
Sign up to save your podcasts
Or


Mazda Y. Labor neuraxial analgesia and clinical outcomes. J Anesth. 2022; 36: 443–5.
🧠 背景
脊髄幹麻酔(LNA)は分娩時の痛みを和らげる標準的手法として広く普及しているが、母体・胎児・新生児への影響に関する懸念も根強い。特に帝王切開率や産後出血、さらには自閉スペクトラム症(ASD)との関連が議論されてきた。
🔬 方法
本稿は、LNAと臨床アウトカムに関する近年のエビデンスと議論を概観したエディトリアル。産科的、母体的、胎児的、新生児的な4領域の視点から分析されている。
📊 結果
LNAによる帝王切開率や産後出血リスクの増加は、薬剤濃度や投与法の工夫により解消されつつある。LNAとASDの関連を示す研究もあるが、遺伝的要因を含まない解析に限界があり、反論研究も存在する。
💡 考察
LNAは安全かつ有効な分娩鎮痛法として確立されつつあるが、長期的影響を含む因果関係の解明には今後も多面的かつ精密な研究が必要。産後うつや母乳育児成功率への好影響も注目される。
✅ まとめ
LNAは現代の産科医療において不可欠な選択肢であり、その利点とリスクを科学的に評価しながら、母子にとって最善のケアを模索する姿勢が求められる。
Kane AD, Soar J, Armstrong RA, et al. The use of invasive arterial blood pressure monitoring in routine anaesthesia practice: an analysis from the NAP7 project. Anaesthesia. 2025 in press.
🧠 背景
英国では動脈ラインの使用が麻酔科医の裁量に委ねられており、高リスク患者への使用に一貫性がない可能性が指摘されている。特に高齢者やフレイル患者への適切なモニタリングが課題となっている。
🔬 方法
第7回英国全国麻酔監査(NAP7)の非産科手術2万例を対象に、動脈ラインの使用実態を解析。年齢、ASA分類、手術種別、Surgical Outcome Risk Tool(SORT)によるリスク別に使用率を比較した。
📊 結果
全体の10%に動脈ラインが使用。使用率は新生児で高く(22%)、高齢者では低かった(85歳以上で13%)。心臓外科では85%と高率だったが、整形外科外傷では5%と著しく低かった。SORTスコア高リスク群でも、診療科間で使用率にばらつきがみられた。
💡 考察
特に整形外科外傷や高齢者フレイル群において、動脈ラインの使用が少ないことが問題視された。現行の方針ではルーチン使用を推奨していないが、今後の研究で長期的な有用性や患者アウトカムの改善が検討される予定。
✅ まとめ
NAP7の解析により、動脈ラインの使用には年齢や診療科による不均一性があることが明らかになった。高リスク高齢者への適切なモニタリングの重要性が浮き彫りとなり、今後の臨床指針や研究に影響を与える可能性がある。
レミフェンタニルの使いどころ
・産痛緩和を希望して、脊髄幹麻酔が禁忌の場合
・中期中絶でレミフェンタニルを使う意味はない
→ この場合は、フェンタニルPCIAが好ましい
・適用外使用なので、倫理審査等は必須
# 具体的なポイント
・低濃度レミフェンタニル 20μ/mL
(レミフェンタニル1V/2mgを生食100mLに希釈)
・妊婦さんに一番近い三活に接続する
・低用量持続+ボーラスが安全かつ有用
0.025-0.05 μg/kg/mim + 0.25 μg/kg LO 3分
最大設定体重は80kg
または、40 μgボーラス LO 2分
・1対1の助産師は必須
# 麻酔管理Q&A
・どのくらい効果がある?
NRSで言えば、3-5/10くらい
満足度は高い
・どんなモニタリングする?
呼吸数モニタリング
カプノグラフィ
・臨床のピットフォール
点滴を自然滴下させない
分娩中にも患者教育を忘れない
・本当に必要なのか?
Better than nothing
脊髄幹麻酔禁忌の妊婦には福音となる
脊髄幹産痛緩和以外を学ぶ機会になる
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24149580/
Foo I, Macfarlane AJR, Srivastava D, et al. The use of intravenous lidocaine for postoperative pain and recovery: international consensus statement on efficacy and safety. Anaesthesia.2021;76:238–250.
🧠 背景
リドカイン静注は術後疼痛管理に広く使用されているが、その効果と安全性に関する国際的なコンセンサスはこれまで存在しなかった。本研究は、術後回復と疼痛管理におけるリドカイン静注の有効性と安全性について初めての国際コンセンサスを提示することを目的としている。
🔬 方法
英国の麻酔学会の安全委員会による死亡事例報告を契機に、多職種専門家が集まり、過去のシステマティックレビューやメタアナリシス(計68件のRCT)を分析。リドカイン静注の効果、リスク、およびライセンス外使用について検討した。
📊 結果
・術後0–4時間における疼痛スコアはわずかに改善(SMD: -0.50)
・術後24時間以降では有意な疼痛軽減効果なし
・オピオイド使用量は平均4.5mg減少(モルヒネ換算)
・腸閉塞発生率(RR: 0.37)と悪心発生率(RR: 0.78)はいずれも有意に低下
・副作用は軽度(例:めまい、金属味、傾眠など)が6.8%に発生
・致死的副作用は稀だが、過量投与や管理ミスが原因で発生しうる
🤔 考察
リドカイン静注は特定の患者において多剤併用による疼痛管理の一環として有益な可能性がある。ただし、全ての外科手術や患者に対して一律に推奨できるだけの強固なエビデンスはなく、効果は限定的である。使用に際しては、個別評価、インフォームド・コンセント、理想体重による投与量設定、厳格なモニタリングが必須である。
✅ まとめ
リドカイン静注は、術後早期の回復や一部の副作用軽減に一定の効果を示すが、安全性管理が極めて重要であり、術式・患者背景ごとに慎重な適応判断が求められる。現時点では「ハイリスク薬」として扱われるべきであり、標準化された手順に基づいた運用が推奨される。
Charles EA, Carter H, Stanford S, et al. Intraoperative pain during cesarean delivery under neuraxial anesthesia: A systematic review and meta-analysis. Anesthesiology. 2025.
🧠 背景
帝王切開における脊髄幹麻酔(neuraxial anesthesia)は、全身麻酔と比べて母体と新生児に有利とされ、標準的な麻酔方法とされている。しかし、術中の痛みの実態については過小評価されている可能性があり、患者報告に基づいた正確な把握が求められている。
🔬 方法
6つのデータベースを用いて、帝王切開中の術中疼痛に関する文献の系統的レビューとメタアナリシスを実施。34件の研究(無作為化21件、非無作為化13件)を対象とし、痛みの発生率と麻酔法ごとの違いを評価した。
📊 結果
・術中疼痛の報告率(プール解析):17%(95% CI: 13–22%)
・麻酔法別の疼痛発生率:
- 脊髄くも膜下麻酔(spinal):14%(95% CI: 10–20%)
- 硬膜外麻酔(epidural top-up):33%(95% CI: 17–54%)
- CSE:18%(95% CI: 10–30%)
・全身麻酔への移行率:1%
・予定帝王切開における疼痛率:20%
🤔 考察
術中疼痛の経験は、心理的外傷や医療訴訟の原因にもなり得る「非常に一般的な有害事象」(10%以上)であり、事前のインフォームド・コンセントにおいて説明すべき重要な情報である。また、麻酔方法によって疼痛のリスクが異なるため、個別の状況に応じた選択と準備が重要である。
✅ まとめ
本研究は、帝王切開中の術中疼痛が予想以上に多く発生していることを明らかにし、患者中心のケアと適切なインフォームド・コンセントの重要性を示している。今後は多施設での前向き研究や、術後の心理的影響に関する検討が求められる。
Mazda Y, Jadin S, Khan JS. Postoperative Pain Management. Can J Gen Intern Med. 2021;16(SP1):5–13.
🧠 背景
術後の痛みは手術を受ける患者の主要な関心事であり、88%以上が中等度から重度の急性痛を経験する。痛みの適切な管理が行われない場合、機能回復の遅延や慢性術後疼痛(CPSP)のリスクが高まる。近年のオピオイド乱用問題を受け、非オピオイドを含む多面的な鎮痛戦略の重要性が高まっている。
🔬 方法
本論文は、急性術後痛の生理学的メカニズム、評価方法、薬理学的および介入的治療法についての包括的なレビューであり、専門的なガイドラインとエビデンスを基にした臨床的推奨を提示している。
📊 結果
・痛みの動因は術部の損傷によるAδおよびC線維の刺激
・痛みによる心拍数や血圧上昇、呼吸・消化・免疫機能への悪影響
・効果的な鎮痛には、アセトアミノフェン、NSAIDs、ケタミン、リドカインなどの多剤併用(マルチモーダル)が推奨される
・術後のオピオイド使用には慎重な処方が必要で、多くの患者が実際には処方された量の27%しか使用していない
💡 考察
マルチモーダル鎮痛法を通じて、疼痛コントロールとオピオイドの副作用リスクをバランスよく管理することが重要である。また、慢性疼痛患者やオピオイド使用者への個別対応が、長期的な転帰改善につながる可能性がある。
📌 まとめ
術後疼痛管理は多職種の連携による包括的アプローチが求められ、マルチモーダル戦略を中心に据えることで、患者の満足度向上と慢性化予防に貢献する。
From the publisher's feed