「半導体産業の興隆を支えた東工大元学長が語る、量子技術産業化への展望」　産業技術総合研究所は量子・ＡＩ融合技術ビジネス開発グローバル研究センター（Ｇ뗙ＱｕＡＴ）で量子技術の基礎研究から社会実装まで一貫して担い、産業化をけん引する。このトップに益一哉東京工業大学元学長を招いた。益センター長は半導体産業の興隆を学術界から支えてきた。量子産業のエコシステム（協業の生態系）を俯瞰（ふかん）できるトップになる。展望を聞いた。

「エラー確率0.1％未満、世界初成功…富士通など、ダイヤモンドスピン量子操作」　富士通はオランダのデルフト工科大学と同大内にある量子技術研究機関「ＱｕＴｅｃｈ」とともに、ダイヤモンドスピン方式量子コンピューターの量子ゲート操作において、誤り耐性量子計算（ＦＴＱＣ）を行う上で重要な誤り訂正を可能にするエラー確率０・１％未満の高精度操作に世界で初めて成功した。

「「強い不信感」…ニデックTOBに反対する声明、牧野フライスがJAMから受領」　牧野フライス製作所は２６日、同社の労働組合が所属するものづくり産業労働組合ＪＡＭから、ニデックによる牧野フライスへのＴＯＢ（株式公開買い付け）に反対する声明を受領したと発表した。声明でＪＡＭは、牧野フライスの労働組合であるＪＡＭマキノ労働組合に所属する組合員とその家族がＴＯＢを通じた買収提案を事前の協議もなく行うといったニデックの姿勢に「強い不信感を持っている」とした。

「トンネル工事無人化へ…安藤ハザマなど開発、「遠隔操作移動式コンベヤー」の機能」　安藤ハザマはリョーキ（広島市西区）と共同で、トンネル掘削の進捗（しんちょく）に合わせて建設機械の離隔が変化することを補う「遠隔操作移動式コンベヤ＝写真」を開発した。三井三池製作所（東京都中央区）の試験ヤードと安藤ハザマが施工中の山岳トンネル現場において実証試験を行い、その有効性を確認した。

「マルハニチロ・キユーピー…業務用食品でインバウンド需要狙う、飲食店の人手不足解決へ商品開発」　コロナ禍以降、インバウンド（訪日外国人）が順調に回復し、２０２４年の訪日客数は過去最高の３６００万人を超えた。観光庁の「訪日外国人消費動向調査」によると、２４年のインバウンドの１人当たり消費額は過去最高を記録し、その中でも「飲食費」が大きな割合を占めた。インバウンド増加で飲食店や宿泊施設の需要は拡大しているが、人手不足が慢性化して調理などの負担軽減が課題となっている。こうした状況を受け、食品メーカー各社は業務用食品で、人手不足を解決する商品の開発・拡販を進めている。（阿部俊介）

「「中小型バラ積み船」開発…尾道・常石造船、初の本格協業」　尾道造船（神戸市中央区、中部隆社長）と常石造船（広島県福山市、奥村幸生社長）は２４日、４万２２００トン積みの中小型バラ積み船を共同開発したと発表した。コンセプト設計を共同化し開発コストを削減、営業活動と建造はそれぞれ個社で行う。両社の本格的な協業は初。

「焼却ゴミ減、収入増の効果も…全国の自治体に先駆ける「リユースの街」の今」　不要になった商品を他人に譲るなどして再利用する「リユース」への期待が高まっている。商品を資源に戻す「リサイクル」に隠れがちだが、リユースは環境負荷を抑えながら資源循環できる。加えて社会課題の解決にも役立っている。神奈川県座間市は増え続ける焼却ゴミを減らす手段としてリユースを“標準”にした。リユース業者も自治体や農家の課題を解決しながらビジネスを成長させている。（編集委員・松木喬）

「双方向で速度2倍以上、毎秒140ギガビット…NTT・NECが「6G」採用目指す技術の中身」　ＮＴＴとＮＴＴドコモ、ＮＥＣは２４日、多重伝送技術を用いた無線通信の大容量化により、周波数帯８０ギガヘルツ帯（ギガは１０億）での双方向通信で、従来技術の２倍以上となる毎秒約１４０ギガビットの速度を実現したと発表した。回転数が異なる、らせん状の複数の電波を互いに交わらず同時に送受信できる軌道角運動量（ＯＡＭ）モード多重伝送技術を活用。携帯通信基地局用バックホール（中継回線）向けとして、２０３０年代の普及を見込む第６世代通信（６Ｇ）への採用を目指す。

「発電効率1.5倍…三菱マテリアル、「ペロブスカイト太陽電池」電子輸送層成膜インク開発」　三菱マテリアルは２４日、エネコートテクノロジーズ（京都府久御山町）と共同で、ペロブスカイト太陽電池の発電効率を向上させる電子輸送層の成膜用インクを開発したと発表した。塗布型で、従来型インクと比べ約１・５倍の発電効率を実現した。

「燃料のにおいなく騒音・振動が少ない…岩谷産業、「水素船」披露式典」　岩谷産業は２０２５年大阪・関西万博で会場アクセスとして運航予定の水素燃料電池船「まほろば」の披露式典を大阪市内で開いた。日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長をはじめ、経済産業省や関西財界などから６０人弱の来賓が出席。実際に乗船し、乗り心地を体感した。