自内心的语言堂堂正正地负责。所以,其实我可以做到。我一定有能力,不只是一个人关起门来写东西的时候,在面对向他人时,通过声音和态度也可以好好地传达出自己的想法。 我所认为的“世界通用三大良言”。你好,谢谢,好吃。大千世界无论何处,他们是永远的入口。没有人会讨厌礼貌的寒暄、真诚的道谢和品尝美食。...more7minPlay
May 31, 2020日本の昔話20——盗っ人小僧盗っ人小僧むかしむかし、彦一(ひこいち)と言う、とてもかしこい子どもがいました。 ある日の事、彦一は殿さまのお使いで、船に乗って遠くの島に行く事になりました。 そしてその夜は、船で寝る事になりました。(さて、そろそろ寝るとするか)と、思ったその時、「海賊だー!」と、言う叫び声がしました。 海を見てみると、手に手に武器を持った海賊が乗る海賊船が、もう間近まで迫っています。「大変だー! 奴らに身ぐるみはがされるぞ!」「大切な物を早く隠すんだ!」 お客たちは持っている金や大切な物を、どこに隠そうかと大騒ぎです。 でもどこに隠そうと、海賊は隠した物を見つけてしまうでしょう。 そこで彦一は台の上に乗って、大きな声で言いました。「みんな、落ちついて! 海賊はどこに隠しても見つけてしまいます。ですから、お金は少しだけ自分のふところに入れて、あとは全部わたしに預けて下さい。わたしが必ず、海賊からお金を守りますから」 彦一が自信たっぷりに言うので、お客たちはワラにもすがる思いで彦一にお金を預けました。「わかった。お前に任そう」 すると彦一はお金を少しずつ袋(ふくろ)に分け、見ただけでは分からない様に着物のあちこちに隠しました。 そしてお客に頼んで、柱に体をグルグル巻きにしばりつけてもらいます。 それからしばらくして船に乗り込んで来た海賊の親分(おやぶん)は、お客から財布(さいふ)を取り上げにかかりました。「よしよし、素直に従えば、乱暴はしないからな」 そして柱にしばられた彦一に気づいて、親分は声をかけました。「小僧! そのざまはどうした?」 すると彦一はうそ泣きをして、目に涙を浮かべます。「おら、みなし子で、腹が減ってたまらねえから、船に忍び込んで客の財布を盗もうとしただ。だども見つかって、一文も取らねえうちに捕まってしもうただ」 それを聞いた親分は、ニヤリと笑うと、「小僧のくせに盗みに入るとは、大した奴だな。だが、この船の客はみんな貧乏人ばかりで、大した稼ぎにはならねえ。お互い、今度はもっと金持ちを狙うとしよう」 親分はそう言いながら、子分とともに自分の船に戻っていきました。 その後、お金も少し取られただけで済んだお客たちは、かしこい彦一にとても感謝したという事です。おしまい...more4minPlay
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