この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
今回は、元地方銀行職員で、現在は、資金繰り改善を中心とした経営コンサルティングを行っている、中小企業診断士の川北英貴先生にお越しいただき、銀行から見て融資を実行しやすい会社になるにはどうすればよいのかということについてお尋ねしました。
川北先生によれば、銀行の融資審査において、承認が受けられるかどうかは、決算書で9割が決まるということです。
そこで、銀行からの融資を円滑に受けたいと考えている中小企業経営者の方は、決算書にこだわることが重要になるということでした。
それでは、銀行は、融資審査においてどのようなところを見ているのかというと、まず、貸借対照表で、純資産がマイナスになっているかどうか、すなわち、債務超過になっていないかどうかを見ているそうです。
債務超過の会社は、融資を受けられる可能性が低くなるということです。
ただし、純資産がプラス、すなわち、資産超過の状態であっても、売掛金や棚卸資産などに、実際は資産価値がないものが含まれていないかを検証し、もし、資産価値がなさそうなものがあれば、その分だけ純資産を減らして、実態は債務超過になっていないかということを確認するそうです。
次に、損益計算書を見て、営業利益、経常利益が計上されているかどうかを確認するそうです。
会社の最終的な利益は当期利益ですが、当期利益は、例えば、不動産を売却して発生した不動産売却損といった特別損失を、経常利益から差し引いて計算されるものであり、会社の本来の事業の成果ではないことから、営業利益や経常利益といった、本来の事業の成果を示す数値を重視しているそうです。
銀行においては、中小企業の融資審査は、このような、大まかなチェックをしてから、さらに細部を分析していくそうです。
これに対して、銀行は、決算書などの数値に対して行う定量分析だけでなく、会社の強みや将来性などに対して行う定性分析は、融資審査に対してどれくらい行うのかということを川北先生にお尋ねしたところ、銀行は定性分析は行うものの、その比重は低く、前述のように、90%は決算書の情報で判断するとのご回答をいただきました。
ただ、債務超過の会社は、融資を受けられなくなるのかというと、必ずしもそうではなく、今後の事業改善策を検討し、その結果を5年~10年間の事業計画書として銀行に提出することによって、融資を受けられる可能性があるということです。
ただし、事業計画の売上予想、利益予想については、それらの実現可能性があることも示さなければならないので、自社の強みや特徴などを、A41枚程度にまとめて提出するとよいということです。
なお、この事業計画を評価してもらって融資を受ける方法については、融資を受けることの目的のためだけに事業計画を作成したり、融資を承認を得て融資を受けられたあと、それで安心してしまい、実際には事業改善策に着手しなかったりする例があるそうです。
そこで、川北先生は、融資の申し込みがきっかけとなったとしても、事業計画書は融資を受けるためだけではなく、自社の事業の改善のために作成し、実際にそれを実践していくものだということを、ご支援する会社の経営者の方にお伝えし、納得していただいた上でご支援をするようにおしているそうです。
もし、銀行に提出した事業計画書を実践しなかった場合、現在の赤字の状況が改善せず、せっかく受けた融資が、その赤字の穴埋めをするだけのことになり、融資を受けた効果がなくなるばかりか、業績が改善しないことに対して銀行からの評価がさらに低くなり、ますます融資が受けにくくなってしまうということです。