この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
今回は、税理士の原尚美先生をお訪ねし、原先生の新刊、「ひとりでできる必要なことがパッとわかる人事・経理・労務の仕事が全部できる本」から、消費税の軽減税率への対応についてお尋ねしました。
まず、原先生の新刊ですが、今年の7月に発売されたものですが、消費税率が変更された後の制度に対応して書かれており、領収書や納品書などの書式についても制度変更後に対応していますので、消費税率変更にともなって経理事務等をどう変更すればよいかよくわからないという方にも、ぜひ、ご活用いただきたいとのことです。
つぎに、原先生によれば、消費税は、最終的には消費者が負担するものであり、商品を売っているお店に対し、商品の代金と一緒に支払い、それを受け取ったお店がそのまま国に納めるものということです。
しかし、10月からは、消費税率が8%と10%の、ふた通りの税率になったことから、単に、税率が変更されたというだけではなく、商品を売る事業者の方にとって、消費税の取り扱い方が大きく変わったということです。
そのひとつは、8%の軽減税率の対象となる商品は、どれになるかということを、きちんと把握しなければならないということです。
軽減税率の対象のひとつは飲食料品ですが、まず、例外として酒類や医薬品等は対象ではありません。
しかし、酒類や医薬品等は飲食料品と区別がつきにくいものがあり、注意が必要ということです。
例えば、アルコール度数の高いみりんは酒類で、みりん風調味料は飲食料品に分類されます。
同様に、栄養ドリンクなどの医薬部外品は医薬品等であり、サプリメント飲食料品に分類されるそうです。
つぎに、同じ商品であっても、利用目的によって税率が変わるそうです。
例えば水道水は、飲むことだけが目的になっていないので、軽減税率の対象外ですが、ペットボトルで売られているミネラルウォーターは軽減税率の対象になります。
同様に、鮮魚を冷やすための氷は軽減税率の対象外ですが、コンビニエンスストアで売られているロックアイスは軽減税率の対象になるそうです。
また、飲食料品は、外食に該当するものは軽減税率の対象外になりますが、外食に該当するかどうかを区別する際にも注意が必要だそうです。
例えば、イートインスペースがあるコンビニエンスストアでお弁当を販売するときは、「イートインコーナーを利用する場合は、購入時に申し出てください」という掲示をしている上で、顧客からのイートインコーナーの利用の申し出がなければ、軽減税率の対象として販売できるそうです。
同様に、ファストフード店でも、店内で飲食する場合は軽減税率の対象外で、持ち帰る場合は軽減税率の対象になりますが、顧客が持ち帰ると申し出たにもかかわらず、気が変わって店内で飲食した場合でも、軽減税率の対象外になるそうです。
これは、軽減税率の対象かどうかは、顧客が購入するときの意思で判断するからだそうです。
このように、軽減税率の変更には多くの注意が必要になるそうです。
その一方で、現在は、軽減税率と原則的な税率の差は、わずか2%であるので、あまり気にしない人もいると思われますが、欧州では原則的な税率が20~30%になっており、日本でも原則的な税率と軽減税率との差が大きくなる可能性もあるので、現在からきちんとした区別ができるようにしておくことが大切だということです。
これと同時に、5年後に、インボイスが正式に導入されることになっている点に、事業者の方は注意が必要だということです。
事業者の方が納付する消費税の金額は、売上時に受け取った金額から、仕入時に支払った金額を差し引いた金額ですが、インボイス制度が導入されると、インボイスのない仕入に関する消費税の額は、納付する消費税の額を計算するときに、差し引きできる消費税の対象でなくなるそうです。