数字に強い社長になるポッドキャスト

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数字に強い社長になるポッドキャスト episodes

  • 第584回 DDSにともなう劣後ローン
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、この番組の管理者である、中小企業診断士の六角が、事業活動に、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への、資金繰支援策についてご説明いたします。
    今回も、前回に引き続き、劣後ローンについてご説明したいと思います。
    まず、DDSにともなって契約する劣後ローンは、日本政策金融公庫の資本性ローンや、多くの有識者が提言している永久劣後ローンとは、利用される場面が違うということについてご説明します。
    DDSにともなって契約する劣後ローンは、一般的には、新たに契約するものではありません。
    DDS、すなわち、デット・デット・スワップ(一般の融資と劣後特約つき融資の交換)にともなうものなので、それまでの一般の融資に対して条件変更を行い、他の債務よりも劣後して返済する特約や、期限一括返済とする契約とすることで、劣後ローンになります。
    では、なぜ、DDSを行うのかというと、DDSは、融資相手の会社の事業再生をするときの手法のひとつであり、DDSによって劣後ローンを契約する場合は、一般的には、その会社を事業再生するからです。
    ちなみに、DDSが行われる場合は、一般的に、銀行の債権放棄もともないます。
    例えば、10億円の融資を行っている会社に対して、事業再生を行うとき、銀行が5億円の債権放棄を行い、それと同時に、残りの融資額5億円については劣後ローンに転換するというようなことが行われます。
    このとき、銀行は、既存の融資のうち5億円が回収できず、その金額が損失となりますが、残りの5億円は劣後ローンに転換し、将来、その会社が再生すれば回収できることが期待できます。
    もし、その会社に対して銀行が債権放棄をしなかった場合、融資額の全額の10億円を請求できる権利は残りますが、多額の融資を抱えたままでは事業を再生させることが難しくなるため、遠くない将来、10億円の融資も回収できなくなる見込みが高くなります。
    そこで、5億円の債権放棄をしても、残りの5億円を回収できるようにすることの方が得策(これを経済合理性といいます)と判断されるときに、このような手法が行われます。
    ちなみに、すでに廃止された、金融庁の金融検査マニュアルでは、DDSにともなう劣後ローンは、新規融資の契約の場合も含まれると記載されていましたが、その場合であっても、その資金は既存の債務の回収にあてられると思われますので、実質的には、既存の融資の条件変更と同じ結果になると言えます。
    ところで、5月27日に、金融庁監督局長から金融機関あてに、「令和2年度第2次補正予算の決定を踏まえた資金繰り支援について」という要請文書が出されています。
    それによると、「急激な経営環境の変化により資本の充実が必要となった企業に対する支援において、資本性借入金が有用であり、積極的に活用すべきこと」を要請しています。
    さらに、その文書では、「民間金融機関における、事業者支援の取組みが効果的に行われることを確保する観点から、金融庁は、各民間金融機関におけるプロパー融資残高等を分析し、政策金融機関等の融資・保証の実施状況を参照しつつ、融資残高が減少傾向にないかなど、事業者への資金繰り支援の状況をヒアリングすることとする。
    その結果、金融機関における事業者支援の態勢について確認の必要が生じた場合は、特別検査(銀行法第25条に基づく立入検査)を実施することで、金融機関の取組状況を適時に確認する」と書かれており、実質的にプロパー融資を減らさないよう要請をしています。
    したがって、これから、割合としては少ないとは思いますが、民間金融機関においても、劣後ローンの取扱が増えて行くことが考えられます。
    6 min
  • 第583回 劣後ローンに関する金融庁の対応
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、この番組の管理者である、中小企業診断士の六角が、事業活動に、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への、資金繰支援策についてご説明いたします。
    今回は、劣後ローンについてご説明したいと思います。
    ただし、この劣後ローンには、いくつか似ているものがものがありますので、最初に、それらを整理したいと思います。
    ひとつめは、銀行などが、自己資本を厚くするために資金調達をする手法である、劣後特約付社債(略称は劣後債)というものがあります。
    これは、広い意味では債務ですが、特約の付いた社債です。
    ふたつめは、中小企業が事業再生をするときに、銀行からの既存の融資の一部を条件変更してもらう、すなわち、DDSをしてもらうことによって契約する劣後ローンです。
    中小企業の利用する劣後ローンは、これまでは、このDDSによるものを指すことが多いと思われます。
    みっつめは、現在、日本政策金融公庫などが取り扱っている、挑戦支援資本強化特例制度、いわゆる資本性ローンです。
    こちらは、事業再生を受ける会社ではなく、主に起業しようとする会社が、安定した資金調達を行おうとするときに利用されるものです。
    よっつめは、永久劣後ローンです。
    これは、まだ、具体的なものは明確になっていないのですが、何人かの有識者の方が、中小企業の資金調達を円滑化し、経済活動を活性化させる手法として提唱しているようです。
    この永久劣後ローンは、名前の通り、劣後ローンでありながら、返済期限がないというもののようです。
    そして、今回ご説明したいものは、DDSの契約にともなう劣後ローンです。
    では、なぜ、この劣後ローンを説明しようかと考えたのかというと、5月27日に、金融庁が、「主要行等向けの総合的な監督指針」等を、一部改正したからです。
    その経緯は、「新型コロナウイルス感染症により、多くの事業者が大幅な売上高減少と収益低下に見舞われているため、今後、事業を再開・回復させる過程で、資本の充実を図ることが必要になってくることもある」と想定しているからのようです。
    ちなみに、同じ5月27日に閣議決定された、令和2年度第2次補正予算案では、劣後ローンなどを活用した資本増強支援などの予算に、約2.1兆円が割り当てられています。
    ところが、金融庁は、「十分な資本的性質が認められる借入金」、すなわち劣後ローンとはどういうものについて触れていた、金融検査マニュアルを、昨年、廃止したため、あらためて、劣後ローンとはどのようなものかを明確にするために、前述の監督指針に、劣後ローンの要件を追加したようです。
    では、金融庁の考える劣後ローンとは、具体的にはどのようなものかというと、(1)償還期間が5年超で、期限一括償還か、同等の据置期間が設定されていること、(2)資本に準じ、配当可能利益に応じた金利設定となっている、(3)法的破綻時の劣後性が確保されていることの、3つの要件を満たすものです。
    これらの要件のうち、返済方法については理解しやすいと思いますが、ほかの要件について説明すると、金利は会社が得られた利益に応じて、業績が悪い時は低く、業績がよいときは高くなるという仕組みで、劣後性の確保とは、資本金に準じて、もし、会社が破たんしたときは、他の融資が返済された後に返済するという特約を結ぶということです。
    この劣後ローンは、安定した資金調達ができるという点では優れていると思いますが、コロナの影響を受けている会社の多くは、金額の面では、セーフティネット保証や日本政策金融公庫の特別貸付などを利用すれば、ほぼ、資金繰は維持できると思われます。
    ただし、自己資本比率があまり高くなく、今後、銀行から安定した資金調に懸念があるときは、利用する意味が大きくなると思います。
    さらに、前述のように、金融庁は、今後、劣後ローンの利用が望まれる会社が増加すると考えているようであり、先手を打って資金繰を安定化させたいという場合は、現在の取引銀行で、既存の融資の劣後ローンへの条件変更の依頼をしたり、日本政策金融公庫などに資本性ローンの利用をご相談することをお薦めします。
    7 min
  • 第582回 コロナ融資に対応した金融機関の取組事例
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、この番組の管理者である、中小企業診断士の六角が、事業活動に、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への、資金繰支援策についてご説明いたします。
    まず、資金繰支援策に関して、改善点がありましたので、それについてお伝えします。
    まだ、実施日は分からないのですが、民間金融機関で利用できる、セーフティネット保証等の信用保証の付いた実質無利子融資の限度額と、日本政策金融公庫の特別貸付の限度額は、それぞれ、3,000万円であったものが、1,000万円増額され、4,000万円に拡充されます。
    したがって、2度目の融資を受けようと考えている方は、まず、この利用限度額が増加した、実質無利子融資を利用することをお薦めします。
    それでは本題に移ります。
    今回は、事業活動に、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への資金繰支援に応じている金融機関が、現在は、どのような対応をしているのかということについてご説明したいと思います。
    これについては、金融庁が、これまで、何度か、「新型コロナウイルス感染症を踏まえた金融機関の対応事例」という書面を、同庁のWebpageで公開しており、そこから、伺い知ることができます。
    なお、この書面には、「新型コロナウイルス感染症について、債務の条件変更・新規融資など、事業者の実情に応じた万全の対応を金融機関に要請し、事業者への資金繰り支援の促進を当面の検査・監督の最重点事項として、特別ヒアリング等で、金融機関の取組状況を確認してきており、その確認した金融機関の取組みのうち、他の金融機関の参考となる事例について、随時取りまとめ・公表する」と述べられています。
    すなわち、表向きは「他の金融機関の参考となる事例」として公表していますが、実質的には、金融庁の意向に沿ったものを公表している、すなわち、金融庁が他の金融機関に実践して欲しいことを、「他の金融機関の参考となる事例」という言い回しで公表していると考えられます。
    では、具体的にどのようなものがあるのかということについてですが、その中で参考となるようなものをいくつかご紹介したいと思います。
    まず、リスケジュール関連では、「事業者からの条件変更等の相談があった場合には、審査を行うことなく、まずは、3か月の元金据置、または、期限延長を実施した。
    事業者からの相談を受け、これまでの事業実績の評価に基づき、今後も事業を継続させていくため、1年間の元金据置・期限延長を実施した。
    受注が大幅に減少した事業者に対し、積極的な支援策として、まず、1年間の元金据置を実施し、将来の資金面の見通しがついた時点で、見通しに合わせ返済期限を柔軟に延長予定」など、融資を受けている会社からの申し出通りにリスケジュールすることを先に決め、後から返済をどうするかを考えるという対応をしているようです。
    つぎに、新規融資関連では、「中小企業等への新たな資金供給手段として、最短即日、最大でも3営業日以内で融資判断する、コロナ対応の緊急ファンドを創設した。
    営業店に対し、数か月先までの資金繰りの確認支援(資金繰り表の作成サポート等)を能動的に提案し、実施しつつ、確認した資金繰りの状況に応じて、元金据置等の条件変更や新規融資を事業者に提示する」などという取
    り組みが行われており、多くの融資申込に能動的に応じる姿勢が見られるようです。
    そのつぎに、書類の簡素化などに関しては、「融資実行にあたり、資金収支の状況など必要な情報についての資料がそろっていなくても、聞き取り・ヒアリングで足ることとする。
    条件変更について柔軟に対応することとし、必要な事業計画等の書類については、業況が落ち着いてから後々でよいとの取扱いとする。新たな資料・データを求めず、原則、過去に提出を受けたデータ等により融資や条件変更等の可否を判断し、確認が必要な情報についても、すぐに提出が可能な直近のデータ等のみで対応する。
    通常であれば、事業者との間で今後の売上見通しを立てた上で実行する必要のある融資について、新型コロナウイルス感染症による今後の影響が必ずしも見通せないことを踏まえて、収支予測資料等を求めず融資を実行する」など、口頭での説明や、新たに資料を作成せずに、現時点であるものだけで融資判断をするようにしているようです。
    最後に、私もこれは斬新と感じたのですが、「市町村と協議の上、金融機関が事業者の売上高の減少を確認・書類に押印することを以って、市町村におけるセーフティネット保証の認定に十分とする取扱いを実施」というものがありました。
    これは、恐らく、金融機関が売上高の減少を確認すれば、市町村は売上高の減少を確認せずに、そのまま認定するということだと思います。
    現在、金融機関では、セーフティネット保証等の認定を、申請者に代わって行うということは行われているところがありますが、売上高の減少の確認までを金融機関が行うことで、より、迅速に、セーフティネット保証等の申請が可能になると思われます。
    以上が、「他の金融機関の参考となる事例」として公表されているものであり、これらのような取り組みが広がれば、資金繰支援を受けようとする会社にとっては、より容易に支援が受けられるようになると思います。
    金融機関に融資などの申し込みに行くことが負担と感じている経営者の方は、現在は、金融機関の対応は、従来よりも事業者の方に寄り添っていると思われますので、ぜひ、お気軽にご相談されることをお薦めします。
    9 min
  • 第581回 リスケジュールの申請とつなぎ融資の活用
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、この番組の管理者である、中小企業診断士の六角が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への、資金繰支援策についてご説明いたします。
    今回は、条件変更(いわゆる、リスケジュール)を検討しているときは、どうすればよいかということについて説明したいと思います。
    まず、3月6日に、金融担当大臣談話が公表され、「既往債務について、事業者の状況を丁寧にフォローアップしつつ、元本・金利を含めた返済猶予等の条件変更について、迅速かつ柔軟に対応し、また、この取組状況を報告すること」との要請が、金融機関に対して行われました。
    このことにより、かつての、中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)が施行されていたときに近い対応が、金融機関に対して求められていると考えられます。
    ちなみに、同じ談話の中では、「令和元年12月に検査マニュアルを廃止し、返済猶予等の条件変更した場合の債権の区分など、個別の資産査定を含め、民間金融機関の判断を尊重する方針としていることから、この趣旨も踏まえ、積極的に事業者支援に取り組んで頂くよう要請する」とも述べられています。
    このことは、端的に述べれば、条件変更をした貸出債権への貸倒引当金の金額の算定に関しては、金融庁は口をはさまないので、積極的に条件変更の申し出に応じるようにして欲しいということでしょう。
    このような金融機関への配慮も見せる一方で、条件変更の状況を金融庁に報告することを求めていることから、金融機関は、多くの場合、条件変更に応じてもらえることでしょう。
    ただ、私は、必ずしも、条件変更を金融機関に依頼することが、最善であるとは考えていません。
    条件変更を依頼することは、あまり手間がかからない、条件変更の承認を得るまでの時間が短いなどの利点はあるものの、自社の資金繰が改善するのは、毎月の返済額を棚上げできる範囲にとどまります。
    一方、新規融資は、最長で5か年の返済据置をしてもらえるほか、元金3,000万円までは、当初3か年分を実質無利子になるなどの、大きな利点があります。
    したがって、資金繰の改善にあたっては、まず、新規融資を検討することを優先すべきと思います。
    ただし、時間的な猶予がない場合、金融機関に対して、セーフティネット保証等の承認が出るまで、つなぎ融資を申し込むことも可能です。
    これは、4月27日に、「『新型コロナウイルス感染症緊急経済対策』を踏まえた資金繰り支援について」という書面で、金融庁と中小企業庁が、金融機関に対して、資金繰が逼迫している会社に対してはつなぎ融資を行うよう要請しており、前向きに応じてもらうことが可能と思われます。
    つなぎ融資とは、時間的な猶予がない会社に対して、民間の金融機関から一時的に貸付する融資のことで、本来、利用しようとする、セーフティネット保証等の保証のついた、実質無利子融資を受けられるまでの間の資金繰にあてるものです。
    このようなつなぎ融資は、一般的には禁止されていますが、今回の新型コロナウイルス感染症の影響を受けた会社への支援に関しては、信用保証付き融資での返済も認められています。
    また、このつなぎ融は、日本政策金融公庫の特別貸付についても行うことができるようです。
    したがって、つなぎ融資を依頼しても応じてもらえない場合に限り、条件変更を依頼するようにすべきでしょう。
    なお、条件変更を依頼し、応じてもらった場合は、少なくとも1か月ごとに、売上、利益、資金残高などを金融機関に報告し、予想以上に資金繰に窮することになったときに直ちに支援をしてもらえるような体制をとっておくことが大切です。
    8 min
  • 第580回 セーフティネット保証と特別貸付
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、この番組の管理者である、中小企業診断士の六角が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への、資金繰支援策についてご説明いたします。
    今回は、お問い合わせの多い、銀行へのセーフティネット保証(以下、SN保証)をつけた融資の申し込みと、日本政策金融公庫(以下、公庫)への新型コロナウイルス感染症特別貸付(以下、特別貸付)の申し込みを、同時に行うことは問題ないかというご質問についてご回答したいと思います。
    これに対する回答は、銀行と公庫に、そのことを知らせてあれば問題ないということです。
    逆に、問題がある場合というのは、銀行に対しては公庫への融資申込をしていることを告げず、また、公庫へは銀行への融資申込をしていることを告げずに、両方の融資を受けてしまうことです。
    このようなことをした場合、銀行へも公庫へも、直ちに、両方から融資を受けたことは伝わりません。
    でも、次の決算期を迎えた後、その時作成された決算書を銀行と公庫に提出したときに、銀行と公庫の両方から融資を受けたことが分かってしまいます。
    確かに、銀行と公庫の両者から融資を受けたことが、直ちに問題になることはありませんが、銀行も公庫も、融資をした会社に対して不信を抱き、それ以降の融資取引について警戒するようになる可能性があります。
    とはいえ、融資の返済が延滞していなければ、銀行も公庫も、具体的に何らかの要請をすることはほとんどないと思いますが、銀行や公庫との良好な関係維持に悪影響を与えることにつながりますので、注意が必要です。
    では、どのような融資の申し込みの仕方をすればよいのかというと、両方に融資の申し込みをするときに、銀行に対しては公庫から、公庫に対しては銀行から、それぞれ融資を受ける予定であることを前もって伝えれば、問題はありません。
    例えば、総額6,000万円の融資を受けるために、銀行からSN保証のついた実質無利子融資3,000万円と、公庫から実質無利子の特別貸付3,000万円を利用する旨を、それぞれの申し込みのときに伝えることで問題はありません。
    また、必要な融資額は3,000万円で足りるものの、なるべく早く融資を受けたいということで、銀行と公庫の両方に申し込みをするという方法も考えられます。
    この場合、どちらか先に承認を得られた相手から融資を受け、その後、後に承認を得られた相手に対しては、取り下げをすれば問題はありません。
    銀行や公庫は、融資の申し込みをした後に、その取り下げをすると、相手の心証を悪くすると考える経営者の方もいると思いますが、それについては、それほど懸念する必要はありません。
    なお、これは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた会社への資金繰支援策に限ることではありませんが、銀行や公庫へは、できるだけ自社の情報を伝えることが大切です。
    しかし、実際には、融資の承認が得られなくなるかもしれないということを懸念して、できるだけ、自社の情報は銀行や公庫にはあまり伝えないようにしようという会社経営者の方も少なくありません。
    確かに、すべての情報を伝えれば、必ず融資の承認を得られるという訳ではありません。
    しかし、情報を小出しにして、銀行や公庫から融資を受けられさえすれば、自社の課題がすべて解決するということでもありません。
    また、銀行や公庫には、自社を信用して融資をして欲しいと望みつつ、自社は、銀行や公庫をあまり信用できないので、情報は小出しにするということでは、仮に融資を受けられることになったとしても、深い信頼関係を築くことはできず、長期的にはあまり得策とはいえません。
    したがって、銀行や公庫に融資を依頼するときは、その時だけ承認を得ることさえできればよいという考えではなく、長期的な視点に立ち、良好な関係をつくるという姿勢で臨むことが大切です。
    7 min
  • 第579回 セーフティネット保証等の取扱の変更
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、この番組の管理者である、中小企業診断士の六角が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への、資金繰支援策についてご説明いたします。
    今回の主な内容は、セーフティネット保証等について、取扱の変更がありましたので、主に、その変更についてお伝えします。
    まず、セーフティネット保証5号について、これまでは利用できる業種の指定がありましたが、5月から、すべての業種が指定になりました。
    その結果、現在は、全国で、セーフティネット保証4号・5号、危機関連保証のいずれも、すべての業種の会社が利用できることになります。
    ただし、すべての業種の会社がセーフティネット保証等を利用できることになっても、信用保証の対象外業種は、従来通り利用できません。
    ところが、まだ、詳細は発表されていませんが、ぱちんこ屋、場外車券売場・場外馬券売場・場外舟券売場等の業種など、これまで信用保証の対象外業種であった業種についても、拡大されるようですので、正式な発表をお待ちいただきたいと思います。
    次の変更点は、セーフティネット保証等の認定を、金融機関を通して行うことが可能になる見込みです。
    これまで、セーフティネット保証等を利用する場合、金融機関で融資の申し込みをする前に、本社所在地の市区町村でセーフティネット保証等の認定を受ける必要がありました。
    しかし、経済産業省から、各都道府県を通して各市区町村に対し、金融機関によるワンストップ手続きの推進、申請書類等の負担軽減、認定事務の円滑化等の配慮を要請したため、セーフティネット保証等の認定を金融機関を通して行えるようになる見込みです。
    現在、一部市区町村では実施されているようですが、今後、同様の対応をしている市区町村が拡大していくと思われます。
    その次は、セーフティネット保証・危機関連保証の認定書の有効期間が延長されたことです。
    通常は、認定書の有効期間は30日間のため、従来は、実質的に融資契約のたびに認定を受ける必要がありました。
    しかし、令和2年1月29日から7月31日までに取得した認定書は、有効期限が令和2年8月31日までに延長されました。
    このことによって、1月29日に認定を受けると、8月31日まで同じ認定書で何度もセーフティネット保証・危機関連保証を申請できることになります。
    したがって、8月31日までに、再度、セーフティネット保証・危機関連保証の利用を考えている会社は、認定書原本を金融機関から返却してもらうか、それを保管している金融機関から認定書のコピーを信用保証協会へ送ってもらうなどの対応のみで、新たな認定を受ける必要はなくなります。
    7 min
  • 第578回 実質無利子の制度融資
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、このメールマガジンの管理者である、中小企業診断士の六角が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への、資金繰支援策についてご説明いたします。
    まず、前回、十分な情報をお伝えできなかった、民間金融機関の実質無利子融資について、5月1日から受付が始まりましたので、その内容についてお伝えします。
    この実質無利子融資は、それに対応した自治体の制度融資を利用することが前提になります。
    すなわち、いったん、その制度融資に基づく融資利息を銀行に支払い、後日、融資利息相当額の利子補給を、その自治体から受けることになります。
    ただし、利子補給の条件が融資額3,000万円までであることから、制度融資そのものの限度額も3,000万円となっているようです。
    したがって、3,000万円以上の融資を受けたい場合は、実質無利子融資に対応した制度融資3,000万円を申し込み、残りの金額については、一般の融資に、セーフティネット保証などの保証を付けて融資を受けるというように、複数の融資を受けることが得策と言えるでしょう。
    また、利子補給の対象期間は、融資開始後3年までであり、4年目以降の融資利息については、利子補給は受けられません。
    さらに、利子補給が受けられる条件として、セーフティネット保証4号か危機関連保証を利用することが必要になります。
    これは、実質的に、売上高が前年比15%以上減少していることが条件となっているということでもあります。
    これらの条件を満たせば、利子補給を受けられるほか、融資期間すべてを通して信用保証料全額が免除されます。
    ただし、セーフティネット保証5号を利用して前述の制度融資を利用した場合、すなわち、売上高の対前年比減少割合が、5%以上15%未満の会社は、利子補給は受けられないものの、信用保証料は2分の1が免除されます。
    なお、個人事業主は、前述の制度融資を利用し、セーフティネット保証4号・5号、危機関連保証のいずれの保証をつけた場合も、融資額3,000万円まで3か年分の利子補給が受けられ、かつ、信用保証料の全額が免除されます。
    そして、これらの利子補給、信用保証料の免除は、4月以前に受けた、セーフティネット保証4号・5号、危機連保証の付いている融資については、遡って適用されることはないようです。
    ところで、この実質無利子の制度融資は、信用保証の付いている、既存の融資の借換をすることができます。
    このことにより、毎月の返済額を軽減することができます。
    さらに、金利、信用保証料なども、借換によって、より有利な条件になるので、積極的に活用することをお薦めします。
    また、細かいことですが、借換をした融資の信用保証料は、借換を行った日から将来に向けての未経過分については、融資を受けている会社に返還されます。
    なお、これまでも、「借換保証」という制度はありましたが、実質無利子の制度融資については、従来の借換保証を申込むときに提出が必要であった、「事業計画書」( https://bit.ly/35mHbhL )の提出は不要のようです。
    ただし、その事業計画書に記載する内容(今後、どのようにして事業を改善していくかという取組等)については、実質無利子の制度融資で借換をする際に、銀行や信用保証協会から問い合わせをされる可能があるので、提出は不要であっても、任意に事業計画書を記載して提出すると、円滑に承認が受けられるようになるでしょう。
    ところで、この制度融資で借換できる融資は、信用保証のついていないものは含まれないのかというご質問を受けています。
    これについては、信用保証のついている融資のみに限定して借換が認められているようです。
    その理由について、直接的な説明はありませんが、信用保証のついた融資で、信用保証のついていない融資を借換可能としてしまうと、銀行のモラルハザードが起きてしまうことが理由であると考えられます。
    9 min
  • 第577回 コロナ関連資金繰支援策の概要
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回は、この番組の制作者である、中小企業診断士の六角が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への、資金繰支援策についてご説明いたします。
    新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への資金繰支援策としては、まず、信用保証協会の保証では、2月にセーフティネット保証4号・5号で別枠2.8億円、3月に危機関連保証で別枠2.8億円を利用できるようになりました。
    ちなみに、それぞれの保証を受けられる会社のおおよその要件を説明すると、セーフティネット保証4号の認定を受けることができる会社は、売上が前年比20%以上減少した会社、5号は対象587業種で売上が前年比5%以上減少した会社、危機関連保証は、売上が前年比15%以上減少した会社です。
    政府系金融機関では、日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付が、国民生活事業で6,000万円、同公庫の中小企業事業で3億円を利用できるようになりました。
    これに加えて、商工組合中央金庫の危機対応融資1億円を利用できるようになりました。
    ただし、中小企業の多くは、信用保証協会の一般枠の、無担保保証8,000万円を使い切っていることは、ほとんどありません。
    なぜならば、中小企業庁の公表している、平成30年中小企業実態基本調査(平成29年度決算実績)によれば、調査対象の中小企業約145万社の1年間の売上高の平均は、約3.5億円であり、販売費及び一般管理費の平均は、約7,500万円です。
    さらに、調査対象の約88%を占める、1年間の売上高が5億円以下の会社だけで見てみると、売上高の平均は約9,600万円、販売費及び一般管理費の平均は、約3,600万円です。
    実際にはそのようなことは起きませんが、極端なことを述べれば、多くの中小企業は、4,000万円の融資を受けられれば、1年間、売上がなくても会社を維持できます。
    このようなことから、多くの中小企業が、新たな融資を受けようとする場合、信用保証協会のセーフティネット保証の無担保枠8,000万円か、日本政策金融公庫国民生活事業の特別貸付6,000万円のいずれかで、十分に間に合います。
    さらに、日本政策金融公庫国民生活事業では、3,000万円を限度に、当初3か年は基準金利が0.9%引き下げられて0.21%になり、その融資利息も、3か年分を利子補給が受けられる予定であり、実質無利子になる見込みです。
    現時点で、利子補給の手続きは明確になっていませんが、要件を満たしていれば、後から遡って適用できるので、現時点で、申し込みをしても、実質無利子の融資を受けられます。
    ただし、日本政策金融公庫は、現在、混みあっており、承認を得るまでに時間を要しているので、民間金融機関を通して、セーフティネット保証もあわせて申し込んでおくことをお薦めします。仮に、両方の融資承認が得られても、いつでもいずれかの取り下げは可能です。
    もしくは、セーフティネット保証だけを最初から申し込む方法もよいと思います。
    なぜならば、セーフティネット保証等についても、現時点では詳細は明確になっていませんが、3,000万円を限度に、当初3か年分の融資利息は、利子補給によって実質無利子の融資を受けられるようです。
    また、信用保証料も、全額、または、半額が免除になるようです。
    ただし、セーフティネット保証等の利子補給の申し込みの仕方や条件、信用保証料の減免の条件、これらが遡って適用されるかどうかは、現時点では明らかではありません。
    ただし、自治体によっては、すでに自治体独自の支援策として、利子補給による無利子化、信用保証料の全額補助を行っているところもありますので、自社の所在地の自治体へお問い合わせすることをお薦めします。
    なお、一部の自治体では、セーフティネット保証の認定を受けるために、1か月程度先まで予約が埋まっているというところもあるようなので、こちらも、早めに認定を受けることをお薦めします。
    9 min
  • 第576回 SCMとBCP
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、中小企業診断士の神谷俊彦先生にお越しいただき、神谷先生が2月にご出版された、「図解でわかるSCMいちばん最初に読む本」から、SCMとBCP(事業継続計画)についてお伺いしました。
    神谷先生によれば、現在、日本の経済活動が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けていることもあり、サプライチェーンの維持のために、BCPは必須になっているということです。
    すなわち、SCMで最も大切なことは、サプライチェーンを維持するためのリスク管理であり、それは、BCPを作り、非常時に備えることでもあるということです。
    なお、BCPとは、Business Continuity Planの略語で、事業継続計画と翻訳されています。
    その目的は、会社が、自然災害、大規模火災などの緊急事態に遭遇した場合、会社の損害を最小限にとどめることです。
    そこで、BCPでは、事業を継続したり、早期に復旧したりするために、平常時に行うべき活動や、緊急時における事業継続のための方法、手段などを定めておきます。
    また、中小企業庁では、特に、東日本大震災の後、BCPを作成していた会社が比較的早期に事業を再開させたという実績に鑑み、多くの中小企業にBCPを定めるよう働きかけたり、支援を行っています。
    神谷先生は、今回は、新型コロナウイルス感染症の影響で、BCPの重要性が認識できるものの、そのような、日本経済全体に影響を及ぼしている事態だけでなく、個別の会社に及ぶ危機に関しても、とても有効だといいうことです。
    例えば、令和1年9月の台風で、水害や停電に遭った会社は、BCPがあると、迅速に復旧できるようになるということです。
    また、自然災害以外にも、自社の資金繰が尽きたときの備えも、BCPによって決めておくとよいということです。
    具体的には、手許資金を一定額以上維持しておいたり、すぐに融資が受けられるよう、資料を備えておいたりすることを定めておくとよいということです。
    10 min
  • 第575回 SCMと3PL
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、中小企業診断士の神谷俊彦先生にお越しいただき、神谷先生が2月にご出版された、「図解でわかるSCMいちばん最初に読む本」から、SCMとサードパーティーロジスティクス(3PL)の関わりについてお伺いしました。
    神谷先生によれば、最近は、高速道路のインターチェンジなど、交通の要衝に大型物流センターがたくさん建てられるようになってきているということです。
    それは、ロジスティクスで求められることは、効率化による低コスト化や配送の迅速化であり、それに対応した施設が望まれているからだそうです。
    具体的には、様々な機材や管理ソフトが供えられた、大型物流センターをハブ(中心拠点)として、そこでピッキングを行い、各地の拠点となる配送センター(スポーク)へ、最適化された方法で配送をするという方式がとられるようになってきているそうです。
    そして、中小企業も、現在では、3PLを利用することが趨勢になっているそうです。
    現在も、自前で配送している中小企業もありますが、その場合、配送できる範囲が限定されるだけでなく、3PLに委託するよりもコストが高くなったり、迅速性で劣ることになったりする可能性があるそうです。
    ちなみに、ヤマト運輸では、ギグワーカー(インターネットなどを通じて、単発で仕事を請け負う人)を使うようになっており、まさに、小口配送という、中小企業のニーズに応じる体制になってきているということです。
    ところで、3PLを利用している会社の工場内での活動で、委託元と、委託先である3PLの境界が低くなってきているそうです。
    具体的には、工場の最終工程と、3PLの最初の工程が重なってきているそうです。
    そこで、どこで両者の役割を分担するかが、それぞれの強みを活かすことになるのかということを見極めることが、SCM担当者の重要な役割になってきているそうです。
    例えば、検収やトレーサビリティ対応などは、自社で行わず、3PLに委託することも可能ですが、品質管理やコストの観点から、どちらで行うことが妥当かという判断の巧緻が、SCM担当者としての管理能力の問われるところになるということです。
    10 min

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