日本語ペラペラジオ[Casual Japanese radio for leaners!]

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日本語ペラペラジオ[Casual Japanese radio for leaners!] episodes

  • 新しい日本語を学ぼう!『ガチ』

    #72 日本語の先生と新しい日本語を学ぼう!

    今回の単語は『ガチ』です。

    若い人が良く使う、話し言葉ですが、

    最近は「ガチ勢(がちぜい)」という言い方もよくされていますね。

    みなさんは何の「ガチ勢」でしょうか?

    JLPTのN3ぐらいの単語と文法で話しています。


    トランスクリプト:

    倉川:ほら、もっと走って! 遅い!
    さなポン:はい、すいません!
    倉川:声が小さい!
    さなポン:はい、すいません!
    倉川:次の試合、勝ちたいか?
    さなポン:はい、勝ちたいです!
    倉川:それなら、もっと走れ! ほら!
    さなポン:はい!

    (この部活、ガチだ!! 私、バスケットはエンジョイ勢だったのに!!)

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    日本語の先生と、新しい日本語を学ぼう。「ガチ」。


    倉川:ガチは、「本気」「真剣」「本当に」という意味の言葉ですね。カタカナで、ガチですね。
    さなポン:そうですね。ひらがなでは、あまり書きませんね。
    倉川:「冗談ではなくて、もう本当に」、という意味で、よく使われています。そして、めちゃくちゃ話し言葉ですよね。
    さなポン:話し言葉です。
    倉川:だから、教室とか、会社とか、アルバイトでは、ちょっと使わないほうがいいかもしれませんね。
    さなポン:そうですね。

    倉川:会社では、絶対使ってはいけないと思います。
    倉川:ちょっと面白いのは、「ガチで」の後ろが動詞だったら、「真剣に(しんけん)」という意味になりますよね。例えば、「ガチで勉強する」。
    さなポン:本気で勉強する。
    倉川:「ガチで頑張る」

    さなぽん:「本気で勝負する」。

    倉川:そうだよね。「ガチで頑張る」「ガチで勝負する」。真剣に。で、後ろが形容詞の時は、「ガチで+形容詞」の時は、「本当に」という意味になるね。例えば?

    さなぽん:「ガチで美味しい」。
    さなポン:美味しい。
    倉川:「ガチで怖い」「ガチで面白い」。これは、本当に面白い。
    さなポン:そうだね。本当に、だね。
    倉川:で、「ガチ?」だけ使う時は、「本当?」という意味ですよね。
    さなポン:「その話、ガチ?」みたいな。
    倉川:……さなぽん先生、実は私、先週、結婚したんです。
    さなポン:ガチ?
    倉川:みたいだね。
    さなポン:マジ?
    倉川:「ガチ?」「本当?」で、答える時も、「うん、ガチガチ」「ガチで」と言いますよね。
    さなポン:そうだね。
    倉川:まあ、(結婚したのは)嘘ですね。

    あとは、ガチでそれをしている人、真剣にそれをしているグループのことを、「ガチ勢(がちぜい)」とも言いますね。ガチ勢。「あることに、時間とお金、努力をたくさんしている、たくさん使っているグループ、人たち」のことを、ガチ勢と言いますね。

    例えば、「ゲームのガチ勢」、プロになりたい人たちとか、「アイドルのファンのガチ勢」。ちょっとファンじゃなくて、本当にその人のすごいファンで、全部のコンサートに行く。
    さなポン:お金もたくさん使ってて。
    倉川:時間もね、というのが、ガチ勢と言いますね。
    さなポン:確かにいますね。いろいろなガチ勢が。
    倉川:ガチ勢の反対は?

    さなぽん:「エンジョイ勢」。エンジョイ勢、英語ですよね。
    さなポン:楽しんでいる人たち。
    倉川:という意味になりますね。だいたい2000年ぐらいのテレビ番組から、この単語、「ガチ」という単語が使われるようになったので、結構新しい日本語ですね。20年ぐらいですね。新しい日本語なんですけど、さなポン先生は、何かのガチ勢ですか? 何かのエンジョイ勢ですか?
    さなポン:私はバスケットボールのエンジョイ勢です。でした。
    倉川:なるほどね。部活に入っていたんですよね。
    さなポン:部活で、高校時代、中学生も、バスケットの部活をやっていましたが、すみません、エンジョイ勢でした。
    倉川:なるほど。日本の部活をやる人は、だいたいガチ勢ですよね。
    さなポン:だいたいガチ勢です。ガチ勢でなければなりませんね。
    倉川:毎日、クラスが終わってから2時間、3時間、しっかり練習して。
    さなポン:やってましたね。夜8時くらいまでやってましたよ。
    倉川:そうですよね。私の高校の時、空手部だったんですけど、一応全国大会に行く部活だったので、本当のガチ勢。その高校で一番強い部活だったので、空手部が。試合、大会の前は、完全に全員丸坊主でしたね。丸坊主(まるぼうず)。
    さなポン:髪の毛を。
    倉川:髪の毛を3ミリですね。6ミリはダメ。3ミリにして。
    さなポン:3ミリ!?
    倉川:1ミリの人はいたんですけど、みんな3ミリにして、髪を全部、全部切って、丸坊主でしたね。
    さなポン:怖い。
    倉川:でもそれはやっぱり、ガチ勢の証拠(しょうこ)ですよね。あ、この人たち、真剣に部活をしてるんだ!ということのアピールですよね。
    さなポン:本気で、真剣に。確かに、3ミリの頭の人たちが歩いてたら、髪の毛の、3ミリの髪の毛の人たちが歩いてたら怖い。確かに強そう。ちょっと気持ちで負けてしまうかもしれませんね。
    倉川:それもありましたね。私も、もちろん全部丸坊主にして、試合に行ってましたけど、それで、もし相手が髪の毛がちゃんとある人だったら、「もう絶対負けない!」っていう気持ちありました。
    さなポン:髪の毛を見て?
    倉川:そう、髪を見て。だってこの人は、ガチ勢じゃないから。髪をちゃんとね、おしゃれに、髪を伸ばして、自分の生活を大切にしてる人だから、エンジョイ勢だから、部活エンジョイ勢だから、絶対負けたくない気持ちでやったし、実際負けませんでしたね、そういう人には。
    さなポン:やっぱり相手は頭を見てるからですよ。倉川先生の頭を見てるから負けてしまったんですよ。
    倉川:わあ!!この人たちガチ勢だー!!って。
    さなポン:3ミリだーって。
    倉川:怖いって多分相手も思ったでしょうね。やっぱり見た目大事ですよね。
    さなポン:なんか女子バスケットボール部も、短い髪の毛の女の子たちは怖い。怖かったです。髪でわかるよね。
    さなポン:強かった、やっぱり髪だわ。髪大事だね。
    倉川:本気の人たち、ガチの人たちは、ガチ勢は髪の毛が短いです。短い。あるよね。
    さなポン:ありますね。
    倉川:私、今はバスケットを15年ぐらいやってますけど。

    さなぽん:すごい長い。

    倉川:もう長くなりましたね。それでエンジョイ勢なんですよ。全然本気ではやってないんですよね。なんだけど、2年前ぐらいに、私も友達ががん(がん:Cancer / 癌症 / 암 / Kanker)になったんですよね。若い友達なんだけど、がんになってしまって、がんの友達に頑張ってねという気持ちを伝えるために、私も久しぶりに坊主にしたんですよ。髪を全部3ミリにしたんですよね。また3ミリに。また3ミリにして、写真撮って、頑張ってねみたいな。私も坊主にしたよみたいな。写真送ったんですよね、2年前ぐらいにね。
    さなポン:はい。
    倉川:それで、それはそれとして、またバスケットするじゃないですか。それでバスケットを公演でしてる時って、誰も話しかけてこないですね。
    さなポン:怖いもん。怖いよ。
    倉川:同じチームちょっと入ってくれない? みたいな。よく話をかけられるんですけど、話しする人がいるんですけど、坊主にしてる時はね、全然誰も話しかけてこないですね。
    さなポン:やっぱ世界で坊主は怖いんだ。
    倉川:やっぱりガチ勢の感じ。坊主のおじさんですよね。おじさんがバスケットを練習してたら、ガチ勢かなって思いますよね。
    さなポン:お仕事かな。
    倉川:なんかの人なのかなって思いますよね。スポーツの人なのかなって思うから。やっぱりね、話しかけにくいですよね。
    さなポン:髪の毛大事だね。帽子かぶろう。
    倉川:見た目大事ですよね。
    さなポン:大事ですね。
    倉川:スポーツガチ勢は、ヘアスタイル、髪型にすごく出ますよね。ガチかどうかがね。
    さなポン:出ますね。


    さなぽん:倉川先生は今までガチ勢だったことありますか?
    倉川:私は結構あるんじゃないかな。その期間がね、短いんですけど、これをめちゃくちゃ真剣にやろうと思ったことは、結構たくさんありますね。学生の時はもちろん、空手、空手ガチ勢だったし、空手辞めた後はですね、私テコンドーを始めたんですよね。韓国の。
    さなポン:ちょっと似てますか?
    倉川:似てるんだけど、テコンドーはすごい、足のキックですね。足か。をすごくメインでやるんですけど、それでちょっと大きい怪我をして、辞めてしまったんですけど、怪我をするまでは、すごいガチ勢でしたね。朝から夜までずっとテコンドのことを考えて、朝起きたらテコンドーのストレッチして、トレーニングして、やってましたね。
    さなポン:すごい、テコンドーが中心の生活ですね。
    倉川:そうそう、してました。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    倉川:日本語の勉強もさ、クラスでね。ガチ勢とエンジョイ勢がいると思うんですよね。
    さなポン:そうだね。JLPT、N1先生取りたいです!っていうね、ガチ勢と。
    倉川:絶対合格しないといけないんです!っていう人もいるし、いやいや、別にJLPTとかいらないですね、みたいな。
    さなポン:話せたらいいです、みたいなね。
    倉川:しなくてもいいけど、勉強してます、というエンジョイ勢の人もいますよね。サナポン先生のクラスはどういう人が多いですか? ガチ勢、エンジョイ勢。
    さなポン:クラスに10人生徒が、学生がいたら、8人がエンジョイ勢ですね。

    17 min
  • JLPT N3で日本怪談!『深川の老漁夫』

    #72

    JLPTのN3~N2で、日本の古い怪談(かいだん)を聞いてみよう!

    日本語の先生が、日本の100年前ぐらいの古い怪談を、日本語を勉強している人たちでもわかるようにリライトしました。

    今回は「岡本綺堂」(おかもときどう)という人が1933年頃に書いた、『深川の老漁夫(ふかがわのろうぎょふ)』というストーリーです。魚は取らないけど、なぜかいつも魚がうちにある、という不思議な生活をしている、50歳の漁師の重兵衛(じゅうべえ)。以前は結婚していたようですが、今は独身です。ある日、「おせん」という若くてきれいな女の子をもらってきますが…?


    トランスクリプト:


    T君は話し始めた。

    「今では年を取って、私もすっかり面倒くさがりになってしまったけど、若いころは釣りが大好きでした。春は寒くても寒い中で釣りをしたり、夏は梅雨の雨にぬれながら、鯉や手長えびを釣りに行ったものです。

    秋はうなぎやすずきの夜釣りに行き、冬も寒いのに、はぜを釣るために沖まで船で出かけました。

    今思えば、本当にばかだったと思うほど釣りに夢中だったんです。そのころ、梅雨の雨の中で木場へ手長えびを釣りに行ったとき、そこに住んでいる人から聞いた話があるんですが、これは江戸時代の終わりから明治の初めごろの出来事だそうです。

    深川の猿江(東京都江東区猿江(さるえ))という町の近くに、重兵衛という男が住んでいました。彼には「河童」(かっぱ:日本の妖怪)と「狐」(きつね)という二つのあだ名がありました。

    仕事は漁師(りょうし:魚を取って売る仕事)でしたが、少し変わった人だったようです。

    若いころに一度結婚したんですが、気に入らないことがあったらしく、すぐに妻と別れてしまったそうです。そして、そのあとは五十歳を過ぎるまで一人で暮らしていたんです。

    しかし、不思議なのはそれだけではありませんでした。

    この二、三年、重兵衛はほとんど漁(りょう:魚を取ること)をしに行きませんでした。網を使うことも、釣りに行くこともほとんどなくて、周りの人からは、働かないで暮らしているように見えました。ときどき小さな賭け事はしていたようでしたが、それだけで生活できるほど勝っているわけでもなかったからです。

    それなのに、彼の家にはいつも籠(かご)や桶(おけ)いっぱいの魚があったんです。

    漁師が魚を持っていれば食べることには困らない。そのため重兵衛は、特に働かなくても毎日酒を飲みながら暮らしていたんです。


     もちろん、噂話が好きな近所の人たちはそれを不思議に思いました。

    漁に出ない漁師が、いつも魚を持っているのはおかしい、何か秘密があるに違いないと、みんながうわさしました。

    ある人は、「重兵衛は稲荷(いなり)神社を信じているから、狐を使って魚を取らせているんだ」と言い、

    また別の人は、「狐ではない。河童を使っているのだ」と言いました。

    結局、重兵衛は狐か河童のような不思議なものを使って魚を取らせているのではないか、と近所の人たちに疑われるようになったんです。

    その理由として、こんな話が伝わっていました。


     ある夏の夜遅く、近所に住む十八歳の若者、源吉(げんきち)が小名木(おなぎ)川へ夜釣りに出かけたときのこと。釣りをしていると、少し離れた場所で突然、凄まじい水の音が聞こえました。

    魚が跳ねた音ではなさそうです。

    「もしかして、誰かが川に落ちてしまったのではないか?」

    そう思った源吉は、急いで音がした方へ走っていくと、芦(あし:草の名前)の間に一人の男が座ってタバコを吸っていました。それはあの重兵衛で、源吉が走ってくる足音を聞くと、重兵衛はがばっと立ち上がり、にらむように源吉を見たんです。

    「おじさん、今の音は何だったの?」と、源吉は聞きました。

    「何でもない。岸の石が落ちただけだ。」重兵衛は静かに答えました。

    「ここはおれの釣り場だ。じゃまをするな。もっと向こうへ行け。」

    いつもの重兵衛とは様子が違い、どこか恐ろしい感じがしたので、源吉は逆らわず、そのまま別の場所へ行きました。しかし、不思議なことに、重兵衛は釣り場と言いながら、釣りざおを持っているようには見えなかったんです。それでも、魚籠の中には四、五匹の大きな魚が月明かりに光っていました。


     次の日、源吉はこの話を近所の人たちに話したため、重兵衛への疑いはますます強くなりました。さらに、そのあと新しいことがわかったんです。重兵衛が売る魚には、いつも不思議な傷がついていたのです。よく見ると、どの魚にも頭や背中、腹などに、鋭い爪の跡が残っていました。それは網や釣り針でついた傷ではなく、何か動物に捕まえられたときについた傷だと考えられました。魚問屋の人がその理由を聞いても、重兵衛はいつもはっきり答えませんでした。何度もしつこく聞かれると、重兵衛はとうとう腹を立てて、こう言いました。

    「そんなに細かく調べるなら、もうここへは魚を持って来ない。自分で売る。」

    それから重兵衛は問屋へ魚を持って行くのをやめ、自分で売り歩くようになりました。

    そのころの深川には貧しい長屋がたくさんあり、長屋に住むおかみさんたちは、値段が安いので重兵衛の魚をよく買ったそうです。もちろん、その魚を食べて変な病気になった人は一人もいませんでした。

    しかし、そのうちにまた奇妙な出来事が起こったんです。

    秋の雨の夜、あの源吉が重兵衛の家の前を通りかかると、雨戸のすき間からもれる明かりの中で、誰かが軽くせきをするような声が聞こえました。そう思った次の瞬間、源吉がさしていた傘が急に重くなりました。

    「何だろう。」

    そう思って、傘を持ち直そうとしたとたん、傘は紙も骨も一度にばらばらに壊れ、何かが飛びかかってきて、源吉の顔をめちゃくちゃに引っかきました。源吉は若くて体の強い漁師の男でしたが、突然のことで驚いてしまい、相手をつかまえることもできず、顔から流れた血が目に入り、雨の中で転んでしまいました。その騒ぎを聞いて近所の人たちが集まったが、そこには怪しい物はもう何もいなかったそうです。


     源吉は、「おれを襲ったのは、たしかに獣(けもの)だった。傘の上へ飛び乗ってきて顔を引っかいたのから考えると、たぶん狐だったと思う。」と話しました。


     場所は重兵衛の家の前だったので、もし本当に狐だったなら、「重兵衛は狐を使っている」といううわさは本当かもしれない、と人々は思ったそうです。以前、源吉が偶然、重兵衛が狐にこっそり魚を取らせているところを見てしまって、源吉がそれを人に話して回ったため、復讐のために狐がこんなことをしたのではないか、と考えていた人もいました。


     しかし、源吉は重兵衛に文句を言うことはできませんでした。暗い中で突然襲われたので、相手の正体をはっきり見たわけではないし、また、その獣が重兵衛の家から出入りするところを見たわけでもなかったからです。重兵衛が「知らない」と言えば、それ以上証明することはできない。結局、水かけ論になるだけなので、源吉は悔しくてもあきらめるしかなかった。もちろん、ほかの人たちも重兵衛に何も言えなかった。


     こうして、事件は表面上は終わりましたが、人々の疑いはさらに深くなりました。源吉の顔の傷は治っても、重兵衛についての悪いうわさは消えませんでした。しかも、源吉のような復讐に遭うのを恐れた人たちは、重兵衛に直接何かをすることもできませんでしたが、自然な流れで、人々は少しずつ重兵衛を嫌うようになったそうです。


     人々は、彼がいないところでは、彼のことを「狐」や「河童」と呼び、不気味な人間だと思っていましたが、それでも重兵衛は、誰からも直接いじめられることはなく、相変わらず出どころのわからない魚を安く売り歩き、長屋のおかみさんたちは、その安い魚を喜んで買っていました。重兵衛自身も、「一人暮らしは気楽だよ」というような顔をして、毎晩一合か二合の酒を飲みながら暮らしていたようです。


     そのうち、時代は大きく変わり、江戸は東京と呼ばれるようになりました。(1868年のことで、それからの時代は「明治」と呼ばれるようになりました。)

    しかし、その変化は重兵衛や近所の人たちの暮らしには、ほとんど影響を与えませんでした。

    その次の年、明治二年の夏の終わりごろのことです。

    ある日、重兵衛は蛤町(はまぐりちょう:江東区門前仲町)の裏長屋から、おせんという少女を連れて帰って来ました。

    おせんは十五、六歳で、少し日に焼けた肌の、目鼻立ちの整ったかわいらしい娘だったが、生まれつき声を出すことができませんでした。

    父親は前の年に亡くなり、母親はおせんのほかに二人の子どもを育てながら、苦しい生活を送っていました。姉であるおせんは声を出せないため、奉公(ほうこう:ほかの人の家に住みながら、その家の家事などをして働くこと)に行くこともできず、母親が困っていたところ、どうやら重兵衛が話をつけ、おせんを養女として自分の家へ連れてきたようです。


     おせんは話ができないため、不自由なところはありましたが、顔立ちは美しく、おとなしくて働き者だったので、重兵衛は、「いい娘をもらって、本当に良かった!」と喜び、とてもかわいがっていました。近所の人たちも、おせんの事情をよく知っていて、同情する気持ちもあり、重兵衛のことは嫌っていても、おせんまで嫌う人はいませんでした。食べることにも困る実家にいるより、重兵衛の家へ来たほうが、おせんにとっても幸せだろう、とみんなも思っていたんです。


    (スクリプトはここまでです!あとは自分の耳で聞いてみて!)

    26 min
  • 10分で日本語慣用句!『頭が真っ白になる』

    #71 10分で日本語慣用句!

    今回は「頭が真っ白になる」(あたまがまっしろになる)です。みなさんもこんな経験がありますか?

    JLPTのN3ぐらいの単語と文法で話しています。


    トランスクリプト:


    司会:次は、倉川ジョンのステージです。お願いします。


    倉川:どうもー、みなさんこんにちは。 倉川ジョンです。お願いします。 えーと、あのー、えー、あのー。 あ、どうしよう。緊張で何も思い出せない。 はい、頭が真っ白になっちゃったー。 

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    10分で日本語慣用句!「 頭が真っ白になる」


    倉川:「頭が真っ白になる」というのは、「とても緊張してしまったり、強いショックがあって、 突然何も考えられなくなる。何も思い出せなくなること」です。 みなさんはこんな経験ありますか? たくさんの人の前で話さなければならない時、 あ、あれ、言いたいことはあったのに、突然全部忘れてしまった。どうしよう。 という経験ですよね。 これを日本語では、頭が真っ白になると言います。 真っ白というのは、100%白ですよね。 グレーとか、ちょっと白いじゃなくて、もう完全に白いという状態。 つまり、頭の中に何もない状態になってしまうということです。 


     私は人生で1回だけ、この頭が真っ白になった経験があります。 それは、このラジオの最初に話した、ステージでたくさんの人の前で頭が真っ白になってしまった経験。 本当に恥ずかしい経験があるんですよね。 


     私、高校生の時に、学校祭(がっこうさい)というお祭りがありました。 今も全部の高校でありますね。 1年に1回、学校のみんながクラスをお休みして、お祭りをするイベントのことですね。 学校祭。 食べ物のお店を出したり、ゲームをしたり、音楽の練習をしている人は、ステージで発表したりしますよね。 

     私は高校生の時は、すごく前に出たい、目立ちたいタイプだったので、たくさんの人の前で話したい、面白いことをしたいというタイプの人間だったんですね。 同じクラスの仲がいい友達と一緒に、「そうだ!漫才(まんざい)をやろう!」ステージでみんなの前で漫才をやろうと言って、2人で漫才をすることに決めました。 


     漫才というのは、英語で言うとstand up comedyですよね。 ステージで2人で立って、面白いことを5分くらい話して、みんなに笑ってもらうというスタイルの発表ですよね。 漫才をやろうと決めて、2人で申し込んでね。 毎日毎日一緒にクラスが終わってから、漫才の練習をしたり、漫才で話すことを決めたり、夜に公園に2人で行って、何時間も何時間もずっと5分話す内容を何回も何回も毎日毎日練習したんですね。 初めて漫才を何百人の前でしますから、その時すごく緊張していたんです。だからたくさんたくさん練習したんですね。 

     で、その学校祭が始まって、毎年10月ですかね、秋に学校祭、高校の学校祭があったんですけど、学校祭始まって、最初にステージがあるんですね。 学校祭が始まってすぐステージがあって、バンドとか音楽の発表とか、他のクラスはちょっと面白い歌を歌ったりとかね、何かしてて、私の友達サムと言うんですけど、私ジョンですよね。 で、その漫才の名前がサム&ジョンだったんですね、私たちね。 


     で、そのマイクを持った司会(しかい)の人が、「じゃあ次はサム&ジョンの2人です。お願いします!」と言って、私たちはそのステージのね、後ろで準備をしてるでしょ。 で、その大きい拍手が起きて、わーっとなって、私たちが、「どうもー、こんにちはー、サム&ジョンでーす!」と言って、ステージに出て行って、 で、私がね、まぁちょっと緊張してますもちろん。何百人もいるから人が。で、私がそのステージに出て行って、前を見たときね、前を見たときにめちゃくちゃ怖かったんですよね。 

     前を見たら、何百人もの人が、目が、笑っていない目がね、私たちをじっと見てるんですよね。 で、その目がめちゃくちゃ怖くて、「え?今からここで5分話をするの?」って突然思ってしまったんですよね。 もう何日も何日もしっかり準備していたのに、いざ、その場所に立って、何百人の人のちょっと怖い目を見てしまったら、突然頭が真っ白になって、何も思い出せなくなったんですよ。 どうもー!こんにちはー!サム&ジョンでーす!よろしくお願いしまーす! えー……、みたいな。


      で、私から話を始めなければならないんですけど、私が話すことを忘れてしまったんですね。何も考えられなくて。 で、私のパートナー、もう一人いるでしょ?そのサムというパートナーも、多分ね、同じだったと思うんですよね。 緊張して、頭が真っ白になってしまって、そのサムも何も話せなかったんです。 え、どうしよう?どうしよう?ってもう、頭の中ではもう、ビコン!ビコン!ってなってるんですよね。 どうしよう?どうしよう?ってもう、シーン!

    周りの人もね、見てる人も、「え?何?どうなったの?どうしたの?」っていう感じで、シーン!となって、もうその時間のこと、私今でもね、時々夢に見ます。 緊張しすぎたし、大失敗してますからね。シーン!となって。


      その時ですよ。私のクラスの担任(たんとう)の先生、私とそのサムのね、クラスメイトのサムの担任の先生、ホームルームの先生が、ステージの横の方に立っていたんですけど、女の若い先生でした。 その先生がね、「がんばれー!」って、大きい声で言ってくれたんです。


     それで、みんなが笑ったんですよ。 アハハハハ、あの人たち、頭が真っ白になっちゃって、何も話せないんだって、みんながちょっと笑ってくれたんですね、聞いてる人が。

     それで、私とサムもちょっとリラックスできて、突然思い出したんですよ、話す内容。その時の担任の先生、ホームルームの先生が言ってくれた、「がんばれー!」のおかげで、思い出すことができて、話をね、始めることができたんですよね。 あの、本当にね、この、たぶん時間はね、5秒ぐらいだったと思いますね。

     頭が真っ白になって、何も言えなかった時間。そして先生が、「がんばれー!」と言ってくれるまでの時間、5秒ぐらいだったと思うんですけど、本当に長い5秒でしたね。 人生の中でトップクラスに、人生の中で一番長い5秒でしたね。めちゃくちゃ緊張して、頭が真っ白になってしまった経験ですね。 

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     皆さんも、そんな経験あるでしょうか。

    私は今、日本語の先生ですからね。時々、学生の皆さんに、「はい、じゃあ今からこれについて発表してください。2分ぐらい話してください。お願いします。」と、クラスでね、学生の人にお願いすることがあるんですが、そういう時もね、人が少なくても、すごく緊張してね、 話すこと忘れてしまった!頭が真っ白になってしまった!という人がいますけど、それはね、全然大丈夫だと思います。


     それは、「慣れ」だと思うんですよね。慣れたら、たくさんの人の前で話すことに慣れたらね、すぐにできるようになります。話せるようになりますから、今は、「わぁ、恥ずかしいなぁ。頭が真っ白になってしまった。」と思っても、これから何回もね、日本語のクラスで発表するチャンスがあれば、 どんどん上手になると思いますので、皆さんも、たくさんの人の前で話すチャレンジをどんどん続けていってください。


     まあね、『頭が真っ白になってしまった人』と、『お腹が痛いのが治らない人』は同じですよ。

    え?どういうことかって? 

    「言いたいけど、言えません。」「胃 痛いけど、癒えません。」

    なんてね、倉川でした。

    10 min
  • 【JLPT N3】日本語の先生と新しい日本語を学ぼう!『ノリがいい』

    日本語の先生と新しい日本語を学ぼう!

    #70は『ノリがいい』です。

    「あの人、ノリがいいね!」とか、「最近、ノリが悪いね。」とか。

    話すときにはよく使いますね!


    トランスクリプト:


    倉川:日本語の先生と、新しい日本語を学ぼう!

    さなポン:「ノリがいい!」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    さな: あ、おつかれさまです。お先です。

    倉川:あ、おつかれさまです。あの、さなぽん先生、この後、みんなで晩ご飯食べに行くんですけど、一緒にどうですか?

    さなポン:あ、ご飯ですか。すいません、ちょっと。

    倉川:最近、ちょっと、ノリ悪いですね。

    さなポン:まあ、ちょっと忙しくて、すいません。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    倉川:…みたいなね。「ノリがいい」とか、「ノリが悪い」という単語、日本人はよく使っていますよね。

    さなポン:使えますね、この言葉。

    倉川:「のり」というのは、食べ物の意味もありますけど、おにぎりに巻いてある…

    さな:…漢字のね。黒いやつね。

    さなポン:海のね。

    倉川:うん、あれとは全然関係がなくて。

    さな:カタカナなんだよね、ノリ。

    倉川:あ、そうだね。私たちがこれを使うときは、カタカナで書きますよね。

    「ノリがいい」の意味は、「その場の雰囲気とか、人のお誘いに明るく合わせられること」ですよね。例えば、さっき話したような、「みんなで一緒にご飯食べに行きませんか?」というお誘いに、「あ、いいですね、行きます行きます!」って言える人は、ノリがいい人ですよね。

    さなポン:約束をしてなくても、急な約束でも、「いいよ」っていう人ですよね。

    倉川:うん、明るくね、言える人だね。

    そこでその、「えー、ご飯ですか。まあ、いいですよ」っていう人は、ノリがいいとは言わないよね。

    さなポン:やだ、ちょっとやだ。

    倉川:ちょっとやだね。ノリが良くはないよね。

    さなポン:ノリ良くないね。

    倉川:明るく合わせられる人、合わせられることですよね。

    さなポン:行きたかった!ぐらいなね、感じでね。「えー、嬉しい! 行く行く!」

    倉川:うん、そうそうそうそう。

    反対に、「ノリが悪い」という単語もあるよね。

    さなポン:さっきの私ですね。

    倉川:あ、そうだよね。

    さなポン:あー、ちょっと……みたいなね。

    倉川:その場の空気を読まない、お誘いに…。

    さなポン:絶対参加した方がいいのに、参加しない。

    倉川:あー。

    さなポン:みんなが来て欲しいって思っているのに、行かないっていう人。

    倉川:そうそう、それは「ノリが悪い」と言いますよね。

    さなポン:うん、ノリが悪い人ですね。

    倉川:はい、これは結構日本文化的な単語ですよね。

    みんなと同じ方がいい。

    さなポン:うん、周りに合わせる。

    倉川:そうそうそう。

    さなポン:空気を読む。

    倉川:そうだね。一人一人の考え方より、みんなの考え方を大切にするという、日本的な考え方の単語だと思いますね。さな:そうですね。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    倉川:まあ一応、新しい単語、新語として紹介していますけど、インターネットで見られる辞書によると、この「ノリがいい」という単語が辞書に書かれたのは、2013年頃のようですね。

    さなポン:13年前。

    倉川:そうそう、10年ぐらい前には、もう辞書になるぐらいには、日本で一般的にたくさんの人に使われているようになった単語だそうですね。

    ノリがいいというのは、雰囲気に明るく合わせられることと言いましたけど、実際にはもうちょっと(意味が)広いですよね。

    さなポン:そうですね。

    倉川:社交性がある人。

    さな:誰とでもコミュニケーション、取れる人。初めましてでも。

    倉川:そうそう、そういう意味でも使いますよね。私たち日本語の先生で、いろいろな学生、いろいろな国の、いろいろな年代の人と毎日話すのが仕事じゃないですか。

    さなポン:そうですね。

    倉川:日本人だけじゃなくてね。そんな中で、私たちが考える、「ノリがいい人」って、どんな人だと思います?

    さなポン:私の日本語のクラスの話で言うと、今日は「〜しませんか?」の、「ませんか?」の授業で、ロールプレイを最後にするときに…

    倉川:ロールプレイというのは、何かのキャラクターになる、気持ちもそのキャラクターになるような練習ですよね。

    さな:そうです、そうです。

    さなポン:誘うという練習をするときに、「行きませんか?」みたいな、あんまり行きたくなさそうに「~ませんか?」みたいな。

    倉川:言い方がね。

    さなポン:言い方が。

    倉川:気持ちが入ってないんだ。

    さなポン:そうそう。ただ言ってるだけの練習みたいな。

    そうじゃなくて、本当にこのシチュエーション、友達を誘いたい!誘うぞ!っていう役に、人になってほしいなって、私はいつも思いますね。すごくノリが良くて、それが上手にできる人もいるんですよ、学生も。

    「〜さん、今日は暑いですね。アイスを食べに行きませんか?」

    そういう学生を見ると、「うわ、良いね!」「そうだよね! 暑いよね! 食べたいよね!」ってなりますよね。私たちも笑顔になりますよね。嬉しくなりますね。クラスも楽しくなりますね。

    倉川:自分で考えて文をどんどん入れられる人。その学生なら、「今日は暑いですよね、〜さん。」みたいな。それは言わなくていいし、書いてないけど、それを自分で考えて、「そのキャラクターならたぶんこうやって言うだろうな」と考えて作れる人は、「わぁ、ノリ良いな」と思いますね。

    さなポン:思います。

    倉川:それ言ったらみんな笑うし。

    さなポン:自分で考えてね、言ってくれる人、良いですよ。ノリが良い。助かります、私も先生として。

    倉川:なかなかね、難しいよね、でもそれ。

    さなポン:難しいか。

    倉川:恥ずかしいからね、ちょっとね。

    さなポン:でもね、きっとね、これができる人はね、絶対に上手になると思います。

    倉川:そうだね。そうそう、それ間違いないね。

    さなポン:日本語を早く上手になりたい人は、ノリが良い方が良いですよ。

    倉川:なんかさ、その態度(たいど)さ、そのキャラクターに完全になる…なろうって思う態度ってさ、「失敗してもいいと思う態度」だよね。

    さなポン:チャレンジっていうね。

    倉川:そうそうそう。なんかもし面白くなくて、みんなが全然笑わなくても、「大丈夫。私は面白いと思うからする」っていう態度は、なんか失敗が怖くない態度だと思うから、そういう人はすぐに日本語上手になるなって思いますね。本当にそうだよね。すぐ上手になるよね、そういう人って。

    さなポン:本当にそう思いますね、今まで。

    倉川:ノリの良さ、大切だよね、教室でも。

    さなポン:ノリが良い人は早く上手になってますね。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    倉川:…という話もさ、あるんだけど、それをさ、今話してて、私がちょっと思ったのは、じゃあ、私とさなポン先生、韓国語できますよね? 韓国に留学しましたよね?

    さなポン:はい。

    倉川:韓国で韓国語を勉強したじゃないですか。

    さなポン:すごく昔ね。

    倉川:そうだね。じゃあ、その時に、私たちはノリが良い学生でしたか? 教室で。

    じゃあ、さなポン先生、ここちょっと何々さんになって読んでくださいって、その韓国語の先生に言われた時に、さなポン先生、「はい!」って。

    さなポン:……やらなかったね。

    倉川:なれなかったよね。私もそうなんだよね。

    さなポン:やらなかったね。そんな授業だったかな?

    倉川:あったと思うよ。じゃあ、何々さんと何々さん、これ読んでください、みたいな。日本語の本よりは少なかったけど。

    さなポン:ただ、教科書を読まされた記憶が。

    倉川:本当?

    さな: つまらない授業だった。

    倉川:そうなんだ、韓国語のクラス。私のは、結構楽しいクラスもあったね。

    さなポン:いいな。

    楽しいクラス、そういう会話の練習のクラスで、やっぱできなかったですか? ロールプレイングで、その役になって、自分が誘う役とかで、「何々さ~ん!」みたいな。

    倉川:できなかったですね、私。

    さなポン:「こんにちは!!はじめまして!!」みたいな。

    倉川:できなかった。できなかったんだよ。今なら多分できるんだけど、恥ずかしくないから。

    その時はね、恥ずかしかったし、なんかカッコつけたがってた、私は。

    さなポン:若さか。

    倉川:カッコつけたいと思っていた。カッコいい人…でありたい。カッコいい人になりたいって思ってたから。

    さなポン:クールな?

    倉川:そうそうそうそう。真面目なクールな人になりたいと思ってたから、できなかったね。

    (スクリプトはここまでです!)

    18 min
  • 【JLPT N3】今でも信じられない話! #69

    人生の中で、「うわあ、信じられない!」と思ったこと、たくさんありますよね。

    今日はそんな話を、JLPTのN3ぐらいの単語と文法で、日本語の先生が二人で話しました。


    トランスクリプト:


    今でも信じられない話!

    倉川:今まで生きてきて、変なこと、面白かったこと、びっくりしたこと、意外だったこと、たくさんあると思うんですけど。

    さなぽん:ありますね。

    その中で、今でも信じられない!と思うような話を、日本語の先生2人が、JLPT N3ぐらいの単語と文法で話したいと思います。

    さなぽん先生、今でも信じられないと思う話、ありますか?

    さなポン:ありますね。本当に信じられない話なんですけど。

    倉川:ちょっと怒ってます?

    倉川:それ。「え?信じられない!」って。

    さなポン:あ、怒ってないです。

    倉川:あ、怒ってないですね。

    さなポン:もう、まだ、なんかびっくりしてます。

    倉川:あ、びっくりのほうですね。

    さなポン:ドキドキ。ドキドキしている話なんですけど、高校生の時の先生が、ちょっと大切な先生で、いろいろ、人生の中で、なんか、大切にしたい人の一人なんですけど、その先生と、高校卒業しても、ネイルをしたり、ご飯を食べたりする先生なんですね。先生のイメージ、倉川先生、言ってみてください。
    先生は、先生とは?

    倉川:メガネをかけていて、真面目で、ルールに厳しい感じ?私、父が先生なので、ちょっとそういうイメージはありますね。

    さなポン:普通そうですよね。その先生、逆で、メガネはかけていますが、よく言う口癖が、めんどくさいだったんですよ。

    倉川:めんどくさい。したくない。やりたくないって。

    さなポン:なんか、お願い。先生、これやって。とか、これ見てください。
    とか、お願いしても、めんどくさい。って、まず言う先生なんですね。私は、それまで、先生は真面目な先生っていう、倉川先生と同じ考えだったので、うわぁ、先生っぽくない。
    らしくない。でも、なんて正直に言う先生なんだろう?自分の心の声を。
    そう思っていたんですね。で、先生はよく、めんどくさいって言うけど、でも、やってくれるんですよ。言うだけで。
    しかも、しっかり見てやってくれるんですよ。私たちのためを思って。なんか、私、数学の先生だったんですけど、数学があまり得意じゃなかったんですね。
    私が。

    倉川:高校の時ね。

    さなポン:なので、数学の問題、教えてください。とか、結局、夜の6時とか、7時とかまで、教えてくれたことがあったり、私が、どこの大学へ行けばいいか、どうしようかなって、悩んでいた時に、夜8時ぐらいまで残って、私のために、ここの大学がいいんじゃないか?とか、お前だったら、ここがいいんじゃないか?
    とか、いろいろ教えてくれた先生なんですよ。後になって、こんなに私のために、時間を使ってくれてたんだって、大人になって、すごい、いい先生だったんだなって、思うようになったんですね。そういう先生なんですけど、そしたら、大学を卒業して、大人になって、私、日本語教師になるために、東京で面接を受けに行ったんですね。
    最初、私、ベトナムで日本語の先生をしたんですけど、その時に、面接する場所が、東京だったんですよ。

    倉川:あ、そうだったんだ。

    さなポン:はい。わざわざ、東京へ行って、いろいろ面接をしたり、授業を見せたりしたんですね。初めて、日本語の先生になる前の、初めての面接で、すごく緊張していたんですよ。
    東京なので、よく知らない街、人が多いし、面接する場所も、新宿という。

    倉川:探しにくいよね。

    さなポン:そう。新宿って、すごい難しいじゃないですか。日本人でも、出口が何個あるの?みたいな。

    北海道から行ったので、2時間前ぐらいに、その場所を先に見ておいて、遅刻をしないように、よし、ここだっていうのを、2時間前に、私、やってたんですね。

    倉川:うん、やるよね。

    さなポン:必要だよね。それぐらい、緊張していたんですよね。で、面接は失敗したんですよ。

    倉川:あ、そうだったんだ。自分では失敗したって感じ?

    さなポン:あ、そうですそうです。あ、もうダメだって思いました。

    倉川:うまくできなかったって思ったんだ。

    さなポン:うまくできなかったんですよ。で、帰りの空港ですね。うわー、空港のお金も払って、いろいろお金は、自分のお金ですよね。

    倉川:そうよね。飛行機とか。

    さなポン:いろいろ払って、失敗したと思って、かなり空港でも、チーンって落ち込んでいたんですよ。

    倉川:まあ、そう、最初はね、仕方ないよね、でもね。

    さなポン:そうだよね。でも、それを言ってくれる人もいなかったんですね。もちろん、もちろん。
    あの時ね、東京も広いし、人多いし、なんかすごく、ひとりぼっちのような、すごく悲しかったんですけど。そうだね。その時、空港は、学生が多かったんです。
    修学旅行(しゅうがくりょこう)という、中学生とか高校生が、学生時代に1回、旅行をするんですよね、みんなで。

    倉川:学年全部でね、その学年全部で。

    さなポン:学年、みんなで。みんなで旅行をする、修学旅行の学生たちが、けっこういたんですよ。あ、そうか、もうそんな時期だったか、そんな時か、楽しそうにみんな、学生が、笑顔で。

    倉川:制服着てるからね、わかるよね。

    さなポン:あ、いいな、学生って、って私は思ってたんですよ、失敗してるから。仕事がないかもしれないから、私は。

    倉川:そうだよね。

    さなポン:学生に戻りたいなって、ちょっと思ってたんですけど、私は、なんか聞こえるんですよね。え、聞いたことある声だなぁ、と思って。

    倉川:東京で。

    さなポン:東京の空港で、広い空港で、お?聞いたことある声。そこ、近くに行って、学生がたくさんいる、なんかすごい怒ってる人がいる。
    ああ、あの先生だ、と思って。みんなが、周りの人に迷惑をかけていた感じで、それを怒っていたんですね、先生は。

    倉川:なるほど、ちゃんと並びなさいって、怒ってたんだ。

    さなポン:で、そこで、先生、こんにちはって、ちょっと、言いにくいね。言いにくいじゃないですか。ちょっと様子を見て、ずっと見てたんですよね、どうやって怒っているか。
    怒りが、どんどん下がっていくのを、タイミングを見てから、その先生の後ろに立って、お疲れ様です、って言ったんですね。

    さなポン:その先生は、うわーって、なんでお前がここにいるんだ、って言って、こっちのセリフですよ、みたいな。それでちょっと、その先生に、こういうことが、面接で失敗しました、とか、今、私、日本語の先生になりたいんです、とか、いろいろ言って、頑張れよ、みたいな、励ましてもらえて、ありがとう、先生、と思って。

    それでですね、面接はですね、なんと、落ちたんですけど、ダメだったんですけど、最後の人、っていうのかな、断った人が一人いて、合格者の中に、私、ベトナム行かないです、って言った人がいるんですね。そう、行かないって言った先生がいて、じゃあ、さなポンさん、失敗しちゃったけど、合格にしましょう。

    倉川:そういう感じだったんだね。知らなかった。

    さなポン:あんまり言えないじゃないですか。失敗したけど、合格でしたって言えないから、これはもう、なかったことだったんですけど、言っちゃいましたね。

    倉川:そういうことだったんだね。

    さなポン:普通ね、合格です、っていうのが、普通の試験。で、もう、あなたは、すみませんが、頑張りましたが、残念です。他のところで、頑張ってください、みたいなメールをいただいて、え、そう?

    倉川:不合格って言われたの?

    さなポン:言われたんですよ。で、その後で、なんか電話だったかな?不合格って言われたけど、1週間後ぐらいに、電話で、大丈夫ですか?
    みたいな。

    倉川:あ、そうなんだ。

    さなポン:他、決まりましたか?みたいな。電話きて、決まってないです。

    倉川:結果として、いい経験できたよね。ベトナムで日本語の先生を体験するって。

    さなポン:そうそう、そうね。だから、先生たちの中でも、私は全然できない先生って思われていたので、半年後ぐらいに、私の面接をした先生が、来たんですよ、ベトナムで。もう一度、授業見学というか、私の授業を見に来たんですね。
    で、その時に、よー、上手になってるじゃない。

    倉川:えー、嬉しいね。

    さなポン:全然違うじゃない、って言われたのが、すごい嬉しかったです。マイナスだったからかな、最初がさ。

    倉川:スタートがね。

    さなポン:不合格の人だから、それはなんか良かったかなって。

    倉川:自分の成長をね、見せられたからね。

    さなポン:マイナスからのスタート。

    倉川:全然関係ない場所で、偶然。

    さなポン:しかも、自分が落ち込んでいる時に、助けてもらったという、信じられない。ありがとうって。

    倉川:あー、なるほどね。

    さなポン:落ち込んでたけど、ちょっと笑って、札幌帰れますって思いましたね。

    倉川:まあでも、結果良かったからね。合格したからね。

    さなポン:まあ、そうだね。

    倉川:なるほどね。いい話なんだね。

    さなポン:もちろん。いい話ですよ。

    倉川:なるほどね。

    さなポン:私、人生いいことばっかりですよ。

    倉川:そうですよね。そうの方がいいよね。そうあるべきだよね。

    さなポン:ポジティブで。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    倉川:人生の中で、絶対に忘れてはいけない数字ってあると思うんですよね。

    さなポン:数字?

    倉川:数字。

    さなポン:1、2、3、4、5、数字?

    倉川:はいはいはい。

    (スクリプトはここまでです!)

    20 min
  • 10分で日本語慣用句!『渡りに船』 #68

    日本語の先生と、日本語の慣用句(かんようく:idiom)を学ぼう!

    今日は「渡りに船」(わたりにふね:Just what I needed / 雪中送炭 / 가뭄에 단비 / Tepat pada waktunya)という慣用句について、JLPTN3ぐらいの単語と文法で話します!


    トランスクリプト:


    倉川:JLPT N3 !

    さな:10分で日本語慣用句!

    倉川:「渡りに船:わたりにふね」。


    倉川:「渡りに船」というのは、川を渡ろうとしているときに、ちょうど船がやってくるように、「必要なものとか、いい条件のものが、タイミングよく偶然に来ること」を意味しています。何かをしたいなと思っているとき、何か欲しいなと思っているときに、ちょうどいいタイミングで、何かが来ること、その欲しいものが来ることですね。

    倉川:例文。

    会社からの帰り、雨の日に傘がなくて、どうしようと思っていたら、ちょうど同僚が、車で帰るから、乗せてあげるよと言って、車に乗せてくれた。渡りに船だ。

    倉川:例文。

    さなポン:日本語の勉強を始めようと思っていたときに、友達が、面白いポッドキャストあるよと、日本語ペラペララジオを紹介してくれた。まさに渡りに船だ。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    倉川:私、結構ね、この慣用句は、生活の中でよく使いますね。本当にタイミングが良かった、タイミングがいいっていう意味で、よく使ってます。

    さなポン:最近もありました?

    倉川:人生って、基本的に渡りに船だと思うんですよ。人生が渡りに船。仕事を探すときって、ちょうどタイミングが良くなければ、変えられないじゃないですか。

    さなポン:なるほど。新しい仕事に変えるとき。

    倉川:私、今、日本語の先生していますけど、この日本語の先生になるための学校、さなポン先生とクラスメイトだった学校ですね。あそこに入ることができたのは、本当に渡りに船の状況だったからだと思ってますね。

    さなポン:状況が、通える環境だったんですか。

    倉川:渡りに船だったんですよ。私、もともと大学卒業してからは、山で働いていたんですね。北海道の大きい山で仕事をしていて。

    ただ、私、大学生のときから、ずっと日本語の先生になりたいなって思ってたんですよ。山で働いているけど、休みの日はずっと日本語の先生の試験の勉強してたんですね。実は。

    さなポン:そうなの?

    倉川:そう。難しい試験ですよね。

    さなポン:あの勉強していたんですね。もう既に。

    倉川:2年ぐらい勉強して取りましたね。結局ね。だからずっと日本語の先生になりたいなって思っていたんですね。山で働いているときも。ちょっと山の仕事を辞めて、ちょうど札幌という北海道の大きい町、さなポン先生も住んでいる町に引っ越すことになったんですね。実はその時に結婚しようと思ってたんですね。彼女がいて。

    倉川:しなかったんだけど、結婚しなかったんだけどね。っていうのがあって。

    さなポン:人生が…すごいね。

    倉川:引っ越しをしたんですけど、仕事を辞めて。それで、新しい仕事を札幌で始めた……それがラーメン屋さんの管理(かんり)の仕事だったんですね。

    さなポン:いろいろなお店をチェックするっていう感じ?ラーメンの。いろいろなラーメン屋さんをチェックする仕事ですか。

    倉川:それを始めて、それがめちゃくちゃ大変な仕事で、すごい給料をいっぱいもらったんですよ。いいですね。でも、その会社がなくなってしまったんですね。1年くらいのとき。なくなってしまって。どうしようかな。

    さな:無職。

    倉川:お金はめっちゃいっぱい、今貯金があって、でも仕事がなくなったときに、なんとですね、私が管理していたラーメン屋さんの一つが、「うちで働きなよ」って言ってくれたんですね。「ラーメンを今度は作る人にならない?」って言われて、渡りに船だと思って。

    さなポン:そうですね。仕事がなくなったときに。

    倉川:仕事をもらって、それがなんと夜の仕事だったので、あれ?じゃあ札幌に日本語の先生になるための学校あるし、あれ?しかもそれが1月くらいだったのかな。で、まだ新しい日本語の先生になるためのクラスは4月からですよね。

    さなポン:申し込みができるときだったんですね。

    倉川:申し込みができるタイミングだったんですよ。お金もいっぱいある。時間も大丈夫。夜の仕事だから。最高じゃん!と思って。渡りに船だ!と思って。ラーメンを作る仕事になって、朝から昼は日本語の先生の学校に行くという生活がスタートしたんですね。

    さなポン:働きながら勉強していたんですね。

    倉川:これがなければ、日本語の先生にたぶんなれませんでしたね。私は。本当に人生、渡りに船だなって思いますね。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    さなポン:私はですね、小さい頃から映画が好きで、いつか自分は英語をすごく上手に話すことができる人になっているだろうって思ってたんですね。

    倉川:外国の映画が好きだったんですね。英語を話す映画。

    さなポン:あ、そうだね。そうそう。外国語の映画が好きで、ずっと英語は好きだったんです。だけど上手にならなかったんです。

    倉川:あまりチャンスなかったね。アメリカに行くチャンスとかね。

    さなポン:今ってね、いろいろな勉強する方法がたくさんありますよね。AIを使ったり。

    倉川:オンラインクラスとか。

    さなポン:そういうのが、私が若い時はあんまりなくて、本で勉強するのが多くて。

    倉川:本とCD。

    さなポン:うん、CD、そう。

    倉川:YouTubeもあまりなかったよね。

    さなポン:そうそうそう。CDをたくさん聴いても、全然上手にならなかったんですよね。

    倉川:使うチャンスがなかったんじゃない?

    さなポン:それもありますね。友達がいなかったしね。で、大人になって、日本語の先生を始めた時ですね。同僚ですね。一緒に働いてる先生が顔が広くて。

    倉川:顔が広い。

    さなポン:いろんな人と友達で、その友達がフィリピンに今いて、恋人に日本語の勉強をさせたいと。で、日本語の先生を紹介してくれないかって言ってたんですよね。で、その彼氏は、フィリピンの人で英語の先生なんですよ。

    倉川:へー、そうなんだ。

    さなポン:そうなんですよ。で、同僚から、「先生、英語勉強したいって言ってましたよね。日本語を教えて、その先生から英語を教えてもらうっていうのはどうですか」って急に言われたんですね。おー!渡りに船だ!って思って、ちょっと軽い気持ちで始めました。始めて、オンラインで始めました。お金はね、もちろんないので、払ったりもらったりもしないんですけど、時間になったら、オンラインで、私は日本語を教えて、1時間教えて、1時間経ったら、英語を勉強するっていう2時間。

    倉川:言語交換(げんごこうかん)みたいな感じ?

    さなポン:教え合って、学び合い、習い合いましたね。

    倉川:今は?今も?

    さなポン:それがですね、あのですね、気が短い人で。その人が。

    倉川:気が短い?

    さなポン:その彼女さんが、一緒に暮らしているんですね。その二人が。

    倉川:はいはいはい。フィリピンで。

    さなポン:フィリピンの方と、その同僚の友達が一緒に暮らしているので、日本語の勉強の仕方をずっと見ているんですよね。

    倉川:隣で?

    さなポン:隣で。で、その彼が何か間違ったり、「うーん」って止まると、「違うよ!」って怒られるんですよ。

    倉川:オンラインで、さなポン先生が話している時に、隣にその彼女さんがいるんですね?

    さなポン:ちょっと遠くにいるけど、遠くから、「違う!」「あれでしょ!」「そうじゃない!」とか聞こえるんですよ、私。

    倉川:怖いと思って。チェックされてるんだ。

    さなポン:そうそう。私も何か教え方をチェックされているような気がして、ちょっと何か、お互いにカメラで見えるから、ずっと苦笑いなんですよね。

    倉川:みたいな。うん。あー、みたいな。

    さなポン:あーって、お互いやりづらくて、結局、しばらく1か月、2か月やって、3か月目ぐらいから、彼の方から、「ごめんなさい、今日は胃が痛くて休みます」とか、「すいません、今日は用事があるので休みます」っていうのが多くなって、自然になくなりました。

    倉川:自然になくなることあるんだ、それ。

    さなポン:自然になくなりました。

    倉川:へー、ある日突然連絡しなくなるんだ。

    さなポン:ある日突然別れてらっしゃいました。

    倉川:あ、そうなんだ。

    さなポン:そういうね、渡りに船っていうことありましたね。

    倉川:なるほどね。渡りに船で、船には乗れたけど、船がちょっとなくなってしまいましたね。

    さなポン:落ちちゃった。沈んじゃいましたね。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


    倉川:日本語の慣用句、渡りに船、勉強しました。はい。でもね、私、さなポン先生と私の話を聞いて、ちょっと思ったんですよ。お金を払っていく外国語のクラスと、私と勉強した学生の日本語の成績、同じだと思うんですよね。

    さなポン:え?どういうことですか?

    倉川:どちらも、ゆうりょう(優良/有料)です。

    さなポン:おー、よいしょ!


    10 min
  • #67 『○○すぎて、滅』(日本語の先生と新しい日本語を学ぼう!)

    2025年からよく使われるようになった、新しい単語、「○○すぎて滅(めつ)」。

    意味は「本当に○○すぎる」というシンプルなものですが、どうしてこれが使われるようになったのでしょうか。

    JLPTのN3ぐらいの単語と文法で話しています。


    トランスクリプト:

    倉川:日本語の先生と、新しい日本語を学ぼう。

    さなポン:〇〇すぎて滅。

    倉川:最近、インターネットでは、この言葉、よく使われていますよね。

    さなポン:聞きますね。見ますね。

    倉川:どこで見ます?

    さなポン:コメントですかね。

    倉川:SNSですか?

    さなポン:SNSのコメントで見ますね。

    倉川:「〇〇すぎて滅」は、去年だね。

    さなポン:去年から、そうですね。去年。

    倉川:日本のインターネットで、よく使われているスラング(Slang / 俚語 / 속어 / Bahasa gaul)ですね。若者言葉だね。

    特に、かっこよすぎて滅とか、好きすぎて滅みたいな使い方がされて、意味は、気持ちがハイになって、消滅(しょうめつ)してしまいそうな状態。

    さなポン:自分が?

    倉川:そうそう、自分がね。

    さなポン:気持ちのせいで。

    倉川:だから、簡単に言うと、「最高すぎる」とか、「本当に大好きだ」という気持ちですよね。

    さなポン:気持ちが止まらないっていう、その気持ちでいっぱいっていうことですね。我慢できない。

    倉川:我慢できない。で、これが滅っていう単語がさ、もともと消滅するという意味なんだよね。なくなるっていう意味なんだけど、

    この「〇〇すぎて滅」は、すごくポジティブな気持ちなんですよね、実は。そうですね。消滅はちょっとネガティブな感じがするけど、この単語はすごいポジティブな、大好きだ、本当に好きすぎるっていう意味なんですよね。

    ちょっと面白い言い方だね。単語はちょっとネガティブな、マイナスな意味があるように見えるけど、すごくポジティブな意味だということですね。


     で、きっかけは、2025年、去年の10月にですね、ある日本の歌手のグループ、アイドル?

    M!LKっていうのかな?というグループの、「好きすぎて滅!」という曲があるんですけど。

    それ、知ってます?

    さなポン:よく流れていましたよ。街中がこの曲でしたね。

    倉川:そうなんだ。

    さなポン:去年。どこでも。

    倉川:だからか。

    さなポン:流れていました。

    倉川:それが、この「〇〇すぎて滅」が流行するきっかけになったと言われていますね。

    さなポン:そう思います。

    倉川:ちょっと台湾では、あまり聞いたことないんですよね、実は。

    さなポン:そうなんですね。この歌を。

    倉川:さっき初めて聞きました。準備中。よく流れてたんだね、日本では。

    さなポン:よく流れていましたよ。

    倉川:歌えますか?

    さなポン:歌えません。

    倉川:でも、メロディーはわかる?

    さなポン:そうですね。

    倉川:さっき私も勉強しました。

    さなポン:すごく100万回ぐらい聞きました。

    倉川:デパートとか、お店で流れてるんだね。

    さなポン:お店とかね、スーパーね。

    倉川:自分の生活の中で、私たちはあまりないかな?使うこと。

    さなポン:そうですね。〇〇すぎて滅ってないですよね。

    倉川:言わないですよね。

    さなポン:10代だったら、言っていたかもしれません。

    倉川:10代。私たちが10代の時は、〇〇ですよね。

    さなポン:やばい。かわいくてやばい。

    倉川:かわいくてやばい。まじかわいいでしたかね。まじでしたね。

    まじでしたね、私は。さなポン先生、やばいか。

    さなポン:そういうことにします。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    さなぽん:かわいすぎて滅っていうことがあったんですけど。

    倉川:娘さんですか?

    さなポン:そうなんです。娘の話を今からするんですけど。

    倉川:やっぱりね。

    さなポン:娘に、かわいすぎて滅とは言っていません。先に言いますね。心の中で、かわいすぎて滅って思いましたっていう話です。

    倉川:なるほど、なるほど。娘さんかわいいからね。

    さなポン:ありがとうございます。5歳になったんですね、娘。結構5歳でも、日本語の言い間違いをよくするんですよ。

    倉川:覚えたてだからね、まだね。

    さなポン:例えば、1歳だった頃は、…5月になると、いろいろなところで見られるものがありますよね。魚のあれです。

    倉川:「こいのぼり」(Carp streamer / 鯉魚旗 / 잉어 깃발 / Bendera ikan koi)ですか?

    さなポン:正解です。こいのぼりを言うことができなくて、ほら、見てあれ、こいのぼりだよって言ったら、1歳の娘は、「かみみ、かみみ」って言ってたんですね。

    倉川:口が回らないんですね、難しくてね。

    さなポン:たぶんね。こいのぼりって5文字?こいのぼりって見せても、「かみみ」って終わるんですよね。

    かわいい、5文字言えないんだ。

    倉川:長かったんだ。

    さなポン:長かったんですね。


    さなぽん:で、最近もそれがあって、突然、…今娘5歳なので、幼稚園に通っているんですけど、小学校の前に行くところですね。幼稚園から帰ってきて、その日、あった話を私に教えてくれたんですね。

    倉川:今日、何々があったよ、友達と何々したよってね。

    さなポン:「何々ちゃんとぶつかって、頭がね、痛くなったの。ここ見て、てんこぶつあるかな?」

    私は、何?

    頭に何? 「てんこぶつ、できたかな?」

    かわいすぎて、滅ー!って思って。

    倉川:頭にぶつかったときにできるのは、「たんこぶ」(Bump / 腫包 / 혹 / Benjol)ですよね。たんこぶ。頭がちょっと、少しだけ、腫れることですよね。

    さなポン:ちょっと大きくポコンってね、出ること。あれをたんこぶと言うんですけど、どこで覚えたのか、ちょっとわからないんですけど。

    倉川:先生が言ったのかな?大丈夫?たんこぶできたかな?

    たぶん、幼稚園の先生が言って、娘ちゃんが、これの名前は、てん何々だって覚えたんですね、きっとね。

    さなポン:てんで覚えたんですね。

    倉川:てん何々だって覚えたけど、一回しか聞いたことないから、お母さんに言うときに、ちょっと失敗しちゃったんだね。

    さなポン:でも、まだ失敗が続いているんですよね。

    倉川:そうなんだ。

    さなポン:今でも、ここ、頭にできる痛いのなんだって、私が問題を出すと、自信満々に、自信いっぱいに答えますよ。

    倉川:教えてあげないんですか?それは、てんこぶつじゃなくて、たんこぶだよって教えなかったんですか?

    さなポン:何回も教えてます。

    倉川:てんこぶつ。なんで治らないの?それは、てんこぶつじゃないよって教えたのに。

    さなポン:わかりません。娘に聞いてください。

    倉川:じゃあ、それは違うよって言ったら、何て言うんですか?

    さなポン:てんこぶつです。てんこぶつ。間違いを言っても、あんまり認めないんです、私の娘は。

    倉川:自分の辞書を作っちゃったんだね。いつ治るんだろうね。面白いね。

    さなポン:そうなんですよ。こいのぼりも、1歳でかみみで、まあ、いっかと思って、そのままで。

    倉川:1歳はね。

    さなポン:2歳も、ちょっとアレンジしてたんですよね。こみのぼりみたいな。こいのぼりではないけど、間違えてたんですけど、幼稚園に入ってから、ちゃんとこいのぼりって言ったんで、治った、自然に、と思って。

    だから、待ちます。てんこぶつも、たんこぶになるように。

    倉川:いつか治るのかな?

    さなポン:待ちます。

    倉川:どの時に、あ、お母さんが言ったこと正しかったんだ。

    私が間違ってたんだって、どうしてなるんだろうね。どのタイミングでなるんだろうね。他の人の話を聞いたときなのかな?

    さなポン:もしかしたら、耳には、たんこぶって聞こえないのかなって思ったり。発音が、聞こえる音と出す音が、まだ合ってないのかなって思います。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    倉川:私はね、「うますぎて滅!」と思った経験ですね。

    さなポン:おいしかった話?

    倉川:このうまい、うますぎてのうまいはね、おいしいの意味ですね。

    さなポン:おいしすぎて。

    倉川:私、台湾に住んでいるんですけど、外国に住んでいますから、ちょっとやっぱり外国らしいことをしたいですよね。で、毎日家と会社行くだけだから、外国生活と言ってもね。だから、ちょっと外国らしいことをしたいと思って、スーパーに行くときは、必ず今までに食べたことがない、飲んだことがないものを買うようにしてるんですね。

    知らないもの。なんだろう、これみたいなのを買って食べてるんですけど、この習慣をね、2年ぐらい前に始めたんですけど、めっちゃ思ったことは、いいものは、ちゃんと海を渡るということですね。

    さなポン:本当においしいものとか、いいものは、世界に広がる、みんな食べたことがあるものになる。

    倉川:そうそうそうそう。いいものは、ちゃんと海を渡るんです。だから、もし台湾においしいものが、有名なものがあったら、遠い国の北海道でも、ちゃんと行くと言ってるんですよね。

    例えば、小籠包とか、タピオカミルクティーとか、鼎泰豊、台湾の有名なレストランもオープンしましたよね、札幌に。

    さなポン:ありますね。

    倉川:いいものは、ちゃんと海を渡るんですよ。日本に行くんですよ。世界にちゃんと知られるんですけど、けど、そうじゃないのも、ちゃんとあるわっていうのを最近知りました。

    さなポン:まだ、みんな食べたことがなくて、おいしいものはありますか?


    (スクリプトはここまで!あとは自分で聞いてみよう!)



    16 min
  • #66 〇ぬかと思った話【JLPT N3】

    「うわ!危なかった!今、本当に〇ぬかと思った…」という経験、みなさんもあるかもしれません。

    今日はJLPTのN3ぐらいの単語と文法で、人生の危なかった経験を話しました。


    トランスクリプト:



    さな:JLPT N3で!

    倉川:死ぬかと思った話。

    ちょっと人生でね、人生長いじゃないですか。

    さな:100年ですか

    倉川:(100年)生きる時代と言われてますけども、普通に生きていたら、「うわっ危なかった」「今死ぬかと思った」危ない経験ってあると思うんですよね。

    さなポン:ありますね。

    倉川:危なかったなって思う経験。

    さな:はい、死ぬかと思った。

    倉川:今までどんな経験ありますか?

    さなポン:だいぶ前の話なんですけど、すごく仕事が忙しくて、今やってる日本語の先生、日本語教師をやる前の仕事をしていた時の話なんですけど、ちょっと大変な仕事で、朝から夜までずっと残業もある仕事をしていたんですね。

    化粧品を売る仕事だったんですけど、意外とノルマ(Quota / 配額 / 할당량 / Target)といって、1ヶ月に何個売ってくださいとか、何万円分売ってくださいとかっていう会社から言われるんですね。その目標のために毎日私は頑張って働いていたので、休みの日も休めない感じだったんですよ。いつも化粧品のことを考えている社員だったんですよ。一人で住んでいたので、家へ帰ってご飯を食べて寝て、また働きに行って、遅くまで働いて帰って食べて寝てみたいな生活をずっとしていたんですね。

    倉川:結構大変だったね。

    さなポン:そしたら夜ですね、急にお腹が痛い痛い痛いってなったんですよ。家で寝ていた時に、はっと起きて、「痛い痛い痛い」ってなって、こんなにお腹痛くなったことないぐらい、人生で一番痛い痛みだったんですよ。まずトイレ行って……

    倉川:そっちか。なるほど、お腹の上の方じゃなくて下の方だったんだ。

    さなポン:上も下も痛くて、もう何なんだっていう、「これはどうした、体」っていう。とりあえずトイレ行き。でもずっと痛いんですよ。そうしているうちに、今度は上の方が、胸の方が気持ち悪くなってきて、「うー」ってなっちゃったんですね。今度は下の方も「うー」ってなっちゃったんですよ。

    倉川:痛いんだよ、どっちも。

    さなポン:トイレでだから、上も下も「うー」。本当に忙しくて、しぬー!って思いました。気づいたら朝で、気づいたら横になってたかな、どっかで。もう本当に全部の力がなくなって、気づいたら「私今どこ?」みたいな感じで。朝だと思って、まだ気分も悪いし、お腹も痛いので、会社に電話をして、「すみません、今日行けません」って言って休んだんですけど、一人暮らしなので誰もいないんですよね、助けてくれる人が。

    倉川:そうだねー。

    さなポン:つらかった。お水が欲しくても、もう行くまで遠いんですよ。広いお家じゃないんですけど、冷蔵庫まで遠いみたいな。

    倉川:一人暮らしの悲しさだね。

    さなポン:健康第一って思いましたね。そしたら夕方、仕事を終えたアルバイトの方がピンポーンって来てくれて……

    倉川:心配して。

    さなポン:さなポンちゃん、大丈夫?って心配して、わざわざ来てくれて、いろいろゼリーとかお水とか買ってくれて、なんとか生き返りました。

    倉川:その後病院行ったの?

    さなポン:行きました。ストレスで、お腹の風邪、胃腸炎(いちょうえん:Gastroenteritis / 腸胃炎 / 장염 / Gastroenteritis)、お腹の風邪って言われました。ストレスですって言われましたね。

    倉川:ストレスでなるんだ、胃腸炎って。

    さなポン:私も知らなかったので、それまで胃腸炎っていう病気の名前ですが結構よく聞きますよね。

    倉川:そうなんだ。

    さなポン:大変だったねぐらいに友達に今まで言っていたんですよ。言っていたんですけど、もう大変な病気です。なったら大変。死ぬかと思いました。気を付けてください。

    倉川:それから病院に行って、「ストレスでこの病気になりました、なったようですね」ってお医者さんに言われたでしょ。

    さなポン:はい、言われました。

    倉川:それからちょっとこう、自分のストレスをなくすために何かしたんですか?だってそのままだったらまた同じことになるでしょ。

    さなポン:会社のことが多分ストレスだったんですね。

    倉川:そうだよね。ノルマがあるからね。

    さなポン:だから会社の偉い人、上の方に言いました。「私、ストレスでちょっと胃腸炎になっちゃったんですよ。ちょっとこのやり方はどうなんでしょうか」って言いました。

    倉川:なんか変わりました?

    さなポン:それ変わりました。

    倉川:よかったね。


    倉川:私、台湾に来てから、台湾に住んでますけど、来てすぐに胃腸炎になったんですよね。

    さなポン:同じだ。

    倉川:人生で初めてかな。外国で初めて経験した胃腸炎は結構大変でしたね。

    さなポン:大変ですよね。

    倉川:お腹痛くはなかったかな、私の場合は。

    さなポン:そうですか。

    倉川:ストレスじゃなくて食べ物だったから。

    さなポン:食べ物でもなるんですか?

    倉川:なんか分かんない。お腹の風邪ですよね。

    さなポン:そうなのかな。

    倉川:お腹の風邪ですって言われたんですよね。なんだったかな。誰かにもらったのか、ウイルス性か忘れちゃったけど、その時は結構休みましたね。会社休んで3日間ぐらい。

    さなポン:結構かかりますよね。

    倉川:そうだね。水とか飲み物ばっかり飲んで、地獄みたいな生活をしましたね。

    さなポン:上も下もですよね。大変ですよね。

    倉川:私ね、上は大丈夫だった。吐かなかったね。下だけ。下、トイレずっと行ってたみたいな。

    さな:来たばかりで、それは辛いわ。


    倉川:ところで、さなポン先生ってアレルギー(Allergy / 過敏 / 알레르기 / Alergi)あります?

    さなポン:アレルギー、病院で見てもらったことないので本当かどうかは分かりませんが、花粉、鼻の……

    倉川:最近ですか?

    さなポン:最近。もう認めます。今まで認めていなかったんですが、花粉アレルギーです。

    倉川:なるほどね。ついに。ちょっと悔しい。日本人の一般的な病気、花粉アレルギー、花粉症になってしまいましたね。鼻水ですか?

    さなポン:鼻水と目がかゆいです。

    倉川:花粉症ですね。

    さなポン:悔しい。

    倉川:もう終わったでしょ、北海道は。

    さなポン:終わりました。もう終わりました。

    倉川:5、6月かな。

    さなポン:4月、5月。

    倉川:そっかそっか。私も花粉症なんですよ。すごいひどい花粉症なんですけど、それ以外は実はあまりアレルギーらしいアレルギーがなくて。学生さん、日本語勉強している学生さんの中に、「私なんかエビアレルギーで、子供の時はエビが食べられたけど、今はもうエビ食べられないんですよ」みたいな人とか……

    さなポン:いますね。かわいそう。

    倉川:かわいそう。

    さなポン:味知ってるからね。美味しさを知っているのに食べられなくなるって悲しいですよね。

    倉川:ちょっとね、かわいそうだな。なんか時々「あれ食べたい」みたいなあるじゃん。それが人生、一生、死ぬまで食べられないのは、ちょっとなんかかわいそうだなって思いますね。

    さなポン:絶対死ぬ前食べる、私。

    倉川:アレルギーでも?

    さなポン:死ぬ前なら。

    倉川:そうかもね。私もなんかそれ聞いて、「うわー、なんかかわいそうだな」って思ってたんですよ。まさかね、自分がね、そうなると思ってなくて。あのね、私……

    さなポン:そうなんですか。

    倉川:去年ですね。私、台湾に住んでるんですけど、台湾ってフルーツめちゃくちゃ美味しいんですよね。果物、パイナップルとかレンブ、バナナ、そしてマンゴーですよね。有名なマンゴー。去年、夜のクラス終わって、日本語のクラスが終わって、学生さんの、すごい長く勉強してる、3年ぐらい一緒に勉強してる学生さんの一人が、「先生、私、実家からたくさんマンゴーをもらったので、先生も食べてください」って言って、マンゴーを2個くれたんですね。


    倉川:2個もらって、「ありがとうございます」って。去年のちょうど今ぐらいだね、6月ぐらいはマンゴーの旬だから、一番美味しい季節。旬。もらってありがとうございますって言って、私、マンゴーを自分で買ったことなかったので、自分で初めて家で切って食べるなーと思って、いい機会だなーと思って、本当に嬉しかったんですね。マンゴーめっちゃよく食べるんですよ。台湾って普通にそのまま食べるし、かき氷にかけて食べるでしょ、マンゴー。台湾ではね。

    さなポン:生マンゴー。果物の、すごく贅沢。

    倉川:そうなんですよ。美味しいよね。台湾に来たばかりの時はよく食べてたんですね、そのマンゴーかき氷。最近はちょっと食べてなくて、久しぶりだと思って家に持って帰って。その時結構忙しくて、家で4時間ぐらい仕事をしてから、夜の1時ぐらいですかね。「ちょっとお腹空いたなー」と思って、「ちょっとマンゴー食べよう」と思って冷蔵庫からマンゴー出して切って、マンゴー食べて、「美味しいな、とろとろだ」と思って、もう1時間ぐらい仕事したかな。2時半とか3時に寝たんですよ。「疲れた」と思って寝て、完全に寝たんですけど、多分10分かそれぐらいで、お腹が痛すぎて目が覚めたんですよね。「なんだこれ、やばい」と思って。

    (スクリプトはここまでです!つづきはYouTubeで!)

    15 min
  • #65 日本語の先生と新しい日本語を学ぼう!『話を盛る』

    日本語の先生と新しい日本語を学ぼう!

    今日の単語は「話を盛る:はなしをもる」です。調べてみると、意外な語源(ごげん)がわかりました。

    JLPTのN3ぐらいの語彙と文法で話しています。


    トランスクリプト:


    さなポン:あ~!暑い! 北海道暑いよ! 聞いてくださいよ、倉川先生。

    倉川:どうしたんですか?

    さなポン:いや、北海道暑すぎて。40℃いきました。本当に暑いんですよ、北海道、今。

    車の上で卵を割ると目玉焼きできちゃうんですよ。本当なんですよ。

    それから私、もう喉が渇いて渇いて、飲んでも飲んでも渇くんですよ。昨日は4リットル飲みました。

    倉川:えー、この人ちょっと話盛りすぎじゃないかな…。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    日本語の先生と新しい日本語を学ぼう!

    「話を盛る」。


    倉川:話を盛るという言い方、よく使いますよね。

    さなポン:よく使いますね。

    倉川:意味はですね、「実際の自分の体験とか事実とかを大げさに面白く話すこと」。または、「自分をよく見せようとして大げさに話すこと」なんですね。

    例えば、さっきさなポン先生が言ってた「昨日4リットル水飲みましたよ。」とかは、話を盛っていますよね。

    さなポン:そんなに飲んでないですからね。

    倉川:4リットル大変ですよね、飲んだら。

    さなポン:実際はね。

    倉川:飲みすぎだよね。

    嘘ではないんですよね。ちょっと事実(じじつ)は入ってるんだよね。

    さなポン:全部嘘ではないですね。

    倉川:でも、その量とか程度とかをちょっと大きく、話を面白くするために、大きくしていることですね。

    これの語源(ごげん:Etymology / 詞源 / 어원 / Etimologi)知ってます? さなポン先生。

    さなポン:知らないです。

    倉川:私も知らなくて調べたら、すごい面白かったんです。

    一応、日本語の辞書にはですね、2012年頃載ったようですね。だから15年ぐらい前ですか。にはもう日本ではほぼ定着していた。

    語源はですね、2005年から2006年頃、日本にはですね、ギャル(Gyaru style / 日本辣妹風 / 갸루 패션 / Gyaru style)という女性のスタイルがありますよね。ファッションスタイル。

    髪が金色で、肌がちょっと黒くて、メイクが濃い人たちをギャルと言いましたけど、2005年頃のギャルのための雑誌で「盛り髪」というのがすごく流行したんですね。

    覚えてます?

    さなポン:髪を盛るんですね。

    倉川:髪を大きく見せるスタイルがすごく流行したんですよね。

    さなポン:盛り髪ね。

    倉川:髪を盛るという使われ方だったんですけど、それは「よく見せる」という意味で使われたんですね。

    さなポン:今日盛れてるってね。

    倉川:今日の髪盛れてるねって。

    さなポン:言ってた言ってた。

    倉川:言ってました?

    さなポン:いや、私は言ってないけど、言ってる人を見た。

    「今日盛れた。」とかって。

    倉川:うまくセットできたという意味ね。

    さなポン:スプレーかけて固めて、ちょっとふんわりさせることですよね。

    倉川:それが髪だけじゃなくて話にも使われるようになって、話をちょっと大きくすること、よく見せることを「話を盛る」という言い方になったようですね。

    さなポン:髪から来てるんだ。面白い。

    倉川:本当かどうかは、実は語源を調べるのはすごく難しいので100%とは言えないんですけど、一応そういう意見が一般的であるようですね。

     それから2022年の文化庁が調査した結果によると、この「盛る」という単語は、もう80%の人が「他の人が使うのは気にならない」、50%の人は「私も使うことがある」と答えているようです。

    さなポン:ほぼほぼ使ってるんじゃない? これはもうみんな。

    倉川:15年前は若い女の子だけの単語だったんですけど、今はもう80%以上の日本人が、もうこれは普通の日本語だ、他の人が使っても変だと思わないと答えているんですね。

    さなポン:そう思います。私も。

    倉川:完全に普通の日本語になったということです。

    さなポン先生、話を盛ることありますか?

    さなポン:よく盛っていますね。私は話を。

    倉川:それは日本語教師として、先生として話を盛ってるんですか? 人として? いつも?

    家族と話す時も話を盛ってるんですか?

    さなポン:プライベートですね。友達と話す時、家族と話す時はもちろん、間違いなく盛りがちですね。盛っています。

    倉川:盛りがち?

    さなポン:盛っています。

    倉川:どんなことを話す時に盛ってますか?

    さなポン:もう本当に、「聞いて!」っていう(とき)。この話聞いてっていうことが大きければ大きいほど、聞いてほしい時ですね。よく盛っています。

    倉川:嫌なことがあった時とかですか? 「あの人ちょっとこんなに問題あるんだけど、うわぁ本当に良くないんだけど。」って話したい時ですか?

    さなポン:いや、自分のことですね。ほとんど。

    倉川:自分のこと?

    さなポン:人のことじゃなくて、自分のことですね。

    例えば、心配してほしくて盛ります。

    倉川:大丈夫?って言われたいんだね。

    さなポン:心配されたくて話を盛ります。

    倉川:心配されたいんですか?

    さなポン:心配されたいです。

    「大変だったね。」「それは大変だったね。」って。「大丈夫?」って。

    倉川:大変だねって言われたいんだね。

    さなポン:大丈夫だった? って言われたくて盛ります。

    倉川:なるほど。なんか最近そういう方向で盛った話、覚えてます?

    さなポン:でも本当に日常的に盛っているので。

    例えば昨日はかなり渋滞(じゅうたい:Traffic jam / 塞車 / 교통 체증 / Macet)してたんですね。

    「30キロくらい渋滞だったんだよ。」とか。

    いつも混む道路が、いつもは5キロくらいだったんだけど、「30キロくらい。本当に信号が青になっても行かなくてさ。いやー、会社間に合うかギリギリだったんだよね。」みたいな。

    倉川:それ、ご主人に話してるんですよね?

    さなポン:はい。主人です。

    「うーん、大変だったね。」って。

    倉川:言われたいんだね。「大変だったね。」って。

    さなポン:朝から大変。

    大変だったのは大変だったんですよ。でも、すごく大変だったことを伝えたいんです、私は。

    倉川:なるほどね。

    さなポン先生、娘さんいらっしゃるでしょ?

    娘さんと話す時も盛りますか?

    さなポン:盛らないです。

    倉川:盛らないんだ。

    娘さんには本当のことで。

    さなポン:嘘になるから。

    嘘はつきたくないかな、娘に。

    そうだよね。私の話を聞いているから、盛り癖になりそうですね。

    倉川:そうですね。

    盛り癖があったら、ちょっとできれば本当のこと話してもいいよね。

    さなポン:そうですね。

    倉川先生、盛りませんか? 話を。

    倉川:私、仕事で日本語の先生として自分の話とか、ちょっと面白い話とかする時あるでしょ?

    その時はね、結構盛りますね。

    それはちょっと盛った方が面白いかなと思うので、話を盛って話しますね。

    さなポン:面白い話を盛るんですね。

    倉川:やっぱりちょっと感情が入ってた方が面白いから。

    さなポン:もっと面白くするために話を盛るんですね。

    なるほど。

    倉川:普通の生活では、私も考えてみたら、自分が大変だった話ってちょっと盛りがちですよね。

    みんな、ね。

    さなポン:そうですよね。

    倉川:私もそうだなと思いましたね。それ聞いて。

    さなポン:結構盛ってますね。

    倉川:大変だった話? 忙しかった話って盛ること多いかな。

    そうそう、忙しかった話。

    「本当に朝から夜までマジで1分も暇な時間ないんだよね。」みたいな。

    さなポン:そうそうそうそう。

    倉川:「寝る時間なくてさ。」みたいな。

    さなポン:本当にそう。

    倉川:本当は7時間ちょっと寝てるんですけど。

    さなポン:それくらいね、大変だったっていうことですね。

    倉川:それは盛って話してるなって、自分でも思った時はちょっとありますね。


    倉川:何年か前、私まだ北海道に住んでいた時に、大学卒業して最初の2年ぐらいは北海道の山の中で働いてたんですよ。会社員として。

    日本語の先生になる全然前ですね。

    北海道の大きい山の中で働いていて、山の近くの町なので、本当に田舎の田舎なんですね。

    小さい町で、図書館1つだけ、体育館1つだけ、コンビニも1つ。

    スーパーは有名じゃないスーパーしかなくて、だいたい夕方の8時に閉まるんですね。

    すごい不便な場所でした。

    そんな山の近くに住んでたんですけど、私が住んでた時にですね、蛾(が)。

    虫ですね。

    夜に光に向かって飛ぶ、蛾(が:Moth / 蛾 / 나방 / Ngengat)という虫いるでしょ?

    さなポン:蝶々だけど、綺麗じゃない蝶々ね。

    倉川:バタバタバタっと飛ぶ、ちょっとあまり綺麗じゃなく見えるガという虫がいるんですけど、その虫が超大量発生(たいりょうはっせい:Outbreak / 大量發生 / 대량 발생 / Muncul dalam jumlah besar)したんですね。

    さなポン:たくさん生まれたんですね。

    倉川:その時にニュースにもなったんですけど、北海道で大量発生した時期があったんですよ。

    さなポン:確かにあったね。そういう時あった。

    倉川:私、そのニュースは聞いてたんですけど、自分にはそんなに関係ないなって思ってたんですね。

    ある日、会社から山を下りて帰ってきて、小さい町ですから、ちょっと晩ご飯買いに行こうと思って。

    でももう8時過ぎてたから、コンビニに買いに行ったんですね。

    (続きは自分の耳で聞いてみましょう!)

    17 min
  • #64 日本語の先生と新しい日本語を!『陰キャ・陽キャ・無キャ』

    日本語の先生と新しい日本語を学ぼう!

    今日の単語は、「陰キャ(いんきゃ)・陽キャ(ようきゃ)・無キャ(むきゃ)」です。

    陽気な人は陽キャ、陰気な人は陰キャ、という意味なんですが、…私はあまり使わないかな?


    トランスクリプト:


    さなポン:ぽんぽんぽーん!何かが始まっちゃうぜ!easy to dance!!

    倉川:うわー、あの人、陽キャだなー。苦手だなー。


    倉川:日本語の先生と新しい日本語を学ぼう!

    さな:陽キャ、陰キャ、無キャ。


    倉川:陽キャ、陰キャ、この単語、さなぽん先生聞いたことありますか?


    さな:ありますよ。

    さなポン:陽キャは明るい人、陰キャは静かな人とかですかね。


    倉川:うん、そうですね。陽キャというのは陽気なキャラクター。つまり、簡単に言うと性格が明るい人という意味ですよね。

    陰キャというのは陰気な人、つまり性格が暗い人という意味で、無キャというのもありますけど、知ってます?


    さなポン:これ初めて聞きました。無個性な人ですか?個性がない人。


    倉川:そうそうそう。無個性な人、が無キャと言われているようですね。

    調べてみると、大体2021年ぐらいから。


    さなポン:5年くらい前ですか?


    倉川:そうですね。コロナが…始まってちょっとぐらいかな。それぐらいですかね、から、インターネットでは言われ始めているようです。


    使っていますか?さなぽん先生。「うわー、あの人陽キャだな」、とか、「私ちょっと陰キャかも」、とか話してますか?


    さなポン:言ったことはないですね。話したことはないですが、心で思ったりはしますね。


    倉川:あ、そう?


    さなポン:「うわー、陽キャじゃーん」、みたいな。


    倉川:あ、そう?



    さなぽん:「あの人陽キャじゃーん」、みたいな。


    倉川:さなポン先生の心の単語帳の中には入ってるんですね?陽キャ、陰キャ。


    さなポン:入ってますね。


    倉川:えー。


    さなポン:「うわ、眩しい、陽キャだ!」、みたいな。心の単語帳ですね。


    倉川:それ、会社員生活の中では、あの人陽キャだ、みたいなのがあるんですか?


    さなポン:日常生活をしていて、よく思いますね。人のことを見ていて、自分と話してない時に、人のことを見るのが私好きなんですけど、人間を観察(かんさつ)するのが。


    その時に、うわー、あの人たち、陽キャだな、とか、勝手に思ってます。


    倉川:知らない人をね。


    さなぽん:まあ、知ってるけど。知ってるけど、そこまで仲良くない人?友達には使わないかな?


    倉川:私は、この単語はね、私の自分の単語帳、心の中の単語帳に入ってないですね。


    さなポン:ないですか?


    倉川:使ってないです。全然使わないし、あの人陽キャだな、とか、あの人陰キャだな、とか、人は全然思わないんですね。


    さなポン:明るいとか、大人しいとか、そういう感じですか?心の中は。


    倉川:そもそも、思わないと思うんですよね。なんか、その人が明るいか、暗いか、陽キャか陰キャかどうかって、場面によると思うんですよ。場面、環境。


    例えば、家族と一緒にいる時は明るい人かもしれないけど、会社では暗い人、陰キャかもしれないですよね。


    それって、その人が陽キャだ、ということは言えないじゃないですか。場面によって違うと思うんですね。


    さなポン:「時による」ってことですね。

    いろいろある。その人が陰キャな時もあるし、陽キャな時もあると思うから、そうは思わないっていうことですね。心の中で。


    倉川:全然思わない。


    さなぽん:決めないっていうことですね。


    倉川:決められないんじゃないかなって、ちょっと思います。


    さなポン:確かに。100%知らないしね、その人。


    倉川:で、陽キャの特徴(とくちょう)、陰キャの特徴ってありますかね?


    さな:特徴、見たままの特徴ですか?


    倉川:例えば、どんな人は陽キャで、どんな人が陰キャだ、みたいな条件ってあります?


    さな:うわー、ちょっと偏見入りません?


    倉川:偏見入るかもしれないね。ちょっと人を傷つけないように。


    さな:偏ってませんかね?偏った考え方。


    倉川:高校時代とか考えてみる?


    さな:高校時代?スカートが短い女子は陽キャ。スカートが長い女子は陰キャ。


    倉川:なるほどね。男子は制服からシャツを出す人は大体陽キャ。で、シャツをズボンの中に入れる人は陰キャだと思いますね。


    さな:そうですね。


    さなポン:真面目な学生は陰キャですか?


    倉川:そうだね。大きく分けるとそうだったね。大学ではどうですかね?


    さな:飲みサークル。お酒を飲むためのサークルに入っている学生は陽キャ。


    倉川:それは間違いないね。絶対そうだね。


    さなポン:陰キャは、サークルに入ってない学生は陰キャ。


    倉川:それも大体そうだね。どうしてだろうね。お酒を飲むサークル、飲みサークル?大学にありました?


    さな:あったあった。飲みサー。


    倉川:さなポン先生、入ってました?


    さな:入らない、入らない。


    倉川:でも知ってたんだ。


    さな:入りませんでした。

    大学1年生の時に、飲みサーの先輩たちの誘い方が嫌でした。


    倉川:どんな誘い方?


    さな:入ろう、入ろう、入ろう。

    イェイ、イェイ。今日1年生無料だよ。無料で飲めるよ。

    おいで、おいで、おいで。


    倉川:陽キャだな。


    さな:こんな感じでしたね。

    「あ、大丈夫です、大丈夫です」。


    倉川:なかった。私の大学、そんなサークル。


    さなポン:なかったですか。真面目な大学ですね。


    倉川:怖いね。そんな人いたら。


    さな:怖いでしょ。怖かったんですよ。怖いし。女の子だったけど。


    倉川:多分、大学の人が見つけたら怒られるし、注意されるよね。そのサークル。


    さな:きっとね。そうですよね。


    倉川:怖い大学ですね。ちょっとね。


    さな:やだ。そんな風に言わないで。

    倉川:びっくりした。

    さな:一部だけですから。全部じゃないですからね。


    倉川:それは陽キャだね。


    さな:陽キャですね。


    倉川:さなポン先生は陰キャでしたか?陽キャでしたか?


    さな:どっちだろうな。

    さっき倉川先生も言いましたが、人は陽キャでもあるし、陰キャでもあると思うんですね。場合によって。

    人生を振り返ると、陽キャが多かったですかね、私は。


    倉川:私とさなポン先生は、同じ日本語の先生の学校で勉強していましたよね。1年ぐらい。先生になるための勉強をする学校ね。

    私たちは同じクラスメイトでしたけど、あの時はあなたは陽キャでしたよね。


    さな:うそ!陽キャだったと思います?


    倉川:うそ!そう思ってなかったですか?


    さなポン:思ってないですね。


    倉川:へー。逆に陰キャでした?自分では。


    さな:大学を卒業してから陰キャだと思ってます。

    大学までは陽キャだったんだ。


    倉川:学生だったんで陽キャ。関係がよくわかんないけど。


    さなポン:陽気に楽しむ。学生を楽しんでいましたね。


    倉川:あ、そうなんだ。私はあのクラスでは…


    さな:陰キャでしたね。


    倉川:あ、そうですか。


    さなポン:あんまり話さなかった。話してましたか?


    倉川:いや、多分話してませんね。


    さな:よく遅刻もしていたし、話さないし。

    陽キャではなかったかなって思いますね。


    倉川:そうですね。

    私はあの時、夜仕事をしていたので、朝のクラスには間に合いませんでしたね。起きられなくて。


    さな:9時からでしたね。


    倉川:そう。朝4時まで仕事をしていたので。

    それは大変でしたね。ちょっと無理でしたね。


    さなポン:無理ですね、それは。

    あの時は無キャですか?一緒に学校に通っていた時は。


    倉川:あの時は全然陰キャだったと思いますね。


    さなポン:あ、陰キャですか。


    倉川:静かにしていたと思いますね、私。


    さなポン:大学時代は?


    倉川:大学時代、あのね、めちゃくちゃ陽キャだったと思いますね。


    さなポン:えー、意外。そうなんですか。


    倉川:それもすごい、私、場面で分けてるなって自分でも思ってました。


    さなポン:意外。分けているんですね、このキャラクターを。


    倉川:ゼミとか何もない時は陰キャで真面目に勉強して、サークル2つと部活1つに入ってたんですけど、それに行っている時は完全に陽キャでしたね。

    ウィー!ってやってました。


    さなポン:何サークルですか?スポーツのサークル?


    倉川:バスケットサークルとボランティアサークル。耳が聞こえない人のために、授業を受けるのを手伝ってあげるっていうサークルがあったので、それをやってたのと、あとギターを弾くサークルと、もう一つは空手の部活に入ってました。


    さなポン:それ全部、結構真面目な部活もありますが、全部ウィーですか?


    倉川:ウィーってやってました。

    一番調子に乗ってました、多分、空間の中で私が。


    さな:ボランティアサークルだけはね、真面目なサークルだったので、耳が聞こえない方にお手伝いをするのにウィーではないですよね。


    倉川:そこだけは真面目にしてましたね。

    あとは、もうめちゃくちゃ陽気でした。

    サークルに行っても真面目にサークルをやらないで、2時間ずっと友達と話してたりとか、真面目じゃない態度でやってましたね。サークルとか部活はね。


    (スクリプトはここまでです。あとは自分の耳で聞いてみて!)


    23 min

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