庄兵衛は、貸元ながら、気っ風よく、人徳のある顔役だったが、鼻猪之と呼ばれる侠客と争ったことから、殺害されてしまう。
かたぎになるため、江戸の太物商に奉公に出されていた一人息子の半太郎は、父の供養のため、故郷にもどる。
庄兵衛の子分たちは、親分の仇をうとうと、半太郎をかつぎだすが、半太郎は、これには応じず、父の遺志をついで、堅気になることを主張する。
半太郎は仇を討たないのか?
■登場人物
佐貫屋半太郎……侠客佐貫屋の一人息子だが、気質になるべき江戸へ奉公に出される。
佐貫屋庄兵衛……半太郎の父で、貸元をしている。
お 房 ……庄兵衛の女房。
猪之助 ……庄兵衛の弟分だったが、縄張り争いで、庄兵衛を殺害した。
お 信 ……猪之助の娘。半太郎と結婚する約束があった。
吉 蔵 ……庄兵衛の子分。半太郎をかついで、庄兵衛の仇を討とうとする。
太左衛門 ……年寄役。
和田屋源兵衛……甲府の貸元。
■用語集
日足……日が出てから沈むまでの時間の長さ
敷打ち……養蚕家へ、手がねをうつこと
徳性……道徳心、道義心
日済し貸……貸した金の元利を日割りで取り立てること。
些少……数量や程度がわずかなこと
道祖神……村境、峠などの路傍で、疫病悪病を防いだとされる神様。旅行安全、縁結びの神様となっていった。
口幅ったい……云うことが偉そうに感じられるさま
■この動画の目次
0:00 一
10:29 二
20:55 三
30:48 四
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