# 05-29 ラジオ番組: 脳活動・死の体験・初期救命
## 番組概要
- 放送日時:5月30日(金曜日)
- 番組名:金曜日ナンバー493「クリニックプレゼンツ きれいになるラジオ」
- 主なテーマ:人間の根本的な悩み、特に死に関連する恐怖や死の瞬間に人間の脳内で起こる現象について
## 研究対象と背景
- 死の瞬間における人間の脳活動をテーマにした実験研究の紹介
- 対象:脳出血などで心停止に至った患者の脳波データ
- 研究機関:中国の甲南大学とエストニアのタルトゥー大学による共同研究
- 映画「フラットライナーズ」リメイク版(2017年)を例に、死の瞬間の体験(走馬灯のような記憶のフラッシュバック、上から自分を見ている感覚、お花畑のイメージなど)についても言及
- 映画ではアメリカの医学生たちが死の間際の体験を検証するストーリーで、実際の研究との比較もなされた
## 脳波計測とその結果
- 計測対象:
- 心停止前後や脳活動停止時の脳波
- 特に左脳におけるガンマ波、アルファ波、シータ波の活動に着目
- 計測手順:
- 発作後、左脳活動停止後、心停止後の各30秒間の脳波を解析
- 心停止後も脳波がどのように変化するかを詳細に観察
- 結果:
- 心停止後も一定時間、脳波活動が継続していることが確認された
- 左脳のアルファ波とシータ波が心停止後も持続し、「走馬灯」のような体験に関連している可能性が示唆された
- 実際には脳の活動は心停止後も数分間維持されることがあり、周囲の声が聞こえている可能性もあると指摘された
- 生体メカニズム:
- 脳血流保護機能により、心臓の機能が低下しても脳への血流が優先的に維持される
- その結果、心停止後も脳の反射活動が見られる(例:原始反射、赤ちゃんの反射行動など)
## 脳の反射活動と倫理的示唆
- 脳の反射行動の例:
- 脊髄反射や原始反射として、意識がなくなった後でも身体の一部が自動的に反応する
- 家族が手を握ると握り返すなど、生体が最後まで反応しようとするメカニズムがある
- これらの反射は生まれたての赤ちゃんにも見られるもので、亡くなる瞬間にも現れることがある
- 脳活動が持続する意味:
- 脳を最後まで守ろうとする身体の仕組みとして、死の瞬間にも一定期間、脳が活動していることが示唆される
- 走馬灯のような現象が脳波の活動と関連している可能性がある
- 倫理的課題として、患者の脳活動が持続している状態での最期のケアや、周囲からの声が届かない状況への批判が述べられた
- 新型コロナ禍では、患者が家族に見守られずに亡くなることへの社会的な問題意識も語られた
## 初期救命と社会的提言
- 初期救命の重要性:
- 心停止時にも脳が活動している可能性を踏まえ、迅速な心臓マッサージや初期救命が命を救う鍵となる
- 早期対応が心停止による脳へのダメージを最小限にし、患者の生存可能性を高める
- 心臓が止まっても脳はしばらく生きているため、心臓マッサージなどの初期対応が極めて重要であると強調
- 心筋梗塞などで心臓が急に止まった場合も、血栓が溶けて再び心臓が動く可能性があるため、救命措置のスピードが重要
- 社会的・倫理的側面:
- 新型コロナ禍などで、患者が最後まで付き添われず亡くなることへの批判
- 医療現場や救命講習を通して、一般の方々にも初期救命の手法(心臓マッサージなど)の習得を促す必要性を強調
- 行政などでも初期救命の講習会が開催されており、時間がある時に参加することが推奨された
## 📅 次の取り組み
- [ ] 初期救命に関する講習会やワークショップの開催スケジュール確認
- [ ] 病院や地域での心肺蘇生法(CPR)啓蒙活動の強化策検討
- [ ] 関連研究(脳波活動の持続時間や倫理問題)について、さらなる文献やデータの収集・検討
- [ ] 医療倫理に関する議論の場を設け、患者ケアの在り方について議論する機会の調整