数字に強い社長になるポッドキャスト

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数字に強い社長になるポッドキャスト episodes

  • 第515回 部下にコーチングするための考え方
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、ビジネスコーチの中城卓哉さんにお越しいただき、中城さんの新刊「すぐに役立つ!コーチングの基本と活用法」から、部下にコーチングするための考え方についてお伺いしました。
    まず、中城さんはご著書の中で「部下はその人の中で最善を尽くしている」と書かれており、そのことについてお伺いしました。
    中城さんによれば、中小企業では、社長は仕事のスキルが最も高いし、上司も部下よりもスキルが高いので、上職者の目線で部下の仕事の出来栄えを見ると、より高い成果を求めてしまったり、怠けているのではないかと感じてしまうこともあるそうです。
    しかし、よほどのことがない限り、人は故意に手抜きをすることは考えにくく、上職者が満足しない場合があるとしても、その人にとっては最善を尽くしていると考えることが妥当ということです。
    中には、仕事中に、仕事とは無関係に思われるスマートフォンを部下が操作していることもありますが、それは部下にとって難しい仕事をしている中で、ストレスをやわらげるために行っていることで、その人にとっては最善と判断して行っていることと考えることもできます。
    また、そのような部下は、SNSで他の人とつながりたいという欲求を持っていることもあるので、仕事を通して他の人とつながることができるようになれば、仕事中にスマートフォンを操作することが減ると考えることができるということです。
    次に、中城さんによれば、研修のときに「部下を承認しましょう」とお話すると、参加者の方から「部下を承認することは、部下を甘やかすことになるのではないか」という疑問を持つ方がいるそうです。
    これについては、できていることを承認したからといって、それが、部下の現在の仕事の能力の水準に問題ないということにはならないと考えるべきだということです。
    すなわち、長所を認めたからといって、短所を見なくていいということではないし、できていないことを無視していいということでないそうです。
    ただ、会社の中では、多くの上司が、部下のできているところを無視してしまいがちなので、部下のできているところや長所を承認することを中城さんはお薦めしているそうです。
    そして、人は他者から否定されることを恐れるという心理が働くので、上司が部下を否定すると、部下は否定した上司を怖がったり、その上司に対して攻撃してしまうことがあるそうです。
    そこで、上司は、部下のできていないところや短所について部下を批判するのではなく、改善するべき点として解釈するとよいということです。
    すなわち、コーチングの観点からは、部下を承認することは、部下の短所を放置しようということを意図しているのではなく、改善点として考えてもらうようにするということだそうです。
    そして、上司が部下の長所を承認せず、単に短所ばかりしてきしていると、部下が疲弊部下が疲弊してしまうので注意して欲しいということでした。
    11 min
  • 第514回 プライドの高い部下
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、ビジネスコーチの中城卓哉さんにお越しいただき、中城さんの新刊「すぐに役立つ!コーチングの基本と活用法」から、プライドの高い部下への対処法についてお伺いしました。
    中城さんによれば、職場には、仕事に関するスキルが未熟でもあるにもかかわらず、プライドの高い部下はまま見ることがあり、中城さんご自身も、かつて会社員時代は、プライドが高い従業員であったということです。
    では、なぜ、そのような人はスキルが未熟でありながらプライドが高いのかというと、自分に対して自信がないために、安心したい欲求が強く、高いプライドを持とうとしているということです。
    そして、中城さんによれば、プライドが高い部下は、謙虚になることができないので、スキルも向上しないそうです。
    そこで、まず、プライドの高い部下に対しては、まず、スキルが高いかどうかは問わずに、自信を持ってもらうことから始めるとよいということです。
    具体的には、簡単な仕事をしてもらい、それができたら褒めるということを繰り返していくことで、その部下は徐々に自信をつけて行き、安心したい欲求が満たされていくので、高いプライドで自分を守る必要性もなくなっていくということです。
    では、プライドの高い上司に対してはどうすればよいのかということをお尋ねしたところ、そのような上司は、プライドの高い部下と同じく自信がないことから、自信をつけてもらうよう働きかけるとよいということです。
    具体的には、仕事の手柄を上司に譲るとよいということです。
    こうすることで、上司も部下から認められていると感じられるようになるので、上司との関係も改善し、部下である自分を信頼し、味方になってくれるようになるということです。
    12 min
  • 第513回 根源的な6つの欲求
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、ビジネスコーチの中城卓哉さんにお越しいただき、中城さんの新刊「すぐに役立つ!コーチングの基本と活用法」から、根源的な6つの欲求についてお伺いしました。
    中城さんによれば、世界的に著名なメンタルコーチであるアンソニー・ロビンスは、「人間には6つの欲求があり、人間のすべての行動は6つの欲求に紐づいている」と説いているそうです。
    そこで、この6つの欲求を理解していると、どの欲求を満たせばどの行動を引き出せるかということも分かるようになるので、コーチングも容易になるそうです。
    では、具体的な6つの欲求についてお尋ねしたところ、つぎのようなものということでした。
    (1)安心したい欲求
    (2)冒険したい欲求
    (3)自分が重要な存在であると感じたい欲求
    (4)他者とつながりたい欲求
    この4つは基本的な欲求と言われ、人のほとんどの行動は、この4つの欲求を満たすためのものだそうです。
    そして、残りの2つの欲求は、高次元の欲求と言われているそうです。
    (5)成長したい欲求
    (6)他の人に貢献したい欲求
    これらの欲求と行動のつながりの例としては、認められたいと欲求と、仕事という行動がつながると、認められるために仕事をするということになるそうです。
    そして、人は欲求を満たしてくれるものが好きになるそうです。
    その例として、煙草が好きな人は、煙草を吸うことによって他の人からかっこいいと思われる(認められたい欲求)、他の喫煙者と仲良くなる(他者とつながりたい欲求)、気持ちが落ち着く(安心したい欲求)など、複数の欲求を満たしているからだそうです。
    ビジネスに関して言えば、成績のよい営業マンを表彰するということをすると、認められたい欲求を満たすことになるので、それをモチベーションにしてさらに営業に注力するようになるということです。
    ただし、認められたい欲求が少ない人もいるので、そのような方には、その人に合った欲求を満たすようにする必要があるということです。
    なお、問題行動のある従業員も、何かの欲求を満たそうとしているので、ネガティブな行動を改善することにも応用もできるということです。
    9 min
  • 第512回 ラポールの原則
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、ビジネスコーチの中城卓哉さんにお越しいただき、中城さんの新刊「すぐに役立つ!コーチングの基本と活用法」から、ラポールの原則についてお伺いしました。
    中城さんは、コーチングを習得しようとしている方に対しては、コーチとコーチを受ける方の間に、必ずラポールがある状態にしなければならないとお教えしているそうです。
    このラポールとは、「潜在意識の同調」のことで、言いかえれば、お互いが信頼関係がある、または、お互いが心を開いている状態であることを指すそうです。
    このような状態でないと、コーチを受けている人がコーチからの働きかけを受け入れられなくなってしまうそうです。
    では、どうすればラポールをつくれるようになるかというと、お互いに共通点を持つようにするとよいそうです。
    その例として、海外旅行に行った時に日本人と出会うと、知らない人同士でも仲良くなったりするようなことがあります。
    そして、上司と部下の間で共通点を持つようにするには、例えば、上司が部下の好きな音楽家に興味を示すようにすると、部下も上司に親しみを持つようになるそうです。
    さらに、現在は、単に職場の上下関係だけで指示を出しても、部下はなかなか指示通りに動いてくれない時代になってきているそうです。
    いわゆるパワハラやブラック企業というのは、信頼関係をつくらないまま上司が部下に指示を出していることも一因と考えられます。
    そこで、部下から「あの上司から頼まれたら断れない」と思われるような関係が大切になってきていると中城さんは考えているそうです。
    その信頼関係の構築のためには、ひとつの手法として、上司が部下を上手にほめるとよいということです。
    ただし、お世辞のようなほめ方は、部下にほかに何らかの目的があってほめていると気づかれてしまうので、注意が必要だそうです。そこで、真に部下の長所に気づくことができるような訓練をして、客観的にそれを評価することができるようになることが大切だそうです。
    また、そのような「相手を知る」ことができるようになると、部下それぞれの個性を把握できるようになるので、部下の適性の合った分野への配置転換を行い、効率的な事業活動ができるようにもなるということでした。
    11 min
  • 第511回 パッシブリスニングとアクティブリスニング
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、ビジネスコーチの中城卓哉さんにお越しいただき、中城さんの新刊「すぐに役立つ!コーチングの基本と活用法」から、上司が部下と上手にコミュニケーションを行う方法についてお伺いしました。
    中城さんによれば、コーチングの基本はまず相手の話を聴くことだそうです。
    とはいえ、5分間、黙って相手の話を聴くことができる人は少ないそうです。
    部下の指導というと、上司がどういう話をすればよいかということに焦点が行きがちですが、まず、部下が話しやすいように話を聴くことが大切ということでした。
    この話の聴き方には、いわゆる普通の聴き方であり、聴き手が受け身となって話を聴くパッシブリスニングと、聴き手が働きかけをするアクティブリスニングがあるそうです。
    アクティブリスニングは、聴き手から相槌の代わりに言葉を発したりして、会話の主体は話し手の内容のまま、その話が展開しやすいようにする話し方だそうです。
    アクティブリスニングの例として、バラエティ番組でゲストに話を促す、明石家さんまさんが挙げられるそうです。
    そして、中城さんによれば、パッシブリスニングとアクティブリスニングを上手に使っていただきたいということです。
    具体的には、相槌を打つことと、相手の言ったことをそのまま繰り返して話すということで、10分程度話を聴いていれば、大抵は部下の悩みなどは解決するということでした。
    つぎに、中城さんによれば、フィードバックの仕方について注意して欲しいということです。
    フィードバックは大切であるものの、多くの場合、部下の改善点の指摘が先行してしまい、部下は人格が否定されたように感じてしまいがちになるので、部下の優れたことも話すようにするとよいということです。
    ただし、部下の優れたことを見つけることは、多くの方が不得手でもあるようなので、普段から、部下の優れたところを見つけるような訓練もして欲しいということです。
    また、部下に対して積極的に報告することも大切だということです。
    日本では、報告は部下が上司にするものであって、上司が部下に行うものではないと思っている人多いようです。
    しかし、会社内ではコミュニケーションが大切であり、部下から上司への一方的なコミュニケーションだけでは効果が限定的になるので、まず、上司が部下に報告することで、上手な報告のお手本を見せることで、社内のコミュニケーションを活発にするとよいということでした。
    12 min
  • 第510回 ビジネスに活かすコーチング
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回は、ビジネスコーチの中城卓哉さんにお越しいただき、中城さんの新刊「すぐに役立つ!コーチングの基本と活用法」から、ビジネスでのコーチングの活用法についてお伺いしました。
    まず、中城さんがなぜ経営者向けのコーチングの本を書こうと思ったのかお尋ねしたところ、中城さんが約12年間、ビジネスコーチとして多くのビジネスパーソンのお話をきいてきたところ、コーチング業界では当然のこと考えられている手法が、ビジネスパーソンの方から見れば斬新的と受け止められることが多く、その内容をより多くの方に知っていただきたいと思ったことから、筆をとることにしたそうです。
    つぎに、中城さんがご著書の中で、上司は部下に対して100%味方でなければならないと述べておられることについてお伺いしたところ、これは、中城さんのコーチングを受けている方からきいたお話しで、それくらい上司は部下を大切に考えていないと、部下の能力を引き出すことができないという考え方で、中城さんご自身もこの考えに深く感銘したことから、ご著書で紹介することにしたそうです。
    そのつぎに、中城さんがコーチングに関する注意点について書いておられることについてお伺いしました。
    中城さんは、コーチングの方法も教えるお仕事をしているのですが、コーチングを習った方が、誤った方法でコーチングをしてしまい、その結果、期待する効果が得られず、「コーチングは現場では役に立たない」と批判をすることがあるそうです。
    そうなってしまうのは、コーチングの前提は、コーチをする側と、コーチを受ける側は、対等な立場であるということになっているにもかかわらず、上司が上司の立場のまま部下に対してコーチングをしてしまうからだそうです。
    もうひとつは、コーチングの目的は、コーチを受ける人の課題を達成することを支援することであるにもかかわらず、コーチをする側が、相手を自分の思い通りにしようとしてコーチングを行うことは、そもそも、目的が異なっており、そのような意図でコーチングをすることは間違っているということでした。
    そこで、中城さんは、50以上の事例が紹介されている中城さんのご著書の中から、読者の方の身近にある課題に近い事例を探してよく読んでいただき、それを実際に試していっていただきたいということです。
    11 min
  • 第509回 アイディアのつくり方
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回は、弁理士の新井信昭先生にお越しいただき、新井先生の新刊、「iPod特許侵害訴訟ーアップルから3.3億円を勝ち取った個人発明家」の中から、アイディアの出し方についてお伺いしました。
    新井さんによれば、アイディアに関し、米国の広告業界の実業家である、ジェームス・W・ヤングが、「アイディアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」という言葉を残しているそうです。
    新井さんもこの言葉は的確であると考えており、アイディアはまったく新しいものを作っているようで、実は、2つ以上の既存の要素の組み合わせになっているそうです。
    例えば、回転ずしは、元禄産業の創業者の白石義明氏が、ビール工場の製造に使われているベルトコンベアにヒントを得て開発したそうです。
    iPodに使われたジョグダイヤルも、齊藤さんが、携帯電話機のダイヤルと任天堂のゲーム機のコントローラーからヒントを得て発明したそうです。
    このように、2つの要素を組み合わせで、まったく新しいと思われる発明ができるのですが、それは、あり得ないと思えるような要素の組み合わせになるほど、より、斬新的になるそうです。
    とはいえ、単に2つの要素を組み合わせをするだけでは発明とはならないこともあるので、要素同士を埋め合わせる努力も必要になります。
    ただ、それは、まったく何もないところから発明をするよりははるかに容易だということです。
    そのためのヒントは、「特許情報」を見ると得ることができるそうです。
    また、「ジョブズは何も発明せずにすべてを生み出した」という書籍でも指摘されているように、アップル創業者のスティーブジョブスも同様の方法で自社製品を開発したと言われています。
    このように、発明とは、必ずしも、いわゆる「大発明」でなくてもすばらしいものもあるので、ちょっとした要素の組み合わせを検討して行くということを続けていくことで、日本でもさらに発明が活発に行われるようになり、ひいては、日本の産業の競争力を高めていくことに繋がるということでした。
    11 min
  • 第508回 専用実施権の活用
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回も、弁理士の新井信昭先生にお越しいただき、新井先生の新刊、「iPod特許侵害訴訟ーアップルから3.3億円を勝ち取った個人発明家」の中から、iPod特許侵害訴訟から学ぶべき点についてお伺いしました。
    新井さんによれば、斎藤さんのような、世にあっと言われるような独創的な発想をする発明家は、必ずしも、高い偏差値の難関大学を卒業した方とは限らず、あらゆる層に一定割合存在すると考えているそうです。
    しかしながら、齊藤さんも、いくつかの大企業にご自身の発明を使って欲しいと依頼しているにもかかわらず、ことごとく断られているそうです。
    しかし、すばらしい発明は、会社で雇用した優秀な人からだけでなく、社外にも存在するという前提で、大企業は個人発明家に接するべきだと新井さんは考えているそうです。
    そうすることで、個人発明家がライセンス料を受け取る機会が増えれば、個人発明家がさらによい発明のために努力をするので、それは、個人発明家と大企業の双方にとってメリットとなるということです。
    そこで、新井さんは、個人発明家と大企業をつなぐ方法はないかと考えているなか、専用実施権を活用する方法を思いついたそうです。
    その実例として、零細金型製造会社をご支援し、同社の特許について、大企業に専用実施権を設定し、同社に対して、金型販売代金とロイヤルティの両者を得られるようにしたことに成功したそうです。
    ちなみに、日本の特許裁判は、年間150件程度であり、中国の10,000件超、米国の4,000件超と比較して、とても少ないそうです。
    この要因は、日本においては、特許裁判で特許権者が勝てる割合は、20%程度と低く、かつ、損害賠償額が小さいからだそうです。
    裁判の件数が多いことが必ずしもよいとは限りませんが、特許権者がインセンティブを得るためには、もっと多くの裁判が起きてもよいのではないかと新井さんは考えているそうです。
    なお、前述の、専用実施権がもっと活用されれば、裁判を起こさずに特許権者の収入が得られやすくなるので、専用実施権を見直して欲しいと新井さんは考えているそうです。
    ただ、特許法に関する解説書の多くは、通常実施権の方が、専用実施権に比較してロイヤルティ収入が多いと記載しており、専門家の中にもそのような先入観を持つ人も多いので、注意して欲しいということです。
    12 min
  • 第507回 iPod特許侵害訴訟の問題点
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回は、弁理士の新井信昭先生にお越しいただき、新井先生の新刊、「iPod特許侵害訴訟ーアップルから3.3億円を勝ち取った個人発明家」の中から、新井先生が同書がレポートした斎藤さんの訴えを通して、裁判所は特許をあまり重んじていないのではと感じたことについてお伺いしました。
    新井さんによれば、斎藤さんの訴えによって、裁判所はアップルが斎藤さんの特許を侵害していることを認めたものの、その損害額の推定については、新井さんはあまり納得できるものではないと感じているそうです。
    特許法第102条では、斎藤さんが本来もらえるはずであった特許のロイヤルティを、損害額と推定すると規定されているそうです。
    その損害額は、売上額×比率(実施料率)で計算され、例えば、1,000円の製品のロイヤルティの比率を販売額の10%とすれば、100円となります。
    そして、この損害額を推定するために、特許法第105条で、書類を提出することが義務付けられています。
    ところが、アップルジャパンは、iPodの販売数は日本法人では分からないと主張したそうです。その代わり、アップルジャパンは日本でのiPodの販売額を推定できる資料を提出してきたと思われるそうです。
    さらに、裁判所は、それを公開することは、アップルジャパンにとって大きな損害を発生させることになる、すなわち、不正競争防止法の営業秘密に該当するとして、公開することを禁じたそうです。
    その結果、判決文では、損害額の算定根拠(販売額と比率)とは黒丸で塗りつぶされて公開されているそうです。
    これは、新井さんの推定ですが、この裁判は社会的に注目を浴びている裁判であるために、判決は批判を浴びる可能性が高くなるので、裁判官は損害額を明確にすることを恐れたのではないかと考えているそうです。
    しかし、新井さんは、判決の中でiPodの販売額や比率を明確にすることによって、他の特許についてもよい影響を与えるうえに、裁判官が大きな会社であるアップルになびいたとの勘繰りを払拭することにつながると考えており、そうしなかったこの判決は問題があると考えているそうです。
    13 min
  • 第506回 iPod特許侵害訴訟の概要
    この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
    今回は、弁理士の新井信昭先生にお越しいただき、新井先生の新刊、「iPod特許侵害訴訟ーアップルから3.3億円を勝ち取った個人発明家」の中から、iPod特許侵害訴訟の概要についてお伺いしました。
    新井さんによれば、アップル社に特許侵害訴訟を起こした斎藤さんは、大学卒業後、大手家電メーカー系列のソフトウェア会社に就職し、ソフトウェアエンジニアとして働いた後、独立して会社を起こしたそうです。
    しかし、事業に失敗し、多額の借金を抱え、家まで失ってしまうに至ったそうです。
    そこで、齊藤さんは、発明家になることにしたそうです。
    その後、齊藤さんは知人からiPodを見せられ、そのiPodに使われているクリックホイールは、齊藤さんの出願している発明に含まれているものに酷似していることに気づいたそうです。
    そこで、齊藤さんはアップルジャパンに電話し、iPodが斎藤さんの出願に抵触していると伝え、その後、同社代理人弁護士と斎藤さんが直接話し合う機会を持つことになったそうです。
    しかし、斎藤さんは、個人での交渉には限界があると感じ、弁護士の上山さんに協力を依頼することにしたそうです。
    そして、アップル社との交渉と、齊藤さんの発明の特許化を上山さんと進めることになったそうです。
    そして、その特許が成立したので、税関差止の手続きをしたそうです。
    そのような中、アップル社から齋藤さんへ、「債務不存在確認訴訟」、すなわちアップル社が斎藤さんの特許を侵害していないことを認めてもらうための裁判の訴状が届いたそうです。斎藤さんは、これに応訴し、齋藤さんとアップル社の交渉は裁判での争いに移ったそうです。
    裁判所は、斎藤さんに強く和解を薦めたそうですが、齋藤さんは和解を断り、その結果、東京地裁は斎藤さんに3.3億円の損害賠償を認める判決を出したそうです。
    その後、アップル社も斎藤さんも控訴しましたが、知的財産高等裁判所も東京地裁と同様の判決になり、さらに最高裁判所に上告されたものの、知的財産高等裁判所の判断が指示され、結果として斎藤さんは3.3億円を勝ち取る結果となったそうです。
    ちなみに、新井さんによれば、3.3億円を勝ち取るための裁判に、斎藤さんは約4千万円強の印紙税がかかったほか、弁護士報酬や税金を払うことになるので、まるまる3.3億円を手にすることはできていないそうです。
    しかも、裁判で勝つまでに約20年もかかっていることを考えると、3.3億円という金額は大きな金額ではあるものの、斎藤さんにとって、果たして満足のいく金額であるか疑問が残るということです。
    ところで、アップル社は、なぜ、齊藤さんに特許権使用料を払おうとしなかったのかお伺いしたところ、新井さんは、次のように想像しているということでした。
    すなわち、アップル社は常に斬新的な製品を世に送り出しているという方針で製品を作っているので、すでに発明されている特許に基づく製品を作るということは認められなかったのではないかということです。
    11 min

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